新着
960件
-
03/20 19:00
【銘柄特集】PBRが低位かつ、業績と流動性の不安が少ない銘柄(3/20)
今期中に自己資本が毀損するリスクの低い低PBR銘柄をスクリーニング PBR(株価純資産倍率)は、株価をBPS(1株当たり純資産)で割ったもので、現在の企業価値が手持ちの資産の何倍に評価されているかを示す指標です。PER(株価収益率)と同様に、株価が割安か割高かを判断するための代表的な指標となっています。 PBRの高い銘柄は割高に見えますが、業績の安定性、利益成長への期待の高さを反映しているとも言えます。言い換えると、PBRの低い銘柄、とりわけ帳簿上の解散価値と同義である1倍を大きく割れている銘柄は、将来的に自己資本が毀損するリスクがあると市場から評価されていることになります。 以下の表では、2024年3月1日の株価・データをもとに、業績や流動性の面で不安が少ないと考えられる銘柄(少なくとも今期自己資本が毀損するリスクの低い銘柄)の中から、PBRの低い銘柄を抽出しています。 ※(アプリでご覧の方)2本の指で画面に触れながら広げていくと、画面が拡大表示されます。 (野村證券投資情報部 エクイティ・コンテンツ課) (注)画像はイメージ。 ご投資にあたっての注意点
-
03/20 12:00
【投資と税金】令和6年1月1日から適用開始!マンションの相続税評価
令和6年1月1日以後に相続・遺贈・贈与によって居住用マンションを取得した場合、改正後の「マンションの相続税評価額の算定方法」が適用されます。従来の評価方法で算出した相続税評価額に加えて 「評価乖離率」「区分所有補正率」の計算により相続税評価額が決まります。新たに導入された「マンションの相続税評価」とは具体的にどのようなものなのか、大手町トラストの税理士に伺いました。 はじめに 居住用の区分所有財産(いわゆる分譲マンション)の相続税評価額の算定方法が改正され、令和6年1月1日以後に生じた相続等または贈与により取得した財産について新たな算定方法が適用されます。 従来の相続税におけるマンションの評価方法については市場価格との大きな乖離が生じているケースが確認されており、こうした乖離を利用した「マンション節税」「タワマン節税」等の節税が行われている実態があること等も踏まえ、いわゆるタワーマンション等に限らず、広く一般的に分譲マンションの評価方法を見直すこととされ、国税庁において令和5年9月28日付で「居住用の区分所有財産の評価について(法令解釈通達)」が公表されました。 新たな評価額算定方法の概要 新たな算定方法は、マンションの実勢価格を相続税評価額に反映するために統計的手法により「評価乖離率」を予測し、従来の相続税評価額を基礎として、相続税評価額が市場価格の60%に達しない場合は60%に達するまで評価額を補正するものです。具体的には以下の手順によります(一棟所有の賃貸マンションや2階以下の低層の集合住宅など、この通達の適用対象外となる場合があります)。 ※(アプリでご覧の方)2本の指で画面に触れながら広げていくと、画面が拡大表示されます。 (1)手順①「従来の相続税評価額」を算定する。 (2)手順②「評価乖離率」を算定する。 (3)手順③「区分所有補正率」を算定する。 「区分所有補正率」は、国税庁ホームページに掲載されている「居住用の区分所有財産の評価に係る区分所有補正率の計算明細書」(Excelシート)により簡便に計算することができます。 (4)手順④ 計算例(国税庁パンフレット より) 【事例概要】 ・築年数 15年 ・総階数 11階 ・所在階 3階 ・敷地利用権の面積 19.95㎡ ・専有部分の面積 59.69㎡ ・従来の区分所有権(建物部分)の価額 5,000,000円 ・従来の敷地利用権(土地部分)の価額 10,000,000円 A 15年×△0.033=△0.495 B 総階数指数=11階÷33=0.333 0.333×0.239=0.079 C 3階×0.018=0.054 D 敷地持分狭小度=19.95㎡÷59.69㎡=0.335 0.335×△1.195=△0.401 評価乖離率(A+B+C+D+3.220)= 2.457 評価水準 1 ÷ 2.457= 0.4070004070… 区分所有補正率(評価水準0.6未満) 2.457×0.6 = 1.4742 <区分所有権の価額> 5,000,000円(従来の区分所有権(建物部分)の価額)×1.4742(区分所有補正率)=7,371,000円 <敷地利用権の価額> 10,000,000円(従来の敷地利用権(土地部分)の価額)×1.4742(区分所有補正率)=14,742,000円【補正後の評価額】 区分所有権の価額 7,371,000円、敷地利用権の価額 14,742,000円 区分所有補正率を適用しないケース 構造上、主として居住の用途に供することができるもの以外のもの(事業用のテナント物件など)区分建物の登記がされていないもの(一棟所有の賃貸マンションなど)地階(登記簿上「地下」と記載されているものをいいます。