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11/17 09:00
【動画 3分チャート塾】シーズンⅡ:第5回 そもそもクロスはなぜ起きる?
「動画 3分チャート塾」は、株価チャートの見方を学びたい初心者から中級者の方向けの動画シリーズです。 今回は、クロスが起きる理由について説明しています。 シーズン I:意外と知らないローソク足(全8回)ローソク足の基本の読み方や中長期的な相場の捉え方などについてわかりやすく解説していきます。シーズンII:相場の見方の強い味方、移動平均線(全9回)移動平均線の基礎や活用法についてわかりやすく解説していきます。シーズンIII:上値、下値のメドを探ろう(全10回)上値、下値メドの探り方についてわかりやすく解説していきます。シーズンIV:相場の過熱感を測るには?(全9回)オシレーター系指標についてわかりやすく解説していきます。シーズンV:トレンドラインを引いてみよう(全9回)トレンドラインについてわかりやすく解説していきます。 ご投資にあたっての注意点
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11/16 16:00
需給に着目した食の地理的貿易構造変化のシナリオ
執筆:野村證券株式会社フード&アグリビジネスビジネス・コンサルティング部 担当部長兼コンサルティング・グループリーダー 益田 勝也(2024年11月8日作成) 1.豊かな食生活を求めて成長してきた食のグローバル取引 21世紀に入り、食のグローバル取引は急速に拡大してきた。食品分野における世界各国の輸出入の総額(以下、世界貿易額という)は、2000年に約9,000億米ドルだったのが2021年には約3.8兆米ドルと約20年間でおよそ4倍に拡大している。これは単純にその間の世界の人口が約1.3倍に増えた、つまり食料需要の量が増えただけでは説明できない高い伸びである(図表1左図)。 食品の消費額は、生活が豊かになるに従って伸びると言われている。食品の世界貿易額と一人当たりGDPとの関係をみると、ほぼ同じ曲線を描くことが分かる(図表1右図)。特に2000年から2010年にかけての10年間は、世界平均の一人当たりGDPが5,000米ドルから1万米ドルに倍増し、平均的な世界の消費者が食に豊かさを求める段階に突入した時代であった。この食の多様化需要を国内だけでは満たせない各国が、国外からの輸入に求めてきた状況が伺える。 図表1 左図:食品分野の世界貿易額(赤線)と世界人口(青線)との関係、右図:世界貿易額(赤線)と一人当たりGDP(青線)との関係 (出所)World Integrated Trade Solution(Value of Import and Export)、World bank(Population, GDP per capita)より、野村證券フード&アグリビジネス・コンサルティング部作成 地理的にみると、20世紀までは、米国や西欧などの先進国がハブになって、比較的近い地域と貿易する構造に限られていた。しかし21世紀に入ると世界の貿易は活発化し、米国は中南米に加えてアジア・太平洋地域の主要国と、西欧は東欧や南欧に加えて中南米やアジアとの貿易も増やしてきた(図表2)。 このように長距離の貿易が伸びた背景には幾つかの要因が考えられる。需要面では、世界の経済成長に伴い、輸入国が先進国からBRICsや東欧など中進国を主体とする世界全体に広がり、多極化した。輸出は食品の大量供給国に限られるため、その地理的ギャップから長距離輸送が必要になった。供給面では、食品以外を含む貿易量全体の拡大により国際物流ルートがグローバル船社によって様々な国で開発され、中小の国々でも貿易しやすくなったことがある。加えて新しい長期保冷技術の開発や、素早く届けられる航空貨物ネットワークの拡大が供給力を拡大させた。さらに政策面ではTPPやRCEPなど関税障壁撤廃に向けた動きが取られたことが背景となり、長距離の国の間での貿易を拡大させていった。 図表2 農産物の主な輸入国と輸出国(左図:1995-96年、右図:2012-13年) (出所)ジャンーポール・シャルヴェ「地図とデータで見る農業の世界ハンドブック」 2.今後の貿易動向を左右する視点 需要面をみる限り、今後も世界の食品貿易が拡大するトレンド全体は変わらないと筆者は考える。2030年までに世界の人口の50%以上が中間層となり、中間層の40%弱が中国とインドになると予測されている(図表3)。その結果、貿易量は増えるが、食料需要の内訳は変わっていく。これまでの貿易の主体は小麦や米などの炭水化物であったが、中間層の好む肉や魚、果物など生活に豊かさをもたらす食品の消費、貿易が増えていく。保冷技術はさらに進み、これまでは難しかった新鮮な野菜等の長距離輸送も増える可能性がある。 一方で、供給面では以下の制約条件が働く。 図表3 2030年までの世界の中間層人口の推移予測(左図)、及び中間層の総消費額(兆USD)とその全世界構成比(右図) (出所)Homi Kharas “THE UNPRECEDENTED EXPANSION OF THE GLOBAL MIDDLE CLASS AN UPDATE” (2017, Brooking) 第一の制約条件となるのは気候変動である。主にブラジルなどの中南米やアフリカ、東南アジアなど赤道から南北回帰線までの国での農業生産力が低下する一方で、ロシアやカナダ、ウクライナなど北緯の高い国で生産力が高まる(図表4)。その結果、新たな南北問題を生み、生産力が低下するそれらの国は国内需要を満たすため、食品の輸出を抑制する政策的動きが出てくる可能性が高い。