米国株
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2022/09/14 12:00
【米国株特集】インフレに強い米国株は?:高値銘柄とその特徴
下記の表は、2022年8月に52週高値を付けた米国株一覧です。ユニバースである米国大型株指数のラッセル1000は、インフレやそれに伴うFRBによる金融引き締めなどを受け、年初から8月末までで17.7%下落しました。このような株にとって厳しい環境下で高値をつけた銘柄には特徴を見ていきましょう。 2022年8月中に52週高値をつけた米国株 ※2本の指で画面に触れながら広げていくと、画面が拡大表示されます。 (注1)ユニバースは、米国大型株指数のラッセル1000構成銘柄のうち、野村證券が流動性や時価総額などから総合的に判断した投資勧誘銘柄。(注2)52週高値の判定は2022年9月1日時点。 (出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成 売上高・利益が成長:まず①や③のように、売上高やEPS(調整後1株当たり純利益)が、例外はありますが、昨年度から今年度にかけて増加が見込まれている(数字が+)ことが挙げられます。 成長が継続:また、②や④のように今年度から来年度にかけても業績が成長する予想(数字が+)となっている銘柄が多いことも特徴です。 利益見通し上方修正:さらに、⑤のリビジョン数(来年度EPS予想を上方修正したアナリスト数ー下方修正したアナリスト数、過去3ヶ月)も、どちらかといえばプラス(上方修正が多い)に偏っています。 テーマ:茶色で網掛けしたエネルギー関連銘柄は、海外事業や液化天然ガスの輸出を手掛けています。8月に成立した米インフレ抑制法では今後10年間の太陽光・風力発電やバッテリー、原子力、EVなどへの税優遇などが盛り込まれました。これは、緑色の網掛けの再生可能エネルギー関連銘柄には追い風と推察されます。 これらはインフレに強い安定成長銘柄と言えそうです。 ご投資にあたっての注意点
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2022/09/13 12:00
【米国株特集】ボルカーのインフレ退治後の株価は?
ボルカーFRB議長時代の金融政策 かつて、1973年の第一次オイルショック、1979年の第二次オイルショックなどから米国でインフレが深刻な問題となっていた時期に就任し、インフレファイターの異名をとったFRB(米連邦準備理事会)議長に、ポール・ボルカー氏がいました。 ボルカー氏のFRB議長在任期間は1979年8月~1987年8月です。同氏は議長就任後、直ちに金融引締めに着手しました。その結果、政策金利であるFF(フェデラル・ファンド)金利は上昇しました。 金融引き締めの効果は徐々に表れ、一時は前年比+15%を超えていたインフレ率は徐々に低下し、1983年には一桁台前半に鎮静化していきました。 ボルカーFRB議長は社会問題となっていたインフレの鎮静化には成功したものの、金融引き締め策は景気を減速、後退させました。その結果、米国内では失業率も上昇し、1982年9月には10%を超え、10%台の失業率は1983年6月まで続きました。 失業率は経済活動に遅れて表れてくる傾向があり、インフレが鎮静化し始めた辺りから上昇していることが見て取れると思います。 金融引き締めでインフレ率は徐々に低下も失業率は一時10%超へ ボルカーFRB議長(1979年8月~1987年8月)は就任直後からインフレ退治の金融引き締めを実施 (注)データは月次で、1978年1月~1988年12月。CPI(消費者物価指数)は前年同月比。FF(フェデラル・ファンド)金利は米国の政策金利。(出所)リフィニティブより野村證券投資情報部作成 次に、この間における株式市場の動向をみてみたいと思います。ボルカーFRB議長がインフレ退治を進めていた1979年から1982年半ばにかけては、ダウ指数は上値が重く、頭打ちのような状態が続いていました。 その後、インフレが鎮静化し、政策金利も引き下げられた1982年後半ごろから、ダウ指数は水準を切り上げ、その後、上昇傾向となっていたことが見て取れると思います。インフレ鎮静化で政策金利も引き下げられ、金利低下により景気が回復し、企業業績も回復に向かったと推察されます。 インフレ鎮静化後にダウ指数は上昇傾向へ インフレ退治中は株価は上値が重く軟調に推移したが、CPIが落ち着いた後、上昇傾向へ (注)データは月次で、1978年1月~1988年12月。FF(フェデラル・ファンド)金利は米国の政策金利。(出所)リフィニティブより野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点
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2022/09/12 12:00
【米国株特集】中間選挙は米国株の仕込み場となるか?
