米国株
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2022/08/17 10:04
<野村の米国株決算速報>ウォルマート(WMT):株価は5.11%上昇、インフレへの懸念和らぐ
8月16日に発表された米国株の四半期決算をお送りいたします。 ウォルマート(WMT) インフレへの懸念和らぐ ※ 会社発表、リフィニティブより野村證券投資情報部作成※ 実績は2022年5-7月期※ EPS は非米国会計基準の希薄化後一株当たり利益※ 8月16日寄り前決算発表。発表後の株価は、16日の前日比騰落率。 店舗小売、Eコマースを運営するウォルマートの2022年5-7月期決算は、市場予想を上回りました。会社は7月に、インフレにより売れ筋商品が変化し在庫を抱えたことなどを理由に、利益見通しの引き下げを発表していましたが、客足の好調やコストが改善していることをコメントしました。また会社は、米オンラインサービスのウォルマート・プラスにパラマウント社の動画配信サービスを9月から追加することを発表しました。 (文責:野村證券 投資情報部・竹綱) ウォルマート(WMT):インフレが会社予想以上に影響<野村の米国株速報> 野村の米国株決算リンク集:2022年1-3月期・2-4月期・決算2022年3-5月期・4-6月期決算・5-7月期・6-8月期・7-9月期 野村の米国株決算リンク集:2021年10-12月期 ご投資にあたっての注意点
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2022/08/16 20:00
【アマゾン:チャート分析】ダブルボトムを形成(ナスダック時価総額上位銘柄TOP7)
このたび、米国ナスダック市場の時価総額上位銘柄をチャート分析しました。 ナスダック市場: 時価総額上位銘柄ランキング (注)データは2022年7月29日時点。 (出所)ブルームバーグデータより野村證券投資情報部作成 本日は第4位のアマゾン・ドットコム(A3311/AMZN)を取り上げました。週足チャートを用いて、チャート分析上の注目点を記しています。投資戦略を考える上で、ご参考になれば幸いです。 下降トレンドライン突破なるか注目 当社は、売上高で世界最大のオンライン小売企業です。 (図1)当社の株価は今年3月以降急落し、5月には2018年以降の上昇トレンドラインや過去の高値のフシが集まる100ドル処まで下落しました。 その後、5月安値と6月安値でダブルボトムを形成し、足元で26週線の水準を回復しました。 これまで下向きだった13週線も上向きに転じており、この先昨秋来の下降トレンドラインや52週線がある150ドル前後の水準を奪回となるか注目されます。 下値メドは上向きの13週線などが挙げられる (図2)ただ直近の戻しのピッチが速かったこともあり、目先はいったん上昇一服となる可能性も考えられます。押しを入れる展開となった場合は、上向きに転じた13週線(5日:117.48ドル)などが下支えとなると期待されます。 ※当社は2022年6月6日に20:1の株式分割を行いました。この資料は、株式分割考慮後の株価で表示しています。 (注1) 株価は修正株価でザラ場ベース。直近値は2022年8月5日。図中の「〇週線」 とは移動平均線を指します。(注2)株価表記について、2014年7月以降、一部の銘柄の呼値の単価変更により、小数点以下第1位まで表記しているものがあります。(注3)トレンドラインには主観が含まれていますので、ご留意ください。またご投資に際しては、企業業績や投資尺度などテクニカル以外の要素についてもご確認ください。 (出所)ブルームバーグデータより野村證券投資情報部作成 この資料は、投資判断の提供を目的としたものではなく、一般的なテクニカル分析の手法について記したものです。テクニカル分析は過去の株価の動きを表現したものであり、将来の動きを保証するものではありません。 また、記載されている内容は、一般的に認識されている見方について記したものですが、チャートの見方には解釈の違いもあります。 ・8/15配信:【アルファベット:チャート分析】13週線が下向きから変化(ナスダック時価総額上位銘柄TOP7) ・8/12配信:【マイクロソフト:チャート分析】下降トレンドライン突破へ(ナスダック時価総額上位銘柄TOP7) ・8/11配信:【アップル:チャート分析】主要移動平均線を奪回 (ナスダック時価総額上位銘柄TOP7) ご投資にあたっての注意点
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2022/08/15 20:00
【アルファベット:チャート分析】13週線が下向きから変化(ナスダック時価総額上位銘柄TOP7)
