米国株
231件
-
2022/11/07 20:00
【今週の米国株】投資家必見、米中間選挙3つの株価インパクト(11/7 選挙前・特別無料版)
10月28日~11月4日の騰落:株価は下落、政策金利の到達点高い 11月2日(水)のFOMC(米連邦公開市場委員会)の結果を受けて株式市場は下落しました。11月の利上げ幅は市場予想通りの0.75%ポイントだったものの、 パウエルFRB議長は、政策金利の到達点が9月FOMC時点の参加者の金利見通し(ドット・チャート)を上回るとの見方を強調しました。 ①経済指標・金融政策:10日(水)にCPI、インフレ見極め 野村グループの雨宮エコノミストは、前述のFOMC結果を「近いうちに利上げが休止されるとの見方を一蹴し、インフレを巡る状況が改善していないことを示す」と分析し、野村の予想を以下のように変更しています。 ・12月FOMCでの利上げ幅を0.50%ポイントに引き下げ(従来予想は0.75%ポイント) ・利上げ継続時期を2023年5月に延長(従来予想は3月) ・政策金利の到達点を5.50%〜5.75%に引き上げ(従来予想は5.25%〜5.50%) つまり、「短期的な利上げペースは減速するものの、利上げ期間自体は長期化する」方向に見通しを修正しました。野村證券ではインフレ抑制のために景気後退を厭わないFRBの姿勢を市場が過小評価している点を警戒しています。 先週もう一つの重要イベントは4日(金)の10月雇用統計でした。今後のインフレ動向を予想する観点から、労働市場の需給逼迫度合いに対する市場の注目度が高まっています。非農業部門の雇用者数や時間あたり平均賃金の前月比上昇率は市場予想を上回りインフレが鎮静化に向かっていないことを示唆する一方、失業率は上昇し労働需給の緩和を示唆するまちまちの内容でした。野村では労働需給は引き続きタイトであり、FRBのタカ派姿勢は変わることがないと予想しています。 雇用統計がまちまちの内容であったことから、インフレ動向を確認する上での注目点は、今週10日(木)に発表されるCPI(消費者物価指数)に移ります。野村では、食料品とエネルギーを除くコアCPI上昇率が9月の前月比+0.6%から同+0.3%に減速し、市場予想(同+0.5%)を下回ると予想しています。 ②米中間選挙:3つの株価インパクト ここまでの金融政策・インフレに関する動向を押さえた上で、明日8日(火)に迫った米中間選挙の結果が、どのように株式市場に影響するか(あるいは、「しないか」)を確認していきしょう。 中間選挙とは、候補者の公約を有権者が選択する大統領選挙と異なり、現職の大統領への信任投票という性格を持ちます。今回は、上院(100議席)のうち35議席と下院の全議席が改選対象になります。現在は、上下院ともに民主党が多数派 (※上院は50議席対50議席、上院議長のハリス副大統領を入れて多数派)ですが、現時点で下院では共和党勝利が予想されており、大統領の政策に対して下院が反対する構造である「ねじれ議会」となることはほぼ確実な情勢です。 「ねじれ」となれば、政策が停滞することが懸念されますが、市場ではあまり不安視されていないようです。なぜ市場の関心はあまり高まらないのでしょうか? ここでは、足元で起きている「インフレ」と政権運営との関係への理解が重要となります。もともと、バイデン大統領は、大規模な財政政策を掲げて当選した大統領でした。しかし、任期中に新たな政策課題となったのがインフレです。大規模な財政出動は、全体として需要を喚起するためインフレを加速しやすく、バイデン政権の掲げる政策と国が抱える課題の間に矛盾が生じています。バイデン政権は、国民のインフレへの不満から支持率を落としています。足元ではインフレ対策法案などに政策を切り替えたことで若干支持率を回復させていますが、上述のように「信任投票」の性格が強いため、事前調査では共和党に水を空けられている状況です。 では、選挙は今後の株価動向に全く「無関係」なのでしょうか。FINTOS!読者の投資家の皆様へは、一歩踏み込んだ見方をお伝えさせていただきます。 「ねじれ」が2023年財政年度(2022年10月〜2023年9月)の予算案に関する不確実性を低下(株価にとってはプラスの影響)させる可能性があります。