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12/07 19:00
【来週の米国株】ハイテク上昇の継続性占う個別決算に注目(12/7)
※執筆時点 日本時間12月6日(金)12:00 今週:様子見ムードの中、ハイテク上昇 ※11月29日(金)- 12月5日(木)4営業日の騰落 12月FOMC(連邦公開市場委員会)や雇用統計(注:執筆時点では未発表)を控え様子見ムードの中、情報技術関連の株価が上昇しました。背景には、発表された対中半導体規制が予想ほど厳しくなかったことや、セールスフォース(CRM)の2024年8-10月期決算において売上高が市場の予想を上回るなど、情報技術セクターへの安心感が広がったことがあります。 対中規制への警戒が和らぐ 2日(月)、米国商務省の産業安全保障局(BIS)が対中輸出規制の強化を発表しました。主な内容は、1) 中国の140社を規制対象企業リストに追加、2) HBM(広帯域メモリー/AI関連のデータセンターに多く使われる)への規制対象拡大、3) 24種類の製造装置の輸出禁止、4) 米国以外の国からの米国技術を使った装置の輸出禁止(ただし、日本などの同盟国からの出荷を除く)などです。中国の半導体製造のサプライチェーンから先端半導体の製造能力を制限することを目指しているとみられます。規制の内容は多岐にわたるものの、概ね事前予想の範囲内の内容であり、市場には安心感が広がりました。同日、製造装置大手のASMLホールディング(オランダ企業、米国ADRのティッカーコードはASML)は、2025年の売上計画に変更がないと発表しました。 トランプ次期政権の主要ポスト候補には対中強硬派が多いことから、今後も厳しい対中規制が発表されると注意が必要です。 WSTSが半導体市場の見通しを上方修正 3日(火)に、世界の主要半導体メーカーで構成される業界団体であるWSTS(世界半導体市場統計)が2024年秋季の半導体市場の見通しを発表しました。2024年と2025年の市場予想が前回(2024年6月)よりも上方修正されています。 (注)灰色は実績、薄い赤色は2024年6月時点、赤色は2024年12月時点のWSTS(世界半導体市場統計)による予想。(出所)WSTS、LSEGより野村證券投資情報部作成 WSTSによれば、半導体需要が全体に低迷した2023年に対し、2024年はAI関連の投資が好調でメモリーやGPU(データセンターの論理計算などに使われる半導体)などのロジック製品が市場をけん引したと分析されています。2025年には、AI関連のデータセンター投資やAI機能搭載端末の増加が半導体の需要全体を押し上げ、ロジックやメモリー以外の半導体製品も前年比で成長することが期待されています。 (注)2024年、2025年は2024年12月時点のWSTSによる予想。(出所)WSTS、LSEGより野村證券投資情報部作成 当面の注目点は半導体の製品別による成長・回復のバラつきです。特に自動車や製造業、PCやスマホで使われる半導体群は2024年には前年比マイナスと予想されています。WSTSでは2025年にはプラス成長が予想されていますが、用途別に底打ち時期は異なるとみられ、その時期を探ることが重要です。WSTSのようなセミマクロ統計に加え、個別企業の決算を確認していきたいと考えます。 来週の注目点は2点です。 来週①CPI発表、粘着質なインフレ続く公算 11日(水)に消費者物価指数(CPI)が発表されます。17日(火)-18日(水)に予定される12月のFOMCを前にFRB(米連邦準備理事会)高官は7日(土)から沈黙期間に入るため、政策判断の材料を求めてCPIの結に市場が大きく反応する可能性があり注視が必要です。11月のコアCPI(食料・エネルギーを除く)は前月比+0.3%と予想されています。前回10月に上昇要因となった家賃の減速が見込まれる一方で、ハリケーンによる外出控えや年末商戦の前倒しで価格低下が見られた衣類等での反動増が想定されます。依然としてコアCPIに高めの伸びが見込まれていることから、12月FOMCでの利下げ見送りやドット・チャート(金融政策の見通し)の前回(9月)からの上方修正の材料になり得ます。 