米国株
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07/31 10:51
【米国株決算速報】プロクター・アンド・ギャンブル(PG):販売数量減を値上げが補う、株価は+2.83%
決算概要 EPSは市場予想を上回った 米国時間7月28日寄り前に、ブランド化された消費財を製造・販売するプロクター・アンド・ギャンブル(PG US)が2023年4-6月期(2023.6期第4四半期)決算を発表しました。 売上高は市場予想を2.9%上回り、EPSは市場予想を3.6%上回りました。 2024年6月期通期の売上高について会社は前年度比+3~+4%(為替の悪影響1%を含む)との見通しを示し、中間値は市場予想(851.63億ドル)を0.3%下回りました。 販売数量減を値上げが補う 2023年4-6月期の会社全体の販売数量は1%減でしたが、販売価格が7%増と値上げが売上高増に繋がりました。部門別で最も伸びたのは、コロナ禍のロックダウンの影響を受けて落ち込んでいた高級化粧品「SK-II」などを手掛けるビューティー部門で、売上高は前年同期比8%増となりました。 売上高とEPSの推移 株価は上昇(騰落と理由) プロクター・アンド・ギャンブルの株価は、前日比2.83%高で引けました。インフレによる財消費の逆風にもかかわらず、全製品部門で売上高が市場予想を上回るなど、安定した業績を示したためと考えられます。 株価推移 (6ヶ月日足) (注1)EPS は非米国会計基準の希薄化後一株当たり利益。売上高見通しは、為替の悪影響1%を含む。(注2)株価推移:データは日次で、直近値は2023年7月28日時点。(注3)売上高とEPSの推移:赤色は実績で、直近値は2023年4-6月期(2023/6)。灰色はリフィニティブ集計による市場予想平均。2023年7-9月期以降の予想は2023年7月27日時点。(注4)各部門の主な製品は、ファブリック・ホームケアは洗濯用洗剤等、ベビー・フェミニン・ホームケアは紙おむつ・生理用品等、ビューティーはシャンプー・トリートメント・スキンケア製品等、ヘルスケアは歯磨き粉・咳止め・妊娠検査薬等、グルーミングは髭剃り等。(出所)会社発表、リフィニティブより野村證券投資情報部作成 (文責:野村證券 投資情報部・岩崎 晴弥) 【米国株決算速報】プロクター・アンド・ギャンブル(PG):米国・中国消費堅調、株価は+3.46% 野村の米国株決算リンク集:2023年1-3月期・4-6月期決算 野村の米国株決算リンク集:2022年1-3月期・4-6月期・7-9月期・10-12月期決算 野村の米国株決算リンク集:2021年10-12月期 ご投資にあたっての注意点
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07/31 09:03
【米国株決算速報】シェブロン(CVX):前年比では原油安により減収減益も株主還元を強化、株価は-0.49%
決算概要 EPS実績は市場予想を上回った 米国時間7月28日寄り前に、石油メジャーの一角で、総合エネルギー・化学品事業を行うシェブロン(CVX US)が2023年4-6月期(2023.12期第2四半期)決算を発表しました。売上高は市場予想を4.2%上回り、EPSは市場予想を3.6%上回りました。当社は7月23日にCEOの定年退職を含めたマネジメントの変更に合わせて暫定決算を発表していました。 株主還元を強化 会社は、パーミアン盆地(テキサス州からニューメキシコ州にかけてのシェールオイル・ガス田)での生産量が拡大していることや、コロラド州などでシェールオイル・ガスの調査・開発を行うPDCエナジーの買収などの米国での投資拡大計画が株主価値向上につながるとコメントしました。また、配当・自社株買いを合わせた株主還元の金額が72億ドルと、4-6月四半期として過去最高になったことを強調しました。 新CFOが脱炭素化事業出身であることについて会社は、大きな方針転換はなく、財政支援などを活用して、再生可能ディーゼル燃料や低炭素水素の生産を拡大させる方針を示しました。 売上高とEPSの推移 株価は暫定決算発表時に上昇 シェブロンの株価は28日、前日比0.49%安で引けました。但し、株価は暫定決算発表の翌営業日の24日に前日比1.97%上昇しました。市場予想を上回る売上高やEPS実績に反応したと考えます。 株価推移 (6ヶ月日足) (注1)EPS は非米国会計基準の希薄化後一株当たり利益。(注2)株価推移:データは日次で、直近値は2023年7月28日時点。(注3)売上高とEPSの推移:赤色は実績で、直近値は2023年4-6月期(2023/6)。灰色はリフィニティブ集計による市場予想平均。2023年7-9月期以降の予想は2023年7月21日時点。(出所)会社発表、リフィニティブより野村證券投資情報部作成 (文責:野村證券 投資情報部・竹綱 宏行) 【米国株決算速報】シェブロン(CVX):売上高・EPSは市場予想を上振れ、増配発表 株価は+0.98% 野村の米国株決算リンク集:2023年1-3月期・4-6月期決算 野村の米国株決算リンク集:2022年1-3月期・4-6月期・7-9月期・10-12月期決算 野村の米国株決算リンク集:2021年10-12月期 ご投資にあたっての注意点