選挙で「ねじれ」が確実となった場合、予算案成立の見込みがなくなるため、民主党は、議席が入れ替わる前の「レイムダック・セッション」 の間(中間選挙後2022年末までの間)に予算案成立を急ぐ可能性があります。これは、ねじれの好影響と言えます。他方、市場予想に反し、両議会で民主党が勝利した場合は、民主党が予算案成立を先延ばしにする(市場にとっては、不確実性が高まる)可能性がある点には注意が必要です。 バイデン政権の特徴の一つである移民受け入れ政策が成立すれば、労働需給緩和→ インフレ緩和→米国株高の流れが想定されます。これは、「ねじれ」であると実現しないため、現時点で可能性は高くはありません。ただし、バイデン大統領が大統領令で対応しようとする可能性もあり、インフレ対策の一つとしても注目しておきたい政策です。 2024年1月末に、クックFRB理事再任が予定されています。上院の多数派が決定を左右するため、下院が影響する①・②と違い、不透明感の高い上院の選挙結果が左右することは押さえておきたいポイントです。クック理事が再任されない場合、FRBの金融政策の姿勢がわずかにタカ派寄りになる(株価には下押し影響)ことが想定されます。 以上、選挙結果が株価に影響しうるポイント3点の紹介でした。選挙後も、政治の動向自体は引き続き重要です。インフレ抑制策や対中・対ロ政策については、個別セクターをみる上でも、注視していきたいと考えます。 なお、毎週の「今週の米国株」は、FINTOS!アプリのみで配信しています。通常号では、プレミアム会員向けに企業決算のインプリケーションなど、より具体的な投資の参考になる情報を随時提供しています。プレミアム会員は1ヶ月無料(=「今週の米国株」は4回見ることができます)、この機会にぜひご利用を検討ください。 (FINTOS!外国株ライター 小野崎通昭) ご投資にあたっての注意点
-
2022/10/28 11:34
<米国株決算速報>アマゾン・ドットコム(AMZN):株価は-12.73%、年末商戦を前に逆風が強まる
10月27日に発表された米国株の四半期決算をお送りいたします。 アマゾン・ドットコム(AMZN) 年末商戦を前に逆風が強まる ※ 会社発表、リフィニティブより野村證券投資情報部作成※ 実績は2022年7-9月期※ EPS は、米国会計基準の希薄化後一株当たり利益0.28ドルから、保有するリビアン・オートモーティブ株の評価益(一株当たり0.11ドル)を比較のために除いた値※ 10月27日引け後決算発表。発表後の株価は、27日の時間外取引における27日終値比での騰落率(米国東部時間19時59分現在) イーコマースやメディアサービス、クラウド事業のAWSなどを運営するアマゾン・ドットコムの2022年7-9月期決算は、市場予想を下回りました。また、イーコマースに重要な年末商戦にあたる10-12月期の売上高の見通しは、市場予想を下回りました。 会社は、為替やインフレなどのマクロ環境の逆風が7-9月期の後半に強まり、10-12月以降も継続すると予想していることをコメントしました。 <米国株決算速報>アマゾン・ドットコム(AMZN):サードパーティ販売好調 野村の米国株決算リンク集:2022年1-3月期・4-6月期・7-9月期・10-12月期決算 野村の米国株決算リンク集:2021年10-12月期 ご投資にあたっての注意点
-
2022/10/28 10:14
<米国株決算速報>アップル(AAPL):株価は+0.35%、iPhoneの需要に自信
10月27日に発表された米国株の四半期決算をお送りいたします。 アップル(AAPL) iPhoneの需要に自信 ※ 会社発表、リフィニティブより野村證券投資情報部作成※ 実績は2022年7-9月期※ EPS は米国会計基準の希薄化後一株当たり利益※ 10月27日引け後決算発表。発表後の株価は、27日の時間外取引における27日終値比での騰落率(米国東部時間19時59分現在) スマートフォンやパソコン、タブレット、ウェアラブル、アクセサリーの設計・製造・販売とサービス事業を行うアップルの2022年7-9月期決算は予想を上回りました。会社は、為替の悪影響が予想以上だったものの、iPhoneについては、需要が強く、旧型製品や他社製品からの乗り換えが順調で、9月末の在庫は目標水準よりも低いとコメントしました。また、Macについては、供給制約が緩和されたことで保留されていた需要を満たせたことが好業績につながったと述べました。 <米国株決算速報>アップル(AAPL):iPhone需要は堅調継続 野村の米国株決算リンク集:2022年1-3月期・4-6月期・7-9月期・10-12月期決算 野村の米国株決算リンク集:2021年10-12月期 ご投資にあたっての注意点
