米国株
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01/30 08:43
<米国株決算速報>シェブロン(CVX):株価は-4.44%、自社株買いは急増しない
1月27日に発表された米国株の四半期決算をお送りいたします。 シェブロン(CVX) 自社株買いは急増しない ※ 会社発表、リフィニティブより野村證券投資情報部作成※ 実績は2022年10-12月期※ EPS は非米国会計基準の希薄化後一株当たり利益※ 1月27日寄り前決算発表。発表後の株価は、27日の前日比騰落率 石油メジャーの一角で総合エネルギー・化学品事業を行うシェブロンの2022年10-12月期決算は、売上高は市場予想を上回ったものの、EPSは市場予想を下回りました。会社は、川上部門での探索費の増加、川下部門での精製・化学品利益率の低下をコメントしました。 また、会社は決算発表日前々日の25日に750億ドルの自社株買いプログラムを取締役会で承認し、これが2019年に設定した250億ドルの同プログラムの3倍に相当し、自社株買いが急増するとの思惑などから翌26日に株価は4.86%上昇しましたが、決算説明会で会社は、今回のプログラムは期限がなく、安定的に実施することをコメントしました。 株価は前日の上昇分をほぼ相殺する形で下落しました。 野村の米国株決算リンク集:2022年8-10月期・9-11月期・10-12月期 野村の米国株決算リンク集:2022年1-3月期・2-4月期・決算2022年3-5月期・4-6月期決算・5-7月期・6-8月期・7-9月期 野村の米国株決算リンク集:2021年10-12月期 ご投資にあたっての注意点
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01/27 11:00
<米国株決算速報>ビザ(V):株価は1.11%高、越境取引好調継続
1月26日に発表された米国株の四半期決算をお送りいたします。 ビザ(V) 越境取引好調継続 ※ 会社発表、リフィニティブより野村證券投資情報部作成※ 実績は2022年10-12月期※ EPS は非米国会計基準の希薄化後一株当たり利益※ 1月26日引け後決算発表。発表後の株価は、26日の時間外取引における26日終値比での騰落率(米国東部時間19時59分現在) 決済テクノロジー企業であるビザの2022年10-12月期決算は、アフターコロナを追い風に国境を越えた旅行の回復が続き、越境取引を中心に好調でした。会社は、越境取引の取扱高が為替の影響を除いた前年比で22%増加(欧州域内取引を除くと31%増加)したことを報告しました。 <米国株決算速報>ビザ(V):株価は+1.35%、消費の堅調継続 野村の米国株決算リンク集:2022年8-10月期・9-11月期・10-12月期 野村の米国株決算リンク集:2022年1-3月期・2-4月期・決算2022年3-5月期・4-6月期決算・5-7月期・6-8月期・7-9月期 野村の米国株決算リンク集:2021年10-12月期 ご投資にあたっての注意点
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01/26 11:25
<米国株決算速報>テスラ(TSLA):株価は5.48%高、販売台数が好調、高い自動車販売目標を維持
1月25日に発表された米国株の四半期決算をお送りいたします。 テスラ(TSLA) 販売台数が好調、高い自動車販売目標を維持 ※ 会社発表、リフィニティブより野村證券投資情報部作成※ 実績は2022年10-12月期※ EPS は非米国会計基準の希薄化後一株当たり利益※ 1月25日引け後決算発表。発表後の株価は、25日の時間外取引における25日終値比での騰落率(米国東部時間19時59分現在) EVの製造販売や太陽光発電事業を行うテスラの2022年10-12月期決算は、前年比での平均販売価格(為替の影響を除く)の上昇や販売台数が過去最高となったことより、同期間、年間ともに売上高は過去最高を更新しました。会社は2021年に掲げた長期の販売台数の「前年比で平均50%」の目標を2023年も維持すると発表しました。 また、ピックアップトラックのサイバートラックについては2023年後半に生産開始するとの見通しを維持しました。 <米国株決算速報>テスラ(TSLA):株価は6.28%下落、為替が逆風 野村の米国株決算リンク集:2022年8-10月期・9-11月期・10-12月期 野村の米国株決算リンク集:2022年1-3月期・2-4月期・決算2022年3-5月期・4-6月期決算・5-7月期・6-8月期・7-9月期 野村の米国株決算リンク集:2021年10-12月期 ご投資にあたっての注意点