しかしそれら供給制約が高まる国でも食に対する需要は高まるため、輸入を増やしていくだろう。 図表4 気候変動による穀物生産力の向上/下落地域の予測(2050年まで) (「緑」は生産力の5%以上増加、「オレンジ」は生産力の5%以上減少が見込まれる地域) (出所)National Geographic “https://www.nationalgeographic.com/climate-change/how-to-live-with-it/crops.html” 第二の制約条件は国際政治の緊張である。2010年代まではTPP等の関税障壁撤廃政が国際的にも進み、貿易の拡大を進めていたが、2020年代に入り国際緊張が高まるにつれ、政治的に関係が悪化したり対立する国の間での貿易が制限され、他国からの調達に切り替える動きが出てきている。中国と米国・アジア、EUとロシア、中東内部などで緊張関係が続く間は、常時必要な食品の輸出入先を他国へスイッチする可能性が高まる。次節では、上記の視点から主な輸出入国の動向を見ていく。 3.主要国の輸出入を取り巻く動きと今後の展開 本節では、農地が広大で近年輸出が拡大しているロシアとオーストラリア、食の輸入大国である中国、そして輸出大国である米国の四ヵ国について、輸出入の動向を詳しく見てみよう。 (1)ロシア ロシアは長い間食料の純輸入国であったが、2020年に純輸出国に転じた(図表5)。その典型的な分野が穀物であり、生産力を強化した結果、2011年に約6,000万トンであった小麦の生産量は2022年には1.5億トンまで伸びた。その結果、小麦の輸出量は直近年間5,000万トンまで拡大している。人口や中間層など国内需要の伸びが期待できない中、広大な農地を活かした外貨獲得を食品の海外輸出に求めている。 図表5 ロシアの食品の輸入及び輸出金額の推移(2011-2021年、単位:百万米ドル) (出所)World Integrated Trade Solution(以下、WITS)より、野村證券フード&アグリビジネス・コンサルティング部作成 図表6 ロシアの主な地域別輸出金額の推移(2011-2021年:単位百万米ドル) (出所)WITSより、野村證券フード&アグリビジネス・コンサルティング部作成 輸出地域をみると、トルコやイラン等の中東が最も多く、次いで中国・韓国をメインとする東アジア、カザフスタンやアゼルバイジャン等の中央アジア・コーカサス地域と続き、隣接するユーラシアの国々を広く対象としている(図表6)。エジプトやアルジェリアなどをメインとしたアフリカ諸国に対しては、2018年までは政治的覇権を強めたい国として輸出を伸ばしており、例えば小麦は約7割をアフリカ諸国に輸出していた。しかしアフリカへの輸出は近年減っており、直近では中東や中央アジア諸国での輸出を大きく伸ばしている。その背景には、ウクライナとの戦争で外貨を稼ぐ必要がある中で、より高値で買ってくれる所得の高い国や、軍事品の調達及び資源外交で友好な関係が築ける中東等の近隣国にシフトしたと考えられる。気候変動の影響を受け難いロシアは今後も戦略物資としての食品輸出を拡大していくが、その国は友好国に限られていくだろう。 (2)オーストラリア オーストラリアはCovid-19の影響で、2021年以降に食品輸出が大きく伸びた国の一つである。オーストラリアは人口が2,500万人と少ない一方で、広大な国土を活かした生産力は高く、これまでも食品産業は輸出で外貨を稼ぐ一翼を担ってきた。2022/23年度におけるオーストラリアの農産物の生産額は約930億米ドル、食品輸出額は約800億米ドルに達し、ともに過去最高額を記録した。主な輸出品目は小麦、油用種子等のバルク品に加えて、牛肉を中心とした肉製品、牛乳などの乳製品、青果、鮮魚などの消費者向け商品も輸出品の約半数を占めている(図表7)。 図表7 オーストラリアの食品の主要品目別輸出金額の推移(2007/08-2023/24年、単位:百万米ドル) (出所)WITSより、野村證券フード&アグリビジネス・コンサルティング部作成 小麦は主に中国、インドネシア、フィリピンに輸出しており、アジアの食料需要の伸びをオーストラリアが補完してきた。2016年以降にオーストラリアから小麦輸出が伸びている国をみると、中国や日本、東南アジア、南西アジアのアジアに限定される(図表8)。食品全体でみると中国や韓国、インドネシアへの輸出は2010年代前半から、ベトナムへの輸出は2020年以降に伸びている(図表9)。アジアの経済成長に即した需要増加に合わせ、近隣で貿易体制が築けている国への輸出を増やしている。温暖化の影響は大きくなく、アジア・太平洋地域での貿易自由化の動きの中で、将来的にも中国及びアジアへの輸出元となる国としての地位を高めていくものと思われる。 図表8 オーストラリアの小麦輸出量の増加国(2016-2022年) (グレーは減少、緑は増加、黄色はほぼ横ばい) (出所)OEC.worldより、野村證券フード&アグリビジネス・コンサルティング部作成 図表9 食品の主要国別輸出金額の推移(2003/04-2022/23年、単位:十億豪ドル) (出所)Australian Bureau of Agricultural and Resource Economics and Sciences(ABARES), Snapshot of Australian Agriculture 2024 (3)中国 食品に関する2021年の貿易収支をみると、輸出額が約760億米ドルであるのに対し、輸入額は輸出額の約3倍の2,050億米ドルと大きく(図表10)、既に中国は世界最大の食品の純輸入国となっている。