来週②情報技術関連で重要な決算 12日(木)にブロードコム(AVGO)の8-10月期決算が予定されています。VMウェアの買収以来ソフトウェア企業の色彩も強めている企業ですが、通信半導体の大手でもあり、セクターへのインプリケーションとしてはセグメント別にみる必要があります。前回決算では半導体部門の売上高が市場予想を下回っており、実績・見通しともに注目が集まります。 ご参考:ブロードコム(AVGO)前回決算 また、9日(月)にはオラクル(ORCL)、11日(水)にはアドビ(ADBE)とソフトウェア企業の決算発表も予定されています。これらは9-11月期と、前述のブロードコム等から1ヶ月進んだ四半期が対象期間となります。多くの情報技術企業が集中する10-12月期決算の先行指標としても重要性が高く、とくにAIを活用したサービスの収益状況や経営陣のコメントを確認したいと考えます。 ご投資にあたっての注意点 要約編集元アナリストレポートについて 野村オリジナル記事の配信スケジュール
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12/07 12:00
【注目トピック】25年の半導体市場は過去最高更新を見込む 業界団体が見通し上方修正
※画像はイメージです。 WSTSの2024年秋季世界半導体市場予測 2024年・2025年とも上方修正 米国時間12月3日に、世界の主要半導体メーカーで構成される業界団体、WSTS (世界半導体市場統計)が、2024年秋季の半導体市場の見通しを発表しました。今回の予想は、2024年9月までの実績値を基に作成したとのことです。 世界の半導体市場全体は、2024年と2025年の予想が、前回発表時点(2024年6月)よりも上方修正されています。 2023年は前年比縮小しましたが、2024年については拡大に転じ、これまでの過去最高だった2022年の5,741億米ドルを超える予想となっています。 ※(アプリでご覧の方)2本の指で画面に触れながら広げていくと、画面が拡大表示されます。 (注)灰色は実績、薄い赤色は2024年6月時点、赤色は2024年12月時点のWSTS(世界半導体市場統計)による予想。(出所)WSTS、LSEGより野村證券投資情報部作成 AI関連投資が市場をけん引 WSTSは、2023年は、世界的なインフレやそれに伴う利上げ、地政学リスクの高まりなどが個人消費や企業の設備投資等に影響し、AI関連・自動車用途を除き、半導体需要は低調であったとしています。 2024年については、AI関連投資が好調で、同分野で需要が拡大しているメモリーやGPUなどのロジック製品が、半導体市場をけん引するとしています。一方、AI関連を除くと、前年好調であった自動車用途が低迷したほか、設備投資の冷え込みを背景とした産業用途の不振など、多くの製品で前年比マイナス成長を予想しています。 2025年については、AI関連ではデータセンター投資の継続に加え、AI機能搭載端末の増加など、裾野の広がりが半導体需要拡大に寄与するとしています。また、世界経済の緩やかな拡大も半導体需要を押し上げる結果、メモリー製品やGPUなどのロジック製品以外の製品でも、前年比プラス成長に回帰すると予想しています。 (注)2024年、2025年は2024年12月時点のWSTSによる予想。修正率は2024年6月時点の予想金額からの修正動向。ドル円の為替レートについてWSTSは、2023年は140.4円、2024年は150.5円、2025年は148.9円を前提としている。2024年6月時点では、2023年は140.4円、2024年以降は148.5円。(出所)WSTSより野村證券投資情報部作成 製品別では動向にばらつきが 製品別についてみてみると、メモリーは2023年に前年比-28.9%と最も足を引っ張っていましたが、2024年には同+81.0%と急回復が予想されています。また、WSTSが生成AIの恩恵を受け易いとコメントしているロジック製品は前年比+16.9%と予想されています。 なお、WSTSが2024通年では多くの製品で前年比マイナス成長を予想したとしているように、2024年はディスクリート(一素子一機能の単一機能製品)、オプトエレクトロニクス、センサー・アクチュエーター、アナログは前年比マイナスと予想されています。 