このたび、米国ナスダック市場の時価総額上位銘柄をチャート分析しました。 ナスダック市場: 時価総額上位銘柄ランキング (注)データは2022年7月29日時点。 (出所)ブルームバーグデータより野村證券投資情報部作成 本日は第3位のアルファベット(A株)(A4987/GOOGL)を取り上げました。週足チャートを用いて、チャート分析上の注目点を記しています。投資戦略を考える上で、ご参考になれば幸いです。 保ち合いこなしつつ13週線を奪回 当社は、世界最大のアクセス数を誇る情報検索エンジン「グーグル」を展開する企業です。 (図1)当社の株価は、今年5月以降、100ドル~120ドルの範囲で保ち合い相場が続いています。足元で昨年下支えとして機能した13週移動平均線(5日:113.05ドル)を奪回した他、同線が下向きから横向きに転じつつあり、この先戻しを試す展開となるか注目されます。 最初の戻しのメドとしては今年に入り何度か安値を付けた125ドル前後の水準が挙げられます。 調整継続の場合は5月安値などが下値メド (図2)一方仮に再度調整となった場合は、今年5月安値(101.88ドル)や2020年以降の上昇幅に対する2/3押し水準(84.14ドル)などが下値メドとして挙げられます。 ※当社は2022年7月18日に20:1の株式分割を行いました。この資料は、株式分割考慮後の株価で表示しています。 (注1) 株価は修正株価でザラ場ベース。直近値は2022年8月5日。図中の「〇週線」 とは移動平均線を指します。(注2)株価表記について、2014年7月以降、一部の銘柄の呼値の単価変更により、小数点以下第1位まで表記しているものがあります。(注3)トレンドラインには主観が含まれていますので、ご留意ください。またご投資に際しては、企業業績や投資尺度などテクニカル以外の要素についてもご確認ください。 (出所)ブルームバーグデータより野村證券投資情報部作成 この資料は、投資判断の提供を目的としたものではなく、一般的なテクニカル分析の手法について記したものです。テクニカル分析は過去の株価の動きを表現したものであり、将来の動きを保証するものではありません。 また、記載されている内容は、一般的に認識されている見方について記したものですが、チャートの見方には解釈の違いもあります。 ・8/12配信:【マイクロソフト:チャート分析】下降トレンドライン突破へ(ナスダック時価総額上位銘柄TOP7) ・8/11配信:【アップル:チャート分析】主要移動平均線を奪回 (ナスダック時価総額上位銘柄TOP7) ご投資にあたっての注意点
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2022/08/13 15:00
デジタル金融(DeFi)のルール整備が進む (野村のオピニオン)
ブロックチェーン技術を基盤とした次世代サービスであるWeb3のうち、デジタル金融サービスである「DeFi(分散型金融、Decentralized Finance、ディファイ)」が重要な局面を迎えています。 決済や金融サービスを手がけるブロック(旧スクエア)は、8月4日に発表した4−6月期決算で暗号資産のビットコイン関連の純収益が前年同期比で34%減少したことを報告しました。要因についてブロックは、ビットコインに関する消費者需要の減少と価格の下落によるもので、これは暗号資産全般についての不確実性に起因している、と説明しました。また、EV大手のテスラは、4−6月期に保有していたビットコインのうち約75%を売却し、損失を計上しました。 暗号資産の価格下落の理由は様々ですが、FRB(米連邦準備理事会)の金融引き締めに加え、4月時点で暗号資産の時価総額で3番目だったテラUSDの価格が5月以降に9割超下落したことが挙げられます。テラUSDは本来はドルに連動(ペッグ)し価格変動の少ない「ステーブルコイン」でしたが、ペッグできない状況になりました。 IMF(国際通貨基金)は、昨年10月に金融安定化の課題として暗号資産の規制の必要性や、ステーブルコインの問題点、今年4月にはDeFiの抱えるリスクと効率などについてレポートで指摘していました。 BIS(国際決済銀行)は、昨年12月に公表した四半期報告書の中で、「DeFiが完全な分散(規制の全く掛からない非中央集権化)であるとの主張は幻想」であるものの、「ブロックチェーンが拡大し伝統的資産の大規模なトークン化が進み、ガバナンスや金融安定性、違法行為対策などの規制やセーフティネットが整備されれば、DeFi は金融システムにおいて重要な役割を担うであろう」と述べています。また、6月に行った検討会で、ステーブルコインと無担保コインの分類、与信機関に必要な資本額などの基準を今年12月に確定させることを発表しています。 OECD(経済協力開発機構)は、5月に機関投資家の暗号資産参入はDeFiと従来型金融の融合を促進する可能性があることを報告しました。8月4日には運用額で世界最大のブラックロックが、暗号資産交換所のコインベースとの提携を発表しました。 暗号資産を中心としたDeFiはいまだ問題点はあるものの国際機関によるルール整備が進んでおり、効率性などの利点を消費者が享受できる日も近そうです。 ※2本の指で画面に触れながら広げていくと、画面が拡大表示されます。 【FINTOS!編集部発行】野村オリジナル記事配信スケジュールはこちら 業種分類、Nomura21 Globalについて ご投資にあたっての注意点
