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11/05 08:20【野村の朝解説】AI関連株を中心に米国株下落(11/5)
(注)画像はイメージです。 海外市場の振り返り 11月4日の米国株式市場では、主要3指数が揃って下落しました。AI関連株を中心に短期的な過熱感が意識され、テクノロジー株を中心に売りが広がりました。データ分析プラットフォームのパランティア・テクノロジーズが3日夕方に発表した2025年7-9月期決算では、売上高や1株当たり利益などが市場予想を上回りましたが、決算発表後に株価が一時10%程度下落しました。AIを用いたデータ分析の需要を背景に好決算を発表した同社ですが、株価が年初来で大幅に上昇しており、株価の割高感が指摘されています。 相場の注目点 米国株は短期的な過熱感を指摘されながらも、上昇基調を維持してきました。特にテクノロジー株の比率が高いナスダック総合の上昇幅が大きいことから、AIによる成長期待が株価を押し上げていたとみられます。しかし、足元ではAI関連株に加え、年初来大きく上昇していた金価格もやや軟調に推移しています。高値警戒感に加え、前週から複数のFRB高官が相次いで追加利下げに慎重な姿勢を示し、年内の追加利下げに対する期待が後退していることも背景にあります。米国株が強気相場を維持するには、追加利下げ期待の継続と、AI関連の需要の強さが改めて確認され、好決算が続くことが必要とみています。 他方、日本株も本格化している企業決算に注目です。前週はAIや半導体関連に市場の関心が向かっていましたが、足元では幅広い業種の決算発表が相次ぎ、物色が広がっています。良好な業績モメンタム、円安の進行、底堅い米国景気、高市政権の政策への期待が日本株の押し上げ材料になるとみています。野村證券では、日経平均株価の2025年末予想値を53,000円(従来は49,000円)に、26年末予想値を55,000円(従来は52,000円)に引き上げました。 (野村證券 投資情報部 坪川 一浩) 注)データは日本時間2025年11月5日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、中心限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。 ご投資にあたっての注意点
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11/04 16:25【野村の夕解説】日経平均は安値引け 円高進行とハイテク株安が重石(11/4)
Microsoft Teams (注)画像はイメージです。 本日の動き 4日の日経平均株価は、AI関連株を中心に利益確定の動きがみられ反落となりました。日経平均株価は、寄り付きは小幅反落で始まり、その後は前営業日までの決算内容を好感した主力株の一角が上昇し、一時前日比225円上昇し52,636円と最高値を更新する局面もありました。一方、日経平均株価は前週までに急上昇したことや、その他のアジア市場が軟調な動きだったことなどを受け、上昇をけん引してきた値がさのAI関連株の一角が下落し上値の重い展開となりました。また外国為替市場では、片山さつき財務相が円安水準が続く為替相場に改めて警戒感を示したと伝わり、前営業日15:30時点で1米ドル=154.17円だった水準が、一時1米ドル=153.56円となりました。円高進行を受け日経平均株価は引けにかけ下げ幅を更に拡大させ、終値は前日比914円安の51,497円と、安値引けとなりました。個別株では、ソフトバンクグループが前日比-7.03%、アドバンテストが同-5.85%となり、2銘柄で日経平均株価を約749円押し下げました。 本日の市場動向 ランキング 本日のチャート (注)日経平均株価のデータは15時45分頃。米ドル/円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。米ドル/円は11:30~12:30の間は表示していない。(出所)Quickより野村證券投資情報部作成 今後の注目点 米国では本日、9月雇用動態調査(JOLTS)が発表されます。12月の追加利下げへの意見が割れる中、労働市場の動向を確認するうえで注目が集まります。 (野村證券投資情報部 清水 奎花) ご投資にあたっての注意点
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11/04 08:24【野村の朝解説】米国株は神経質な展開が継続(11/4)