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07/27 09:22
【米国株決算速報】メタ・プラットフォームズ(META):ユーザー数の純増・広告主のアクティビティは堅調、株価は+7.41%(時間外取引)
決算概要 売上高・EPS実績、売上高見通しは市場予想を上回った 米国時間7月26日引け後に、「フェイスブック」や「インスタグラム」などSNS広告事業を行うメタ・プラットフォームズ(META US)が2023年4-6月期(2023.12期第2四半期)決算を発表しました。売上高は市場予想を2.8%上回り、EPSは市場予想を2.2%上回りました。また、会社の2023年7-9月期売上高見通しは市場予想を6.2%上回りました。 ユーザー数の純増・広告主のアクティビティは堅調 フェイスブックの日次アクティブユーザー数(DAU)は、全地域と、そのうち収益面で重要な米国・カナダともに、前年同期や前四半期から増加しました。SNS広告数は前年同期比で34%増加し、広告主のアクティビティが堅調であることを示しました(1-3月期は同26%増加)。 会社は、生成AI関連の広告主・AI広告エージェント・社内効率化のカテゴリーで新製品を準備しているとコメントしました。一方で、データセンター向けAI関連製品の納入が遅れていることをコメントし、AI関連の設備投資競争が激しくなっていることを示唆しました。 売上高とEPSの推移 株価は上昇 メタ・プラットフォームズの株価は、前日比1.39%高で引けた後、決算発表を受けて時間外取引では、終値比7.41%高の320.70ドルで推移しています(NY時間18:15)。SNS広告業界の堅調が確認されたことや、市場予想を上回る売上高見通しが好感されたためと考えられます。 株価推移 (6ヶ月日足) (注1)EPS は米国会計基準の希薄化後一株当たり利益。(注2)株価推移:データは日次で、直近値は2023年7月26日時点。(注3)売上高とEPSの推移:赤色は実績で、直近値は2023年4-6月期(2023/6)。2023年7-9月期の白丸は会社見通し中間値。灰色はリフィニティブ集計による市場予想平均。2023年7-9月期以降の予想は2023年7月25日時点。(出所)会社発表、リフィニティブより野村證券投資情報部作成 (文責:野村證券 投資情報部・竹綱 宏行) 【米国株決算速報】メタ・プラットフォームズ(META):2023年4-6月期の売上高見通し上振れ、株価は+11.63% 野村の米国株決算リンク集:2023年1-3月期・4-6月期決算 野村の米国株決算リンク集:2022年1-3月期・4-6月期・7-9月期・10-12月期決算 野村の米国株決算リンク集:2021年10-12月期 ご投資にあたっての注意点
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07/26 11:41
【米国株決算速報】アルファベット(GOOGL):ネット広告・クラウド堅調、生成AI活用が進もう、株価+7.70%
決算概要 EPS実績は市場予想を上回った 米国時間7月25日引け後に、「グーグル」や「ユーチューブ」といったインターネット広告事業やクラウド事業などを行うアルファベット(GOOGL US)が2023年4-6月期(2023.12期第2四半期)決算を発表しました。 売上高は市場予想を2.5%上回り、EPSは市場予想を7.6%上回りました。 ネット広告・クラウド堅調、生成AIの活用が進もう 会社は「当社の業績は、検索とユーチューブの収益成長の加速、およびクラウドのモメンタム(勢い)を反映しています。」とコメントしました。また、生成AIが広告事業の売上の後押しになるとコメントしました。 売上高とEPSの推移 株価は上昇 アルファベットの株価(A株)は、前日比0.56%高で引けた後、決算発表を受けて時間外取引では、終値比7.70%高の131.62ドルで推移しています(NY時間17:19)。 