-
2022/10/27 10:42
<米国株決算速報>メタ・プラットフォームズ(META):株価は-19.66%、広告事業の軟調見込む
10月26日に発表された米国株の四半期決算をお送りいたします。 メタ・プラットフォームズ(META) 広告事業の軟調見込む ※ 会社発表、リフィニティブより野村證券投資情報部作成※ 実績は2022年7-9月期※ EPS は米国会計基準の希薄化後一株当たり利益※ 10月26日引け後決算発表。発表後の株価は、26日の時間外取引における26日終値比での騰落率(米国東部時間19時59分現在) 「フェイスブック」や「インスタグラム」などSNS広告事業を行うメタ・プラットフォームズの2022年7-9月期決算は、VRヘッドセット製造などメタバース事業を行うReality Labs事業の営業赤字額が市場予想以上となり、EPSが市場予想を下回りました。会社はReality Labs部門の営業赤字額が2023年度以降も拡大することをコメントしました。会社はマクロ環境やアップルのプライバシー規則の変更などの悪影響に対応できているとコメントした一方、2022年10-12月期の売上高見通しは市場予想を下回りました。 <米国株決算速報>メタ・プラットフォームズ(META):SNS広告需要の低迷が継続 野村の米国株決算リンク集:2022年1-3月期・4-6月期・7-9月期・10-12月期決算 野村の米国株決算リンク集:2021年10-12月期 ご投資にあたっての注意点
-
2022/10/26 11:05
<米国株決算速報>ビザ(V):株価は+1.35%、消費の堅調継続
10月25日に発表された米国株の四半期決算をお送りいたします。 ビザ(V) 消費の堅調継続 ※ 会社発表、リフィニティブより野村證券投資情報部作成※ 実績は2022年7-9月期※ EPS は非米国会計基準の希薄化後一株当たり利益※ 10月25日引け後決算発表。発表後の株価は、25日の時間外取引における25日終値比での騰落率(米国東部時間19時59分現在) 決済テクノロジー企業であるビザの2022年7-9月期決算は市場予想を上回りました。会社は、マクロ環境の不確実性が高まったにもかかわらず、国境を越えた旅行の継続的な回復などにより決済額や決済件数の増加傾向が継続していることをコメントしました。 <米国株決算速報>ビザ(V):海外旅行者の支出堅調 野村の米国株決算リンク集:2022年1-3月期・4-6月期・7-9月期・10-12月期決算 野村の米国株決算リンク集:2021年10-12月期 ご投資にあたっての注意点
-
2022/10/26 11:04
<米国株決算速報>アルファベット(GOOGL):株価は-6.58%、ドル高が逆風
10月25日に発表された米国株の四半期決算をお送りいたします。 アルファベット(GOOGL) ドル高が逆風 ※ 会社発表、リフィニティブより野村證券投資情報部作成※ 実績は2022年7-9月期※ EPS は非米国会計基準の希薄化後一株当たり利益※ 10月25日引け後決算発表。発表後の株価は、25日の時間外取引における25日終値比での騰落率 (米国東部時間19時59分現在) 「グーグル」や「ユーチューブ」といったインターネット広告事業やクラウド事業などを行うアルファベットの2022年7-9月期決算は、売上高、希薄化後EPSともに市場予想を下回りました。クラウドコンピューティング事業が好調な一方で、ユーチューブの広告収入は前年同期比で減少しました。ドル高が業績の逆風となりました。 <米国株決算速報>アルファベット(GOOGL):インターネット広告への逆風継続も、株価は時間外で上昇 野村の米国株決算リンク集:2022年1-3月期・4-6月期・7-9月期・10-12月期決算 野村の米国株決算リンク集:2021年10-12月期 ご投資にあたっての注意点
-