(注)画像はイメージです。 海外市場の振り返り 米国株は方向感に乏しい神経質な展開が続いています。10月31日の米国株式市場では主要3指数がそろって上昇しました。前日にアマゾン・ドット・コムが好調な2025年7-9月期決算を発表し、AI関連銘柄の一部にも買いが波及したことが相場を支えました。一方で、週明け11月3日の米国株式市場はまちまちの動きとなりました。米中首脳会談の合意内容が11月1日に公表され、米中対立激化への懸念後退がサポート材料となったものの、相場の過熱感が意識される中で利益確定売りが優勢となりました。また、パウエルFRB議長が先週、次回12月FOMCでの追加利下げは既定路線ではないということを示唆したことで、市場の利下げ期待が後退したことも重石となりました。 相場の注目点 米国では10月の新会計年度入り以降、政府機関の一部閉鎖が継続しています。政府機関閉鎖の最長記録は第1次トランプ政権時の35日間ですが、つなぎ予算の争点となっている医療保険制度改革法(通称オバマケア)を巡っては、未だ与野党の議論が平行線をたどっており、記録更新が現実味を増しています。実体経済への影響は限定的との見方が大勢なものの、議会予算局(CBO)が10月29日に公表した試算では、政府機関一部閉鎖が11月中旬まで続いた場合、2025年10-12月期の実質GDP成長率は約1.5%ポイント押し下げられ、さらに、感謝祭の時期まで続いた場合は2%ポイントの打撃になるとしています。また、利下げをいつまで続けるべきなのか、政府統計の公表の遅れによって経済状況の判断が困難になっている点にも注意が必要です。雇用統計に加えて、10月30日に公表予定だった2025年7-9月期実質GDP成長率も延期となっていることから、今週はISMサービス業景気指数やADP雇用統計など、民間データへの関心が高まるとが予想されます。 (野村證券 投資情報部 引網 喬子) 注)データは日本時間2025年11月4日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、中心限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。 ご投資にあたっての注意点
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11/03 12:00【#コンテナ船需要】AI抽出15銘柄/出光興産、大和工業、IHIなど
日米、造船分野における協力覚書に署名 日米両政府は10月28日、造船分野に関する協力覚書に署名しました。両国は作業部会を設置し、建造能力の拡大を図る方針です。中国の建造能力強化を念頭に置いた対抗策との見方もあります。現在、中国の造船業はコンテナ船、ばら積み船、タンカーといった分野で圧倒的なシェアを誇っています。なお、今回協力の対象となる船種は、日米の経済安全保障上重要な公船・民間船舶であり、特定の船種に限定していません。AI「xenoBrain」は、「コンテナ船需要増加」が他のシナリオにも波及する可能性を考慮し、影響が及ぶ可能性のある15銘柄を選出しました。 ※ xenoBrain 業績シナリオの読み方 (注1)本分析結果は、株式会社xenodata lab.が開発・運営する経済予測専門のクラウドサービス『xenoBrain』を通じて情報を抽出したものです。『xenoBrain』は業界専門誌や有力な経済紙、公開されている統計データ、有価証券報告書等の開示資料、及び、xenodata lab.のアナリストリサーチをデータソースとして、独自のアルゴリズムを通じて自動で出力された財務データに関する予測結果であり、株価へのインプリケーションや投資判断、推奨を含むものではございません。(注2)『xenoBrain』とは、ニュース、統計データ、信用調査報告書、開示資料等、様々な経済データを独自のAI(自然言語処理、ディープラーニング等)により解析し、企業の業績、業界の動向、株式相場やコモディティ相場など、様々な経済予測を提供する、企業向け分析プラットフォームです。(注3)母集団はTOPIX500採用銘柄。xenoBrainのデータは2025年10月27日時点。(注4)画像はイメージ。(出所)xenoBrainより野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点
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11/02 12:00【#ガソリン暫定税率廃止】AI抽出15銘柄/SGHD、ヤマトHD、セイノーHDなど