輸入が輸出を逆転したのは2009年であり、2013年までは小麦やとうもろこし、大豆などの穀物が輸入増加を牽引していたが、2010年代後半になると豚肉、牛肉、乳製品や果実などの消費者向け食品が大きく輸入を伸ばしている(図表11)。 図表10 中国の食品の輸入/輸出金額の推移(単位:百万米ドル) (出所)WITSより、野村證券フード&アグリビジネス・コンサルティング部作成 図表11 中国の食品輸入額の内訳(カテゴリ別:上図、消費者向け食品の内訳:下図) (注)Bulk:穀物、大豆、とうもろこしなど、Intermediate:パーム油、オイル、Consumer oriented (goods):消費者向け食品(出所)USDA 「International Agricultural Trade Report」(2020年9月) 所得の上昇に伴い、贅沢な食を求める消費者需要は年々高まっている。例えば豚肉の輸入元となる国は欧州や米州がメインであり、近年も伸びている。また、米国からの輸入品目をみても、近年伸びているのはとうもろこしに加えて、牛肉や鶏肉である(図表12)。 図表12 米国から中国への主要品目の輸出金額の推移(2016-2023年) (出所)U.S. Census trade dataより、野村證券フード&アグリビジネス・コンサルティング部作成 中国の食品輸入元となる国は、ブラジルと米国で約4割を占めるものの、カナダやアルゼンチンなど米州の国、オーストラリアやニュージーランドの豪州、タイやインドネシアなどの東南アジア、ロシアやウクライナ、欧州からも輸入しており、世界に分散している(図表13)。今後の中国は、人口は増加から減少に転じる一方で、生活水準の向上要求は今後も続き、肉や魚の輸入需要をより高めるであろう。その際、ブラジルや東南アジア等からの輸入は気候変動と当該国の国内需要の高まりで輸出を増やせないことから、カナダや豪州とともに、これまで少なかった欧州やロシアからの輸入を増やす輸入元となる国の多国化戦略を取ると思われる。さらに、ドナルド・トランプ大統領の返咲きによって貿易戦争が再燃すれば、二番目に多い米国からの輸入は縮小し、多くの国からの調達傾向はさらに強まるであろう。 図表13 中国の食品輸入の上位国(2021年) (出所)WITSより、野村證券フード&アグリビジネス・コンサルティング部作成 (4)米国 米国の食品輸出額は、2005年の600億ドルから2022年には約1,800億ドルと約3倍にまで拡大し、世界の食品輸出大国となった。輸出先となる国を地域別にみると、アジアが750億ドルと最も多く、中南米が460億ドル、北米が310億ドルと続いている。それぞれの地域で輸出額を伸ばしているが、近年では人口や所得が伸びているアジアへの伸びが著しい(図表14)。 品目別でみると、大豆とトウモロコシがそれぞれ一位、二位となっているが、三位にナッツ、四位に豚肉と関連商品、五位に牛乳等の日常品、六位に牛肉と関連商品が入っており、近年それらは輸出額を伸ばしている。輸出先の所得水準の向上により、穀物から消費財向けに輸出の主体品目を変化させている(図表15)。 図表14 米国の食品輸出額の地域別内訳の推移(単位:十億米ドル) (出所)U.S. Census trade dataより、野村證券フード&アグリビジネス・コンサルティング部作成 図表15 米国の食品輸出額の主な品目、品目別輸出額の推移 (出所): U.S. Census Bureau Trade Data、USDA” United States Agricultural Export Yearbook” より、野村證券フード&アグリビジネス・コンサルティング部作成 日常品や加工品、青果などの生鮮品については、北米や中南米など鮮度が保てる近隣国への輸出を伸ばしており、特に気候変動で供給力が伸び悩む中南米への輸出は、今後も増えていくものと思われる。 中国への輸出をみると2005年頃から増え始め、今では全世界への輸出額に占める中国の割合が20%近くに達しており、米国にとってブラジルと肩を並べる最大の輸出先国となっている(図表16)。2018~2019年米中貿易戦争の時期は、大豆、トウモロコシ、グレイン・ソルガム等が追加関税の対象になったため大きく輸出額を減らしたが、2020年以降急回復し、それまで以上の輸出額となっている。このように中国が最大の輸出先国となっている現状において、ドナルド・トランプ大統領が政権を取り、米中貿易戦争を再燃させる可能性が高い。ただしそれは当政権が続く期間の一時的な影響に留まり、中国の食品需要の成長に呼応した輸出増加の傾向は、長期的には変わらないと思われる。 図表16 米国の中国向け食品輸出の推移 (左軸:金額:十億米ドル、右軸:総輸出額に占める中国への輸出の割合:%)(出所)U.S. Census trade dataより、野村證券フード&アグリビジネス・コンサルティング部作成 4.将来シナリオ(まとめ) 以上の分析より、グローバルな食の貿易構造は、以下のように変化すると想定する。 先ず需要面から見てみよう。一人当たりGDPはこれまでと同様のペースで、2029年までに世界の平均値は約16,000米ドルまで向上する。その中で、中進国が増える地域として有望なのは、東南アジア、中央アジア・コーカサス、中東、北アフリカ、南米などである(図表17)。2029年に北アフリカは5,000米ドル台、東南アジアは8,000 米ドル台、中央アジア・コーカサスや南米は10,000米ドル台に、一人当たりGDPの平均値が達する見通しで、これらの地域は一定量以上の人口増加も期待できる。中東は既に10,000米ドルを超えているがさらに16,000米ドルに達し、人口増加も進む。 