新着
515件
-
04/30 09:30
【今週の注目決算】商船三井、レーザーテック、三菱商事…(2024年4月第5週~5月第1週)
日本企業の2024年1-3月期決算の発表が本格化しています。今週は、三井物産(8031)、三菱商事(8058)、住友商事(8053)、丸紅(8002)といった大手総合商社や、東海旅客鉄道(9022)、東日本旅客鉄道(9020)、西日本旅客鉄道(9021)などのJR各社が決算を発表する予定です。 (野村證券投資情報部 デジタル・コンテンツ課) ご投資にあたっての注意点
-
04/30 08:17
【野村の朝解説】ドル円相場は乱高下、為替介入発動か(4/30)
(注)画像はイメージです。 海外市場の振り返り 26日及び29日の米国主要3指数は揃って堅調でした。前週(4月25日)に、4.69%だった米10年債利回りが、29日には4.62%へと低下したことなどを受け、成長期待の高いハイテク株を中心に上昇し、株式市場を押し上げました。ただし、主力ハイテク株の決算発表(4月30日にアマゾン・ドットコム、5月2日にアップルなど)を控え、その内容を見極めたいとの思惑から上値は限定的でした。 29日の為替市場では、日本が休場の中でドル円相場が乱高下し、本邦当局による為替介入の可能性が意識される値動きとなりました。1ドル=160円台を突破後に円高に転じ、一時1ドル=155円を割り込みました。30日朝方には、1ドル=156円台で推移しています。2022年10月には2営業日連続で介入が行われていたこともあり、引き続き介入への警戒が続くとみられます。 相場の注目点 今週末にかけて、米国では重要統計の発表が相次ぎます。5月1日・3日には、米国の4月ISM製造業・サービス業景気指数、3日に4月雇用統計が発表されます。また、4月30日~5月1日にFOMCが開催されます。金融政策は据え置きが大方の予想となっています。今後の政策金利見通しが発表される会合ではありませんが、6月以降の金融政策についての示唆を得ようと、声明文やパウエルFRB議長の会見内容に市場の注目が集まると予想されます。経済統計やFOMCの結果を受けた為替市場の変動が日本株にも影響を与えそうです。 本日のイベント 日本では、3月の鉱工業生産が発表されます。製造工業生産予測調査などを通じて4-6月期に向けて景気復調への兆しが確認できるかがポイントです。また、日米主要企業の決算発表が続きます。 (投資情報部 澤田 麻希) (注)データは日本時間2024年4月30日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。 野村オリジナル記事の配信スケジュール ご投資にあたっての注意点
-
04/29 19:00
【特集】“もしトラ”で米国金利に起きるシナリオ 野村證券ストラテジストが大統領選を解説
2024年の金融市場に最も大きく影響するイベントのひとつが、米国大統領選挙です。民主党のバイデン大統領と共和党のトランプ前大統領の一騎打ちとなり、11月5日に投開票が行われます。もし、トランプ氏が大統領に返り咲くと、どんな影響があるのでしょうか。 野村證券投資情報部 シニア・ストラテジストの尾畑 秀一は、「読み難い政治リスクと、数字で把握できる経済リスクは峻別して考える必要がある」と解説します。 足元の米国政策金利の動きを踏まえ、今後考えられるシナリオと金融市場への影響について詳しく解説してもらいました。 “もしトラ”について注意すべきは、インフレを促進するリスク ――まずは今の金融市場の状況を教えてください。米国政策金利や経済全体について、どう見ていますか。 尾畑 秀一(以下、同)急激なインフレ対策として、米国政策金利が利上げに転じたのが2022年2月です。そこから2023年7月までの1年半弱の間に急速に利上げが進み、米国政策金利は5%台に達しました。 米国が景気後退(リセッション)に陥ってもおかしくない速度で利上げが進んだのですが、足元では米国経済は底堅く、景気が緩やかに減速する、つまりソフトランディングができると見られています。 利上げをしてインフレが落ち着き、景気もスローダウンしたので、次は利下げというのがセオリーです。2024年当初、マーケットは2024年中に6回の利下げがあることを織り込んでいました。しかし今は、2024年の半ばから利下げが開始され、2年間で6回の利下げがあるだろうという見方に変わってきています。 一般的に、利下げされると景気拡大が見込まれるので、株価は上昇する傾向があります。