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05/19 09:00
【オピニオン】「良い円安」と「悪い円安」を再考する
※画像はイメージです。 円安基調が続いています。米国においてCPIの高止まりを理由に、長期金利が上昇したことなどが背景にあるとされ、米ドル円レートは4月29日に約34年ぶりに160円/米ドルの大台を突破しました。その後、4月29日、および5月2日に、2022年8月以来の為替介入が行われたとの観測が広がり、一時151円/米ドル台にまで円高が進んだものの、その後は155円/米ドル前後での推移が続いています。 株式市場では円安は株価に追い風という捉え方が一般的ですが、足元では経済団体の首脳から行き過ぎた円安に苦言が呈されたり、株式市場においても介入に伴う為替水準の乱高下に対する警戒感がささやかれるようになっています。本稿では、為替変動が株価に及ぼす影響について、『短期的反応』および『長期的なトレンド』という観点から見てみましょう。 まず、短期的な反応では(下図)、日経平均株価と米ドル円レートの相関係数(以下、相関係数)と、為替水準の間には明確な関連性は見受けられません。ただ、為替のボラティリティーが上昇すると、相関係数がマイナスになる傾向がみられます。これは、為替当局がたびたび「為替の水準よりは、円安進行の速度が速いことの方が問題だ」といった趣旨の発言をすることと整合的です。 ※(アプリでご覧の方)2本の指で画面に触れながら広げていくと、画面が拡大表示されます。 次に長期的な為替と株価の関係を見てみると、わが国では資産バブル崩壊後の1990年代後半よりデフレが進行したことなどから、円安(通貨の信認低下)⇒株安という関係が一時期見られました。その後不良債権処理の進展により徐々にデフレ圧力は低減に向かい、少なくとも2008年以降には、『円安=株高』というルールが定着しました。今回も、下図を見る限りでは、この関係から逸脱した動きにはなっていないようです。 株式市場に上場している企業の多くは、資産バブル崩壊後、海外事業を拡大することにより、GDPを上回る利益成長を遂げてきました。また、同時に多くの業種・企業で(資金調達や生産体制の)現地化も進展しました。結果的に、①為替水準の変化により競争力は左右されない体質に近づいたものの、②円安が進行すれば邦貨換算の利益は膨らむ、というメカニズムが働くようになっています。『円安=株高』というルールが変更になるようなことは、当面考えづらいでしょう。 ご投資にあたっての注意点
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05/18 09:00
【テーマ銘柄】更なる進化と市場の拡大が期待されるサイバーセキュリティー関連
※画像はイメージです。 増加を続けるサイバー攻撃 台湾海峡を巡る米中の緊張激化など地政学リスクの高まりや、社会のデジタル化が加速する中、軍事機密情報や国家インフラ、企業へのサイバー攻撃が増加しています。サイバー攻撃は近年高度化が著しく、検知や識別が困難になっています。更に、最新技術、個人情報などが狙われ、被害も深刻さを増しています。 多層防御を目指すセキュリティー対策「ゼロトラスト」 こうした脅威への対策として、内部と外部を区別することなく、組織内部の情報やシステムにアクセスするもの全てを検証することで、その都度、利用の可否を判断する「ゼロトラスト」という考え方が主流となっています。ゼロトラストは、信頼できるユーザーのみにアプリなどの通信を許可するIAMや、外部から侵入された端末を検知して切り離すEDR、端末の通信履歴を収集・分析するSIEMといった、各種セキュリティー製品やサービスを組み合わせて構築されています。 (注)全てを網羅しているわけではない。(出所)各種資料より野村證券投資情報部作成 ゼロトラストの実現において重要な役割を果たす「XDR」 こうした中、近年導入が進んでいるのがEDRを高度化したXDRです。XDRは、Extended Detection and Responseの略称です。XDRは、サイバー脅威を検知するEDRの機能に加え、攻撃を可視化するなどして根本原因を特定して、自動で対処することができるサイバーセキュリティーソリューションです。更にエンドポイントに限らず、メールやサーバー、クラウド、ネットワークなど、より広範囲の脅威を検知することができる点も特長です。XDRにより、対処すべき脅威の優先順位の判断にかかる時間を短縮することができます。結果的にセキュリティー担当者の負担を軽減しつつ、セキュリティー対策をより効率的に実施することができます。サイバー攻撃の手法は年々多様化しており、セキュリティー対策の更なる進化と市場の拡大が期待されます。 (注)図はイメージ図。(出所)各種資料より野村證券投資情報部作成 ご参考:サイバーセキュリティー関連銘柄の一例 トレンドマイクロ(4704)企業向けエンドポイントセキュリティー製品において、14年連続で国内市場シェア首位である。