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01/26 10:46
<米国株決算速報>ASML:株価は1.72%高、半導体市況の回復を見据え製造装置需要は堅調
1月25日に発表された米国株(米国上場の預託証券を含む)の四半期決算をお送りいたします。 ASML 半導体市況の回復を見据え製造装置需要は堅調 ※ 会社発表、リフィニティブより野村證券投資情報部作成※ 実績は2022年10-12月期※ EPS は米国会計基準の希薄化後一株当たり利益※ 1月25日寄り前決算発表。発表後の株価(米国上場の預託証券)は、25日の前日比騰落率 先端半導体製造に欠かせないEUV(極端紫外線)露光装置の生産で、世界市場をほぼ独占する、蘭ASMLの2022年10-12月期決算は市場予想を上回りました。また、2023年1-3月期売上高見通しも市場予想を上回まわりました。 会社は、半導体市況は足元でまだ弱いものの、半導体メーカーは2023年後半から2024年にかけての市況回復を見込んでいるため当社の半導体製造装置への需要は高く、生産が需要に追い付いていない、とコメントしました。 <米国株決算速報>ASML(ASML):株価は6.27%上昇、米国の対中制裁の影響は軽微 野村の米国株決算リンク集:2022年8-10月期・9-11月期・10-12月期 野村の米国株決算リンク集:2022年1-3月期・2-4月期・決算2022年3-5月期・4-6月期決算・5-7月期・6-8月期・7-9月期 野村の米国株決算リンク集:2021年10-12月期 ご投資にあたっての注意点
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01/25 12:06
<米国株決算速報>マイクロソフト(MSFT):株価は1.02%安、クラウド部門が好調も、ウインドウズ売上の見通しが慎重
1月24日に発表された米国株の四半期決算をお送りいたします。 マイクロソフト(MSFT) クラウド部門が好調も、ウインドウズ売上の見通しが慎重 ※ 会社発表、リフィニティブより野村證券投資情報部作成※ 実績は2022年10-12月期※ EPS は非米国会計基準の希薄化後一株当たり利益※ 1月24日引け後決算発表。発表後の株価は、24日の時間外取引における24日終値比での騰落率(米国東部時間19時59分現在) 「Office」や「ウインドウズ」、クラウドソフトの「Azure(アジュール)」などで知られる、ソフトウェア企業であるマイクロソフトの2022年10-12月期決算は「ウインドウズ」の販売が低調でしたが、「Azure」やマイクロソフトクラウドが全体を牽引しました。 ウインドウズ部門の2023年1-3月期の売上高の見通しが、市場予想を下回りました。提携継続を公表したOpenAIについては、クラウド部門に編入することを発表しましたが、AI単独での売上高の公表はまだ行わないとコメントしました。 <米国株決算速報>マイクロソフト(MSFT):株価は-6.70%、PC需要の見通し慎重 野村の米国株決算リンク集:2022年8-10月期・9-11月期・10-12月期 野村の米国株決算リンク集:2022年1-3月期・2-4月期・決算2022年3-5月期・4-6月期決算・5-7月期・6-8月期・7-9月期 野村の米国株決算リンク集:2021年10-12月期 ご投資にあたっての注意点
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01/23 20:00
【今週の米国株】マイクロソフトなど決算続く、続くかナスダックの上昇(1/23)
