米国株
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02/08 22:00
【チャート分析】アルファベット、26週線奪回なら基調変化へ
このたび、米国ナスダック市場の時価総額上位銘柄をチャート分析しました。 ナスダック市場: 時価総額上位銘柄ランキング (注)データは2023年1月20日時点。 (出所)ブルームバーグデータより野村證券投資情報部作成 本日は第3位のアルファベット(A株)(A4987/GOOGL)を取り上げました。週足チャートを用いて、チャート分析上の注目点を記しています。投資戦略を考える上で、ご参考になれば幸いです。 まずは26週線奪回なるか注目 当社は、世界最大のアクセス数を誇る情報検索エンジン「グーグル」を展開する企業です。 (図1)同社の株価は2022年以降調整が続いていますが、今年1月に安値形成後、反発に転じ、13週移動平均線を回復しました。 この先まずは、 2022年高値形成以降、上値を押さえられてきた26週線(1月27日:99.64ドル)を奪回となるか注目です。同線を上にブレイクとなれば、これまでの調整相場が終了した可能性が考えられ、52週線(同:111.05ドル)に向けてさらなる戻しを試す動きが期待されます。 調整継続の場合は昨年11月安値などが下値メド (図2)一方仮に調整継続となった場合は、2022年11月安値(83.34ドル)や2020年2月高値(76.53ドル)などが下値メドとして挙げられます。 (注1) 株価は修正株価でザラ場ベース。直近値は2023年1月27日。 図中の「〇週線」 とは移動平均線を指します。(注2)株価表記について、2014年7月以降、一部の銘柄の呼値の単価変更により、小数点以下第1位まで表記しているものがあります。(注3)トレンドラインには主観が含まれていますので、ご留意ください。またご投資に際しては、企業業績や投資尺度などテクニカル以外の要素についてもご確認ください。 (出所)ブルームバーグデータより野村證券投資情報部作成 この資料は、投資判断の提供を目的としたものではなく、一般的なテクニカル分析の手法について記したものです。テクニカル分析は過去の株価の動きを表現したものであり、将来の動きを保証するものではありません。 また、記載されている内容は、一般的に認識されている見方について記したものですが、チャートの見方には解釈の違いもあります。 ・【チャート分析】マイクロソフト、52週線奪回なるか注目 ・【チャート分析】アップル、この先52週線を奪回なるか注目 ご投資にあたっての注意点
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02/07 22:00
【チャート分析】マイクロソフト、52週線奪回なるか注目
このたび、米国ナスダック市場の時価総額上位銘柄をチャート分析しました。 ナスダック市場: 時価総額上位銘柄ランキング (注)データは2023年1月20日時点。 (出所)ブルームバーグデータより野村證券投資情報部作成 本日は第2位のマイクロソフト(A2218/MSFT)を取り上げました。週足チャートを用いて、チャート分析上の注目点を記しています。投資戦略を考える上で、ご参考になれば幸いです。 52週線奪回なれば調整相場終了の可能性 当社は、売上高で世界トップクラスのソフトウェア企業です。 (図1)当社の株価は、2021年11月に高値形成以降、調整相場が続いています。2022年11月安値は、2020年以降の上昇幅に対する62.7%押しまで下落し、2020年3月安値形成時の押し水準(60.1%押し)を上回りました。 この先2021年以降の下降トレンドラインや52週移動平均線(1月27日:262.73ドル)を奪回となれば、1年強に亘る調整相場が終了した可能性が高まり、戻しを試す動きに弾みがつく可能性が考えられます。 200ドル前後では下げ渋りの動きに期待 (図2)一方仮に調整継続となった場合は、さらなる下値メドとして2020年3月以降の上昇幅に対する2/3押し(204.90ドル)や2020年2月高値(190.70ドル)などがある200ドル前後の水準が挙げられます。この価格帯は2020年~21年にかけて保ち合い相場を形成しており、下げ渋りの動きが期待できます。 (注1) 株価は修正株価でザラ場ベース。直近値は2023年1月27日。 図中の「〇週線」 とは移動平均線を指します。(注2)株価表記について、2014年7月以降、一部の銘柄の呼値の単価変更により、小数点以下第1位まで表記しているものがあります。(注3)トレンドラインには主観が含まれていますので、ご留意ください。またご投資に際しては、企業業績や投資尺度などテクニカル以外の要素についてもご確認ください。 (出所)ブルームバーグデータより野村證券投資情報部作成 この資料は、投資判断の提供を目的としたものではなく、一般的なテクニカル分析の手法について記したものです。テクニカル分析は過去の株価の動きを表現したものであり、将来の動きを保証するものではありません。 また、記載されている内容は、一般的に認識されている見方について記したものですが、チャートの見方には解釈の違いもあります。 ・【チャート分析】アップル、この先52週線を奪回なるか注目 ご投資にあたっての注意点