このように金利低下を主因に株高が引き起こされる相場を「金融相場」と呼びます。これに対し、企業の業績が上がることで株価が上がる相場を「業績相場」と呼びます。 今は、利下げがあるからこそ株価から上がっていく金融相場になるのか、利下げがあまり進まなくても企業の業績が良くなっていくから株価が上がる業績相場にいくのか、せめぎ合っている状況です。業績相場への自信が高まっていけば、市場は利下げの有無に一喜一憂することがなくなると期待できます。一方で、金融相場が続くなら、インフレ再燃から利上げ期待が再び台頭すれば、株価は大きく下落する可能性があります。 ――そこで、もしトランプ前大統領が再選したらどういうシナリオが考えられますか。 トランプ氏がどんな政策を取るかがポイントです。トランプリスクというときに、読み難い政治リスクのせいで、経済も先が見えないように思えてしまうのですが、そこは峻別して考える必要があります。経済のリスクに限ると、トランプ氏は景気がしっかりしているときにもインフレ的な政策を採用するのではないかという懸念があります。 景気が後退しているときに景気刺激策を取るのはいいのですが、景気が強いのにさらに刺激させる政策はいいとは言えません。 マラソンでペースが落ちているときに「もっとペースを上げろ」と声を掛けるのは効果的ですが、ラストスパートしているのに「もっと加速しろ」と引っ張り上げられると、体温が上がりすぎて倒れてしまうようなイメージです。 ――トランプ氏が取ると予想されるインフレ的な政策には、例えばどんなものがありますか。 1つは減税です。減税によって使えるお金が増えれば消費を押し上げますが、モノの値段が上がって物価高リスクが再燃しかねません。やり過ぎれば利上げせざるを得なくなり、景気が悪くなってしまいます。 もう1つは移民規制の強化です。現在の米国景気は底堅く、失業率は3.8%とかなり低い状況です。つまり、労働市場の需要に対して供給が追い付いていない側面があります。それなのにインフレが進まずに済んでいるのは、移民によって労働供給が賄われているからです。もしそこを止めると、労働の供給が滞り、物価が上がっていくことになりかねません。 ただし、これらのリスクは数値化できるので、ある程度読むことができます。例えば移民受け入れを止めた途端に労働供給がどれだけ減って賃金上昇プレッシャーはどう変わるのかを数字で議論できるのです。 トランプ氏が前回大統領に就任したときは、何をするかがわからず怖かった。しかし、もはや「見たことがないオバケ」ではありませんから、それほど怖がる必要はありません。前回のトランプ政権の経済政策を見ると、選挙公約に影も形もなかった政策は行っていないのです。今掲げている選挙公約を見れば、少なくとも経済政策は何をやってくるのか想定できます。仮説さえ立てば、あとは計算できる世界です。 “もしトラ”について読み難い政治リスクとは 一方、読めないものの1つが閣僚人事です。米国の歴代大統領は、重要閣僚から順番に決めていきます。経済、外交・軍事など、どんな順番で重要閣僚を任命していくかを見ると、何の政策にプライオリティを置いているかがわかります。 ところが前回のトランプ政権で、早々に決まったのは身内の起用で、政権が発足してもまだ全閣僚の席は埋まらず、それどころかどんどん辞めていきました。最初の3カ月で重要閣僚が辞めた人の数は歴代大統領で1位を独走していました。今回はさすがにそこまでのことにはならないと思うのですが。 もう1つは外交・軍事。こちらは読み難い政治リスクです。ウクライナやガザの紛争に対して、アメリカがどういう政策を取るかは重要です。トランプ氏はもしかすると「ウクライナへの支援を停止して、その結果国土がロシアに渡ってもいいのではないか」などと言いかねません。ロシアや中国から見ると、アメリカ・ファースト(米国第一主義)で世界情勢から手を引く考えのトランプ氏が大統領なら、力で押し切れば国土を広げられるという解釈に繋がるリスクがあります。 有効な対策は幅広い分野への株式投資 ――大統領選挙の結果で、米国や日本の株価にはどんな影響が出ると予測されますか。 前回のトランプ政権時に株価がどんな動きをしたかを見ると、トランプ氏が勝利した2016年選挙の投開票日前日を100とすると、コロナ禍前の2020年初頭でS&P500の株価指数は160で6割上がっています。日経平均は4割上がっています。 大統領選挙中は、今後を予想しづらいので、あまり相場は動かないのが特徴です。そして結果が出た後は、2016年にトランプ大統領が誕生したときも、2020年にトランプ氏が敗れ、バイデン大統領が誕生した時も、規制対象となると見られていた業種でさえ不透明感が解消されていったん株価が上がっています。 