①1月13日~20日の振り返り:景気懸念のNYダウ、FRB転換期待のナスダック 先週最大の注目点は、FOMC(米連邦公開市場委員会)の参加者が、沈黙期間(金融政策についてのコメントを自粛する期間)前に、どのような発言をするかでした。中でも、タカ派と目されるウォラー理事が「次回のFOMCでは0.25%ポイントの利上げを望む」と述べたことは市場に好感されました。12月PPI(生産者物価指数)が市場予想を下回ったことなども、先々のインフレ鈍化期待、すなわち利上げ幅縮小期待を高めました。 一方で、景気後退への懸念は燻っています。ゴールドマン・サックス(GS)やトラベラーズ(TRV) が発表した2022年10-12月期決算が市場予想を下回ったほか、経済指標でも12月小売売上高や12月鉱工業生産が市場予想を下回りました。 こうした事象を、株価=PER(株価収益率)×予想EPS(1株当たり利益)で考えてみれば ✔ 金利低下がプラスに働きやすいPERへは押し上げ効果 ✔ 景気後退がマイナスに働きやすいEPSへは押し下げ効果 がそれぞれ働く構図になっています。米国株の主要3指数を見ても、景気敏感なNYダウは下落する一方で、PERが高いグロース株を中心としたナスダックは上昇しました。この環境が続くか、市場の関心が集まっています。 ②今週の気になる経済指標: 27日(金)のコアPCEデフレーター PERが株価を押し上げ、あるいは下支えする展開だとすれば、米長期金利および米金融政策に関する考え方を再度整理しておく意味はありそうです。 2023年内利下げはあるのか? まず、ここしばらくの市場では2023年後半の利下げ期待が拡大していることに注目してみましょう。対して、先月のFOMCでは「2023年中の利下げなし」が示されています。このズレにはFOMCと市場の間にある、インフレ率への見方の違いが影響しています。12月FOMCでは、インフレ率が2023年末でも前年同月比+3.1%までしか低下しないとの予想が前提でした。同様にFOMCで、2024年末には同+2.5%、25年末には同+2.1%にまで低下するとの予想のもと、2024年・2025年の利下げを見込んでいます。つまり、インフレ率が同+2%近くまで下落すれば、利下げが23年内に前倒しされる可能性は十分考えられるということです。 インフレ率「2%」はあるのか? 足元のCPI(消費者物価指数)などを勘案すると、インフレ率は、今年半ばには前年比+2%台にまでは低下する蓋然性は高いでしょう。CPIが前月比で+0.3%で推移しさえすれば、前年比は23年6月には前年比+2.8%となるからです。しかし、利下げの条件とみられる「2%」近傍を実現するにはさらなる需要の減退、すなわち景気減速が強まる必要があります。野村では、コロナ給付金の取り崩しや、銀行貸出の厳格化といった兆候から、2023年後半には失業率が上昇、景気後退入りしていることを想定しているため、9月以降の利下げも併せて予想しています。 米10年債利回りの「3%割り込み」が見えれば、PER面でチャンスか 仮に野村の予想が市場でもメインシナリオ化し、3年先1ヶ月金利(先の政策金利期待を見る際に良く参照されます)が1.9%まで低下すれば、足元で3.5%前後で推移する米10年債利回り(いわゆる米長期金利)は3%を割り込むとみられます。こうした局面では、金利低下の恩恵からPERが上昇しやすいでしょう。 (ここまで、野村の小清水ストラテジストコメントを参照しFINTOS!にて編集) いずれにせよ、インフレ(期待)の落ち着きが同シナリオの前提です。今週は、27日(金)の12月個人消費支出・所得統計と併せて発表され、FRBがインフレ指標として重視しているコアPCE(個人消費支出)デフレーターや、1月ミシガン大学消費者センチメント調査確報値と併せて発表される、消費者期待インフレ率調査の確報値などの経済指標をチェックしたいと考えます。野村では、12月のコアPCE(個人消費支出)デフレーターが前月比+0.3%となることを見込んでいます。 ③今週の気になる決算:24日(火)のマイクロソフト ※ここで取り上げる銘柄は、あくまで「今週決算発表がある企業およびその関連企業」のうち、「米国経済やセクター全体を見通す上でインプリケーションが多い」という観点で言及するものです。個別銘柄の勧誘・助言を目的とするものではありません。 