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02/06 22:00
【チャート分析】アップル、この先52週線を奪回なるか注目
このたび、米国ナスダック市場の時価総額上位銘柄をチャート分析しました。 ナスダック市場:時価総額上位銘柄ランキング (注)データは2023年1月20日時点。 (出所)ブルームバーグデータより野村證券投資情報部作成 本日は第1位のアップル(A0030/AAPL)を取り上げました。週足チャートを用いて、チャート分析上の注目点を記しています。投資戦略を考える上で、ご参考になれば幸いです。 52週線やトレンドラインが戻しメドとして意識されよう 当社は、ソフトウェア、オンラインサービスなどを提供する世界トップクラスのテクノロジー企業です。 (図1)当社の株価は、2022年1月に高値形成以降、調整が続いています。ただ今年1月に昨年6月安値を下回った後は、反発の動きを見せています。 この先52週線(1月27日:151.68ドル)を奪回となれば、今年1月以降の下降トレンドラインに向けてさらなる戻りを試す動きが期待されます。 調整継続の場合はまず120ドル処が下値メド (図2)一方、この先調整継続となった場合は、2022年1月~6月の下落幅を同年8月高値に当てはめたN波動計算値(122.25ドル)や、2020年以降の上昇幅に対する50%押し(118.05ドル)などがある120ドル処で下げ止まりとなるか注目されます。 (注1) 株価は修正株価でザラ場ベース。直近値は2023年1月27日。 図中の「〇週線」 とは移動平均線を指します。(注2)株価表記について、2014年7月以降、一部の銘柄の呼値の単価変更により、小数点以下第1位まで表記しているものがあります。(注3)トレンドラインには主観が含まれていますので、ご留意ください。またご投資に際しては、企業業績や投資尺度などテクニカル以外の要素についてもご確認ください。 (出所)ブルームバーグデータより野村證券投資情報部作成 この資料は、投資判断の提供を目的としたものではなく、一般的なテクニカル分析の手法について記したものです。テクニカル分析は過去の株価の動きを表現したものであり、将来の動きを保証するものではありません。 また、記載されている内容は、一般的に認識されている見方について記したものですが、チャートの見方には解釈の違いもあります。 ご投資にあたっての注意点
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02/06 20:00
【今週の米国株】強い雇用統計受け、利下げ開始は来年3月からと予想(2/6)
①1月27日~2月3日の振り返り:ナスダック堅調はいつまで続く? 米国株の主要3指数では、引き続きナスダック総合指数が強い展開が続きました。一方のNYダウは、週次ベースで今年に入り初めて下落しました。インフレ緩和期待を背景にしたグロース(成長)株優位の展開が続いています。 注目の3イベントを振り返る 先週の注目点は、2月FOMC(米連邦公開市場委員会)と1月雇用統計、そしてGAFA決算の3点でした。全体としては、FOMCで0.25%ポイント利上げが決定され金融政策のタカ派懸念が回避されたことが、相場上昇継続の一因となりました。一方で、雇用と決算は株価にとって手放しの歓迎とはいかなそうです。 雇用統計は市場予想を大きく上回る+51万人 1月雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比+51.7万人(12月同+26.0万人、市場予想同+18.9万人)と、堅調な内容でした。強い雇用は、インフレの継続(賃金上昇→消費者の購買力増加→物価上昇)とFRB(米連邦準備委員会)による利下げタイミングの後ずれを意味します。実際、週を通して低下傾向にあった米10年国債利回りは、週末に雇用統計の発表と共に反転上昇し、前週3.510%(1月27日終値)を上回る3.522%(2月3日終値)となりました。 