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【来週の米国株】株価で負けて為替で勝った1週間、次のポイントは(12/21)

※執筆時点 日本時間12月20日(金)12:00 今週:株価は大幅下落もドル円は上昇 ※12月13日(金)- 12月19日(木)4営業日の騰落 FOMC「タカ派的利下げ」でNYダウ1100ドル超安 12月FOMC(米連邦公開市場委員会)の結果が18日(水)に発表されました。市場予想通り0.25%ポイントの利下げが決定されたと同時に、FOMC参加者の政策金利見通し(ドット・チャート)が引き上げられました。1回当たりの利下げ幅を0.25%ポイントとした場合、2025年と2026年の利下げ回数はそれぞれ2回に留まる見通しとなり、同3回程度を織り込んでいた市場予想に比べタカ派的(インフレ抑制に前向き)な内容であったと言えます。これを受けて18日の米国株式市場ではNYダウ指数が前日比1100ドル超安の大幅下落となりました。 一方で為替は19日(水)に一時1ドル=157円台をつけるなど、円安ドル高も進みました。前週末比でドルは円ベースで+2.46%(19日終値1ドル=157.42円、13日終値1ドル=153.64円として計算)です。ドル建で投資する本邦投資家の円ベースパフォーマンスは米国株指数ほど悪い内容ではなかったと考えられます。 足元の株価・為替変動に対する野村ストラテジストの見方 野村のストラテジストは「FRBのタカ派化懸念に伴う株安は1-3週間続く可能性もあるが、それ以上長期化するケースは2023年以降は見られない」とコメントしています。同期間の最長は2024年4月10日に発表された米CPI(消費者物価指数)が市場予想を上回った「CPIショック」時の3週間程度があたります。為替に関しては今後1週間程度のドル円レンジを155.0円~160.0円とし「ドル円は高止まりが基本線」と予想しています。 一部決算は半導体需要見通しに逆風 個別決算では、18日(水)引け後に発表されたメモリー半導体大手のマイクロン・テクノロジーの決算が注目されました。発表された会社見通しでは、2024年12月-2025年2月期の売上高を約79億ドル(市場予想は89.9億ドル)、一部項目を除いた1株当たり利益(EPS)の予想レンジ上限は1.53ドル(市場予想は1.92ドル)として、いずれも市場予想を下回りました。生成AI向けデータセンターで必要とされる半導体(HBM)への業績貢献期待が高かっただけに、翌日の株価は大幅下落となりました。 特に弱かったのがNAND(フラッシュメモリ)で、データセンター用向けだったとみられます。同じデータセンター向けでも生成AI向けに必要とされるHBM(広帯域メモリー、NANDではなくDRAMと呼ばれるメモリーの一種)は好調でしたが、「データセンター向けであれば全てよいというわけではない」と示唆されます。メモリー半導体メーカーの製品はスマートフォン向けやPC向けを含むため、製品構成によって業績が変動し易いことには注意が必要です。 来週:ドル円は日銀コミュニケーションに注意 米国はクリスマス休暇に入ります(24日は短縮取引、25日は休場)。12月資本財受注(24日)や週次の新規失業保険申請件数(26日)などのデータ発表が予定されるものの、株式市場を大きく動かすことは想定しにくいと考えられます。現時点ではFRB高官の発言機会も予定されず、米国側の材料は乏しい週になります。一方で、ドル円を見る上では、日銀からのコミュニケーションに前後して値動きが荒くなる可能性に注意したいと考えています。 足元の円安再加速を受け、25日(水)植田日銀総裁講演で2025年の利上げに向けた前向きな姿勢が回復するかが焦点となります。27日(金)12月日銀金融政策決定会合における主な意見では政策金利据え置きに反対票を投じた田村審議委員の議論を含め、どの程度利上げに前向きな委員が増えているかを把握したいと考えます。27日(金)の12月東京CPI(消費者物価指数)といったデータも重要ですが、よほどのサプライズがない限り、国内データは「オントラック(想定通り)」との日銀の見方は継続する公算です。円安圧力再燃の中、本邦当局からの口先介入が強化されるかも重要となります。 (投資情報部 デジタル・コンテンツ課) ご投資にあたっての注意点 要約編集元アナリストレポートについて 野村オリジナル記事の配信スケジュール

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