アルファベットを分析する上で重要なTAC(Traffic Acquisition Cost、顧客獲得費用)調整後売上高が前年同期比+8.0%となり、復調しつつあることを確認できたことや、クラウド事業が営業損益ベースで2四半期連続で黒字となったことが株価を押し上げているとみられます。 株価推移 (6ヶ月日足) (注1)EPS は米国会計基準の希薄化後一株当たり利益。(注2)株価推移:データは日次で、直近値は2023年7月25日時点。(注3)売上高とEPSの推移:赤色は実績で、直近値は2023年4-6月期(2023/6)。灰色はリフィニティブ集計による市場予想平均。2023年7-9月期以降の予想は2023年7月24日時点。(出所)会社発表、リフィニティブより野村證券投資情報部作成 (文責:野村證券 投資情報部・岩崎 晴弥) 【米国株決算速報】アルファベット(GOOGL):クラウド好調、700億ドルの自社株買いを発表 株価は+2.05% 野村の米国株決算リンク集:2023年1-3月期・4-6月期決算 野村の米国株決算リンク集:2022年1-3月期・4-6月期・7-9月期・10-12月期決算 野村の米国株決算リンク集:2021年10-12月期 ご投資にあたっての注意点
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07/26 11:27
【米国株決算速報】ビザ(V):消費堅調・中国への旅行者数は回復初期、株価は-0.25%(時間外取引)
決算概要 EPS実績は市場予想を上回った 米国時間7月25日引け後に、決済テクノロジー企業であるビザ(V US)が2023年4-6月期(2023.9期第3四半期)決算を発表しました。営業収益は市場予想を0.7%上回り、EPSは市場予想を2.1%上回りました。会社の2023年7-9月期営業収益見通しは市場予想をやや下回りました。 消費は堅調、中国旅行者数は回復初期 会社は、消費者の支出は依然として堅調で、カードでの決済額・決済数ともに成長が継続しているとコメントしました。海外取引手数料については、アフターコロナと夏のバカンスによる旅行の増加が追い風となった一方、中国本土への旅行者数はコロナ前の水準を未だ大きく下回っていることをコメントしました。 売上高とEPSの推移 株価はほぼ変わらず ビザの株価は、前日比0.85%安で引けた後、決算発表を受けて時間外取引では、終値比0.25%安の238.10ドルで推移しています(NY時間19:06)。 営業収益とEPSの実績が市場予想上回ったことで物価上昇による消費の減速の懸念が和らいだ一方、中国への旅行者数の回復ペースなどへの不透明感がやや重石となったと考えられます。 株価推移 (6ヶ月日足) (注1)EPS は非米国会計基準の希薄化後一株当たり利益。(注2)株価推移:データは日次で、直近値は2023年7月25日時点。(注3)営業収益とEPSの推移:赤色は実績で、直近値は2023年4-6月期(2023/6)。営業収益の2023年7-9月期の白丸は会社見通し中間値。灰色はリフィニティブ集計による市場予想平均。2023年7-9月期以降の予想は2023年7月24日時点。(出所)会社発表、リフィニティブより野村證券投資情報部作成 (文責:野村證券 投資情報部・竹綱 宏行) 【米国株決算速報】ビザ(V):消費の堅調継続、株価は+1.92%(時間外取引) 野村の米国株決算リンク集:2023年1-3月期・4-6月期決算 野村の米国株決算リンク集:2022年1-3月期・4-6月期・7-9月期・10-12月期決算 野村の米国株決算リンク集:2021年10-12月期 ご投資にあたっての注意点
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07/26 09:28
【米国株決算速報】マイクロソフト(MSFT):クラウドの成長再加速とPC市場の回復には時間が必要か、株価は-3.41%(時間外取引)
決算概要 EPS実績は市場予想を上回った 米国時間7月25日引け後に、「Office」や「ウインドウズ」、クラウドソフトの「Azure(アジュール)」などで知られるソフトウェア企業であるマイクロソフト(MSFT US)が2023年4-6月期(2023.6期第4四半期)決算を発表しました。売上高は市場予想を1.3%上回り、EPSは市場予想を5.5%上回りました。 クラウドの成長加速と、PC市場の回復には時間が必要か 会社の2023年7-9月期の売上高見通しは市場予想に対して、ビジネスソフト部門が上回った一方、クラウド部門とPC・ゲーム部門は下回り、全体でも下回りました。PC市場の回復が遅れていることや、クラウドでは生成AIの業績貢献には時間がかかるため、市場期待をやや下回ったと推察致します。