前週は、金融を中心に景気懸念が強まる決算が多かったものの、一部に株価にとって、明るい兆しも見えました。ネットフリックス(NFLX)の2022年10-12月期決算で有料会員純増数が市場予想を上回り、翌日の同社株価は前日比+8%超となりました。また、アルファベット(GOOGL)傘下のグーグルが1.2万人の人員削減を発表し、株価は同+5%超上昇しました。ハイテクへの業績懸念が和らぎ、マイクロソフト(MSFT)やセールスフォース(CRM)などの株価も上昇しています。 まだ方向感の定まっていない10-12月期決算ですが、景気先行指標とされるISM製造業・非製造業景況指数やPMIが軟調に推移していることなどから、悲観的な見方をする市場参加者も多いようです。野村の宍戸エクイティ・ストラテジストは「短期的に米国株に強気」との立場をとっており、理由として「PMI指標など「ソフト」データとGDPなど「ハード」データに乖離」が生じている点を指摘しています。足元で「景気後退」とされているものは、ISM非製造業指数などヒアリングや予想に基づくソフトデータが多い状況です。一方で、ハードデータ=実データであるGDPなどは堅調が続いていると言えます。背景には、足元の業況が生産の停滞によるところが多いため、受注に代表されるようなソフトデータが多少落ち込んだとしても、ハードデータである生産を落とすことはなく、結果的に決算自体は良好となりやすい、というものです。その場合、決算シーズンという短期で見れば、EPSは市場予想を上振れるという可能性もあり得るでしょう。他方、2023年12月期の通期予想を初めて発表する企業も多く、企業予想は(受注をベースとした)ソフトデータの性質を持ち合わせているため、保守的な内容をなることも考えられます。予想EPSの修正方向を決定づける10-12月期決算からは目が離せません。 ソフトウェアの物見櫓、マイクロソフト 24日(火)に決算を発表するマイクロソフトは、①クラウド・コンピューティング(当社製品ではAzure)、②ビジネスソフトウェア(当社製品ではMicrosoft365など)、③PC・ゲーム(当社製品ではWindowsやXbox)と、幅広な情報技術分野でシェア上位に位置する上、決算発表が比較的早いことから、他社の決算に備える上でもぜひ確認しておきたい企業です。 コロナ禍以降もBtoBのソフトウェアを中心に好調を続けてきましたが、直近の7-9月期決算は、懸念の残る内容でした。7-9月期の調整後EPS(1株当たり利益)が前年同期比マイナスになり、コロナ需要の反動で早くから影響が出ていた③PC・ゲーム事業に加えて、①クラウド・コンピューティングの主力であるAzureの売上高が前年同期比+30%台に減速したことなどが嫌気されました。 10-12月期決算発表に先駆けて、18日に1万人規模の人員削減を発表しています、当社によれば、この人員削減の狙いは、「会社のコスト構造を、現在の需要環境に相応しいものにすること」としています。当社のナデラ CEO によると「世界全体で、産業を問わず、顧客がより慎重に支出を決定しており、デジタル関連支出を更に最適化する方法を探っている。当社は戦略的に最も重要な分野で人員増強を続ける一方で、向こう 24 ヶ月、あるいはそれ以上の期間にわたり景気の影響を受けるとみられるポジションの人員は削減する方針」としています。こうしたことを踏まえれば、2023年6月期通期見通しは保守的な内容となりうる点には注意が必要です。 売上高のおよそ半分を米国外で稼ぐ同社にとって、米ドルの独歩高が落ち着いたことは好材料で、為替影響に関するコメントも確認したいと考えます。 (FINTOS!米国株/小野﨑通昭) ご投資にあたっての注意点
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01/20 11:00
<米国株決算速報>プロクター・アンド・ギャンブル(PG):株価は2.72%安、ドル高・ロシア事業の縮小・中華圏の新型コロナによる移動制限などの悪影響を受けた