中国とインドは10億人を超える人口で中間層が増えていくことが量として魅力的であり、世界の食の需要大国となる。但し、中国は人口減少時代に入ること、及びインドは2029年で一人当たりGDPが未だ4,000米ドル台に留まり肉や魚などの食品需要は一部の高所得者層に限られることを、それぞれ差し引いて考える必要がある。ブラジルも既に10,000米ドルを超えている魅力的な市場であるが、大きな人口増加が期待できない点を考慮した方が良い。ロシアも成長鈍化が濃厚であり、BRICs以外の中進国がこれからの輸入増加の牽引国になっていくであろう。 図表17 一人当たりGDPの推移と将来予測値、伸び率、人口の増加量(地域別及び主要国) (出所)IMFより、野村證券フード&アグリビジネス・コンサルティング部作成 次いで供給面に関しては、気候変動の影響で南北回帰線に挟まれる国での食品供給力は落ち、相対的に北米、豪州、ロシア、東欧等緯度の高い国からの食品輸出力が高まるだろう。とりわけ東南アジアやブラジル、インドなどでは自国の需要増に対応するために輸出力は低下していくことが考えられ、緯度の高い国の輸出競争力は相対的に高くなっていくと思われる。 三大供給地を個別に見ていくと、ロシアやウクライナは中国、インド、中東、CIS諸国、アフリカ等の近隣国への輸出を増やすだろう。豪州は中国や東南アジア、インドなど環太平洋地域への供給を増やす。米国は中南米やカナダなど米州での輸出を増やすと思われる。特に今後は穀物より生鮮品の輸出が増えるため、鮮度が保てる短距離国間の貿易が活発になる。その傾向は、上記の三大供給地の輸出傾向にも合致する。 以上を総括すると、世界の主要な食の貿易構造は、図表18のように変化するシナリオが考えられる。 図表18 食の貿易構造の変貌シナリオ(仮説) (出所)野村證券フード&アグリビジネス・コンサルティング部作成 5.おわりに 長期的にみて世界の食品需給が逼迫していくことは否めない。その中で需要が増える中進国が、東アジアから中東にかけてのユーラシア大陸の地域に集まっていることは、興味深い事実である。このエリアへの輸出を増やすビジネスに商機があることはもちろん、このエリアでの食品供給力を高める人工的な生産環境下での農業・畜産業・酪農業・水産業の事業機会も大きい。但し、このエリアは宗教や歴史の違いにより食文化が国毎に異なるため、伸びる食品も国毎に異なるであろう。 本レポートではマクロの動向から大胆に仮説を示したが、今後は需要面の定量的な予測や、注目される地域における精緻な分析を加えていくなかで仮説を検証し、より精緻な仮説にしていきたいと考えている。 ディスクレイマー 本資料は、ご参考のために野村證券株式会社が独自に作成したものです。本資料に関する事項について貴社が意思決定を行う場合には、事前に貴社の弁護士、会計士、税理士等にご確認いただきますようお願い申し上げます。本資料は、新聞その他の情報メディアによる報道、民間調査機関等による各種刊行物、インターネットホームページ、有価証券報告書及びプレスリリース等の情報に基づいて作成しておりますが、野村證券株式会社はそれらの情報を、独自の検証を行うことなく、そのまま利用しており、その正確性及び完全性に関して責任を負うものではありません。また、本資料のいかなる部分も一切の権利は野村證券株式会社に属しており、電子的または機械的な方法を問わず、いかなる目的であれ、無断で複製または転送等を行わないようお願い致します。 当社で取り扱う商品等へのご投資には、各商品等に所定の手数料等(国内株式取引の場合は約定代金に対して最大1.43%(税込み)(20万円以下の場合は、2,860円(税込み))の売買手数料、投資信託の場合は銘柄ごとに設定された購入時手数料(換金時手数料)および運用管理費用(信託報酬)等の諸経費、等)をご負担いただく場合があります。また、各商品等には価格の変動等による損失が生じるおそれがあります。商品ごとに手数料等およびリスクは異なりますので、当該商品等の契約締結前交付書面、上場有価証券等書面、目論見書、等をよくお読みください。 国内株式(国内REIT、国内ETF、国内ETN、国内インフラファンドを含む)の売買取引には、約定代金に対し最大1.43%(税込み)(20万円以下の場合は、2,860円(税込み))の売買手数料をいただきます。国内株式を相対取引(募集等を含む)によりご購入いただく場合は、購入対価のみお支払いいただきます。ただし、相対取引による売買においても、お客様との合意に基づき、別途手数料をいただくことがあります。国内株式は株価の変動により損失が生じるおそれがあります。 外国株式の売買取引には、売買金額(現地約定金額に現地手数料と税金等を買いの場合には加え、売りの場合には差し引いた額)に対し最大1.045%(税込み)(売買代金が75万円以下の場合は最大7,810円(税込み))の国内売買手数料をいただきます。外国の金融商品市場での現地手数料や税金等は国や地域により異なります。外国株式を相対取引(募集等を含む)によりご購入いただく場合は、購入対価のみお支払いいただきます。ただし、相対取引による売買においても、お客様との合意に基づき、別途手数料をいただくことがあります。外国株式は株価の変動および為替相場の変動等により損失が生じるおそれがあります。 野村證券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商) 第142号 加入協会/日本証券業協会、一般社団法人 日本投資顧問業協会、一般社団法人 金融先物取引業協会、一般社団法人 第二種金融商品取引業協会
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11/16 12:00