「ガソリン暫定税率廃止」高市首相が所信表明 高市早苗首相は10月24日の所信表明演説で、「ガソリン税の暫定税率については、各党間の議論を踏まえ、今国会での廃止法案の成立を期します」と述べました。これが実現すれば、家計の燃料負担の軽減や物流・運送コストの低下を通じて、消費の押し上げや企業収益の改善につながる可能性があります。AI「xenoBrain」は、「ガソリン暫定税率廃止」が他のシナリオにも波及する可能性を考慮し、影響が及ぶ可能性のある15銘柄を選出しました。 ※ xenoBrain 業績シナリオの読み方 (注1)本分析結果は、株式会社xenodata lab.が開発・運営する経済予測専門のクラウドサービス『xenoBrain』を通じて情報を抽出したものです。『xenoBrain』は業界専門誌や有力な経済紙、公開されている統計データ、有価証券報告書等の開示資料、及び、xenodata lab.のアナリストリサーチをデータソースとして、独自のアルゴリズムを通じて自動で出力された財務データに関する予測結果であり、株価へのインプリケーションや投資判断、推奨を含むものではございません。(注2)『xenoBrain』とは、ニュース、統計データ、信用調査報告書、開示資料等、様々な経済データを独自のAI(自然言語処理、ディープラーニング等)により解析し、企業の業績、業界の動向、株式相場やコモディティ相場など、様々な経済予測を提供する、企業向け分析プラットフォームです。(注3)母集団はTOPIX500採用銘柄。xenoBrainのデータは2025年10月27日時点。(注4)画像はイメージ。(出所)xenoBrainより野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点
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11/01 09:00【11月の投資戦略】日経平均株価、最高値更新が続く テクノロジー株が引き続き牽引
(注)画像はイメージです。 企業業績拡大への確度の高まりが株価上昇の基本 日経平均株価は史上最高値の更新を続けています。AIビジネスに関連する企業への業績拡大期待が、日米の株価上昇に大きく寄与しています。我々は、リスクの所在が明確化し、主要国・地域の経済や企業活動などへの悪影響は克服可能/限定的となれば、企業業績の復調や拡大と共に株式市場への信頼感は回復してゆくとみてきましたが、この見方は現在も不変です。2026年は、日米ともに主要企業が史上最高益を更新するとみます。 FRBは利下げを継続 米国の関税や政治リスクなどによる主要国の景気減速懸念から、原油や穀物などの商品市況が軟調です。一方、金などの相対的に安全とみられる資産は、価格が急騰しています。米国の関税政策は、主要国・地域向けが概ね出そろうものの、戦略上の重要品目に対する関税発表は続く可能性があります。米国議会では、与野党の対立から政府閉鎖が長期化しています。経済への影響は限定的とみますが、経済指標の公表の遅れは、政策判断の支障となります。FRBは、雇用などの景気下振れリスクに対応するため、利下げを続けるとみます。 AI関連ビジネスを中心に業績拡大への期待 米国では、自動車関連企業の破たんで、地域金融機関を中心に貸し手の潜在的な損失リスクが高まりました。一方、大手金融機関の業績は良好で、金融市場における信用リスクは現時点で限定的です。5,000億米ドルもの巨額のAIインフラ整備に関するスターゲート計画は、早くも年内のコミットメントを達成し、投資は実行段階へと進んでいます。また、AI関連ビジネスはすそ野が広がり、テクノロジー企業を中心に業績や株価の上昇期待が高まっています。 中国は内需を中心に経済の自立を目指す ユーロ圏では、ECBの金融政策が据え置き局面に入っています。フランスで政治が混迷しており、財政規律が損なわれるリスクが意識され、10年国債利回りはイタリアと拮抗する程の上昇圧力を受けています。中国は、不動産市況を中心に国内経済が弱含んでいます。米国との通商交渉が不透明な中、国内需要を喚起して経済の自立を図る方針が示されました。 日本の企業業績は2026年度に増益転換と史上最高益更新へ 日本では高市政権が発足し、早速、物価高対策を含む経済対策の策定に着手しました。日本維新の会との政策協調が続く限り、連立政権は衆参両院で過半数に近い議席となり、政治の安定性は一定程度確保されるとみられます。関税の影響で米国向け輸出が落ち込むものの、企業の景況感は良好な水準にあります。企業はコスト上昇や人手不足が続く中で、生産性向上に向けた投資の必要性に迫られています。AIはその処方箋の一つかもしれません。インフレ率は2%を上回る水準が続き、日本銀行は経済や物価の改善に応じて利上げを行う姿勢を維持しています。市場では、政府との調整が必要と見つつも、年内の利上げの可能性も意識されています。その結果、国債利回りの上昇が続いています。米ドル円相場は、日米金利差の縮小にもかかわらず円安・米ドル高が進んでいます。米国の関税政策の織り込みが進み、足元では業績が上方修正軌道に復帰しています。2026年度は増益転換と史上最高益の更新が見込まれます。野村證券は、2025年末の日経平均株価の予想レンジ上限を52,000円とみます。 投資戦略については、米国トランプ政権の不規則な政策実施や、国内外で金利上昇が加速する場合、株式市場のボラティリティー(変動率)が高まる場面はあるとみます。