シスコシステムズ(A0130/CSCO US)ネットワークソリューション分野におけるハードウエア機器で世界最大手であり、ソフトウエアでも大手の一角を占める。ファイアウォールなどのセキュリティソフトウエアのほか、「Webex」などのコラボレーションソリューションやオブザーバビリティー(可観測性)ツールなども手掛ける。世界的に製品の販売を行っており、従業員数は80,000人に上る。アカマイ・テクノロジーズ(A0996/AKAM US)コンテンツ配信ネットワーク(CDN)サービスの大手企業である。応用数学とアルゴリズムをベースにネット環境を常時監視し、トラフィックやセキュリティーに関するネットワーク障害の調整作業をリアルタイムで行う。法人や政府機関が主要顧客である。チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズ(A1181/CHKP US)専用機器とソフトウエアを組み合わせたサイバーセキュリティーソリューションを手がけている。ネットワークからクラウド、エンドポイント、モバイル、IoTまでITインフラ全体を保護する。フォーティネット(A5826/FTNT US)プラットフォームベースのサイバーセキュリティーソリューションを手掛けている。製品には、ネットワークセキュリティー、クラウドセキュリティー、ゼロトラストアクセス、セキュリティーオペレーションがある。世界で70万社超の顧客を持つ。パロアルト・ネットワークス(A6193/PANW US)ネットワークをサイバー攻撃から保護するセキュリティープラットフォームを手掛けている。主要製品には、予防・検出・自動化・応答機能を備えたAIベースのセキュリティー運用向け製品「Cortex XDR」などがある。オクタ(A7023/OKTA US)クラウドベースで、ID管理・統合認証サービスを提供している。ユーザーが一度の認証を受けるだけで、管理者に認可されたさまざまなクラウドサービスをログイン操作なしで利用できるようにするシングルサインオンなどを提供している。ゼットスケーラー(A7171/ZS US)SaaS(Software as a Service)ベースのセキュリティープラットフォームを手掛ける。ユーザー側の各種デバイスからアプリケーションやクラウド・サービスにアクセスする際のクラウド・セキュリティーに対応している。クラウドストライク・ホールディングス(A7369/CRWD US)クラウドベースでエンドポイント保護ソリューションを提供する。サイバー攻撃が高度化し「侵入前に検知してブロックする」だけでなく「侵入後の迅速な検知と対処」も求められる中、AIを搭載したプラットフォームを通じ、未知のマルウエアやサイバー攻撃をリアルタイムに検知し、さまざまなエンドポイントで実行されているワークロードを保護している。 (注1)全てを網羅しているわけではない。(注2)外国株式のコードは、野村コード/ブルームバーグコード。(出所)各種資料より野村證券投資情報部作成 (野村證券投資情報部 寺田 絢子) ご投資にあたっての注意点
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05/18 07:00
【来週の予定】金融政策を巡る注目度の高いイベントが複数予定
来週の注目点:主要国・地域の金融政策関連イベント 注目を集めた米国の4月消費者物価指数(CPI)(5月15日発表)は食品・エネルギーを除いたコア指数が前月比+0.3%と市場予想に一致し、6ヶ月ぶりに鈍化しました。このところ景気減速を示唆する経済指標の発表が相次いだことと相まって、市場の利下げ観測が高まり、米国株式市場では主要3指数が揃って終値ベースで最高値を更新、ドルは主要通貨に対して全面安の展開になりました。ドル円相場も1ドル=153円台半ばまで円高が進行しました。 今週は主要国・地域の金融政策を巡って注目度の高いイベントが予定されています。 米国ではFRB高官の講演が多数予定されていることから、最近の景気やインフレの鈍化に対する見解を確認する機会となりそうです。また、22日(水)には5月FOMC(米連邦公開市場委員会)の議事要旨も発表されます。パウエル議長は5月14日、「インフレが2%目標に低下するとの確信を持つには、より長い時間がかかりそうだ」との見解を示しました。複数のFRB高官からより早期に利下げを実施し得るとの見解が示されれば、株高・債券高につながることが予想されます。 経済指標では23日(木)に主要国で5月のPMI速報値が発表されます。注目点は製造業の持ち直しとサービス業の鈍化の有無です。 日本では21日(火)に日銀が金融政策の多角的レビューに関する第2回ワークショップを開催、24日(金)には4月の全国CPIが発表されます。 ユーロ圏では21日(火)にECB政策担当者によって金融政策の方向性や今後の戦略見直しに関する議論が行われるほか、24日(金)にはドイツの1-3月期実質GDP詳報が発表され、需要項目の動きを確認することができます。 (野村證券投資情報部 尾畑 秀一) (注1)イベントは全てを網羅しているわけではない。◆は政治・政策関連、□は経済指標、●はその他イベント(カッコ内は日本時間)。休場・短縮取引は主要な取引所のみ掲載。各種イベントおよび経済指標の市場予想(ブルームバーグ集計に基づく中央値)は2024年5月17日時点の情報に基づくものであり、今後変更される可能性もあるためご留意ください。(注2)画像はイメージです。(出所)各種資料・報道、ブルームバーグ等より野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点