NYダウ1945年以降のアノマリー:米中間選挙の年は秋以降堅調な傾向 (注)データは月末値ベース。直近値は2022年8月末時点。(出所)S&P ダウジョーンズ・インデックス社データより野村證券投資情報部作成 中間選挙の年は、秋に底打ちする傾向 米国では2022年11月8日(火)に中間選挙が実施されます。過去の大統領選挙年別(1945年~)のNYダウのパフォーマンスを検証すると、中間選挙の年は春から夏場にかけて軟調な展開となるケースが多い一方、秋に底打ちし、その後は堅調に推移する傾向が窺えます(図1:赤実線)。 大統領選挙の前年:好調さ目立つ ※前年末→当年末比※勝敗:上昇した場合は勝ち、下落した場合は負け※勝率:上昇した年が占める割合◆2022年は中間選挙の年に、2023年は大統領選挙の前年(中間選挙翌年)にあたる(注)データは2021年末時点。(出所)S&P ダウジョーンズ・インデックス社データより野村證券投資情報部作成 大統領選挙前年のパフォーマンスは良好 また大統領選挙の前年(中間選挙翌年)は、平均騰落率が15.4%、勝率(上昇した年が占める割合)が94.7%とパフォーマンスの好調さが目立ちます (図1:紺実線、図2:紺字)。大統領選に向けて現職大統領が景気対策を打ち出すなどの期待が要因とされています。 これらのアノマリー(経験則)を参考とすると、中間選挙が実施される年の夏場~秋を底として、1年超に亘る堅調相場が期待されます。 ご投資にあたっての注意点
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2022/09/09 19:00
【野村の株式データ集】米国株騰落率ランキング (9月第2週)
米国主要銘柄・株価騰落率ランキング(上位) 2022年9月第2週(2022年9月2日~9月8日) 2022年9月月間(2022年8月31日~9月8日) 2022年年間(2021年12月31日~2022年9月8日) (注)対象はS&P100、直近値は2022年9月8日時点。(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成 米国主要銘柄・株価騰落率ランキング(下位) 2022年9月第2週(2022年9月2日~9月8日) 2022年9月月間(2022年8月31日~9月8日) 2022年年間(2021年12月31日~2022年9月8日) (注)対象はS&P100、直近値は2022年9月8日時点。(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成 <参考>今週の米国株式市場パフォーマンス 主要指数 S&P500指数:主要24業種 (注)業種分類はGICS24業種ベース。直近値は2022年9月8日。(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点
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2022/09/02 19:00
【野村の株式データ集】米国株騰落率ランキング (8月第5週(9月第1週))
米国主要銘柄・株価騰落率ランキング(上位) 2022年8月第5週(9月第1週)(2022年8月26日~9月1日) 2022年8月月間(2022年7月29日~8月31日) 2022年年間(2021年12月31日~2022年9月1日) (注)対象はS&P100、直近値は2022年9月1日時点。(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成 米国主要銘柄・株価騰落率ランキング(下位) 2022年8月第5週(2022年8月26日~9月1日) 2022年8月月間(2022年7月29日~8月31日) 2022年年間(2021年12月31日~2022年9月1日) (注)対象はS&P100、直近値は2022年9月1日時点。(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成 <参考>今週の米国株式市場パフォーマンス 主要指数 S&P500指数:主要24業種 (注)業種分類はGICS24業種ベース。直近値は2022年9月1日。(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点
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2022/09/02 10:47
<野村の米国株決算速報>ブロードコム(AVGO):株価は+2.03%、堅調な需要を見込む
9月1日に発表された米国株の四半期決算をお送りいたします。 ブロードコム(AVGO) 堅調な需要継続を見込む ※ 会社発表、リフィニティブより野村證券投資情報部作成※ 実績は2022年5-7月期※ EPS は非米国会計基準の希薄化後一株当たり利益※ 9月1日引け後決算発表。発表後の株価は、1日の時間外取引における1日終値比での騰落率(米国東部時間19時59分現在) 半導体や通信インフラストラクチャソフトウェアの設計や開発、販売を行うブロードコムの2022年5-7月期決算は、市場予想を上回りました。8-10月期売上高見通しも市場予想を上回り、会社は、データセンターやブロードバンド、ワイヤレスなどの最終市場の堅調な需要が継続すると予想している、とコメントしました。また会社は、今年5月に発表したクラウドサービス大手のVMウェア買収について、予定通り2023年10月通期中の完了に向けた規制当局の承認プロセスが進捗していることを報告しました。 (文責:野村證券 投資情報部・竹綱 宏行) ブロードコム(AVGO):好調継続へ、同時にVMウェアの買収を発表<野村の米国株速報> 野村の米国株決算リンク集:2022年1-3月期・4-6月期・7-9月期・10-12月期決算 野村の米国株決算リンク集:2021年10-12月期 ご投資にあたっての注意点
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2022/08/26 20:00
【野村の株式データ集】米国株騰落率ランキング (8月第4週)