それから先は、政策次第です。例えば今のバイデン政権は環境問題に力を入れているので、エネルギー安全保障や気候変動対策に税控除や補助金を盛り込んだインフレ削減法(IRA)を成立させて、グリーンエネルギー関連が伸びました。しかし、トランプ氏は就任したらEV(電気自動車)への補助金などを廃止すると言っています。業種によって恩恵を受けるところと、逆風が吹くところは出てくると思います。 ――それを今から読んでおくことは有効ですか。今、米国株を持っている人はどう考えるといいでしょう。 米国大統領選挙はどちらに転ぶか全く分かりませんので、もしトランプ氏になったら、という状況だけを考えるのではなく、もしバイデン大統領のままだったらという状況も想像して、幅広い分野に分散投資しておくことはできると思います。環境系だけなど、一つの分野に集中するのは避けたほうがいいでしょう。 一方、例えばEV補助金が廃止や縮小になったとしても、株価が下がり続けるわけではありません。例えばいったんは大手自動車の業績が落ちて株が下がることがあったとしても、競争力がある車を作っていれば、下がりすぎた株価は戻ってくると考えられます。もうEVメーカーの株は買えないということではありません。 株式のほかには、インフレや地政学リスク、トランプ氏を巡る不透明感のリスクを回避するために、金投資や不動産などの実物投資を考えるのも一案です。逆にインフレに対して一番弱いのは現金です。 また、インフレになって金利が上がれば、さらにドルが強くなることが予想できます。特にトランプリスクを考えるなら、ドル建ての資産が少ない人はそれを増やすことを検討してもいいかもしれません。 ちなみに前回のトランプ政権時の為替を見ると、当選直後は短期間で20円ほどドル高・円安になっています。その後政権誕生で混乱が続いて円高方向に揺り戻しがあり、17年から20年のコロナ禍前まで、110円を挟んでプラスマイナス5円で上がったり下がったりでした。金融政策は2016年の12月、大統領選後から利上げが始まって、基本3カ月に1回のペースで2018年の12月まで利上げを続けました。普通、利上げをしたらドルが強くなるのですが強くはなりきりませんでした。中長期での為替の影響はまだ読み切れないところがありますが、少なくとも極端に円高になることはなさそうです。 ――日本株を持っている人への影響はどんなことが考えられますか。 日本株を分散して持つことは、為替リスクもないですしいい戦略だと思います。極端な円高にはならない見通しですので、トランプリスクによって日本株が売られるシナリオはそれほど気にしなくてもいいでしょう。 ただ、もし米国産業の保護のために追加関税などの締め付けが強くなると、日本の輸出企業は価格で勝負できなくなってしまうことがあり得ます。現地に工場を持っていればいいのですが、日本国内で製造する輸出企業にとっては厳しくなるかもしれません。 また、トランプ氏が大統領になるとすると、中国に対しては強硬策を取る可能性が高く、米中貿易摩擦により中国で作ったものを米国に輸出しにくくなる可能性があります。そうなると非効率的ではあるものの、サプライチェーンには2本のループが必要になります。 各国で設備投資の需要が生まれ、資本財のメーカーは恩恵を受ける可能性はあります。半導体需要が高まったために、日本の半導体製造装置や検査装置のメーカーが恩恵を受けたのと同様の波及があるかもしれません。 いずれにせよ、最も備えるべきはインフレに対するリスクであり、現金資産が多すぎる状況は避け、いろいろな業種の株式などに分散投資するのが得策だと考えます。 ――ありがとうございました。 文/中城邦子 写真/稲垣純也 野村證券投資情報部 シニア・ストラテジスト 尾畑 秀一1997年に野村総合研究所入社、2004年に野村證券転籍。入社後、一貫してエコノミストとして日本、米国、欧州のマクロ経済や国際資本フローの調査・分析に従事、6年間にわたり為替市場分析にも携わった。これらの経験を活かし、国内外の景気動向や政策分析、国際資本フローの動向を踏まえ、グローバルな投資戦略に関する情報を発信している。 ※本コラムで取り上げられた投資に関する基本的な考え方などについては、あくまで個人の見解によるものであり、野村證券の意見を代表するものではございません。 ご投資にあたっての注意点
-
04/29 12:00
【野村の視点】「セル・イン・メイ」戦後79年間の株価動向を日米株価で検証