以下同じです。)を除く総階数が2以下のもの(総階数2以下の低層の集合住宅など)一棟の区分所有建物に存する居住の用に供する専有部分一室の数が3以下であって、その全てを区分所有者又はその親族の居住の用に供するもの(いわゆる二世帯住宅など)たな卸商品等に該当するもの (注)借地権付分譲マンションの敷地の用に供されている「貸宅地(底地)」の評価をする場合などにも、この個別通達の適用はありません。 この資料は情報提供を唯一の目的としたもので、投資勧誘を目的として作成したものではありません。この資料は信頼できると考えられる情報に基づいて作成しておりますが、野村證券は、その正確性および完全性に関して責任を負うものではありません。この資料は提供されたお客様限りでご使用いただくようお願いいたします。詳しくは、所轄税務署または顧問税理士等にご確認ください。 ご投資にあたっての注意点
-
03/20 09:00
【チャート分析】三菱重、約35年ぶりに史上最高値更新(3/20)
このたび、日本株の年初来騰落率上位銘柄をチャート分析しました。 【TOPIX100採用銘柄】年初来騰落率上位ランキング(2023年12月末~2024年2月末) (注)対象はTOPIX100 銘柄。騰落率は、2023年12月末値と2024年2月末値の比較で算出。(出所)東京証券取引所より野村證券投資情報部作成 今回は2月末時点で上昇率第3位の三菱重工業(7011)を取り上げました。週足チャートを用いて、チャート分析上の注目点を記しています。投資戦略を考える上で、ご参考になれば幸いです。 昨年9月高値奪回後、上昇の動きに弾み 当社は、主に発電、産業、航空宇宙の3部門で構成される総合重機メーカーです。 ※(アプリでご覧の方)2本の指で画面に触れながら広げていくと、画面が拡大表示されます。 (図1)当社の株価は、今年1月に昨年9月高値を奪回後、上昇の動きに弾みがつきました。3月7日には13,050円まで上昇し、1989年7月につけた史上最高値(13,000円)を約35年ぶりに上回りました。 主要移動平均線はいずれも上向きであり、この先も上値追いの基調が続くことが期待されます。 押しを入れる場合は、11,000円前後の水準に注目 (図2)ただ、昨年終盤以降の急上昇で13週移動平均線からの乖離が進みました(3月11日:+19.5%)。 この先上昇一服し、押しを入れる展開となった場合は、最初の下値メドとして昨年10月以降の上昇幅に対する1/3押し水準(11,143円)が挙げられます。 ※当社は2024年3月28日に1:10の株式分割を予定しています。この資料は、株式分割考慮前の株価で表示しています。 (注1) 株価は修正株価でザラ場ベース。直近値は2024年3月11日。 図中の「〇週線」 とは移動平均線を指す。 (注2)株価表記について、2014年7月以降、一部の銘柄の呼値の単価変更により、小数点以下第1位まで表記しているものがある。(注3)日柄は両端を含む。(注4)トレンドラインには主観が含まれていますので、ご留意ください。またご投資に際しては、企業業績や投資尺度などテクニカル以外の要素についてもご確認ください。 (出所)東京証券取引所データより野村證券投資情報部作成 (野村證券投資情報部 丹羽 紘子) この資料は、投資判断の提供を目的としたものではなく、一般的なテクニカル分析の手法について記したものです。テクニカル分析は過去の株価の動きを表現したものであり、将来の動きを保証するものではありません。 また、記載されている内容は、一般的に認識されている見方について記したものですが、チャートの見方には解釈の違いもあります。 ※画像はイメージです。 ご投資にあたっての注意点
-
03/19 19:00
【銘柄特集】配当利回りが魅力的かつ、業績と流動性の不安が少ない銘柄(3/19)