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2022/08/12 20:00
【マイクロソフト:チャート分析】下降トレンドライン突破へ(ナスダック時価総額上位銘柄TOP7)
このたび、米国ナスダック市場の時価総額上位銘柄をチャート分析しました。 ナスダック市場: 時価総額上位銘柄ランキング (注)データは2022年7月29日時点。 (出所)ブルームバーグデータより野村證券投資情報部作成 本日は第2位のマイクロソフト(A2218/MSFT)を取り上げました。週足チャートを用いて、チャート分析上の注目点を記しています。投資戦略を考える上で、ご参考になれば幸いです。 明確突破となれば再び300ドル台を目指す可能性 当社は、売上高で世界トップクラスのソフトウェア企業です。 (図1)当社の株価は、今年4月以降13週移動平均線に上値を押さえられる展開が続いていましたが、8月に入り同線(5日:264.09ドル)を上抜け、昨年11月以降の下降トレンドラインまで戻しました。 この先、同ラインを明確に上抜けとなれば、今年3月高値(315.95ドル)や昨年11月高値(349.67ドル)などを目指す展開が期待されます。 200ドル台前半では下げ渋りの動きが期待 (図2) ただ52週線の傾きが上向きから横ばいに転じつつあります。仮に上値を押さえられた場合は、まずは今年6月安値(241.51ドル)が最初の下値メドとして挙げられます。 さらなる下値メドとしては2020年3月以降の上昇幅に対する2/3押し(204.90ドル)などが挙げられますが、200ドル台前半の水準は2020年~21年にかけて保ち合い相場を形成しており下げ渋りの動きが期待できます。 (注1) 株価は修正株価でザラ場ベース。直近値は2022年8月5日。図中の「〇週線」 とは移動平均線を指します。(注2)株価表記について、2014年7月以降、一部の銘柄の呼値の単価変更により、小数点以下第1位まで表記しているものがあります。(注3)トレンドラインには主観が含まれていますので、ご留意ください。またご投資に際しては、企業業績や投資尺度などテクニカル以外の要素についてもご確認ください。 (出所)ブルームバーグデータより野村證券投資情報部作成 この資料は、投資判断の提供を目的としたものではなく、一般的なテクニカル分析の手法について記したものです。テクニカル分析は過去の株価の動きを表現したものであり、将来の動きを保証するものではありません。 また、記載されている内容は、一般的に認識されている見方について記したものですが、チャートの見方には解釈の違いもあります。 ・8/11配信:【アップル:チャート分析】主要移動平均線を奪回 (ナスダック時価総額上位銘柄TOP7) ご投資にあたっての注意点
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2022/08/12 19:00
【野村の株式データ集】米国株騰落率ランキング (8月第2週)
米国主要銘柄・株価騰落率ランキング(上位) 2022年8月第2週(2022年8月5日~8月11日) 2022年8月月間(2022年7月29日~8月11日) 2022年年間(2021年12月31日~2022年8月11日) (注)対象はS&P100、直近値は2022年8月11日。(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成 米国主要銘柄・株価騰落率ランキング(下位) 2022年8月第2週(2022年8月5日~8月11日) 2022年8月月間(2022年7月29日~8月11日) 2022年年間(2021年12月31日~2022年8月11日) (注)対象はS&P100、直近値は2022年8月11日。 (出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成 <参考>今週の米国株式市場パフォーマンス 主要指数 S&P500指数:主要24業種 (注)業種分類はGICS24業種ベース。直近値は2022年8月11日。(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点
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2022/08/12 11:24