※画像はイメージです。 「Sell in May and go away. But remember to come back in September.」5月に売って相場から離れなさい、ただし9月には市場に戻ってくることを忘れないように 「セル・イン・メイ」という相場格言があります。5月にいったん売り逃げろ、という先人の教えです。 これには「ただし9月にはマーケットに戻ってこい」という続きの言葉があり、マーケットが軟調になりやすい5 月から夏場の間は相場から離れた方が賢明なことを示唆しています。 この格言に基づき、NYダウと日経平均株価の戦後79年間の株価動向を検証しました。 月間平均騰落率 まずはそれぞれの株価指数の月間平均騰落率を見てみましょう。上段と下段のグラフをご覧ください。グラフは5月から始まっています。9月までは弱含みな動きが目立つ一方、10月から4月にかけては堅調なパフォーマンスを記録してきた様子がわかります。 期間別平均騰落率 次に上段、下段ともに左側の「期間別平均騰落率」のグラフをご覧ください。赤色のAは格言に則り「前年9月末にそれぞれの株価指数を買い、4月末に売った場合」の平均パフォーマンスです。グレーのBは格言の反対の投資行動といえる「4月末に買い、9月末に売った場合」の数字です。 格言に則った赤色Aの場合、NYダウも日経平均株価も+8.1%と高いパフォーマンスを得られたのに対し、反対の投資行動をとったグレーBの場合はNYダウは+0.2%、日経平均株価は+1.5%と冴えない様子がわかります。 また上段、下段ともに右側は、「上昇した回数が占める割合」を表す勝率のグラフです。こちらも格言に則った赤色Aの場合はNYダウ、日経平均株価ともに約7割の確率で上昇したのに対し、反対の投資行動をとったグレーBの場合は5、6割程度に留まっています。 ちなみに5月から9月にかけて株価パフォーマンスが良くない要因としては、米国では個人の確定申告の税還付の資金流入が一巡することや夏季休暇前のポジション調整などがその理由として挙げられます。日本でも、夏枯れ相場など様々な要因が挙げられます。いずれも明確な根拠はないのですが、有効なアノマリー、経験則とされており、これらの検証によると、秋までに買って春に売るサイクルは、有効な投資手法であるとも言えそうです。 7月8月9月「夏枯れ相場」・12月「掉尾の一振(とうびのいっしん)」・3月「お化粧買い」 2024年3月末現在、日経平均株価、NYダウは史上最高値を更新し、最高値圏で推移しています。これらの経験則によると、この先秋口にかけて、上昇一服となる場面を迎える可能性がありそうです。ただそのような場面は、中長期的な投資スタンスに立てば押し目買いの好機と捉えることができるのではないでしょうか。 (野村證券投資情報部 山内 正一郎) ご投資にあたっての注意点
-
04/29 09:00
【5月の投資戦略】地政学リスクの影響は一時的とみる
目次・ストラテジーの基本観は業績拡大の見極め・中東の地政学リスクの経済への影響は現時点で限定的とみる・米国企業業績の拡大は幅広い業種に広がる・中国政府は経済・金融市場に様々な対応策を講じる・日本では当面は緩和的な金融環境が続く・日本の主要企業は連続増益が続く ストラテジーの基本観は業績拡大の見極め 中東の地政学リスクの高まりが、主要国の株価を押し下げました。しかし、主要国の実体経済への影響は現時点で限定的とみられます。一方、米国の利下げ開始の後ずれ観測により長期金利が上昇しています。我々は、米国株式市場は金利低下による金融相場から企業業績が拡大に向かう業績相場へと進み、日本企業も業績拡大が続くことで、株式市場の好環境が持続するとみてきました。現在もこの見方は不変です。米国の利下げ後ずれが市場に織り込まれた上で、日米企業業績の拡大が続くことが確認されれば、株式市場は復調に向かうとみます。 ▲TOPに戻る 中東の地政学リスクの経済への影響は現時点で限定的とみる イスラエルとイランとの戦闘がエスカレートし、原油価格が上昇しています。しかし、現時点で主要産油地域に戦闘範囲は広がっておらず、原油の生産・供給への制約は限定的とみられます。主要国は関係国・組織に応酬の自制を促しています。一方、主要国・地域の製造業の景況感は復調が続いています。 ▲TOPに戻る 米国企業業績の拡大は幅広い業種に広がる 米国経済は住宅市況が大底圏にある一方、雇用や消費は堅調です。インフレの減速は十分では無く、FRB高官のほぼ全員が早期の利下げは不要と発言しています。長期金利が上昇していますが、利下げ後ずれの織り込みが進んでいるためでしょう。