米国主要銘柄・株価騰落率ランキング(上位) 2022年8月第4週(2022年8月19日~8月25日) 2022年8月月間(2022年7月29日~8月25日) 2022年年間(2021年12月31日~2022年8月25日) (注)対象はS&P100、直近値は2022年8月25日。(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成 米国主要銘柄・株価騰落率ランキング(下位) 2022年8月第4週(2022年8月19日~8月25日) 2022年8月月間(2022年7月29日~8月25日) 2022年年間(2021年12月31日~2022年8月25日) (注)対象はS&P100、直近値は2022年8月25日。 (出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成 <参考>今週の米国株式市場パフォーマンス 主要指数 S&P500指数:主要24業種 (注)業種分類はGICS24業種ベース。直近値は2022年8月25日。(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点
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2022/08/25 10:47
<野村の米国株決算速報>エヌビディア(NVDA):株価は4.33%下落、マクロ経済や仮想通貨向けに不透明感
8月24日に発表された米国株の四半期決算をお送りいたします。 エヌビディア(NVDA) マクロ経済や仮想通貨向けに不透明感 ※ 会社発表、ブルームバーグより野村證券投資情報部作成※ 実績は2022年5-7月期。会社は8月8日の暫定決算で5-7月期の売上高が約67.0億ドルになると発表(5月時点の会社見通しは81.0億ドル)。※ EPS は非米国会計基準の希薄化後一株当たり利益※ 8月24日引け後決算発表。発表後の株価は、24日の時間外取引における24日終値比での騰落率(米国東部時間20時00分現在) グラフィックスや、AI、データセンター向けなどの半導体の設計・販売を行うエヌビディアの2022年5-7月期決算は、8月8日に発表した暫定決算とほぼ一致し、8-10月期の売上高見通しは市場予想を下回りました。会社は売上高実績が5月時点の見通しを下回ったしたことについて(前期比19%減)、マクロ経済の逆風や、程度は分からないとしながらも仮想通貨の下落の悪影響とコメントしました。売上高見通しについて会社は、販売会社が現在の需要の減少や、モデルチェンジを前に在庫を減らしていることをコメントしました。 (文責:野村證券 投資情報部・竹綱) エヌビディア(NVDA):ロシアと中国ロックダウンの悪影響を見込む<野村の米国株速報> 野村の米国株決算リンク集:2022年1-3月期・4-6月期・7-9月期・10-12月期決算 野村の米国株決算リンク集:2021年10-12月期 ご投資にあたっての注意点
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2022/08/24 20:00
【特集】Web3金融(DeFi)は次の局面へ
金融のフェーズ (注)Web3は、ブロックチェーン(分散型台帳)技術を用いたウェブサービスで、読み方は「ウェブスリー」。DeFiは、ブロックチェーン技術を用いた金融サービスであり、Decentralized Financeの略、読み方は「ディファイ」。スクエア(現ブロック)は、2018年1月31日にビットコインの売買サービスを同社の「Cash App」アプリで開始。テスラは2021年2月に製品のビットコインの支払い受け入れを開始し、同年5月に、ビットコインが電力を消費するため地球温暖化対策に逆行する、との理由で停止。データは日次で、直近値は2022年8月20日時点。(出所)セントルイス連銀、ブルームバーグ、各種資料より野村證券投資情報部作成 ブロックチェーン技術を基盤とした次世代サービスは、Web3(ウェブスリー)と呼ばれます。このうち、デジタル金融サービスであるDeFi(ディファイ)が重要な局面を迎えています。DeFiは、Decentralized Finance(デ・セントラライズド・ファイナンス)の略で、日本語では、ブロックチェーンが分散型台帳と呼ばれることから、分散型金融と呼ばれています。DeFiは、ビットコインに代表される暗号資産や、貸借、証券、保険などの一部でサービスが始まっています。 決済や金融サービスを手がけるアメリカのブロック社は、2018年からビットコインの取引サービスを行っていますが、2022年4−6月期に暗号資産のビットコイン関連の純収益が前年同期比で34%減少したことを報告しました。また、電気自動車大手のテスラは、2021年に同社製品のビットコインでの受け入れを行いましたが、2022年4−6月期に保有していたビットコインのうち約75%を売却し、損失を計上しました。 暗号資産の価格下落の理由は様々ですが、米連邦準備理事会の金融引き締めに加え、2022年4月時点で暗号資産の時価総額で3番目だったテラUSDの価格が5月以降に9割超下落したことが挙げられます。テラUSDは、本来はドルに連動した価格変動の少ない暗号資産、すなわちステーブルコインでしたが、大量の解約などにより連動できない状況になりました。 国際機関の対応の推移 (出所)各国際機関資料より野村證券投資情報部作成 国際機関は以前からステーブルコインを含むDeFiのリスクを指摘していましたが、対応を加速させています。主要25か国の金融当局や、国際機関で構成される金融安定理事会は、2018年に暗号資産の市場と、将来の金融安定性についてのレポートを発行していました。 FSBのメンバーである国際通貨基金や国際決済銀行などもレポートで、DeFiの問題点を洗い出し、DeFiの利点を既存の金融の枠組みに追加するための提案を行っています。 今後の注目点としては、FSBによる、10月のG20財務大臣・中央銀行総裁会議での、暗号資産・市場に対する規制・監督について提案や、国際決済銀行による年内の暗号資産の分類決定が注目されます。 上の1つ目の図では、DeFiのフェーズは、黎明期から、流行期を経て、現在は幻滅期と考えられます。 現在は、回復期や安定期に移行するために必要な、伝統的資産のトークン化や、犯罪対策がなされた安全な形で効率良く取引される基盤、厳しい規制の掛かっている機関投資家から規模の大きい資金が流入する仕組み、などの整備を国際機関が推進する、重要な局面といえそうです。 (野村證券投資情報部 竹綱 宏行) ご投資にあたっての注意点