2025年についてWSTSは、メモリー製品やGPUなどのロジック製品以外の製品でも前年比プラス成長に回帰すると予想し、すべての製品群で、プラス成長が予想されています。 (注)2024年、2025年は2024年12月時点のWSTSによる予想。(出所)WSTS、LSEGより野村證券投資情報部作成 地域別では欧州の下方修正が目立つ 地域別では、2024年は前回の予想と同様、米州、アジア太平洋が前年のマイナス成長から大きく反発する予想となっています。日本は前年比+1.4%と、前回の同-1.1%からプラス成長に上方修正されています。一方、欧州は前回は同+0.5%でしたが、今回は同-6.7%とマイナス幅が拡大しています。 2025年は、米州、アジア太平洋で引き続き前年比二桁成長が予想されています。日本は、前回予想では前年比+9.3%でしたが、今回は同+9.4%と小幅ながら上方修正されています。欧州については、2025年にはプラス成長に転換すると予想されています。ただし、前回は前年比+8.7%でしたが、今回は同+3.3%と、伸び率が大きく下方修正されています。 想定通りも2025年に回復する点に着目 今回の予想は、AI関連が市場拡大をけん引する一方、AI関連以外の分野については需要回復の弱さが示されました。直近の半導体企業の決算や、半導体市場に関する各種報道と整合的な内容で、概ね想定の範囲内の内容だったという印象です。 とはいえ、半導体市場全体の予想が引き上げられ、2025年には各製品群とも拡大に転じる予想という点は、ポジティブに受け止めてよいと判断します。 (注)2023年末=100とする指数。直近値は2024年12月3日。フィラデルフィア半導体株指数は、米国の証券取引所に上場する主要な半導体関連30銘柄で構成される株価指数。(出所)LSEGより野村證券投資情報部作成 (野村證券投資情報部 村山 誠 ) ご投資にあたっての注意点
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12/07 09:00
【オピニオン】巳年縁起:2025年は実(巳)を結ぶ年となるか
※画像はイメージです。 2024年も残すところあとわずかです。今年は、欧米が利下げに金融政策の舵を切る一方、日銀は周回遅れで利上げに踏み切るなど、金融市場が大きな転換点を迎えた年となりました。株式市場では、日経平均株価が7月上旬にかけて約34年ぶりに史上最高値を更新しましたが、8月初旬にブラックマンデー時を上回る過去最大の下落幅を記録するなど、一時激震が走りました。政治面では、共和党ドナルド・トランプ氏の次期米国大統領への返り咲きが決まるなど、さらなる激動を予感させる年の暮れを迎えています。 さて、毎年この時期に話題となる『干支』。2025年は「巳年」です。過去の巳年の金融・株式市場の動向を振り返ってみましょう。2025年の干支は、正確には『乙巳(きのと・み)』です。干支は「十干(じっかん)※」と「十二支」の組み合わせで成り立っています。「乙」は十干の2番目で、植物の生長サイクルに例えると、草木の幼芽が屈曲して伸び始める状態を指します。「巳」は十二支の6番目で「已(やむ)」に通じ、草木の成長が最盛期を迎えた状態を表します。動物は蛇(ヘビ)を当てます。古来、蛇は「神の使い」として信仰の対象とされ、脱皮を繰り返し成長するさまは「生命力」「復活・再生」の象徴とされます。総じて「乙巳」は、紆余曲折を経た努力が実を結び、将来にわたる成果となって現れる年と位置付けられそうです。 歴史を紐解くと、前回の「乙巳」は60年前の1965年です。前年の東京オリンピック開催の余韻が残る中、11月には戦後最長の57ヶ月間に及ぶ「いざなぎ景気」がスタートします。前年の東海道新幹線開業に続き、名神高速道路が全線開通、5年後の日本万国博覧会(大阪万博)開催が決定するなど、将来の経済大国へ向けて成長が加速していく年となりました。 戦前を含めた過去8回の「巳年」の日経平均株価の年間騰落率を見ると、上昇した年と下落した年の割合は5勝3敗(勝率62.5%)、勝率ランキングでは十二支の中で8位です。年間の平均騰落率は+6.7%で、こちらも全体の8位にとどまります(下図)。