【注目トピック】日本株決算レビュー、踊り場から再加速の可能性を探る
※画像はイメージです。 日本:2024年7-9月期決算レビュー 2024年7-9月期の方向性がほぼ定まる 2024年7-9月期決算がほぼ固まりました。ラッセル野村Large Cap(除く金融)では、売上高が前年同期比+3.8%、営業利益は同+7.0%となった模様です。事前のコンセンサス予想である、売上高で同+3.6%、営業利益で同+3.2%をいずれも上回って着地しました。 7-9月期は生産活動が踊り場であったことに加え、為替も円高気味で推移したことから、増収率は前四半期より低下しました。ただ、前年度より引き続き、コスト増を自らの製品・サービス価格に転嫁する動きは続いており、増収率に比べて比較的高い営業増益率を確保することができました。 ただ、経常利益は同-9.2%と減益となりました。ラッセル野村Large Cap(除く金融)の経常利益が減益となるのは、2022年10-12月期以来となります。 ※(アプリでご覧の方)2本の指で画面に触れながら広げていくと、画面が拡大表示されます。 (注1)ラッセル野村Large Cap(除く金融)の四半期・増収率および営業増益率、経常増益率の推移。(注2)2024年4-6月期までは実績値、2024年7-9月期は、2024年11月12日までに決算発表を終えた企業を対象にしている。(注3)2022年7-9月期以降はソフトバンクグループを集計から除外している。2024年1-3月期以降はさらに公益セクターに属する企業を除外している。(出所)QUICKなどより野村證券投資情報部作成 業績は製造業中心に踊り場感が 業種レベルでは、2024年7-9月期は決算シーズン入り前には(下図、上)、①中国のデフレ輸出の影響から素材業種で減益となるものの、②生成AIやスマホの回復などから機械や電機・精密が業績をけん引する。③コスト増の影響が大きい内需・サービス業種はやや苦しい、展開が見込まれていました。 実際には、①素材業種では中国のデフレ輸出の影響は意外に軽微であったものの、②自動車が型式認証不正や米国でのインセンティブ増加の影響などから大幅な減益要因となりました。一方、③内需・サービス業種では想定以上に価格転嫁が順調に進んだ結果、薄く広く全体の営業増益に寄与しました(下図、下)。 2023年年央以降、我が国の業績のモメンタムは、製造業/非製造業問わずほぼ全業種で強く、業績のけん引役が一部業種に限られる欧米とは一線を画してきました。ただ、今回の決算では、主力製造業の業況観に格差が生じているとも見えることから今後の展開が気になるところです。 (注)ラッセル野村Large Cap(除く金融)の2024年7-9月期営業利益の業種別増減益寄与額。上段は、2024年9月末時点の市場コンセンサス予想で、コンセンサス予想が存在している企業のみ集計している。下段は、実績値で、2024年11月12日までに決算発表を終えた企業を集計している。数値はいずれも、実際の営業利益およびその増減額を、ラッセル野村Large Cap(除く金融)の前年同期営業利益総額を100として指数化している。(出所)野村證券投資情報部作成 製造業の今後の業績の方向性は? 製造業の2024年7-9月期が不本意な結果となった理由としては、製造業の業績に影響が大きい、為替と生産がともに業績ドライバーとして機能しなかったことに尽きるでしょう。7-9月期は、米ドル円レートが前年同期に対して1.5円/米ドル程度円高(期中平均)、鉱工業生産は前年同期比-1.3%となりました。 ただ、生産活動については今後2024年度下期以降、急速に回復感を強めてゆくことが予想されており、今回の決算を契機に製造業が業績のけん引役から滑り落ちる公算は小さいと考えられます。 (注1)ラッセル野村Large Cap(除く金融)の営業増益率の四半期の推移。2024年4-6月期までは実績値、2024年7-9月期は、2024年11月12日までに決算発表を終えた企業を対象にしている。2024年10-12月期以降はマクロ前提による試算値で、為替は145円/米ドル、鉱工業生産は2024年10月9日時点の野村證券経済調査部による予想、その他の要因は考慮していない。(注2)積み上げグラフは、営業増益率を、生産要因、為替要因、その他(残差)に分解したもの。1%の生産増加で4%、1円/米ドルの円安で0.4%弱、営業利益が増加すると仮定している。その他(残差)には、マージンの改善、イレギュラーなコストの発生に伴う利益変動、などの要因が含まれる。(出所)野村證券投資情報部作成 なぜ経常減益となった? 2024年7-9月期は、ラッセル野村Large Cap(除く金融)で営業外収支が前年同期の+1.3兆円から、-0.7兆円へと悪化し、経常減益となりました。営業外収支悪化の主な要因は以下のとおりです。 【円高】‥米ドル円レート(期末値)が、前四半期比で19円/米ドル、前年同期比で6円/米ドル円高が進んだため、海外での取引や資産の比率が高い、自動車など主力製造業で為替にかかわる多額の評価損・差損が発生しました。小売りや、ソフトウエア、住宅・不動産でも海外での事業ウエイトが高い企業で同様の傾向が見られました。 【燃料費調整】‥公益産業で燃料費等調整制度の期ずれにより営業外収支が大きく悪化しました。 【構造改革】‥一部企業で構造改革やリストラにともなう損失が発生しています。 このように、営業外収支の悪化の要因は、そのほとんどがキャッシュ・アウトフローを伴うものではなく、同時に一過性のものと考えられます。特に為替にかかわる部分は、今後150円/米ドル程度で推移すれば、2024年度通期業績への影響はほぼ消滅すると考えられます。日本企業の業績モメンタムが大きく変質した可能性は低いと見られます。 (注)ラッセル野村Large Cap(除く金融)の営業外収支を2023年7-9月期と2024年7-9月期とで比較し、その変化幅に対する業種ごとの寄与額を示している。2024年11月12日までに決算発表を終えた企業を対象にしている。(出所)野村證券投資情報部作成 (野村證券投資情報部 伊藤 高志) ご投資にあたっての注意点