GAFA決算はマクロ環境悪化を示唆 GAFA決算はまちまちな内容でした。2022年10月-12月実績で、売上高・EPS(一株当たり利益)ともに上回ったのは小売事業の利益率が改善傾向にあるアマゾン・ドットコム(AMZN)の1社のみです(同社も、利益の要であるクラウドサービスのAWSの増収率は鈍化しました)。アルファベット(GOOGL)、アップル(AAPL)の実績が市場予想を下回るなど、各社の決算やコメントを通し受注の弱含みを示唆するものが多かったと言えます。一方で、メタ・プラットフォームズ(FB)など、アナリストによる下方修正が先行して進んでいた企業では売上高実績が予想を上回るといった例も見られました。 市場予想はまだ下方修正優位だが… 上図のS&P500米国企業のリビジョンインデックス(上方修正した銘柄数/下方修正した銘柄数)では、FY1(予想1期目)は2022年12月21日時点以降1を割っていましたが、2023年2月1日時点で1.00となりました。但しFY2(予想2期目)は2022年6月8日以降概ね1を下回って推移しており、2023年2月1日時点では未だ0.56と下方修正優位です。 予想EPSが上がらない中で株価は上昇を継続したことで米国株(S&P500)のPERは、18.0倍から18.4倍へ上昇し、2016年以降の平均18.2倍とほぼ同水準となっています。 先週の雇用統計を機に、インフレ鈍化と利上げ打ち止め・年内利下げ期待がけん引する足元の相場に変化がないかを今週を通して確認していきたいと考えます。 ②今週の気になる金融政策: 7日(火)のパウエル議長公演 前週の雇用統計を受けFRBがどのような姿勢を示すかに注目が集まります。FOMC明けの今週は、FRB高官の発言が相次ぎますが、まずは7日(火)のパウエルFRB議長講演が注目でしょう。 野村ではFRBの利下げ開始時期を2024年3月と予想 野村では、FRBの利下げ開始時期予想を従来の2023年9月から2024年3月と後ろ倒しに変更しました。雨宮エコノミストは「(財・サービスの)需要が鈍化しているにもかかわらず、雇用主が人員削減を避けて労働力を囲い込んでいることから、景気減速や金融政策の引き締めに対して通常よりも抵抗力が高いことが雇用統計で示唆された」としています。 4四半期連続のマイナス成長となると見ていた米実質GDP成長率を2四半期へ短縮したり、2023年12月の失業率の予想を従来の6.0%から5.0%に引き下げたりするなど、経済の見通しを全体に上方修正しています。一方で、FRBが重視するインフレの尺度であるコア(個人消費支出)PCEインフレ率の2023年12月時点の予想は、前年比+1.7%から同+2.6%に上方修正しました。 米国株・PERを左右する「米国10年債利回り」の目線は 金利・債券を専門とする野村の小清水ストラテジストは「市場において、もし2023年中の利下げ期待が全て解消したとしても、米10年国債利回りは3.8%前後までの上昇に留まろう。一方、労働市場が悪化し、先々で金融緩和の領域までの利下げが織り込まれれば、米10年国債利回りは3%を割り込むと予想される」としています。今後、市場が堅調な経済を背景に「年内利下げなし」との見方に傾けば、今のPER主導の米国株式市場に転換の可能性があります。改めて、緩やかな景気後退の中で好決算を続けられる独自成長要因の企業に光が当たる局面もありそうです。 ③今週の気になる決算:9日(木)のペプシコ ※ここで取り上げる銘柄は、あくまで「今週決算発表がある企業およびその関連企業」のうち、「米国経済やセクター全体を見通す上でインプリケーションが多い」という観点で言及するものです。個別銘柄の勧誘・助言を目的とするものではありません。 GAFAM決算を終えましたが、まだ主要企業の決算発表は続きます。7日(火)のクルーズ船大手ロイヤル・カリビアン・クルーズ(RCL)、8日(水)にはテーマパークやコンテンツ配信大手のウォルト・ディズニー・カンパニー(DIS)、9日(木)のヒルトン・ワールドワイド(HLT)など、サービス消費の動向を見る上で注目の企業が並びます。 スナック×ドリンクの食品企業、ペプシコ 今週は、9日(木)のペプシコに注目したいと考えます。同社は、ペプシコーラのイメージがありますが、正味売上高の過半をフリトレーなどのスナック事業で稼ぐビジネスモデルです。一般に景気後退期にも強いとされるスナック事業は、イベントや屋外消費動向の影響も受けやすいコーラ事業との組み合わせで事業ポートフォリオが構成されており、それぞれにインプリケーションがあるでしょう。