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05/17 16:11
【野村の夕解説】日経平均株価、反落 一部の半導体関連が軟調(5/17)
(注)画像はイメージです。 本日の動き 本日の日経平均株価は前日比359円安の38,561円で取引を開始しました。前日の米国株式市場でNYダウが一時4万ドルを超えたものの、短期的な過熱感により下落したことが嫌気されました。寄り付き後は38,600円を挟んだ水準でもみ合いとなりましたが、その後は徐々に下げ幅を縮小する展開となりました。もっとも、新たな材料がない中、上昇に転じるまでの勢いはなく、その後は再度38,600円近辺で横ばいとなりました。結局、この日の日経平均株価は前日比132円安の38,787円と4日ぶりに反落して取引を終えました。なお、TOPIXは前日比+0.3%と小幅ながら続伸しています。 個別では、為替相場がやや円安ドル高に振れたことを受け、トヨタ自動車が前日比+2.50%となり、日経平均株価を約13円押し上げました。一方で、東京エレクトロンが前日比-1.98%と3日ぶりに反落し、日経平均株価を約71円押し下げました。前日の米国株式市場でフィラデルフィア半導体株指数が下落したことに加え、半導体製造装置メーカーのアプライドマテリアルズが米国株式市場引け後に発表した決算内容と見通しが市場予想を上回ったものの、株価が時間外取引で下落したことが嫌気されました。 本日の市場動向 ランキング 本日のチャート (注)データは15時15分頃。ドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。(出所)Quickより野村證券投資情報部作成 (野村證券投資情報部 磯崎 博志) ご投資にあたっての注意点
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05/17 12:00
【今週のチャート分析】日経平均株価、これまで概ね上値を抑えられてきた25日線を上抜け
※画像はイメージです。 ※2024年5月16日(木)引け後の情報に基づき作成しています。 中期的に再び史上最高値を視野に入れる動きとなるか 今週の株式市場は、米金利低下を背景に米国株が上昇し史上最高値を更新したことなどを好感し、日経平均株価は堅調に推移しました。 チャート面からこれまでの動きを振り返ってみましょう(図1)。日経平均株価は、4月19日安値(36,733円)形成後に反発となり、75日移動平均線(5月16日:38,568円)を挟んでの値動きが続いています。ただ、5月16日の上昇で、これまで概ね上値を抑えられてきた25日移動平均線(同:38,409円)を上回り、75日線の上に再浮上してきました。この先、これら移動平均線超えを維持できれば、4月12日戻り高値(39,774円)や、心理的フシの4万円の水準へ向けて戻りを試す動きとなると考えられます。 一方、目先の戻りが鈍く25・75日線を割り込み、さらに調整が続く場合は、4月19日安値(36,733円)に向けて再度下値を固めにいく展開が想定されます。 ※(アプリでご覧の方)2本の指で画面に触れながら広げていくと、画面が拡大表示されます。 (注1)直近値は2024年5月16日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成 次に中長期的な動きを確認してみましょう。今年4月安値にかけての調整は、長期上昇トレンド内の一時的な調整である可能性が高いと考えられます。前回の一時的な調整局面に当たる23年7月高値から10月安値にかけての下落率は9.6%(終値ベース)でしたが、今回の下落率は4月19日安値時点で9.3%(同)に達しており、値幅調整は概ね十分と言えます。 一方、下落期間(日柄)の面では調整不足は否めず、この先しばらく戻りを抑えられる場面もありそうですが、先行きは再び史上最高値を視野に入れる上昇になると考えられます(図2)。 (注1)直近値は2024年5月16日。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。(出所)日本経済新聞社データより野村證券投資情報部作成 NYダウ/ナスダック総合指数 史上最高値更新 米国株は、今年3月高値形成後に、利下げ時期の先送り観測や地政学リスクの高まり等から、4月安値にかけて押しを入れる動きとなりました。しかし、米FOMC後の記者会見等を受けて、FRB内で利上げ議論が高まっていないとの見方が広がりました。さらに5月15日に発表された4月の米消費者物価指数でインフレ鈍化が示されたことにより、利下げ期待が高まり株価は大幅上昇となりました。