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11/16 09:00
【オピニオン】米国IT大手の業績はAI関連を中心に堅調
※画像はイメージです。 下の表は、米国IT大手5社の2024年7-9月期決算のポイントです。売上高とEPS(調整後1株当たり純利益)は各社とも市場予想を上回り、また、前年同期比で成長しました。 (注)EPSは調整後希薄化後1株当たり純利益。決算のポイントの灰色の文字はネガティブな内容。決算のポイントは全てを網羅している訳ではない。(出所)会社資料、ウルフ・リサーチ社、LSEGより野村證券投資情報部作成 決算発表翌営業日の株価は、アルファベットと、アマゾン・ドットコム(以下、アマゾン)は上昇しました。一方で、設備投資額の「著しい増加」をコメントしたメタ・プラットフォームズ(以下、メタ)や、24年10-12月期見通しが低調で25年の純利益市場予想が低下したアップル、マイクロソフトは下落しました。 主な決算のポイントは下記と考えています。 ① AIの活用で広告・クラウド事業での収益が増加② AI関連の需要に供給能力が追い付いていない③ 設備投資額の予想が従来より増加 インターネット広告は堅調でした。アルファベットは、主力のグーグル検索広告、YouTubeが好調だったとコメントしました。メタも、中国での広告出稿が回復するなどグローバルでSNS広告が好調でした。AI活用による利便性の向上が寄与したとともに、グローバルでのサービス業の好景気が反映されたと考えられます。 AI・クラウド事業も堅調でした。アルファベットは、グーグル・クラウドのAIインフラや生成AIに対する需要が堅調だったとコメントしました。アマゾンもクラウド事業「AWS(アマゾン・ウェブ・サービス)」の需要が供給能力を上回る状況でした。マイクロソフトのクラウド事業「アジュール」は実績が堅調だった一方で、半導体の調達が制約となり24年10-12月期は増収率は低下するとの見通しが示されました。 AI・クラウド事業の供給能力不足は、エヌビディアの新型AI向け半導体「ブラックウェル」の量産が設計上の問題で遅延したことが背景にあると考えられます。一方で、アップルを除くAI・クラウド大手の4社は設備投資額の増額をコメントし、AI事業拡大の方針に変更がないことを示唆しました。 アップルの24年10-12月期売上高見通しは市場予想を下回りました。同社のAIサービス「アップル・インテリジェンス」の性能を見極めるまで、消費者がiPhoneなどの買い替えを控えたためと考えられます。 AIの普及は、一部で後ずれしたものの、おおむね順調に拡大していると企業業績からは見て取れます。 (注)予想の「決算発表前」は2024年10月1日時点、「決算発表後」は2024年11月7日時点。予想はLSEG集計による市場予想平均。矢印は変化の方向性。(出所)LSEGより野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点
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11/16 07:00
【来週の予定】トランプ陣営による主要ポストの人選が進む
来週の注目点:米次期政権の人事、主要国・地域の11月PMI速報値 米国では前週後半に一部メディアが下院でも共和党が過半数を維持した見込みだと報じており、大統領から上下両院まで共和党が制する「トリプルレッド」の実現が確実な情勢です。このため、トランプ氏が掲げた個人所得税減税の延長や法人税減税などの拡張的財政政策の実現の可能性がより高まったと考えられます。 また、大統領選が早期に決着したことから、足元でトランプ陣営は主要ポストの人選を進めています。特に国務長官や国連大使、駐イスラエル大使など外交・安全保障面の人選を優先しています。ブッシュ親子に代表されるように、近年の米国では外交・安全保障の人事を優先した大統領は戦争を引き起こすとの経験則があります。第1次トランプ政権時とは異なりウクライナ紛争や中東情勢の悪化など地政学リスクが高まっていることから、政権発足後の外交政策には注意が必要です。 今週は注目度の高い経済指標や重要イベントは多くありません。22日(金)には主要国・地域の11月PMI速報値が発表されます。足元では製造業とサービス業の温度差が拡大していることから、製造業に持ち直しの動きが確認できるかが注目点です。 米国では18日(月)に11月NAHB住宅市場指数、19日(火)に10月住宅着工・建設許可件数、21日(木)に10月中古住宅販売件数と住宅関連指標の発表が予定されています。9月中旬以降、米国景気の堅調推移を受けて長期金利が再上昇し、住宅ローンへと波及していることからその影響が注目されます。 日本では22日(金)に10月の全国消費者物価指数が発表されます。市場では12月会合での利上げ観測が高まっていますが、同統計の結果が政策判断に影響する可能性は低いと考えられます。 今週はインドネシア、トルコ、南アフリカなど新興国の金融政策会合が予定されています。米大統領選挙の結果を受けたドル高が各中銀の政策判断に与える影響が注目されます。 (野村證券投資情報部 尾畑 秀一) (注1)イベントは全てを網羅しているわけではない。◆は政治・政策関連、□は経済指標、●はその他イベント(カッコ内は日本時間)。休場・短縮取引は主要な取引所のみ掲載。各種イベントおよび経済指標の市場予想(ブルームバーグ集計に基づく中央値)は2024年11月15日時点の情報に基づくものであり、今後変更される可能性もあるためご留意ください。(注2)画像はイメージです。(出所)各種資料・報道、ブルームバーグ等より野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点