何だか冴えない印象ですが、アベノミクス初期の2013年(+56.7%)や平成バブル末期の1989年(+29.0%)など、高パフォーマンスの年もあり、戦前の世界恐慌時の1929年(-33.1%)などを除いて戦後だけに限れば、年間平均騰落率は+13.4%まで改善します。 十二支にまつわる兜町の相場格言には、『辰巳(たつみ)天井、午(うま)尻下がり、未(ひつじ)辛抱、申酉(さるとり)騒ぐ。戌(いぬ)笑い、亥(い)固まる、子(ね)は繁盛、丑(うし)つまずき、寅(とら)千里を走り、卯(うさぎ)は跳ねる』とあります。ここでの「天井」はネガティブな意味ではなく、「高値で推移する」ことを意味します。2025年は「鬼が出るか蛇(じゃ)が出るか」。投資の機会を前にして「蛇に睨まれた蛙」となり、「長蛇(ちょうだ)を逸する」こと無きよう、金運や幸運を招くとされる「ヘビ」にあやかりたいですね。 ※「十干」とは、「甲(きのえ)・乙(きのと)・丙(ひのえ)・丁(ひのと)・戊(つちのえ)・己(つちのと)・庚(かのえ)・辛(かのと)・壬(みずのえ)・癸(みずのと)」。 「十二支」と組み合わせた「干支」は60年周期で一回り(=還暦)する。 (注1)1921年(大正10)~49年(昭和24)はフィッシャ-式株価指数(グレー表示)、1945年の株価騰落率は9~12月の株価が発表されていないため、1946年1月の株価を使用して算出。1950年(昭和25)以降は日経平均株価。2024年は11月29日終値までの騰落率(日経平均株価:終値38,208.03円)。(注2)勝率が高い順にランキング。赤丸は2025年の干支。(出所)各種資料より野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点
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12/07 07:00
【来週の予定】12月FOMCを控え、ブラックアウト期間に突入へ CPIなどが手掛かりか
来週の注目点:米CPI、日銀短観、ECB金融政策、中国の重要会議 米国では、12月17日(火)-18日(水)にFOMCを控えて、7日(土)からFRBのブラックアウト期間(金融政策に対する公的な発言を自粛する期間)に入ります。ブラックアウト期間を前にFRB高官からタカ派的(利下げに慎重)な発言と、ハト派的(利下げに積極的)な発言が相次いで見られたことで、市場参加者は12月利下げの有無の見極めが難しくなっています。今週は重要統計の発表が少ない中、金融政策を巡る手掛かりを得るために、11日(水)の11月のCPI(消費者物価指数)や、12日(木)の週間新規失業保険申請件数などに注目が集まります。 米国以外でも複数の主要国・地域で金融政策会合が開催されます。10日(火)に豪州、11日(水)にカナダ、ブラジル、続く12日(木)にはユーロ圏で金融政策理事会が予定されています。野村ではECBは24年12月から25年6月までは会合毎に0.25%ポイントの計1.25%ポイント、同年9月に0.25%ポイントの追加利下げを実施すると予想します。米トランプ次期政権による関税引き上げのユーロ圏経済へのマイナスの影響が懸念される中、緩やかなペースで連続利下げが実施され、ユーロ安圧力が継続すると見ています。 日本では、9日(月)に11月景気ウォッチャー調査、7-9月期実質GDP(2次速報値)、13日(金)には12月調査・日銀短観が公表されます。12月調査・日銀短観では、景気回復に足踏みがみられるも、依然として業況判断DIが高水準を維持すると野村では予想しています。 足元で景気回復の兆しが見える中国では10日(火)に11月貿易統計が発表されます。米トランプ次期政権による関税引き上げを見込んだ駆け込み需要が輸出を押し上げる可能性があります。また、11日(水)~12日(木)に中央経済工作会議が開催される見通しです。2025年の経済目標と、金融、財政、産業政策などの基本方針が示される見込みです。中国経済の今後を占う上で重要です。 (野村證券投資情報部 坪川 一浩) (注1)イベントは全てを網羅しているわけではない。◆は政治・政策関連、□は経済指標、●はその他イベント(カッコ内は日本時間)。休場・短縮取引は主要な取引所のみ掲載。各種イベントおよび経済指標の市場予想(ブルームバーグ集計に基づく中央値)は2024年12月6日時点の情報に基づくものであり、今後変更される可能性もあるためご留意ください。(注2)画像はイメージです。(出所)各種資料・報道、ブルームバーグ等より野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点