この結果、NYダウやナスダック総合指数は史上最高値を更新しました(図3、図4)。 (注1)直近値は2024年5月15日。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。(出所)S&P ダウジョーンズ・インデックス社より野村證券投資情報部作成 (注1)直近値は2024年5月15日。(注2)トレンドライン等には主観が入っておりますのでご留意ください。(出所)ナスダックより野村證券投資情報部作成 今後も利下げ時期をめぐって神経質な展開は続くと考えられますが、チャート分析の観点からみれば、株価の長期上昇トレンド自体は継続すると考えられます。 過去のNYダウの長期上昇局面を分析すると、2009年安値形成後に5回(図5:図中①~⑤)の上昇局面がありましたが、コロナショックで高値形成となった局面(同:④)を除けば、株価は安値から1.7~2.0倍となりました。 (注1)直近値は2024年5月15日。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。 (注3)日柄は両端を含む。(出所)S&P ダウジョーンズ・インデックス社より野村證券投資情報部作成 それに対して今回の上昇は、今年5月高値にかけて1.4倍の上昇に留まっています。仮に、最低の上昇倍率である1.7倍を適用すると48,832ドルと試算され、今後も上昇の余地があると考えられます。また、ナスダック総合指数についても同様の傾向が見られます。 長期トレンド上で、NYダウやナスダック総合指数の上昇余地があると考えられる中、米国企業業績も2025年にかけて二桁増益(市場予想ベース)が期待されており、2022年下半期から始まった長期上昇トレンドは今後も持続する可能性が高いと考えられます。 (野村證券投資情報部 岩本 竜太郎) 【FINTOS!編集部発行】野村オリジナル記事配信スケジュールはこちら ご投資にあたっての注意点
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05/17 08:20
【野村の朝解説】NYダウは一時、4万ドルの大台を突破(5/17)
(注)画像はイメージです。 海外市場の振り返り 16日の米国株式市場で主要3指数は揃って反落しました。NYダウは一時、史上最高値を更新し節目の4万ドルを突破しましたが、利益確定や持ち高調整の売りからその後は伸び悩み、午後には小幅な下落に転じました。15日に発表された米国の4月消費者物価指数(CPI)が3ヶ月ぶりに伸び率が縮小したことなどで、インフレ再加速への警戒感が後退し、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ開始時期を先送りするとの懸念が後退したことが、引き続き株価の支援材料となりました。 相場の注目点 米国の金融政策への関心が高い状況が続いています。16日に公表された米国の4月住宅着工件数は136.0万件、4月建設許可件数は144.0万件といずれも市場予想(それぞれ142.1万件、148.0万件)を下回り、5月フィラデルフィア連銀製造業景況感指数も4.5と市場予想(7.8)を下振れました。また、新規失業保険申請件数は22.2万件と市場予想(22.0万件)を小幅に上振れるなど、米景気の先行きに対する懸念は依然としてくすぶり、FRBが利下げを先送りするとの懸念は後退しています。一方、4月輸入物価指数は前月比+0.9%と市場予想(同+0.3%) を上振れており、FRBの利下げ期待を一段と高める内容ではありませんでした。米国の金融政策を巡っては、多くのFRB高官が利下げ判断を急がない姿勢を強めています。来週も多くのFRB高官発言が予定されますが、ハト派化がみられるのか発言内容が注目されます。 本日のイベント 本日は中国で、4月小売り売上高・鉱工業生産、1-4月固定資産投資、不動産投資の発表を予定しています。 (投資情報部 引網 喬子) (注)データは日本時間2024年5月17日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。 野村オリジナル記事の配信スケジュール ご投資にあたっての注意点
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05/16 15:51
【野村の夕解説】日経平均株価、534円高 米CPIの減速を好感(5/16)