また、正味売上高の6割を北米で稼いでおり、コカ・コーラ(KO)に比べ米国の消費動向を見る上では適していると考えられます。 前回決算、値上げでの消費者離れは見られず 前回の7-9月期決算では、大幅な値上げを敢行していたにも関わらず数量減があまり見られず、堅調な決算となっていました。一方で、ドルの独歩高が米ドルベースでの売り上げを下押ししました。これらの傾向に変化がないか、確認したいと考えます。 今週の米企業決算発表を通し、冒頭に紹介した2022年10-12月期のリビジョンインデックスの方向感が見えそうです。先週までのマクロ指標と整合する堅調な決算となれば、インフレ懸念の再燃からの金利再上昇もあり得、EPSとPERの綱引きの相場が続きます。 (FINTOS!米国株/小野﨑通昭) ご投資にあたっての注意点
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02/03 12:26
<米国株決算速報>アルファベット(GOOGL):株価は-4.60%、ネット広告軟調
2月2日に発表された米国株の四半期決算をお送りいたします。 アルファベット(GOOGL) ネット広告軟調 ※ 会社発表、リフィニティブより野村證券投資情報部作成※ 実績は2022年10-12月期※ EPS は米国会計基準の希薄化後一株当たり利益 ※ 2月2日引け後決算発表。発表後の株価は、2日の時間外取引における2日終値比での騰落率(米国東部時間19時59分現在) 「グーグル」や「ユーチューブ」といったインターネット広告事業やクラウド事業などを行うアルファベットの2022年10-12月期決算は 、市場予想を下回りました。会社は主要広告主が2022年7-9月期からさらに広告費を減らしたことをコメントしました。また、2023年1月に発表した人員削減に関連した退職金やオフィススペースの削減などの費用が2023年1-3月期に計上される予定です。 <米国株決算速報>アルファベット(GOOGL):インターネット広告への逆風継続も、株価は時間外で上昇 野村の米国株決算リンク集:2022年1-3月期・2-4月期・決算2022年3-5月期・4-6月期決算・5-7月期・6-8月期・7-9月期 野村の米国株決算リンク集:2021年10-12月期 ご投資にあたっての注意点
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02/03 11:57
<米国株決算速報>アップル(AAPL):株価は3.24%安、サービス事業好調も製品は供給制約を受けた
2月2日に発表された米国株の四半期決算をお送りいたします。 アップル(AAPL) サービス事業好調も製品は供給制約を受けた ※ 会社発表、リフィニティブより野村證券投資情報部作成※ 実績は2022年10-12月期※ EPS は米国会計基準の希薄化後一株当たり利益※ 2月2日引け後決算発表。発表後の株価は、2日の時間外取引における2日終値比での騰落率(米国東部時間19時59分現在) モバイル端末の製造販売とクラウドサービス事業を行うアップルの2022年10-12月期決算は、サービス事業(クラウドやapp、音楽配信など)の売上高は過去最高を記録し、市場予想も上回りましたが、景気減速や供給制約などからハードの売り上げが落ち込み、前年同期比で減収減益となりました。 <米国株決算速報>アップル(AAPL):株価は+0.35%、iPhoneの需要に自信 野村の米国株決算リンク集:2022年8-10月期・9-11月期・10-12月期 野村の米国株決算リンク集:2022年1-3月期・2-4月期・決算2022年3-5月期・4-6月期決算・5-7月期・6-8月期・7-9月期 野村の米国株決算リンク集:2021年10-12月期 ご投資にあたっての注意点
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02/03 11:00
<米国株決算速報>アマゾン・ドットコム(AMZN):株価は-4.63%、実績は予想を上回るも、AWSの見通し慎重