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11/15 16:33
【野村の夕解説】日経平均株価は、前日比107円高も安値引け (11/15)
(注)画像はイメージです。 本日の動き 本日取引開始前に、日本の24年7-9月期GDP速報値が発表されました。前年同期比+0.9%と、市場予想を上回り、2四半期連続のプラス成長となりました。個人消費が増加し、国内景気の緩やかな回復が確認されました。 昨日のパウエル議長の「利下げを急ぐシグナルは見られない」とのコメントを受け米金利は上昇し、外国為替相場では朝9時台に1米ドル=156円40銭台と24年7月以来の円安米ドル高水準となりました。本日の日経平均株価は前日比213円高の38,749円で始まり、円安を追い風に自動車や電機など輸出関連株が上昇しました。また昨日、オランダの半導体製造装置メーカーのASMLホールディングが、AI関連の半導体需要を見越し将来の業績見通しを強気で維持したことが好感され、値がさの半導体関連株が上昇しました。一時上げ幅は565円となりましたが、株価が39,000円を上回ると利益確定売りの動きもあり伸び悩み、大引けは前日比107円高の38,642円と本日の最安値で取引を終えました。 本日の市場動向 ランキング 本日のチャート (注)データは15時45分頃。ドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。(出所)Quickより野村證券投資情報部作成 今後の注目点 来週は、20日(水)にエヌビディアの決算発表が行われます。日本では22日(金)に10月の全国消費者物価指数が発表され、12月の日銀金融政策決定会合での追加利上げの有無を見極める上で注目されます。 (野村證券投資情報部 清水 奎花) ご投資にあたっての注意点
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11/15 12:00
【今週のチャート分析】日経平均株価、大統領選挙後に上昇も、4万円を目前に再度調整へ
※画像はイメージです。 ※2024年11月14日(木)引け後の情報に基づき作成しています。 足元ではトランプ政権の通商政策に対する警戒感が重石に 今週の日経平均株価は、米大統領選挙後の株高の反動に加え、トランプ次期政権の人事に関する報道が相次ぎ、通商政策に対する警戒感が強まり、軟調な展開となりました。 チャート面からこれまでの動きを振り返ってみましょう(図1)。日経平均株価は、米大統領選挙後に大幅上昇し、11月7日には一時39,884円まで上昇しました。 ただ、その後は4万円を目前にして足踏みが続き上値の重さが意識される中で、トランプ政権の通商政策に対する警戒感の高まりもあり、13日に25日移動平均線(11月14日:38,948円)を割り込みました。 この先、200日線(同:38,515円)を下回る場合は、11月1日安値(37,946円)や75日線(同:37,900円)、10月24日安値(37,712円)の水準が下値のメドとして挙げられます。 一方、8月安値(31,156円)以降の上昇の過程で、底入れのパターンであるダブルボトムが完成し、9月下旬以降は戻り高値圏でのレンジ相場(3万7千円台半ば~4万円前後)となっています。 レンジ相場入りとなってから、既に1ヶ月半が経過し日柄調整が進展しており、目先の調整一巡後に反発となった場合は、11月7日高値(39,884円)や10月15日高値(40,257円)等によって形成されるレンジ上限の4万円前後の水準を超えて、本格的な上昇相場再開となることが期待されます。 ※(アプリでご覧の方)2本の指で画面に触れながら広げていくと、画面が拡大表示されます。 (注1)直近値は2024年11月14日。 (注2)日柄は両端を含む。(注3)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成 米大統領選挙後は円安・ドル高に、二番天井形成に留意 米国大統領選挙で共和党のトランプ氏が勝利し、さらに共和党が連邦議会選挙で上院・下院を制した結果、「トリプルレッド」となりました。大統領選挙後、ドル円レートは円安・ドル高方向に進展しています。ここではドル円相場の先行きについて考察します。 ドルは対円で、10月下旬に150-152円の重要な価格帯を上回り、一時155円台に上昇しました(図2)。今後は150円台前半の水準が下値メドとして機能することが期待されることや、この先の主な上値メドである心理的フシ160円や7月3日高値(161.94円)までの距離があることを考慮すると、短期的には円安・ドル高トレンドが継続しやすいと見られます。 (注1)直近値は2024年11月13日時点。数値は日銀公表値で東京市場、取引時間中ベース。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。