一方、ビジネスソフト部門は、実績・見通しとも市場予想を上回るペースで拡大しており、7月18日に生成AIツール「Microsoft 365 Copilot」を月額30ドル(Microsoft 365の料金に追加)で提供すると発表するなど、生成AIの恩恵を最も享受すると期待できる部門と考えます。 売上高とEPSの推移 株価は下落 マイクロソフトの株価は、前日比1.70%高で引けた後、決算発表を受けて時間外取引では、終値比3.41%安の339.00ドルで推移しています(NY時間18:12)。7-9月期の売上高見通しが市場予想を下回ったためと考えます。 株価推移 (6ヶ月日足) (注1)EPS は米国会計基準の希薄化後一株当たり利益。売上高見通しの全社は、部門の売上高中間値の合計。(注2)株価推移:データは日次で、直近値は2023年7月25日時点。(注3)売上高とEPSの推移:赤色は実績で、直近値は2023年4-6月期(2023/6)。2023年7-9月期の売上高の白丸は会社見通し中間値。灰色はリフィニティブ集計による市場予想平均。2023年7-9月期以降の予想は2023年7月24日時点。(出所)会社発表、リフィニティブより野村證券投資情報部作成 (文責:野村證券 投資情報部・竹綱 宏行) 【米国株決算速報】マイクロソフト(MSFT):生成系AIの評判は良好、株価は+8.45%(時間外取引) 野村の米国株決算リンク集:2023年1-3月期・4-6月期決算 野村の米国株決算リンク集:2022年1-3月期・4-6月期・7-9月期・10-12月期決算 野村の米国株決算リンク集:2021年10-12月期 ご投資にあたっての注意点
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07/24 20:00
【1分で読める今週の米国株】FOMCの注目点は?マイクロソフトやアルファベットが決算発表(7/24)
1分で読める今週の米国株 7月14日~7月21日の振り返り 先週は、4-6月期決算発表が相次ぎました。ネットフリックスやテスラ、TSMC(台湾セミコンダクター)などハイテク株が市場の失望を招いた一方で、ジョンソン・エンド・ジョンソンやゴールドマン・サックスなど消費財、ヘルスケア、金融といった銘柄の株価は堅調でした。インフレや長期金利動向というよりは決算内容が、大型株中心のNYダウ指数(21日までに10連騰)と、ハイテク株の多いナスダック総合指数の明暗を分けました。 今週のPoint1. 純利益ベースでの決算内容は堅調 調査会社リフィニティブによる7月21日時点の集計では、これまでに2023年4-6月期決算発表を終えた89社(2023年3-5月期決算も含む)のうち、73.0%の企業で、純利益の決算実績が事前のアナリスト予想を上回りました。一部ハイテク企業で見通しなどが市場予想に届かないケースはあるものの、全体としては直近4四半期と同程度の水準を維持しています。 今週のPoint2. GAFAM決算に要注目 今週は25日にはマイクロソフトとアルファベットが、26日にはメタ・プラットフォームズが2023年4-6月期決算を発表します(アップルとアマゾン・ドットコムは8月3日に予定)。GAFAMは5社だけでS&P500指数構成企業の純利益の13%を占めます。決算実績に加え、会社業績予想や経営陣のコメント等を確認しながら業績動向を見極め、他企業へのインプリケーションも確認したいと考えます。 (注)収益、純利益に占める割合は2022年度ベースで、継続的に観察可能な調整後利益が公表されている企業で計算している。GAFAMとは5社の頭文字を並べた呼称で、Gはアルファベット傘下のグーグル(Google)、Aはアップル(Apple)とアマゾン・ドットコム(Amazon.com)、Fは現メタ・プラットフォームズで旧社名のフェイスブック(Facebook)、Mはマイクロソフト(Microsoft)を表す。 (出所)リフィニティブより野村證券投資情報部作成 今週のPoint3.「最後の利上げ」になるか、FOMC 決算に加えて26日にFOMC(米連邦公開市場委員会)の結果が発表されます。今回の会合での0.25%ポイント利上げは株式市場では織り込み済みとみられ、サプライズとはならないとみられます。株式市場参加者の関心は9月以降の会合における金融政策の方向性にあると推察されます。FOMCの結果が発表された際には、声明文の内容とパウエルFRB議長の発言から、今後利上げが継続されるか否かを読み取っていきたいと思います。 経済指標では、28日の6月個人消費支出・所得統計の発表に併せ、重要なインフレ指標である6月コア個人消費支出デフレーターが発表されます。