2022/10/26 10:46
<米国株決算速報>マイクロソフト(MSFT):株価は-6.70%、PC需要の見通し慎重
10月25日に発表された米国株の四半期決算をお送りいたします。 マイクロソフト(MSFT) PC需要の見通し慎重 ※ 会社発表、リフィニティブより野村證券投資情報部作成※ 実績は2022年7-9月期※ EPS は米国会計基準の希薄化後一株当たり利益※ 10月25日引け後決算発表。発表後の株価は、25日の時間外取引における25日終値比での騰落率(米国東部時間19時59分現在) 「Office」や「ウインドウズ」、クラウドソフトの「Azure(アジュール)」などで知られるソフトウェア企業であるマイクロソフトの2022年7-9月期決算は市場予想を上回りました。 一方で、2022年10-12月期の売上高見通しは市場予想を下回り、会社はPC市場の需要減少などによりOEM版ウインドウズ売上高の前年同期比での減少率が7-9月期より大きくなることをコメントしました。 <米国株決算速報>マイクロソフト(MSFT):2023年6月通期の見通しを据え置き 野村の米国株決算リンク集:2022年1-3月期・4-6月期・7-9月期・10-12月期決算 野村の米国株決算リンク集:2021年10-12月期 ご投資にあたっての注意点
-
2022/10/23 14:00
米VIX指数30超え後のパフォーマンスは良好(注目テーマ)
米国株は8月中旬にかけて一旦値を戻したものの、今後の金融引き締め継続に伴う景気悪化懸念が高まり、再び下値模索となった。米国株の代表的な株価指数であるS&P500指数は9月に大幅安となり、6月ボトムを下抜けし、年初来安値を更新した。一方、恐怖指数とも呼ばれるVIX 指数は30を超えた。VIX 指数はオプション取引のボラティリティ(変動率)を元に算出され、数値が高いほど、投資家が今後の値動きが激しくなると予測していることを表し、また投資家が先行きに不安や恐怖を感じていると考えることができる。 株価指数とVIX 指数の関係(図1)をみると、VIX 指数が30を超えていた時は、一般的には株価が急落してマーケットが荒れている時期と言える。図2は、VIX 指数30超えの日から各々の期間までのS&P500指数の平均リターンを表している。1990年からの長期でみても2009年からの中期でみても、良好なパフォーマンスとなっている。またVIX 指数30超えからの期間別のパフォーマンスをみると、長期になればなるほど上昇率が高まっており、例えばVIX 指数30超えの1カ月後に投資した場合も、その後のパフォーマンスはプラスになっている。市場が急変した際に慌てずに、様子を見てから投資をしても十分妙味があるといえる。 (投資情報部 岩本 竜太郎) ※野村週報 2022年10月17日号「投資の参考」より 【FINTOS!編集部発行】野村オリジナル記事配信スケジュールはこちら ご投資にあたっての注意点
-
2022/10/20 12:00
<米国株決算速報>テスラ(TSLA):株価は6.28%下落、為替が逆風
10月19日に発表された米国株の四半期決算をお送りいたします。 テスラ(TSLA) 為替が逆風 ※ 会社発表、リフィニティブより野村證券投資情報部作成※ 実績は2022年7-9月期※ EPS は非米国会計基準の希薄化後一株当たり利益※ 10月19日引け後決算発表。発表後の株価は、19日の時間外取引における19日終値比での騰落率(米国東部時間19時59分現在) EVの製造販売や太陽光発電事業を行うテスラの2022年7-9月期決算は売上高は214.54億ドル(前年同期比+55.9%)と堅調でしたが、市場予想の219.6億ドルを下回りました。売上高について会社は、自動車の平均販売価格が前年同期比では上昇したものの、中国の操業停止があった2022年4-6月期と比べて下落したことや、為替の悪影響をコメントしました。 また、長期の販売台数については、従来の「前年比で平均50%増加」との見通しを据え置きました。 <米国株決算速報>テスラ(TSLA):増産目標達成に自信 野村の米国株決算リンク集:2022年1-3月期・4-6月期・7-9月期・10-12月期決算 野村の米国株決算リンク集:2021年10-12月期 ご投資にあたっての注意点