(注)画像はイメージです。 本日の動き 本日の日経平均株価は、前日比260円高の38,645円で取引を開始しました。前日の米国株式市場で、4月米消費者物価指数(CPI)が前月比+0.3%と市場予想を下回り、インフレ鈍化が示唆されたことから、主要3指数が揃って上昇し、史上最高値を更新したことが押し上げ材料となりました。国内では、寄り付き前に発表された日本の2024年1-3月期実質GDPは、個人消費や輸出が落ち込んだことが影響し、前期比年率-2.0%と、2四半期ぶりのマイナス成長になりました。自動車の品質不正問題に伴う出荷停止、及び能登半島地震が影響したとみられますが、足元ではそれらの影響も後退していることから、マイナス成長は一時的であるとの見方も根強く、国内株式市場には大きな影響を与えませんでした。 日経平均株価は、一時、上昇幅を縮小させる場面もありましたが、上海総合などアジア株式市場が総じて堅調なことも追い風となり、取引終了にかけて再び上昇幅を拡大させる展開となりました。個別銘柄では、ファーストリテイリングや東京エレクトロン、ソフトバンクグループといった指数寄与度の高い値嵩株の上昇が目立ったほか、リクルートホールディングスなど前日に決算発表を行い、内容が好感された銘柄も物色され、前日比534円高の38,920円で本日の取引を終了しました。 本日の市場動向 ランキング 本日のチャート (注)データは15時15分頃。ドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。(出所)Quickより野村證券投資情報部作成 (野村證券投資情報部 金井 一宜) ご投資にあたっての注意点
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05/16 08:22
【野村の朝解説】米CPI下振れで米株高、円は大幅上昇(5/16)
(注)画像はイメージです。 海外市場の振り返り 15日の米国株式市場では、主要3指数が続伸しました。朝方発表された4月米消費者物価指数(CPI)は前月比+0.3%と、3月及び市場予想の同+0.4%を下回り、インフレが鈍化していると受け止められました。また、4月米小売売上高は前月比横ばいで、市場予想の同+0.4%を下回り、3月改定値の同+0.6%から伸びが大きく鈍化しました。借入コストの上昇やガソリン価格高騰などに伴い消費の勢いが鈍化していることが示されました。FRBによる利下げ開始が後ろ倒しになるとの観測が後退し、米10年国債利回りが4.34%と約1ヶ月ぶりの水準に低下し、株式市場を後押ししました。外国為替市場では、円が対ドルで上昇し、円は1ドル=154円台後半と、5月7日以来の水準を付けました。 相場の注目点 弱い経済指標を受けた米国の利下げ期待の回復と米国株の上昇は、日本株の支援材料になると見られます。為替市場では、米金利の低下に伴って、円安ドル高圧力が緩和する可能性があります。米国では、本日(16日)、複数のFRB高官の講演が予定されており、足元の統計の結果を受けた発言に注目が集まります。また、4月米住宅着工・建設許可件数、4月米鉱工業生産、新規失業保険申請件数などの統計もあわせて注目です。 本日のイベント 日本では、2024年1-3月期実質GDP(1次速報値)が発表されます。市場予想では前期比年率-1.5%と、2四半期ぶりにマイナスに転じると予想されています。野村證券では4-6月期以降は景気回復が再開されると予想します。 (投資情報部 坪川 一浩) (注)データは日本時間2024年5月16日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。 野村オリジナル記事の配信スケジュール ご投資にあたっての注意点
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05/15 16:16
【野村の夕解説】日経平均株価、米CPI発表を控え上げ幅縮小 (5/15)
(注)画像はイメージです。 本日の動き 本日の日経平均株価は前週末比177円高の38,533円で取引を開始し、間もなく、前日比460円高に上げ幅を広げました。東京エレクトロンやアドバンテストなどの半導体関連銘柄の上昇に加え、前日の引け後に決算発表を行ったソニーグループやテルモなどの上昇も目立ちました。ソニーグループは2025年3月期の営業利益見通しが市場予想を下回ったものの、同時に自社株買いと新中期経営計画を発表し、資本効率の改善に向けた取り組みが市場から評価されたことが株価の上昇につながりました。後場に入ってからも13時に決算を発表した三井化学が年初来高値を更新するなど、決算発表を材料とした動きが見られたものの、米国時間15日に米4月CPI(消費者物価指数)の発表を控えていることから、一方的に上値を追う動きとはならず、慎重姿勢が強まりました。引けにかけては38,400円近辺で小動きとなり、前日比29円高の38,385円で取引を終了しました。 本日の市場動向 ランキング 本日のチャート (注)データは15時15分頃。ドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。(出所)Quickより野村證券投資情報部作成 今後の注目点 米国時間15日に、FRBの金融政策を予想する上で注目されるCPIが発表されます。米4月CPIの市場予想は前月比+0.3%と、3月の同+0.4%からインフレの伸び率が鈍化すると予想されています。結果が市場の想定程度、もしくは下振れた場合は、インフレ再加速の懸念後退につながると考えられます。 米国の金融政策は日本株式市場にも影響が大きいため、注目されます。 (野村證券投資情報部 岩崎 裕美) ご投資にあたっての注意点