PER(株価収益率)などのバリュエーションが高まっているとの見方もありますが、企業業績への信頼感が増し、利益成長が実現すれば、こうした評価は正当化されるとみます。成長が続くテクノロジー分野を基軸とする見方は変えません。 ※野村證券投資情報部「Nomura 21 Global 11月号」(発行日:2025年10月27日)「投資戦略の概要」より 野村證券投資情報部 シニア・ストラテジスト 小髙 貴久 1999年野村総合研究所入社、2004年に野村證券転籍。日本の経済・財政・金融動向、内外資本フローなどの経済・為替に関する調査を経て、2009年より投資情報部で各国経済や為替、金利などをオール・ラウンドに調査。現在は日本株に軸足を置いた分析を行う。2013年よりNomura21Global編集長を務める。 Nomura21Global参考銘柄について ご投資にあたっての注意点
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11/01 07:00【来週の予定】米国の政府閉鎖と民間経済指標、日本の補正予算案
今週は月初の重要統計発表週になりますが、米国では10月1日から政府機能の一部閉鎖が続いており、経済指標の発表が遅延しています。民間調査や2025年7-9月期決算などを手掛かりに景気動向が判断されていますが、一般的にアナリストは決算発表シーズン前に慎重な見通しを提示する傾向にあることから、平均して6~7割の銘柄で実績が事前予想を上回る傾向にあります。 米国の民間調査による経済指標では、3日(月)の10月ISM製造業景気指数、5日(水)の10月ISMサービス業景気指数、10月ADP全米雇用レポートに加えて、6日(木)の全米小売業協会(NRF)の年末商戦見通しが重要です。米国では労働需要が鈍化、金利が高止まりする中で、株高の恩恵を受けられる富裕層と、恩恵を受け難い中低所得層で所得環境の二極化が進んでいるとの指摘もあります。年末の需要期を迎え、関税引き上げによるコストアップ分の価格転嫁が進むとの見方もあることから、年末商戦の行方が注目されます。 日本では補正予算策定に向けた動きが注目されます。高市政権は25年度補正予算を用いてガソリン税の旧暫定税率の廃止など、物価高対策を講じる意向です。新政権発足直後から外交日程が重なっており、補正予算の年内成立に向け日程が非常にタイトです。 欧州では5日(水)にドイツの9月製造業受注、6日(木)にドイツの9月鉱工業生産、ユーロ圏の9月小売売上高と景気動向を確認する上で重要度の高い指標が発表されます。ECBは25年6月の利下げを最後に政策金利を据え置いていますが、インフレの鎮静化が予想されることから、景気の減速感が強まれば、市場では利下げ観測が高まる可能性があります。 今週は4日(火)に豪州、5日(水)にブラジル、6日(木)に英国とメキシコで金融政策会合が開催されます。米国が利下げを再開したことから、新興国でも利下げのハードルが低下し、新興国株の追い風になっていることから、各中銀の政策判断が注目されます。 (野村證券投資情報部 尾畑 秀一) (注)イベントは全てを網羅している訳ではない。◆は政治・金融政策関連、□は経済指標、●はその他イベント(カッコ内は日本時間)。休場・短縮取引は主要な取引所のみ掲載。各種イベントおよび経済指標の市場予想(ブルームバーグ集計に基づく中央値)は2025年10月31日時点の情報に基づくものであり、今後変更される可能性もあるためご留意ください。なお、米国で2025年10月1日から実施された連邦政府機関の一部閉鎖の影響で、米国の経済指標の一部で発表が延期または中止されるものがありますのでご注意ください。 (出所)各種資料・報道、ブルームバーグ等より野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点
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10/31 15:50【野村の夕解説】個別企業の好決算が追い風 日経平均は最高値更新(10/31)
(注)画像はイメージです。 本日の動き 31日の日経平均株価は、AI、半導体関連銘柄に加え、前日に好決算を発表した銘柄の上昇が寄与し、大幅高となりました。30日の米国株市場引け後、アマゾン・ドットコムが決算発表でAI関連事業の好調ぶりを明らかにしたことを受けて、31日の日本株市場でアドバンテストやソフトバンクグループが上昇しました。また、前日引け後に好決算を発表したコナミグループや日本たばこ産業、日立製作所などが急騰し、日経平均株価は寄り付きから上げ幅を拡大させました。片山財務相が10時過ぎ、足元の円安進行をけん制する発言をしたことで、米ドル円はやや円高方向に進み、日経平均株価は上げ幅を縮小させる場面もありました。