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12/06 16:24
【野村の夕解説】日経平均株価 5営業日ぶりの反落304円安(12/6)
(注)画像はイメージです。 本日の動き 本日の日経平均株価は前日比24円安の39,371円で反落して取引を開始しました。寄り付き前に発表された10月毎月勤労統計では、実質賃金が前年同月と同水準となり、3ヶ月ぶりに前年同月比でのマイナスを脱しました。賃金の伸びが示され、10年国債利回りは一時1.07%とわずかながら利回りは上昇しましたが影響は限定的で、直後に低下に転じました。一方で、前日まで4日続伸した日経平均株価は前週末比で1,100円超上昇しており、高値警戒感から寄り付き後も下げ幅を拡大しました。しかし、39,000円を下回る水準では底堅い動きを見せ下げ渋り、前日比304円安の39,091円で取引を終了しました。本日夜に米国の11月雇用統計発表を控えて様子見ムードが強く、東証プライム市場の売買代金は3兆5559億円と、10月25日以来約1ヶ月半ぶりの低水準に留まりました。 本日の市場動向 ランキング 本日のチャート (注)データは15時45分頃。ドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。(出所)Quickより野村證券投資情報部作成 今後の注目点 本日、米国では11月雇用統計が発表されます。雇用統計が米国景気の堅調推移を示唆する結果になれば、市場の利下げ観測が後退し、金利上昇とドル高につながるとの予想も多く注目されています。他には、12月消費者マインド速報値(ミシガン大学)の発表が予定されています。 (野村證券投資情報部 神谷 和男) ご投資にあたっての注意点
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12/06 12:00
【今週のチャート分析】日経平均株価、39,000円台回復、保ち合いレンジ上限突破なるか
※画像はイメージです。 ※2024年11月5日(木)引け後の情報に基づき作成しています。 持合いレンジ上限突破となれば、7月11日につけた史上最高値も視野に 今週の日経平均株価は、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の運用見直し方針に関する報道や、半導体株の上昇を受け、堅調に推移しました。 チャート面からこれまでの動きを振り返ってみましょう(図1)。日経平均株価は、11月28日に一時37,801円まで下落したものの、10月24日安値(37,712円)は割らずに反発に転じています。 12月3日にかけての株価上昇で38,200~700円のレンジに収れんする25日・75日・200日移動平均線を明確に上抜け、5日には一時39,632円まで値を戻しました。 この先11月7日高値(39,884円)や、10月15日高値(40,257円)等によって形成される9月下旬以降の保ち合い水準のレンジ上限を超えるか注目されます。上限突破となれば、7月11日につけた史上最高値(ザラバベース:42,426円)を視野に入れる動きとなると考えられます。 一方で、目先の上値が重く、再度25日線(12月5日:38,737円)や200日線(同:38,672円)を下回る水準に押し戻される場合は、11月28日安値(37,801円)が下値のメドと考えられます。 他方、8月安値(31,156円)以降の上昇過程で底入れのパターンであるダブルボトムが完成しています。また、8月安値から、これまでに約4ヶ月が経過し、9月下旬以降の保ち合いについても既に約2ヶ月半が経過しており、日柄調整が十分となっています。この先、保ち合いを上抜けし、本格的な上昇相場再開となることが期待されます。 ※(アプリでご覧の方)2本の指で画面に触れながら広げていくと、画面が拡大表示されます。 (注1)直近値は2024年11月6日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成 2024年 年間概況 -史上最高値更新と夏の大波乱- 2024年の日経平均株価は、円安と米ナスダック総合指数上昇を受けて上昇基調となり、2月22日には、約34年ぶりの史上最高値更新となりました。脱デフレや、企業改革の進展、新NISA制度のスタートという大きなうねりの中での歴史的瞬間の到来となりました(図2)。 もう一つの大きな転換点として、日銀が3月19日にマイナス金利政策を含む大規模緩和の解除を決定したことが挙げられます。その後、長期金利が上昇し日本株の重荷となりましたが、米国株上昇等を背景に、7月11日に日経平均は42,224円(終値ベース)の高値を記録しました。 しかし、その後の金融市場は大きな波乱に見舞われました。7月31日に日銀が追加利上げを行い、円高が加速しました。さらに米国株が景気減速の懸念から下落し、8月5日には日経平均が前営業日比4,451円安という歴史的急落を記録しました。ただ、翌日には大幅反発となる等、極めて振れ幅の大きい動きとなりました。その後、徐々に相場は落ち着きを取り戻し、10月中旬に4万円目前まで上昇しました。 10月27日の衆議院選挙では自民党が議席を大幅に減らし、少数与党となりました。11月の米大統領選で共和党トランプ氏が勝利し、減税や規制緩和の期待で米国株は上昇基調となりましたが、日本株は関税強化の懸念で再び上値を抑えられ、11月末を迎えました。 テーマ面では、「生成AI」の利用が広がり、半導体関連の設備投資に引き続き期待が寄せられる中、10月には石破首相が誕生し、「防災」や「防衛」への注目が集まりました。2024年、物言う株主(アクティビスト)の活動が活発化する中、企業は株主や投資家目線での経営にさらに注力することが求められており、今後、日本株や日本経済が次の段階へと進化できるかが注目されます。 (注1)直近値は2024年11月末時点。 ドル円相場は日銀公表値。株価の高値・安値の表記は、日経平均、NYダウは終値ベース、ドル円はザラ場ベース。為替介入の日付は報道ベース。(出所)各種データより野村證券投資情報部作成 (野村證券投資情報部 岩本 竜太郎) 【FINTOS!編集部発行】野村オリジナル記事配信スケジュールはこちら ご投資にあたっての注意点
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12/06 08:31
【野村の朝解説】短期的な過熱感から米国株は揃って反落(12/6)
(注)画像はイメージです。 海外市場の振り返り 5日の米国株式市場で主要3指数は揃って反落しました。前日に主要3指数が揃って史上最高値を更新したこともあり、短期的な過熱感が意識され、売りが優勢となりました。また、週間新規失業保険申請件数が、前週比9,000件増の22.4万件と市場予想(21.5万件)を上回ったことから、翌日発表される雇用統計に対する警戒が強まったことなども、株式市場の重石となったとみられます。NYダウは反落、S&P500指数とナスダック総合指数は5営業日ぶりに反落となりました。 相場の注目点 本日米国では、11月雇用統計が発表されます。非農業部門雇用者数は、前月比+21.5万人(10月:同+1.2万人)、失業率は4.1%(10月:4.1%)と、市場で予想されています。10月の雇用者数の大幅な減速が、ハリケーンなどの一時的な要因によるものだったのか、確認することになります。12月FOMCでFRBが利下げを見送るとの観測が燻る中、11月雇用統計に対する市場の関心が高まっています。本日の日本株式市場では、雇用統計の発表を今晩に控えて、様子見姿勢が強まる可能性があります。 本日のイベント 日本では、10月毎月勤労統計が発表されます。12月の日銀金融政策決定会合での追加利上げの有無を見極める上で重要です。また、米国では、翌週のブラックアウト(発言自粛)期間を前に、ボウマンFRB理事、サンフランシスコ連銀デイリー総裁などFRB高官の発言が注目されます。 (野村證券 投資情報部 澤田 麻希) (注)データは日本時間2024年12月6日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。 野村オリジナル記事の配信スケジュール ご投資にあたっての注意点