さらに7月ミシガン大学消費者センチメント指数(確報値)の発表に併せ、期待インフレ率も発表されます。これらの発表は7月FOMC終了後ですが、市場の関心事は9月以降の金融政策の方向であることから、それらの内容によっては株式市場が大きく反応する可能性が考えられ、留意したいと考えます。 (以上、「1分で読める今週の米国株」) もっと知りたい!経済指標&金融政策 26日(水)発表のFOMC 26日(水)に結果が発表されるFOMCでは、0.25%ポイントの利上げが予想されています。FOMCの声明文には、概ね変更がないと予想されます。また、今回の会合でFOMC参加者が政策金利見通しや経済見通しを公表することはありません(見通しは3、6、9、12月のFOMCで発表)。そのため、今後の政策決定の指針を探るためには、パウエルFRB(米連邦準備理事会)議長の記者会見に注目する必要があります。 パウエル議長は、7月会合での利上げ後さらに1回の利上げに言及する可能性が高く、始まったばかりのディスインフレ(インフレ減速)傾向に過度に期待しないよう、市場に警告するとみられます。金融政策が経済に影響するまでのタイムラグや中立金利に関する発言があれば、注目が集まるでしょう(中立金利はインフレを加速も減速もさせない政策金利の水準)。 野村では、7月FOMCが現在の引き締め局面における最後の利上げになると考えています。FOMC参加者は、引き続きインフレに対する慎重な姿勢を維持すると見られますが、2023年後半を通してディスインフレが継続することで、FOMCは7月会合以降も政策金利を据え置くことになると予想しています。 もっと知りたい!決算発表 ここでは、今週決算発表を迎えるNYダウ時価総額上位、ナスダック総合指数時価総額上位銘柄の中から、マイクロソフト、アルファベット、メタ・プラットフォームズ、ビザの4銘柄について注目点を確認したいと考えます。 マイクロソフト ここ数年の当社の決算発表後の株価は、クラウドサービスであるAzureの前年同期比増収率の影響を大きく受けてきました。他方、今回の決算は生成AI関連が市場の注目を集めると見受けられます。米ウルフリサーチの分析によれば、生成AIを製品ポートフォリオに組み込んだだけでも、利用者1人当たりの月間収入は最大35ドルにまで高まることが見込まれ(Microsoft 365で約30ドル、Bing Chat Enterpriseで約5ドル)、これが増収ドライバーになると期待されています。現在、当社製品の利用者数は3億人にも上るため、商機が大きいことは明らかです。 さらに、18日(火)にパートナー向けのカンファレンス「Microsoft Inspire」で発表された各種製品群の注目度も上がっています。売上高見通しなどで当製品群に言及があるかが市場の評価を左右しそうです。 前回決算発表よりは注目度は低いものの、引き続き設備投資の見通しやAzureの増収率ガイダンスも重要です。4-6月期のAzureの為替調整後増収率のガイダンスは26.5%であり、これを越えられるかに関心が寄せられます。 アルファベットとメタ・プラットフォームズ 両銘柄は、年初来ナスダック総合指数をアウトパフォームしています。背景には、悲観的な見通し修正に伴うバリュエーションの切り上がり、人工知能(AI)の開発などが考えられます。ただし、業績予想自体は下方修正が続いており、今決算発表で上方修正に転じることができるかが最初の注目点になるでしょう。 米ウルフリサーチの調査によれば、4-6月期はデジタル広告の好調な伸びが続いているとしています。また、オフライン広告からのシェアを奪ったこともあったとみられます。一方で、これまでの利上げ効果、米国で学生ローンの返済猶予期間が終了することなどのマクロ面での懸念もあり、会社のガイダンスに注視が必要です。 ビザ 4月に取扱高が下向きに転じたことから、消費支出の減速が懸念されていました。しかし、5-6月の米経済指標は比較的底堅さを保っていたことから足元の株価は安定的に推移しています。特に旅行関連が好調を維持しており、越境取引や宿泊・レジャー関連が支えになると想定されます。広告セクターと同様、景気後退懸念に関する会社コメントがあれば、重要なチェックポイントとなるでしょう。 (FINTOS!外国株 小野崎通昭) ご投資にあたっての注意点
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07/20 11:58
【米国株決算速報】ASML:EUV売上高見通しを引き下げ、株価は5.45%安