<野村の米国株決算速報>ディズニー(DIS):株価は4%超上昇、ディズニープラスの加入堅調
8月10日に発表された米国株の四半期決算をお送りいたします。 ウォルト・ディズニー・カンパニー(DIS) ディズニープラスの加入堅調 ※ 会社発表、リフィニティブより野村證券投資情報部作成※ 実績は2022年4-6月期※ EPS は非米国会計基準の希薄化後一株当たり利益※ 8月10日引け後決算発表。発表後の株価は、翌11日の10日終値比での騰落率。 世界的なエンターテインメント企業であるウォルト・ディズニー・カンパニーの2022年4-6月期決算は予想を上回りました。会社はストリーミング配信事業について、Disney+(ディズニープラス)の加入数の増加が堅調なことをコメントし、同時に12月に米国での広告プランの導入と実質的な値上げを行うことを発表しました。また、米国テーマパーク事業については需要が堅調で、コロナ禍前の2019年同期と比較して来場者数が上回る日が増えており、顧客一人当たりの売上高が40%以上増加したことを報告しました。 (文責:野村證券 投資情報部・竹綱) <野村の米国株決算速報>ウォルト・ディズニー・カンパニー(DIS) 野村の米国株決算リンク集:2022年1-3月期・2-4月期・決算2022年3-5月期・4-6月期決算・5-7月期・6-8月期・7-9月期 野村の米国株決算リンク集:2021年10-12月期 ご投資にあたっての注意点
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2022/08/10 15:00
米株市場は業績による選別が進もう(市場展望)
業績拡大が予想されている企業は多い 野村では、米国の実質GDP 成長率は、2021年の前年比+5.7%に対し、22年は同+1.3%に鈍化し、23年には同-1.2%とマイナス成長を予想する。 足元ではインフレに鎮静化の兆しがみられるものの、まだ予断を許さない状況だ。その一方で、インフレ抑制のためのFRB(米連邦準備理事会)による積極的な利上げが米国経済を鈍化させる可能性も懸念され、今後の金融政策については依然として不透明感が漂っているのが現状だ。 野村では、FRBの政策金利は今後、9月に0.50%ポイント、11月、12月に0.25%ポイント引き上げられると予想する。そして、23年2月の0.25%ポイント引き上げを最後に3.50~3.75%で今回の利上げサイクルを終了すると予想している。その後は、インフレの低下トレンドを確認するまでこの水準で政策金利を維持した後、23年9月から会合ごとに0.25%ポイントずつの利下げが実施されると野村では見込んでいる。 上記のように、FRBの金融政策が引き締めから緩和に向かうことで、昨年来上昇してきた米長期金利(米10年国債利回り)は今後、頭打ちから低下傾向となっていくと考えられる。野村では、米長期金利は今後、一時的に上昇する可能性はあるが、22年末は2.65%程度と予想する。その後は米国経済が鈍化することに伴い低下し、23年末には1.70%程度と予想する。 次に企業業績であるが、調査会社リフィニティブによる7月29日時点の集計では、S&P500指数構成企業のEPS(1株当たり利益)は、22年は前年度比+9.1%の227.02ドル、23年は同+8.5%の246.33ドル、24年は同+8.2%の266.52ドルと予想されている。 今後、米国景気が鈍化する中で、上記の企業業績予想が下方修正される公算が大きい。しかし、独自の技術力やビジネスモデルでグローバルに競争力を発揮し業容を拡大している企業は、相対的に高い利益成長率を維持し、22年以降も史上最高益を更新していく可能性が高い。 今後、米長期金利が頭打ちから低下してゆく局面では、史上最高益を更新する企業群の株価は、米国株式市場平均を上回る株価パフォーマンスを示そう。 競争力の強い企業群に着目 米国株式の銘柄選別の視点としては、独自の技術力やビジネスモデルで競争力を発揮している企業群の、中長期的な株価上昇に着目したい。 一例として、ネットワークセキュリティー企業のフォーティネットが挙げられる。同社は独自に開発したプロセッサーやソフトウェアを組み込んだアプライアンス(セキュリティー用途に特化した機器)などを通じ、広範なセキュリティー・ネットワーク機能をユーザー企業に提供している。 もう一つの分野としては、企業向けのソフトウェアで競争力を発揮している企業群である。例えば、オラクルが挙げられる。同社は企業向けにデータベース、アプリケーションソフトウェア、ミドルウェア、ハードウェアなどのITソリューションを幅広く提供している。クラウドサービスを拡充し、オンプレミス、クラウド、両者を混在させたハイブリッドクラウドなど、顧客のニーズにあわせた形態でIT環境を提供、顧客を獲得し、業容を拡大している。 