2024年1-3月期の決算シーズンが始まりました。企業業績は同四半期も増益を確保したとみられ、2025年にかけて二桁増益に向かう中で、増益の勢いは大手テクノロジー企業から幅広い業種に広がるとみられます。 ▲TOPに戻る 中国政府は経済・金融市場に様々な対応策を講じる ユーロ圏はインフレが減速する中で、6月に利下げ局面入りする可能性が高まっています。中国経済は力強さに欠ける状況が続いています。一方、中国政府は様々な対応策を講じており、現に2023年春以降の株価下落は、株価対策もあって落ち着いたようにみえます。 ▲TOPに戻る 日本では当面は緩和的な金融環境が続く 日本の生産活動は、自動車産業の品質不正問題により生産減が引き起こされたものの、徐々に復調に向かうとみられます。円安もあって、国内の設備投資やインバウンド需要は堅調です。日本銀行が大規模な金融緩和を解除した後、債券利回りが幾分上昇していますが、市場の混乱はみられません。次の利上げは賃金上昇の経済や物価への波及を確認した後、少なくとも秋以降になり、当面は緩和的な金融環境が続くでしょう。 ▲TOPに戻る 日本の主要企業は連続増益が続く 米ドル円相場は歴史的な円安水準です。経済のファンダメンタルズ(基礎的条件)や米国の利下げ後ずれ観測による債券利回り上昇から、米ドル高が進み易い現状です。為替介入があったとしても、スピード調整はできても円高への反転は難しいかもしれません。日本の主要企業の業績は、前年度比+7%前後の経常増益が複数年続く見通しに変わりはありません。仮に原油価格が上昇しても、価格転嫁を通じて業績への影響は軽微なものにとどまり、もし円安水準が通年で続けば、数%程度の増益要因になると試算されます。景気と企業業績の拡大が続く中で、野村證券は2024年内の日経平均株価のレンジ高値を44,000円と予想します。 ▲TOPに戻る 投資戦略については、地政学リスクは企業業績や経済のファンダメンタルズを毀損するものでなければ、影響は一時的と判断されます。米国の利下げ先送りが一定程度織り込まれた後は、引き続き、日米企業業績の拡大が株価を下支えするとみます。 (野村證券投資情報部 小髙 貴久) ※野村證券投資情報部「Nomura 21 Global 5月号」(発行日:2024年4月22日)「投資戦略の概要」より※掲載している画像はイメージです。 Nomura21Global参考銘柄について ご投資にあたっての注意点
-
04/28 12:00
【野村の動画】アクティブ型投資信託はインデックスに勝てないのか?
長期のリターンでみると、アクティブ型投資信託は高コスト(購入時手数料や運用管理費用等)が響きインデックスには勝てないとの定説があります。実際、専門家の方はアクティブ型投資信託についてどのように考えているのでしょうか? ご投資にあたっての注意点
-
04/28 09:00
【オピニオン】米国株:正常化の後ずれは好景気の証
※画像はイメージです。 2024年4月16日、IMF(国際通貨基金)は世界経済見通しを発表しました。米国の2024年実質GDP成長率見通しは前年比+2.7%と、2024年1月時点の見通しから0.6%ポイント、2023年10月時点から1.2%ポイント上方修正されました。IMFは、米国のコロナ禍中の財政支援に加え、好調な雇用とそれによる堅調な個人消費を理由として挙げました。インフレを含む名目ベースでのGDP成長率の2024年見通しは前年比+5.2%と、コロナ禍中を除けば2018年や2006年に次ぐ高さです。 米国株式市場は、堅調な経済やそれによるインフレの高止まりにより、FRB(米連邦準備理事会)が利下げや量的引き締め(QT)縮小といったコロナ禍対策からの「正常化」を後ずれさせることを警戒しています。2024年の利下げ回数の市場予想は、1回あたり0.25%ポイントとして、2024年初時点では6回強でしたが、2024年4月18日現在では約2回まで減少し、開始時期の予想も後ずれしました。 2024年3月11日にFRBは、2023年3月に地銀破綻と銀行からの預金流出を受け創設した銀行に対するローンプログラムであるBTFP(バンク・ターム・ファンディング・プログラム)の新規受付を終了しました。米大型株指数であるS&P500とBTFPの残高には、過去においては相関があるように見えます。FRBは、金融引き締めにより経済全体にブレーキをかけてインフレを抑制する一方で、BTFPにより脆弱な銀行部門にセーフティネットを掛けました。株式市場にとっては、「いいとこ取り」の状況でした。