決算概要 売上高見通しは市場予想を上回る 米国時間7月19日寄り前に、リソグラフィー(半導体の回路パターンを基盤に焼き付ける装置)などの半導体製造装置の製造を行う蘭ASML(ASML NA/ASML US)が2023年4-6月期(2023.12期第2四半期)決算を発表しました。売上高は69億ユーロと市場予想を2.6%上回りました。(希薄化後)EPSは4.93ユーロで市場予想を6.4%上回りました。会社の2023年7-9月期売上高見通しは市場予想を上回りました。 2023年12月期通期については、売上高見通しを従来の前年度比+25%から+30%に引き上げました。 EUV売上高見通しを引き下げ 会社は、米国による中国への輸出規制により、4-6月期に先端製品のEUV(極端紫外線露光装置)の売上高が減少した一方、旧式のDUV(深紫外線露光装置)の売上高が増加したことを報告し、2023.12期通期についてEUVの売上高成長率見通しを従来の前年比+40%から同+25%に引き下げた一方、同じくDUVについては同+30%から同+50%引き上げ、これは粗利率にプラスに寄与するとコメントしました。 売上高とEPSの推移 株価は下落 株価は、前日比5.45%安で引けました。中国への輸出規制は売上高減少につながらなかったものの成長分野のEUVの出荷が後ずれすることから、一部の市場関係者の高い期待に届かなかったためと考えられます。 株価推移 (6ヶ月日足) (注1)EPS は米国会計基準の希薄化後一株当たり利益。(注2)株価推移:米国上場のADR価格(ドル建て)。データは日次で、直近値は2023年7月19日時点。(注3)売上高とEPSの推移:赤色は実績で、直近値は2023年4-6月期(2023/6)。2023年7-9月期の売上高の白丸は会社見通し中間値。灰色はリフィニティブ集計による市場予想平均。2023年7-9月期以降の予想は2023年7月18日時点。(出所)会社発表、リフィニティブより野村證券投資情報部作成 (文責:野村證券 投資情報部・岩崎 晴弥) 【米国株決算速報】ASML:半導体市況の悪影響を受け受注軟調、株価は-3.07% 野村の米国株決算リンク集:2023年1-3月期・4-6月期決算 野村の米国株決算リンク集:2022年1-3月期・4-6月期・7-9月期・10-12月期決算 野村の米国株決算リンク集:2021年10-12月期 ご投資にあたっての注意点
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07/20 09:27
【米国株決算速報】テスラ(TSLA):自動運転技術を他社へ提供へ、株価は-4.11%(時間外取引)
決算概要 EPS実績は市場予想を上回った 米国時間7月19日引け後に、EVの製造販売や太陽光発電事業を行うテスラ(TSLA US)が2023年4-6月期(2023.12期第2四半期)決算を発表しました。売上高は市場予想を1.8%上回り、EPSは市場予想を10.6%上回りました。 会社は、2023.12月期通期の生産台数は、前年比+50%成長の会社目標を上回るペースであることをコメントしました。 自動運転技術を他社へ提供へ 決算説明会でイーロン・マスクCEOは、運転支援技術「FSD(フル・セルフ・ドライビング)」を他社に低価格でライセンス提供する方針を発表しました。また、FSDの基盤となるAIスーパーコンピューターについて、従来の自社開発の「Dojo」のみから、エヌビディアの製品も使用する方針に転換したとコメントしました。 売上高とEPSの推移 株価は下落 テスラの株価は、前日比0.71%安で引けた後、決算発表を受けて時間外取引では、終値比4.11%安の279.28ドルで推移しています(NY時間18:58)。7月2日の4-6月期の生産台数発表翌日に株価は6.9%上昇するなど好材料が既にある程度織り込まれていたことや、基幹技術の一つであるFSDの他社への低価格での提供が当社の将来の競争優位性に不透明感を与えたことが下落の理由と推察されます。 株価推移 (6ヶ月日足) (注1)EPS は非米国会計基準の希薄化後一株当たり利益。(注2)株価推移:データは日次で、直近値は2023年7月19日時点。(注3)売上高とEPSの推移:赤色は実績で、直近値は2023年4-6月期(2023/6)。灰色はリフィニティブ集計による市場予想平均。2023年7-9月期以降の予想は2023年7月18日時点。(出所)会社発表、リフィニティブより野村證券投資情報部作成 (文責:野村證券 投資情報部・竹綱 宏行) 【米国株決算速報】テスラ(TSLA):値下げによる悪影響で調整後EPS下落、株価は-4.23% 野村の米国株決算リンク集:2023年1-3月期・4-6月期決算 野村の米国株決算リンク集:2022年1-3月期・4-6月期・7-9月期・10-12月期決算 野村の米国株決算リンク集:2021年10-12月期 ご投資にあたっての注意点