1月19日に発表された米国株の四半期決算をお送りいたします。 プロクター・アンド・ギャンブル(PG) ドル高、ロシア事業の縮小、中華圏の新型コロナによる移動制限などの悪影響を受けた ※ 会社発表、リフィニティブより野村證券投資情報部作成※ 実績は2022年10-12月期※ EPS は非米国会計基準の希薄化後一株当たり利益※ 1月19日寄り前決算発表。発表後の株価は、19日の前日比騰落率※株価の騰落率は配当落ち分を含む。配当落ち分を除いた騰落率は-2.11% ブランド化された消費財を製造するプロクター・アンド・ギャンブルの2022年10-12月期決算は、ドル高やロシア事業の縮小、中華圏の新型コロナによる移動制限などの悪影響により、売上高、EPS共に前年同期比で減収、減益となりました。2023年6月通期の売上高の見通しを上方修正するも、市場予想を下回りました。 <米国株決算速報>プロクター・アンド・ギャンブル(PG):株価は0.93%高、値上げは受け入れられている 野村の米国株決算リンク集:2022年8-10月期・9-11月期・10-12月期 野村の米国株決算リンク集:2022年1-3月期・2-4月期・決算2022年3-5月期・4-6月期決算・5-7月期・6-8月期・7-9月期 野村の米国株決算リンク集:2021年10-12月期 ご投資にあたっての注意点
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01/16 20:00
【今週の米国株】ネトフリなど決算シーズン到来&FOMC前の重要講演が相次ぐ(1/16)
16日(月)は、キング牧師誕生記念日の祝日で休場です。 ①1月6日~1月13日の振り返り:経済指標でインフレ鎮静化の兆し 先週最大の注目点は、12日(木)に発表された12月CPI(消費者物価指数)でした。12月CPIは前月比で小幅に低下し、前年同月比の上昇率の伸びも縮小しました。 続いて13日(金)に発表されたミシガン大学調査による米消費者期待インフレ率は、5年先については3.0%と前回調査の2.9%を若干上回ったものの、1年先については前回調査の4.4%から4.0%に低下しました。 これらの経済指標を経て、次回 1月31日(火)~2月1日(水) のFOMC(米連邦公開市場委員会)での利上げ幅は前回の0.50%ポイントから0.25%ポイントに縮小するとの見方が強まった模様です。 ②今週の気になる金融政策:沈黙期間前のFRB高官発言 1月31日(火)~2月1日(水)のFOMCを前に、1月21日(土)からFRB(米連邦準備理事会)幹部は沈黙期間に入ります。今週は、沈黙期間直前のFRB高官による講演が複数予定されています。インフレ鈍化と利上げペース幅縮小を織り込むような先週の市場動向を受けたFRB高官の発言に市場の関心が集まります。野村の小清水ストラテジストは「ここ数ヶ月でいち早く景気配慮姿勢を示し始めたブレイナード副議長(1月19日(木)講演予定)と、対照的にFOMC全体のタカ派化に先行してきたウォラー理事 (1月20日(金)講演予定) の見解が注目される」と述べています。 その他、経済指標でも重要な発表が相次ぎます。特に景気を見る観点からは、18日(水)の12月小売売上高や、19日(木)の12月住宅着工・建設許可件数が要チェックでしょう。 ③今週の気になる決算:19日(金)のネットフリックス ※ここで取り上げる銘柄は、あくまで「今週決算発表がある企業およびその関連企業」のうち、「米国経済やセクター全体を見通す上でインプリケーションが多い」という観点で言及するものです。個別銘柄の勧誘・助言を目的とするものではありません。 先週から、米国企業の2022年10-12月期決算発表がスタートしています。まずは金融機関の発表が相次いでおり、大手銀行は信用費用の増加やローンの貸倒率の上昇を見込むなど慎重姿勢を継続しつつも、売上高やEPS(一株当たり利益)は市場予想を上回る企業が多い模様です。 参考:【米国株決算速報】JPモルガン・チェース(JPM):株価は2.52%上昇、カード事業が堅調 事業会社の決算はこれから本格化します。2023年12月期通期の見通しを初めて発表する企業も多く、これが保守的なものだと自ずとアナリストのEPS予想にも下押し圧力となります。昨年末からS&P500構成企業のリビジョン・インデックス(直近4週間にアナリストが業績予想を上方修正した銘柄数/下方修正した銘柄数で計算)も、1を割り込んだ状態が続いています。 