業績や流動性の面で不安が少ない高配当銘柄をスクリーニング 配当金は、企業の価値(株価)を決める重要な指標であり、株式投資の魅力のひとつです。配当利回りは、投資した金額に対して受け取れる予想配当金の割合を示したもので、PBR(株価純資産倍率)やPER(株価収益率)と同様に、株価が割安か割高かを判断するための指標でもあります。 予想配当利回りが高ければ高いほど、少ない投資額で受け取れる配当金は大きくなります。ただし、配当の源泉は企業利益であるため、対象企業の業績悪化により減配・無配となってしまうケースもあります。 以下の表では、2024年3月1日の株価・データをもとに、業績や流動性の面で不安が少ないと考えられる銘柄の中から、期末配当(3月に権利確定)利回り、および通期配当利回りが高い銘柄を抽出しています。 ※(アプリでご覧の方)2本の指で画面に触れながら広げていくと、画面が拡大表示されます。 (野村證券投資情報部 エクイティ・コンテンツ課) (注)画像はイメージ。 ご投資にあたっての注意点
-
03/19 16:17
【速報・解説】日経平均は4万円台回復、チャート上のメドは? (3/19)
本日の動き 本日の日経平均株価は前日比117円安の39,622円で取引を開始しました。前日の1,000円を超える大幅上昇の反動から、一時、前日比332円安まで下げ幅を拡大する局面もありました。しかし、春闘で賃上げがすすむ日本の景気回復への根強い期待を背景に、バリュー(割安)株では逆行高となる銘柄も多く、日経平均株価は底堅い推移を続けました。昼過ぎに、日銀がゼロ金利解除など17年ぶりの利上げを決定したことが伝わりましたが、ほぼ事前の観測どおりの内容で市場では当面緩和的な金融環境の継続観測が広がりました。その後、長期金利の低下や円安米ドル高が進行したことから、輸出関連株を中心に幅広い銘柄が上昇し、日経平均株価も上昇に転じました。引けにかけて上げ幅を広げ、前日比263円高の40,003円と本日の高値で取引を終了しました。 今後の注目点 19、20日に米国でFOMCが開催されます。市場では政策金利を据え置くことが確実視されていますが、パウエル議長の記者会見やFOMC参加者の政策金利見通し(ドット・チャート) が注目されます。 (野村證券投資情報部 神谷 和男) 日経平均は4万円台回復、チャート上のメドは? 日経平均株価は、3月12日に一時38,271円まで下落する場面がありましたが、25日移動平均線を下支えとして反発となりました。19日には、日銀によるマイナス金利解除を大きな波乱なく乗り越えて4万円を回復しました。 この先、まずは3月7日高値(40,472円)を更新できるかどうか注目されます。同高値を突破すれば、3月7日~12日の押し幅を上に倍返しした水準(42,673円)が先行きの上値メドとして挙げられます。 ※(アプリでご覧の方)2本の指で画面に触れながら広げていくと、画面が拡大表示されます。 (注1)直近値は2024年3月19日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成 一方、4万円台を維持することができず、再度下落に転じる場合は、改めて上向きの25日移動平均線(3月19日:39,056円)に向けて下値を固めにいく展開が見込まれます。 (チャート解説:野村證券投資情報部 岩本 竜太郎) 本日の市場動向 ランキング 本日のチャート (注)データは15時15分頃。ドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。(出所)Quickより野村證券投資情報部作成 (注)画像はイメージです。 ご投資にあたっての注意点
-
03/19 13:50
【速報・解説】日銀、マイナス金利政策解除を発表
(出所)日本銀行資料より野村證券投資情報部作成 金融政策をめぐる不透明感解消で日本株にポジティブ・円安ドル高要因に 日本銀行は3月18-19日に金融政策決定会合を開催し、大方の事前予想通りマイナス金利政策の解除(利上げ)を含む金融政策の修正を決定しました。日銀の利上げは2007年2月以来、約17年ぶりです。 金融政策の具体的な決定事項は以下の通りです。 ・マイナス金利、YCC(長短金利操作)を撤廃し、政策金利を無担保コール(翌日物)金利に変更し、0.0~0.1%程度で推移するように促す。 ・日銀当座預金の3層構造を修正し、+0.1%の付利金利を適用する(所要準備額相当部分を除く)。 ・長期国債の買い入れはこれまでと概ね同程度(足元は6兆円程度)の買い入れを継続、急激に上昇する場合には、機動的に買い入れ額の増額や指値オペ、共通担保資金供給オペなどを実施する。 ・日本株ETF(上場投資信託)、J-REIT(不動産投資信託)については、新規の買い入れを終了する。 ・CP等及び社債等については、買い入れを段階的に減額し、1年後をめどに買い入れを終了する。 日銀は声明文の中で、政策変更の理由として「2%の『物価安定の目標』が持続的・安定的に実現することが 見通せる状況に至った」との見解を示しました。今後は「短期金利操作を主たる政策手段」として、適切に金融政策を運営する中で、「当面、緩和的な金融環境が継続する」との見方を示しています。 追加利上げの有無を含む今後の政策運営に関しては、植田日銀総裁の記者会見(15時半)での発言が注目されます。現時点で市場では年内に1~2回程度と非常に緩やかなペースでの利上げを織り込んでいます。野村證券では、24年10月に0.25%ポイントの追加利上げの実施を予想しています。 日銀の金融政策に対する不透明感がいったん解消されたことは、日本株にはポジティブ、ドル円に対しては円安ドル高要因となることが予想されます。3月19-20日には米国でFOMC(米連邦公開市場委員会)が予定されていることから、日銀の政策修正を消化した後は、市場の関心はFOMCの結果と経済・政策金利見通しに向かうと見られます。 (野村證券投資情報部 尾畑 秀一) ご投資にあたっての注意点
-
03/19 12:00
野村證券の「語り部」に聞く投資の疑問 第2回「日経平均最高値、前回と何が違う?」
2024年2月22日に日経平均株価が約34年ぶりに史上最高値を更新し、その後も上昇しています。バブル期の約10年前、1979年に野村證券に入社し、上場企業の資金調達やIR(投資家向け広報)などを担当、現在は野村ホールディングス ファイナンシャルウェルビーイング室 シニア・コミュニケーションズ・オフィサーとして、大学などで金融についての講義を手掛ける池上浩一に、バブル期から現在に至るまでの日本経済や株式市場の変遷などについて聞きました。 バブル期と現在の違いは? 企業の価値を超える資金と投資家の視線が集中し… ―日経平均株価がかつての最高値を付けたのは1989年末です。この時代と現在の経済や市場環境の違いはどこにあると考えますか。 戦後の為替市場は固定相場制で、1ドル=360円でした。日本企業が高度経済成長で米国の企業とも戦えるほどの力を付けた1970年代、為替市場は変動相場制になりました。 そして、1985年のプラザ合意で米国が日本に円高・ドル安をなかば強引に認めさせたことで、為替市場は一気に円高ドル安へと振れたのです。 1989年には1ドル=120円台に到達しており、1980年代に日本の国内で製品を生産し、世界に輸出することで日本企業の業績が急上昇、「Made in Japan」とまで言われた日本企業の国際競争力は、輸出が難しくなったことで大きく低下してしまいました。 それでも株価だけは上昇を続けました。そして、企業の本来の価値を超えるほどの資金と人々の視線が株式市場に集中したことでバブルが発生してしまったのです。 「失われた時代」からの変化が? 1990年代に入って株価の下落が始まっても労働者の賃金はしばらく上昇を続けました。競争力を失った企業は相次いで倒産し、そこから約30年間にわたって日本は「失われた時代」に陥ってしまいました。 一方この間、余力があった企業は、円高に対応するため人件費が安い国外に工場を作り、そこから世界に輸出するという「Made by Japan」と呼ばれる経営改革を積極的に推し進めました。現在の日本の企業の業績を見ると、国外での製造・販売が大きく増加。自動車産業などを中心に「グローバル企業」にまで成長した企業も目立つようになりました。 そして、現在の株高は、日本がデフレから脱却しつつある中で、再び日本企業の国際競争力が上昇、企業価値も適正に評価されるようになったことによるものだと私は考えています。 同時に、中国の不動産市場の悪化や景気減速が進んでいることもあって、アジアに投資をしようとする世界の企業が、中国から日本へと資金をシフトする動きも見られます。半導体受託生産で世界最大手のTSMC(台湾積体電路製造)が、日本の企業などと組んで熊本県内の新工場を2024年中に本格稼働させることも、象徴的な動きの一つと言えそうです。 このような状況のもと、日本株は今、世界から注目されているといえるかもしれません。 今後、国内外の投資家が日本の企業を再評価する流れが強まり、さらなる株高につながるのではないかと私は期待しています。 