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12/05 17:00
【野村の夕解説】日経平均119円高、過熱感から引けにかけて上げ幅縮小(12/5)
(注)画像はイメージです。 本日の動き 前日、米国で発表された11月のISMサービス業景気指数や11月のADP民間雇用者数が市場予想を下回る弱い結果となったことで、長短金利はともに低下しました。一方、取引時間中に発表された米地区連銀経済報告(ベージュブック)では、米国景気の底堅さが確認される結果となり、金利低下と合わせて株価を押し上げ、主要3指数は揃って史上最高値を更新しました。米国株高を受けて、本日の日経平均株価の寄り付きは前日比334円高の39,610円となりました。しかし、前日までの3営業日で上昇幅は合計1,000円を超えており、短期的な過熱感が意識されたことから、寄り付き後は上げ幅を縮小しました。10:30に、日銀の中村審議委員が経済懇談会で行った挨拶の中で、利上げに対して慎重な姿勢を示しました。日銀による12月の追加利上げ観測がやや後退し、円安米ドル高が進んだことに伴い、日経平均株価も再度上げ幅を拡大する場面もありましたが、一時的なものに留まりました。特段の材料に欠ける中、日経平均株価は引けにかけて徐々に上げ幅を縮小し、前日比119円高の39,395円で本日の取引を終了しました。 本日の市場動向 ランキング 本日のチャート (注)データは15時45分頃。ドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。(出所)Quickより野村證券投資情報部作成 今後の注目点 6日(金)に、米国で11月の雇用統計が発表されます。米国景気の底堅さを示す結果となれば、FRBによる12月の利下げ観測が後退し、金利上昇や米ドル高につながることが予想されることから、注目されます。 (野村證券投資情報部 秋山 渉) ご投資にあたっての注意点
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12/05 09:05
【野村の朝解説】NYダウは3営業日ぶりに最高値更新(12/5)
(注)画像はイメージです。 海外市場の振り返り 4日の米国株式市場で、NYダウは最高値を更新し終値ベースで初めて4万5,000ドル台に乗せました。前日引け後に決算を発表したセールスフォースが大きく上昇し、株式市場をけん引しました。経済指標では、寄り前に発表された11月のISMサービス業景気指数は52.1と、市場予想の55.7および前月の56.0を下回り、3ヶ月ぶりの低水準となりました。同じく寄り前に発表された11月のADP民間雇用者数は前月比+14万6,000人増と、市場予想の同15万人増および、前月の同18万4,000人増(速報値:23万3,000人増)を下回りました。これらを受け、米国長期金利が低下し、株式市場の追い風となりました。 相場の注目点 6日(金)に発表される11月雇用統計が注目されます。11月FOMC議事要旨ではFRB内で利下げに対して慎重な意見が広まっていることが示唆されました。このため、雇用統計が米国景気の堅調な推移を示唆する結果になれば、市場の利下げ観測が後退し、金利上昇とドル高につながることが予想されます。日本では6日(金)発表の10月毎月勤労統計が注目されます。世界的に消費に対するインフレの悪影響が懸念されています。日本でも景気回復の持続力を図る上で、実質賃金の動向が鍵となります。 本日のイベント 取引時間中に、日銀の中村審議委員が講演を行う予定です。同委員は最ハト派と目されており、追加利上げに慎重な姿勢がみられそうです。仮に同委員からも利上げに前向きな発言がみられれば、12月会合に向けた利上げ織り込みがさらに進む可能性があります。 (野村證券 投資情報部 寺田 絢子) (注)データは日本時間2024年12月5日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。 野村オリジナル記事の配信スケジュール ご投資にあたっての注意点