その後のBTFP残高の推移からは、4割強のローンが借り換えられたとみられます。BTFPのローン期間は最長1年間ですので、流出した預金が戻らない地銀は、借り換えにより2025年3月までの資金繰りが担保できたとみられます。 米国の金融政策のフェーズは、銀行部門に特化した金融緩和から、経済全体に関わる利下げやQT縮小などコロナ禍対策からの「正常化」に、本来はバトンタッチするはずでした。しかしながら、現在はBTFPの6割弱が無くなり、政策金利が高止まりし、QTが継続する、金融政策が引き締め的なフェーズといえます。金融緩和というセーフティネットの不在が、市場の変動を増幅するリスクには注意が必要です。 一方で、個人消費や設備投資が主導する経済成長は、株式市場にとっては、「金融相場」から「業績相場」への移行を意味します。S&P500の1株当たり純利益は右肩上がりに増加する見込みです(注)。金融政策正常化の後ずれは好景気の証と考え、企業業績の成長に目を向けることも重要と考えます。 (注)LSEG(旧リフィニティブ)集計による2024年4月19日時点のS&P500の1株当たり純利益成長率予想は、2024年は前年比+6%、2025年は同+14%、2026年は同+12%。 ※(アプリでご覧の方)2本の指で画面に触れながら広げていくと、画面が拡大表示されます。 (注)BTFPはバンク・ターム・ファンディング・プログラムの略で、FRB(米連邦準備理事会)による金融機関に対する期間最長1年の緊急融資プログラム。データは週次で、直近値は2024年4月17日時点。QTは量的引き締め(Quantitative Tightening)の略。(出所)FRB、LSEG(旧リフィニティブ)より野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点
-
04/27 19:00
【野村の視点】ドル円相場は34年ぶりの円安が進行、2022年の為替介入を振り返る(4/27)
ドル円相場は34年ぶりの円安が進行 為替市場では円安ドル高が進行しています。円安に歯止めがかからない背景には、日米金利差の拡大があると見られます。 日本銀行が2024年4月25~26日、金融政策決定会合を開催し、予想通り金融政策の据え置きを決定しました。市場の注目度が高かった長期国債買い入れペースについては、前回(24年3月)会合で「決定された方針に沿って実施する」と月間6兆円程度のペースで買い入れを続ける意向を示しました。 時事通信が「日銀が国債買い入れ縮小の方法を検討する」と報じたことから、市場では「国債買い入れの減額を示唆することで金利上昇を促すとともに、円買いドル売り介入が実施されるのではないか」との見方もあったことから、発表直後の市場の反応は円安、株高となりました。4月26日にはドル円が一時156円台に乗せるなど、およそ34年ぶりの円安ドル高水準となりました。 155円前後の水準では本邦政策当局による為替介入への警戒感が高かったにもかかわらず、円安に歯止めがかからない背景には、日米金利差(=米国金利-日本金利)の拡大があると見られます。 24年3月19日、日本銀行はマイナス金利を解除し、政策金利の誘導目標を0~0.1%へ引き上げました。日銀による利上げは約17年振りです。それにもかかわらず、米国では市場の利下げ観測が後退し、金利が上昇したことから、日米金利差は依然として拡大基調を辿っています。 野村では日米金利差縮小に伴って円高を予想 野村證券では、日銀は24年10月に0.25%前後へ引き上げると予想しています。一方で、FRB(米連邦準備理事会)については、24年中に2回(7月、12月)の利下げを実施し、24年末には政策金利の誘導目標を4.75~5.00%へ引き下げると予想しています。このため、日米金利差の縮小に伴ってドル円相場は円高基調へ転換し、 24年末のドル円相場は1ドル=143円と予想しています。ただし、市場では米国景気が堅調に推移し、インフレの粘着性が増していることから年内に2回の利下げを完全には織り込めていません。 (野村證券投資情報部 尾畑秀一 2024年4月26日執筆) 2022年の円安に対する為替介入 円安は、海外からの 輸入に対して円での支払いが増えることになり、行き過ぎると輸入物価を通じた価格上昇が国内のインフレにつながりかねず、政府や中央銀行にとっては通貨の安定を阻害することにもなりかねないリスクとなります。 前回、2022年の日本政府当局による米ドル売り・円買いの為替介入は、9月22日に1米ドル=145円台後半で介入が実施され、同140円台まで円高が進みました。