2月2日に発表された米国株の四半期決算をお送りいたします。 アマゾン・ドットコム(AMZN) 実績は予想を上回るも、AWSの見通し慎重 ※ 会社発表、リフィニティブより野村證券投資情報部作成※ 実績は2022年10-12月期※ EPS は、米国会計基準の希薄化後一株当たり利益0.03ドルから、保有するリビアン・オートモーティブ株の評価損(一株当たり0.22ドル)を比較のために除いた値※ 2月2日引け後決算発表。発表後の株価は、2日の時間外取引における2日終値比での騰落率(米国東部時19時29分現在) イーコマースやメディアサービス、クラウド事業のAWSなどを運営するアマゾン・ドットコムの2022年10-12月期決算は、実績値が市場予想を上回った一方、2023年1-3月期の売上高見通し中央値は市場予想を下回りました。 会社は、売上高実績が市場予想を下回ったAWS(クラウドサービス)事業について、従来より低い成長率は2023年1-3月期を含む向こう数四半期は継続するとの見通しを示しました。 <米国株決算速報>アマゾン・ドットコム(AMZN):株価は-12.73%、年末商戦を前に逆風が強まる 野村の米国株決算リンク集:2022年8-10月期・9-11月期・10-12月期 野村の米国株決算リンク集:2022年1-3月期・2-4月期・決算2022年3-5月期・4-6月期決算・5-7月期・6-8月期・7-9月期 野村の米国株決算リンク集:2021年10-12月期 ご投資にあたっての注意点
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02/02 11:18
<米国株決算速報>メタ・プラットフォームズ(META):株価は19.48%高、400億ドルの自社株買い枠増額と市場予想以上の売上高見通しを発表
2月1日に発表された米国株の四半期決算をお送りいたします。 メタ・プラットフォームズ(META) 400億ドルの自社株買い枠増額と市場予想以上の売上高見通しを発表 ※ 会社発表、リフィニティブより野村證券投資情報部作成※ 実績は2022年10-12月期※ EPS は米国会計基準の希薄化後一株当たり利益※ 2月1日引け後決算発表。発表後の株価は、1日の時間外取引における1日終値比での騰落率(米国東部時間19時15分現在) 「フェイスブック」や「インスタグラム」などSNS広告事業を行うメタ・プラットフォームズの2022年10-12月期決算は、日次のアクティブユーザー数は20億人を突破し、コスト削減による効率化を目指すとコメントしました。 また、2022年1-12月期通期の実績値を上回る400億ドルの自社株買い枠の増額を発表しました。2023年1-3月期の売上高の見通しは市場予想を上回りました。(日次のアクティブユーザー数とは、当該日に、フェイスブックを利用、Messengerアプリケーションを使用したユーザーを指します。) <米国株決算速報>メタ・プラットフォームズ(META):株価は-19.66%、広告事業の軟調見込む 野村の米国株決算リンク集:2022年8-10月期・9-11月期・10-12月期 野村の米国株決算リンク集:2022年1-3月期・2-4月期・決算2022年3-5月期・4-6月期決算・5-7月期・6-8月期・7-9月期 野村の米国株決算リンク集:2021年10-12月期 ご投資にあたっての注意点
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01/30 20:00
【今週の米国株】FOMCとGAFA決算は、転換点となるか?(1/30)
①1月20日~27日の振り返り:PER主導の相場が続く 米国株の主要3指数では、先週に続きナスダック総合指数の強い展開が続きました。強い需要見通しが示されたテスラ(TSLA)の株価上昇など個別要因もありますが、グロース株が米国株全体でのPER(株価収益率)の上昇の恩恵を受けている面もあるでしょう。 株価は、予想EPS(一株当たり純利益)×PERで計算されます。 予想EPSは企業業績の予想ですので概ね景気見通しと連動し、PERは長期金利と反対に動く傾向があります。米長期金利(米10年債利回り)そのものは週を通して大きな変化はありませんでしたが、多くの経済指標(例えば、12月個人消費支出のPCEデフレーター等)でインフレの鈍化傾向が示されました。これが米金融政策のタカ派化懸念を後退、ひいてはPERを上昇させたと言えます。 S&P500指数を例にとってみると、PERは足元で上昇しています。18.0倍と、2016年以降の平均である18.2倍に迫っています。 一方で、2023年の予想EPSは年末から低下傾向にあり、リビジョン・インデックスと呼ばれるアナリストの業績予想の方向性を示す指標は上方修正優位と下方修正優位の分岐点となる1を下回っています。 つまり、足元の決算発表を受けた緩やかな予想EPSの低下を打ち消す形でPERが上昇し、結果として株価は上昇するという相場が続いていることになります。前述の通り、PERは直近の平均値まで上昇してきていますので、さらなる株価上昇には市場がさらなる金融緩和期待を確信する材料が必要と言えそうです。 ②今週の気になる金融政策: 3日(金)の雇用統計 当然、1日(水)に結果発表されるFOMC(米連邦公開市場委員会)は注目イベントの筆頭株でしょう。