メディア×広告の先を見通す決算、ネットフリックス 19日(木)にネットフリックスの決算発表が予定されます。当社は2022年4-6月期の決算で発表した「世界での有料会員純減」が悲観され、大きく株価は下落しました。しかし、2022年後半に入り株価は復調傾向にあります。一因は、2022年10月に発表された「広告付きプラン」など利益率改善に貢献する施策でしょう。 VOD(ビデオ・オン・デマンド)プラットフォーム業界を考える上でも、同年11月より各国で既に加入ができるようになっている同プランの動向は投資家の最大関心事です。同プランは、平均で3割程度の値下げとなるため、ARPU(1ユーザーあたりの平均売上高)を有意に押し上げるかに懐疑的な意見があります。一方で、対象はベーシックプラン(画質が比較的粗く、1端末でしか使えないプラン)であるため、プレミアムプランやスタンダードプランのユーザーには現時点で影響がなく、今後上位プランに広告を付けるオプションが導入されたとしても(広告販売の分だけ売上高が上昇し)ARPUにプラスとの見方もあります。 競合であるウォルト・ディズニー(ディズニー・プラス)やコムキャスト(ピーコック)なども同様に会員数の伸び悩みに直面しており、VOD事業の収益改善が急務です。ARPUの上昇に繋がれば、業界にとって「広告付きプラン」の可能性を示すものとなるため、同施策の成否が業界の評価にも影響を与えそうです。 また、ネットフリックスの決算は広告業の先行きを見るうえでも注目です。2022年7-9月期決算ではアルファベットやメタ・プラットフォームズ等の広告メディア株が、巣ごもり需要の反動の継続や広告需要そのものの鈍化に警鐘を鳴らしました。その意味では、会員数の純増・純減傾向等の他に、視聴時間、消費者のデジタルメディアに対する姿勢の変化に関する経営陣のコメントも投資のヒントになるでしょう。 当社以外も、金融のゴールドマン・サックス(GS)、素材のアルコア(AA)、消費財のP&G(PG)、エネルギーのシュルンベルジェ(SLB)など、各セクターの注目決算が始まります。月末から2月月初のGAFAM決算に備えセクター動向をよく確認して、投資に活かしたい局面です。 (FINTOS!米国株/小野﨑通昭) ご投資にあたっての注意点
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01/16 11:40
【米国株決算速報】JPモルガン・チェース(JPM):株価は2.52%上昇、カード事業が堅調
1月13日に発表された米国株の四半期決算をお送りいたします。 JPモルガン・チェース(JPM) カード事業が堅調 ※ 会社発表、リフィニティブより野村證券投資情報部作成 ※ 実績は2022年10-12月期 ※ 純収益は、事業会社の売上高に当たる収益から金利費用などを差し引いた金額で、比較のために非課税ビジネスを課税基準に調整した金額。※ EPS は非米国会計基準の希薄化後一株当たり利益 ※ 1月13日寄り前決算発表。発表後の株価は、13日の前日比騰落率 金融持株会社であるJPモルガン・チェースの2022年10-12月期決算は、市場予想を上回りました。純金利収入が市場予想を上回り、会社は、クレジットカードローン残高の増加などをコメントしました。会社は、ウクライナ紛争やエネルギー・食料供給、購買力を低下させ金利を上昇させているインフレの持続、前例のない量的引き締めなどによるマクロ経済の不透明性を指摘しました。クレジットカードローンの貸倒率(貸出金に対する純貸倒償却の比率)は、過去最低だった2022.12期の水準から経済の正常化により段階的に上昇するものの、2023.12期を通してみればコロナ禍前の水準を下回ると見込んでいます。 (文責:野村證券 投資情報部・竹綱 宏行) <米国株速報>JPモルガン・チェース(JPM):株価は1.66%上昇、金利上昇が追い風 野村の米国株決算リンク集:2022年8-10月期・9-11月期・10-12月期 野村の米国株決算リンク集:2021年10-12月期 野村の米国株決算リンク集:2022年1-3月期・2-4月期・決算2022年3-5月期・4-6月期決算・5-7月期・6-8月期・7-9月期 ご投資にあたっての注意点