そのほかでは、企業向けに営業力の強化や、業務効率を改善させるためのソフトウェアを展開する企業群に着目したい。売上高で世界最大のソフトウェア企業であるマイクロソフトや、顧客関係管理ソフトウェア大手のセールスフォース・ドットコム、などを挙げたい。 世界最大の検索エンジン「グーグル」を展開し、積極的に新技術に投資するアルファベットも挙げたい。 カード決済ネットワークも着目したい。コロナ禍の影響で実店舗でのカード利用減少の影響を受けてきたが、新型コロナへの対応で世界的に電子決済化の流れは加速しており、同分野最大手のビザを挙げたい。 総合娯楽企業のウォルト・ディズニーも挙げたい。TV 放送やストリーミング配信、映画・TV コンテンツ、テーマパークなどの事業の拡大に加え、メタバース、NFT(非代替性トークン)など新技術の活用で業績の成長が期待される。 それぞれの分野で競争力を発揮し、着実な業容拡大で長期間増配を続ける優良企業も紹介したい。過去25年以上増配を継続している企業で構成される「S&P500配当貴族指数」採用で、かつNY ダウ指数の構成銘柄でもある企業は、シェブロン、スリーエム、キャタピラー、マクドナルド、プロクター・アンド・ギャンブル、コカ・コーラ、ウォルマート、ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス、ジョンソン・エンド・ジョンソン、IBM 等である。 (投資情報部 村山 誠) ※野村週報 2022年8月8日号「焦点」より 【FINTOS!編集部発行】野村オリジナル記事配信スケジュールはこちら ご投資にあたっての注意点
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2022/08/06 11:00
米国株、36ヶ月線が示唆する復活の狼煙 (野村のオピニオン)
市場の注目を集めた7月26日~27日開催のFOMC(米連邦公開市場委員会)では、6月会合に引き続き0.75%ポイントの大幅利上げが決定されました。しかし、市場参加者の一部にはそれを上回る1.00%ポイントの利上げを見込む向きがあったことや、パウエルFRB(米連邦準備理事会)議長が今後の利上げペースについてデータ次第の柔軟な姿勢を示したことなどから、NYダウなどの主要株価指数は大幅に反発し、ドルは全面安で反応しました。 「Buy the rumor, sell the fact.(噂で買って事実で売れ)」という有名な相場格言があります。今回はその逆パターン(悲観論で売って事実で買い戻す)となりますが、7月FOMC後の金融市場の反応は、市場参加者が現状で考えられうるリスクシナリオを先取りして織り込んできたことの証左と言えるでしょう。 金利上昇を最も嫌気していたナスダック総合指数(以下、ナスダック)も反発を見せ始めています。同指数は、昨年11月の史上最高値(16,057ポイント)からの下落率が6月中旬に最大で33.7%に達し、月足チャート面(下図)では一時36ヶ月移動平均線(8月3日時点:12,027ポイント)を割り込む水準まで値を崩しました。しかし、下ヒゲを引く形でその後は切り返し、7月の大陽線で同ラインの早期奪回を果たしています。 注目されるのは、ナスダックの長期上昇相場がスタートした2009年3月以降で主要な下落局面は今回を除き4回(図中:①~④)ありましたが、その全ての局面で上向きの36ヶ月線が下支えとなり、同水準前後から底打ち反転していることです。高値からの下落率や下落期間の点においても、今回の「33.7%、8ヶ月」は、過去4回の下落局面と比べても、すでに調整十分と捉えられる水準となっています。今回も①~④と同様のパターンを描く可能性は高いと考えられます。 勿論、世界的な金融引き締めが早期に終了することは期待しにくく、ウクライナ紛争や新型コロナ感染拡大にも収束の気配が見えない中、株式市場を取り巻く環境は依然として厳しいものがあります。とはいえ、早々に景気後退リスクまで織り込んだ株式市場の動きを鑑みれば、この先インフレ指標のピークアウトが確認されれば、利上げがしばらく継続しても、株式市場が殊更ネガティブに反応する可能性は低いと考えられます。まずは下向きの12ヶ月線(8月3日時点:13,653ポイント)奪回が、最初の試金石となるでしょう。 ※テクニカル分析は過去の株価・為替等の値動きを分析・表現したものであり、将来の動きを保証するものではありません。また、記載されている内容は一般的に認識されている見方について記したものですが、チャートの見方には解釈の違いもあります。 ※2本の指で画面に触れながら広げていくと、画面が拡大表示されます。 【FINTOS!編集部発行】野村オリジナル記事配信スケジュールはこちら 業種分類、Nomura21 Globalについて ご投資にあたっての注意点