日本株を取り巻く変化 ついに新たな最高値 ―前回の最高値から現在に至るまで、日本株や日本経済を取り巻く環境はどう変わったのでしょうか。 1990年代初頭のバブル崩壊の後、日本株を含めた世界の株価は大きな変動を繰り返しています。1990年代後半の「ロシア危機」「アジア通貨危機」や2000年代初頭のITバブルの崩壊、2008年のリーマンショックなど、世界の株価が大幅に下落する出来事もありました。 一方、日本では、2013年に「アベノミクスの3本の矢」として、「大胆な金融政策」「機動的な財政政策」「民間投資を喚起する成長戦略」が示され、株価の上昇機運が醸成されました。その後、新型コロナウイルス感染拡大に伴う「コロナショック」によって、一時的に株価が下落することもありましたが、概ね上昇傾向が続きました。そして2024年2月22日、ついに日経平均が最高値を更新したのです。 ※(アプリでご覧の方)2本の指で画面に触れながら広げていくと、画面が拡大表示されます。 (注)経常利益はラッセル野村Large Cap。2007年度の経常利益水準を100としている。2023年度以降は野村證券市場戦略リサーチ部による予想(2024年2月16日時点)。構成銘柄は各年度ごとで異なる。日経平均株価のデータは月次で、直近の値は2024年2月16日。(出所)日本経済新聞社、野村證券市場戦略リサーチ部より野村證券投資情報部作成 上の図は日本企業の経常利益と日経平均株価の推移です。 2007年度を100とした日本企業の経常利益の推移を見ると、38,915円をつけた1989年度の利益は54。その後、2008年のリーマンショックにより大幅減益になった後、徐々に増益に転じ、2024年2月16日時点の野村證券の予測では、2025年度には198と、1989年度の4倍近くに達する見込みです。 世間では、日経平均株価が史上最高値を更新したことに注目が集まっていますが、日本企業の利益は目を見張るほどの上昇が続いているのです。このほか、様々な指標を調べてみましたが、現在の日経平均株価の水準が高すぎるとは決して言えないと考えています。 投資の「次元」が変わったか 1989年から現在に至るまでに、株式市場を取り巻く環境も大きく変化しました。象徴的なのは取引の自動化、高速化の進展です。現在は個人投資家の株式の売買にも、パソコンやインターネットが使われるのが当たり前になりました。野村證券も含め、大半の証券会社でインターネットを使った取引ができるようになりました。 投資環境の観点では、海外の機関投資家が日本の株式市場に大勢参入してきたのも大きな変化の一つといえます。年初来、外国人投資家の「買い越し」が続いたというニュースが目立っています。 一方で、日本では2014年1月から英国のISA(Individual Savings Account=個人貯蓄口座)を参考にした制度「NISA」(少額投資非課税制度)がスタートしたほか、2001年に導入された「確定拠出年金(DC)」を導入する企業も増え、個人にとっても投資や資産運用がより身近になりました。 前回最高値を付けた1989年とは、市場や投資の「次元」が変わったと言えるのではないでしょうか。 ※第3回に続く 【池上 浩一】野村ホールディングス株式会社ファイナンシャル・ウェルビーイング室SCO(シニア・コミュニケーションズ・オフィサー)。1979年野村證券株式会社入社、人事部に配属。英ロンドン大に留学後、海外投資顧問室、第一事業法人部、国際業務部を経て、法人開発部長やIR室長、グループ本部広報部長兼宣伝部長などを歴任。2011年から名古屋大客員教授も務める。2023年4月から現職。社内では、日本版金融ビッグバンの際に講演をしていたことから「ビッグバンおじいさん」と呼ばれて親しまれ、社内サイトでの連載コラムは1000回以上を数える。 ※この記事は、2024年3月時点の情報に基づくものです。※掲載している画像はイメージです。 ご投資にあたっての注意点
-
03/19 09:30
【チャート分析】アドバンテ、昨年7月高値を奪回後、一段高(3/19)