ただし、既に金利市場には、12月の0.50%ポイント利上げから減速となる0.25%ポイント利上げがほぼ織り込まれており、2月FOMCにおいては参加者の見通しを示す「ドッツ」の発表もありません(次回は3月)。結果発表後のパウエル議長のコメントは重視されますが、金融政策の維持についてはこれまでと同様「しばらく(for some time)」との表現に留まると見込まれ、2月FOMCでは大きな方針転換は示されない可能性も相応にあります。 野村が雇用統計に注目する理由 FOMCを波乱なく通過した場合、市場の視線は3日(金)発表の1月雇用統計に移るでしょう。野村の小清水ストラテジストは、(中期的に)「雇用が堅調ならインフレ率は前年比4~5%へ再加速する」と予想しています。現在は、サプライチェーン問題の解消に伴う財のインフレ減速が全体のインフレ率を下押ししている状況です。しかし、財のインフレが平常に戻り、サービスインフレの上昇が現状のままとなれば、全体のインフレ率は再加速する試算となっています。 雇用統計は堅調が見込まれる 小清水ストラテジストは、非農業部門雇用者数で前月比+15万人(コロナ禍前の水準)以上の増加が続くことを堅調な雇用の一つの目処としています。野村では同+21.5万人を予想(市場予想は同+18.5万人、前月は同+22.3万人)しており、堅調な雇用環境は続くと見られます。もっとも雇用は景気の遅行指標であり、先行きを見る指標としては不適切との指摘も見られます。一方で、FRB(米連邦準備理事会)が雇用を景気判断の基準として見ていることから、金利の低下(期待)=PER上昇が今の相場であるならば、雇用統計にも相応の目くばせが必要と考えられます。 ③今週の気になる決算:1日(水)のメタ・プラットフォームズ ※ここで取り上げる銘柄は、あくまで「今週決算発表がある企業およびその関連企業」のうち、「米国経済やセクター全体を見通す上でインプリケーションが多い」という観点で言及するものです。個別銘柄の勧誘・助言を目的とするものではありません。 今週はGAFAMのうち、先週決算を終えたマイクロソフト(MSFT)を除く4社が相次いで決算を発表します。今回の2022年10-12月期決算発表および2023年通期の見通しを方向付ける週となるでしょう。2日(木)に予定されている、アップル(AAPL)、アルファベット(GOOGL)、アマゾン・ドットコム(AMZN)が天王山となりそうですが、ここではその前日、1日(水)に発表されるメタ・プラットフォームズ(FB)の決算をビッグテックの試金石として注目したいと考えます。 10-12月期は、多くの米国企業にとって「期末」となり、また年末商戦もあるため広告業にとっては書き入れ時となります。野村が提携するウルフリサーチのレポートによれば、ツイッター社の経営方針を巡る混乱は、他のデジタル広告各社の受注にとってはプラスに働いた、としています。また、いわゆる”巣ごもり需要”の反動も一巡し、ユーザー数や利用時間は改善傾向にあると見られ、アップルによるアプリのプライバシー強化にも引き続きうまく対応できていると見られます。こうした中で、マクロ要因の影響を加味した2023 年の見通しが短期的な株価を左右しそうです。営業費用の圧縮に関しても、11月に発表された人員削減に加えた施策が示されるかに注目が集まります。 なお、広告以外のソフトウェア周りの需要は先週のマイクロソフトの決算内容が最も参考になるでしょう。大きな3セグメントのうち、ビジネスソフトウェア部門が市場予想を上回りました。サービスナウなど他社でも、競争力のあるソフトウェアは堅調であるとみられます。一方、クラウドサービス部門と個人向けPC・ゲーム部門での市場予想下振れはセクターにとって気がかりです。当社が、クラウドサービス「Azure」の増収率について2022年10-12月期の前年同期比38%から2023年1-3月期に同30%まで低下(為替影響調整後)する予想を示した背景を考えると、アマゾン・ドットコムやアルファベットのクラウド事業にも注視が必要と考えられます。 ここまでのところ「決算は市場予想ほど悪くないが、見通しは保守的」とする企業が大勢であり、アナリストの業績予想の方向感を変えるまでには至っていません。この形では、大きな転換点になりづらいと言えるでしょう。一方で、ここから極端に悪い内容が重なれば短期的には株価は下落しますが、景気後退への確度が高まり「年内利下げ」が見えてきます。セクター選択にも影響しうる今週の決算発表からは、目が離せません。 (FINTOS!米国株/小野﨑通昭) ご投資にあたっての注意点