その後、円安が再び進む中で、10月21日に同152円近くへと円安が進む中で、米ドル売り・円買いの為替介入が行われました。 (注)データは日次で、直近の値は2024年4月15日。為替レートはブルームバーグベースの日次の終値であるため、2022年に為替介入が行われた時の一時的に円安が進んだタイミングの水準は、図の中で表現できていない。 (出所)財務省、ブルームバーグより野村證券投資情報部作成 今は2022年の介入時点より円安 足元の米ドル円相場は、2022年の為替介入時点よりも円安が進んでいますが、未だに為替介入は実施されていません。米国では堅調な経済を背景に、利下げ時期の先送り観測から金利が上昇しています。 米国と日本の国債の利回り差と、米ドル円相場には密接な関係があり、その差の拡大が米ドル高圧力となっています。このような、米ドル高が進みやすいファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)の下で、米ドル売り・円買い介入を行ったとしても、為替の趨勢を反転させることは難しいとみられているのかもしれません。 (野村證券投資情報部 小髙貴久 2024年4月16日執筆) ご投資にあたっての注意点 野村オリジナル記事の配信スケジュール
-
04/27 09:00
【注目トピック】日経平均チャート分析、押し目買いの好機と判断
※画像はイメージです。 日経平均チャート分析 短期的に売られ過ぎ、自律反発へ 2024年「辰年」の日本株市場は、1989年末に付けた史上最高値を更新するなど昇竜の勢いでスタートしましたが、4月に入って春の嵐に見舞われています。日経平均株価は3月下旬から徐々に下げに転じ、4月19日には今年最大の下落幅となる前日比1,011円安となり、今年3月高値から終値ベースで約3,820円もの大幅下落となりました。23年10月安値から24年3月高値までの上昇幅に対する1/3押し(37,553円)の水準を割り込んだことで、さらなる調整となった場合は、同半値押し(35,787円)の水準が次の下値のメドとして意識されそうです(図表1上)。 ※(アプリでご覧の方)2本の指で画面に触れながら広げていくと、画面が拡大表示されます。 (注1)直近値は2024年4月25日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成 一方で、4月19日には25日移動平均線からの乖離率(4月19日:-6.26%)が2022年3月以来のマイナス乖離幅となり、またRSI(同:24.72%)は昨年10月以来の低水準となりました(図表1下)。これらのテクニカル指標面は、短期的な売られ過ぎを示唆しており、調整一巡後には相応の自律反発の動きが期待されます。実際、4月22日以降は反発に転じ、23日には19日に割り込んだ75日移動平均線(23日:37,996円)を奪回しました。 過去の上昇局面との比較では上昇余地あり 今回の株価下落は、長期上昇トレンド内の一時的な調整である可能性が高いと判断されます。今回と過去の上昇・下落局面を比較すると、今回23年1月安値以降の上昇率(+59%)は、前回の長期上昇局面(+85%)を下回っています(図表2)。 (注1)直近値は2024年4月25日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成 また、新高値(安値)の更新回数をカウントした新値累積数値は、今年3月高値時点で起点から8回の高値更新にとどまり、2010年以降の中長期上昇局面と比べ上昇余地があると考えられます(図表3)。 (注1) 直近値は2024年4月25日。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。 (注3)2023年12月22日から新値累積数値の起点を天井形成時の高値・底値形成時の安値とした。(出所)日本経済新聞社、各種資料より野村證券投資情報部作成 値幅調整は概ね十分、日柄調整待ち 前回の一時的な調整局面に当たる23年7月高値から10月安値にかけての下落率は9.6%でしたが、今回の下落率は4月19日安値(終値:37,068円)時点で9.3%に達し、前回の調整時に迫っています(図表2)。値幅調整は概ね十分と言えます。一方、下落期間(日柄)の面では調整不足は否めません。この先しばらく戻りを抑えられ上値が重くなる場面がありそうですが、中長期的な観点からは、それらは押し目買いの好機と捉えることができます。 (野村證券投資情報部 山内 正一郎) ご投資にあたっての注意点