しかし、円高一巡後は再び上げ幅を広げ、結局引けにかけて堅調に推移した日経平均株価は前日比1,085円高の52,411円の高値引けとなり、3営業日連続で史上最高値を更新しました。なお、寄り前に発表された10月東京都区部消費者物価指数は、エネルギーを除くコア指数が前年同月比+2.8%と市場予想(同+2.6%)を上回り、物価の伸びが加速しましたが、株式市場への影響は限定的でした。 本日の市場動向 ランキング 本日のチャート (注)日経平均株価のデータは15時45分頃。米ドル/円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。米ドル/円は11:30~12:30の間は表示していない。(出所)Quickより野村證券投資情報部作成 今後の注目点 31日、米国では10月シカゴ購買部協会PMIが発表されます。政府閉鎖により重要な経済指標の発表延期が続く中、FRBの金融政策の方向性を考える上で注目が集まります。 (野村證券投資情報部 秋山 渉) ご投資にあたっての注意点
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10/31 12:00【今週のチャート分析】日経平均5万円突破、中長期トレンドを再考する
※画像はイメージです。※2025年10月30日(木)引け後の情報に基づき作成しています。 日経平均大幅上昇、押し目待ちに押し目なし 今週(10月27日~)の日経平均株価は、決算が好感された値がさの半導体やテクノロジー関連銘柄を中心に上昇し、27日に史上初の5万円台に達しました。 チャートを見ながら振り返ってみましょう。日経平均株価は、高市政権の成長を重視する姿勢に対する期待感の高まりや、米中対立激化懸念が後退したことなどを受けて、10月27日に心理的フシの5万円(図1-①)を超えました。そして29日には10月9日~14日の押し幅の倍返し(図1-②:50,650円)に到達しました。まさに「押し目待ちに押し目なし」という状況で上昇が続いています。 図1:日経平均株価:日足 (注1)直近値は2025年10月30日。(注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成 この先さらなる上昇となる場合、25日移動平均線から10%上方乖離水準(図1-③:52,629円)や、2024年7月高値から25年4月安値までの押し幅の倍返しの水準がさらなる上値メドとして挙げられます。 一方で、次々とフシに到達したことで達成感が醸成されやすい状況の中、これまでの急上昇に対する反動に注意が必要です。5万円(図2-④)を再度下回る調整を入れる場合、これまで何度も下支えとなっている上向きの25日移動平均線(図2-⑥:10月30日時点47,845円)が下値サポートとなるか注目されます。 図2:日経平均株価:日足 (注1)直近値は2025年10月30日。(注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成 (野村證券投資情報部 岩本 竜太郎) 【特集】2010年以降4回の中長期上昇局面参考なら6万円台も 日経平均株価が10月27日に史上初の5万円を突破したことを受けて、今号の特集では月足チャートを基に中長期的な上値メドを再考したいと思います。 前回の中長期上昇(図中D:2022年3月~2024年7月)の上昇倍率である約1.71倍を、2025年4月の安値に当てはめると、試算で約5万3千円になります。10月に同水準に接近していますが、なお上値余地が残ると考えられます。今回は安値から半年で約2万円の急上昇となっており、コロナショック後の急騰(図中C)やアベノミクス初期の急騰(図中A)と似た動きです。これらを含む大きな上昇局面へ移行する可能性も考えられます。 日経平均株価:月足(2006年~) (注1)直近値は2025年10月30日時点。(注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。(注3)日柄は両端を含む。(出所)日本経済新聞社、各種資料より野村證券投資情報部作成 過去4回の中長期上昇局面(A~D)の平均上昇倍率は約1.94倍で、これを今回に当てはめると6万円台の水準が示唆されます。こうした過去の倍率を参考にすると、さらなる上値余地があると言えるでしょう。 ただし、急上昇の後に調整が入る例もあります。アベノミクス初期の急上昇(2012年11月~2013年5月)では「バーナンキショック」(注)で一時調整し、その後約半年の保ち合いを経験しました。また、過去に2万、3万、4万円といった大台を超えた局面では一度調整が入るケースが見られました。上昇一巡後の一時的な調整には引き続き注意が必要です。 (注)バーナンキショックとは当時のFRB議長のバーナンキ氏が量的緩和縮小に言及したことによる金融市場の急変のこと (野村證券投資情報部 岩本 竜太郎 ) ご投資にあたっての注意点