このたび、日本株の年初来騰落率上位銘柄をチャート分析しました。 【TOPIX100採用銘柄】年初来騰落率上位ランキング(2023年12月末~2024年2月末) 銘柄。騰落率は、2023年12月末値と2024年2月末値の比較で算出。(出所)東京証券取引所より野村證券投資情報部作成 今回は2月末時点で上昇率第2位のアドバンテスト(6857)を取り上げました。週足チャートを用いて、チャート分析上の注目点を記しています。投資戦略を考える上で、ご参考になれば幸いです。 主要移動平均線は角度のついた上向き 当社は、半導体検査装置の世界的大手メーカーです。 ※(アプリでご覧の方)2本の指で画面に触れながら広げていくと、画面が拡大表示されます。 (図1)当社の株価は、2022年10月以降上昇相場が続いています。今年1月に昨年7月高値を奪回した後、一段高となりました。 主要移動平均線は角度のついた上向きとなっており、この先V計算値(7,687.6円)のフシを達成となれば、さらなる上値メドとして2022年10月安値~昨年7月高値にかけての上昇幅を同高値に当てはめたE計算値(9,537.6円)の水準が挙げられます。 押しを入れる場合は、6,000円処で下げ止まるか注目 (図2)ただ、このところの上昇で13週移動平均線からの乖離が進んだこともあり、3月に入り押しを入れる展開となっています(3月11日:+9.6%)。 この先の下値メドとしては、昨年11月以降の上昇幅に対する1/3押し(6,137円)や上向きの13週線(同:6,021円)がある6,000円前後の水準が挙げられます。 (注1) 株価は修正株価でザラ場ベース。直近値は2024年3月11日。 図中の「〇週線」 とは移動平均線を指す。 (注2)株価表記について、2014年7月以降、一部の銘柄の呼値の単価変更により、小数点以下第1位まで表記しているものがある。(注3)日柄は両端を含む。(注4)トレンドラインには主観が含まれていますので、ご留意ください。またご投資に際しては、企業業績や投資尺度などテクニカル以外の要素についてもご確認ください。 (出所)東京証券取引所データより野村證券投資情報部作成 (野村證券投資情報部 丹羽 紘子) この資料は、投資判断の提供を目的としたものではなく、一般的なテクニカル分析の手法について記したものです。テクニカル分析は過去の株価の動きを表現したものであり、将来の動きを保証するものではありません。 また、記載されている内容は、一般的に認識されている見方について記したものですが、チャートの見方には解釈の違いもあります。 ※画像はイメージです。 ご投資にあたっての注意点
-
03/19 08:30
【野村の朝解説】AI関連需要への期待で米国株は上昇(3/19)
海外市場の振り返り 18日の米国株は、主要3指数が揃って上昇しました。18日夕刻より始まるエヌビディア(NVDA)主催の世界最大級のカンファレンス「GTC2024」を前に、次世代AI(人工知能)への期待が高まりました。また、アップル(AAPL)がアルファベット(GOOGL)の生成AI「ジェミニ」をiPhoneに搭載するため交渉中と報道され、AI関連の需要拡大が業績を押し上げるとの見方からハイテク株が買われ、相場を押し上げました。さらに、中国の1-2月鉱工業生産が前年同期比+7.0%と市場予想を上回ったことが、世界経済にポジティブと受け取められ、市場心理の改善につながりました。しかし、FOMCの開催を19日~20日に控える中、米10年国債利回りが一時4.34%と、2月下旬以来の水準に上昇し、米国株は次第に上値を抑えられる展開となりました。 相場の注目点 本日は日銀の金融政策決定会合の結果発表と植田総裁の会見が予定されています。市場では、マイナス金利政策の解除、イールドカーブコントロールの撤廃、上場投資信託(ETF)の新規買い入れ停止の織り込みが進んでいますが、日銀は市場への影響を考慮してハト派的(景気への配慮を重視)な姿勢を示し、債券・株式市場などへの悪影響は限定的になるとの見方が優勢です。米国では20日にFOMCの結果発表とパウエル議長の会見が行われます。市場では政策金利は据え置かれるとの見方が大勢です。今会合では四半期に一度公表する経済や金融政策の見通しに注目が集まります。 本日のイベント 日本では日銀金融政策決定会合の結果発表が12時頃、植田日銀総裁の会見が15時30分に予定されています。また、米国では2月住宅着工・建設許可件数、ドイツでは3月ZEW景況感調査が公表されます。 (投資情報部 坪川 一浩) (注)データは日本時間2024年3月19日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。 ※画像はイメージです。 FINTOS!編集部オリジナル記事 【チャート分析】東エレク、2022年高値を奪回後、大幅上昇(3/18) ご投資にあたっての注意点