(出所)日本銀行より野村證券投資情報部作成 一方で、長期的な月足チャート(図3)を観察すると、これまで7~9年ごとに天井(円安のピーク)を形成するリズムがみられ、サイクル高値を24年7月高値(161.94円)で付けた可能性があることに注意が必要です。 前回のサイクル高値となった2015年6月高値(125.66円)から24年7月高値まで、すでに約9年(110ヶ月)が経過しています。1970年代以降から続く相場のリズムに従えば、さらなる日柄延長は考えにくい時間帯に入っています。その場合、今回の9月中旬以降の円安ドル高の動きは、24年7月高値(=天井)に次ぐ二番天井の形成に向けた動きと捉えることが妥当となると考えられます。 今回の米国大統領・議会選挙の結果はドル高要因と捉えられますが、チャート面からは、ドル円相場がこの先24年7月高値(161.94円)を更新して円安進行に歯止めが掛からなくなる、という円安加速シナリオの実現性は高くないと考えられます。 (注1)直近値は2024年11月13日時点。数値は日銀公表値で東京市場、取引時間中ベース。 (注2)日柄は両端含み。(注3)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。(出所)日本銀行より野村證券投資情報部作成 (野村證券投資情報部 岩本 竜太郎) 【FINTOS!編集部発行】野村オリジナル記事配信スケジュールはこちら ご投資にあたっての注意点
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11/15 08:30
【野村の朝解説】FRBの利下げ観測後退でNYダウは反落(11/15)
(注)画像はイメージです。 海外市場の振り返り 14日の米国株式市場でNYダウは反落、ナスダック総合は3日続落となりました。11月5日の米大統領選挙以降の大幅上昇を受けて、主力株の一部に利益確定の動きがみられました。また、米国の10月コア生産者物価(PPI)は前月比+0.3%と市場予想(同+0.2%)を上振れ、週間の新規失業保険申請件数(11月9日まで)も21.7万件と低位安定が続くなど、この日発表された経済指標はいずれもFRBの利下げペース減速を正当化する内容となりました。FRBによる利下げ路線自体が崩れたわけではないものの、パウエルFRB議長が午後の講演で、利下げに慎重な見方を示したことも株価の重石となりました。 相場の注目点 米大統領選でトランプ氏が勝利し、大統領府と議会上下院を共和党が制する「トリプルレッド」がほぼ確実になったことを踏まえ、市場では米国のインフレ再上昇リスクが意識されています。14日の講演でパウエルFRB議長は「データで利下げ減速が可能になるようなら、正しい行動だろう」と、利下げペース減速を考慮している姿勢を改めて示し、2024年12月FOMCでの利下げ実施について、市場の織り込みは再び6割前後まで低下しています。複数のFRB高官の発言も、全体的に利下げ姿勢は維持しつつも、そのペースについては慎重さを増している印象が見受けられ、当面は12月利下げスキップの可能性も意識した展開が予想されます。 トランプ氏による政府高官の人選が引き続き注目されるほか、本日は米国の10月小売売上高や10月鉱工業生産が発表されます。また、トランプ氏勝利の影響を考える上では、本日の11月NY連銀製造業景況感指数を皮切りに来週複数予定される11月分の各種センチメント指標への関心も高くなるとみられます。 (野村證券 投資情報部 引網 喬子) (注)データは日本時間2024年11月15日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。 野村オリジナル記事の配信スケジュール ご投資にあたっての注意点
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11/14 16:31
【野村の夕解説】日経平均株価185円安 米大統領選後の上昇分失う(11/14)
(注)画像はイメージです。 本日の動き 本日の日経平均株価は前日比189円高の38,911円で始まりました。前日、前々日の2営業日で800円超日経平均株価は下落しており、自律反発のような動きに加えて、1米ドル=155円台と円安の進行が追い風となり、自動車株の上昇が目立ちました。寄り付き後の日経平均株価は上げ幅を広げ、一時39,000円を上回る場面もありました。一方で、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)が前日比ー2.00%と4営業日続落した流れを引き継ぎ、東京エレクトロンなどの半導体関連株は幅広く下落し日経平均株価の重石となりました。来年1月に発足するトランプ次期政権で財政拡大がすすむとの思惑からインフレ再燃への懸念も燻り、日経平均株価は上げ幅を失いました。その後は一進一退を挟んで下げ幅を拡大し、前日比185円安の38,535円と本日の安値で取引を終えました。3日続落で大統領選挙前の5日終値38,474円に接近して取引を終えました。 本日の市場動向 ランキング 本日のチャート (注)データは15時45分頃。ドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。(出所)Quickより野村證券投資情報部作成 今後の注目点 米国では、本日10月生産者物価指数の発表が予定されています。他、パウエルFRB議長が講演を行います。市場では12月のFOMCで0.25%ポイントの利下げが有力視されていますが、今後の金融政策についての発言の有無が注目されています。 (野村證券投資情報部 神谷 和男) ご投資にあたっての注意点