【野村の朝解説】リスクセンチメント改善受け米国株は反発(10/20)
(注)画像はイメージです。
海外市場の振り返り
17日の米国株式市場は反発し、主要3指数は揃って上昇しました。一部の地銀決算が底堅い内容であったことからKBW地銀株指数が反発したうえ、トランプ大統領が中国との通商交渉に楽観的な見方を示したことから市場のリスクセンチメントが改善、株価の反発につながりました。ただし、地銀の信用リスクや貿易摩擦再燃への懸念が完全に鎮静化するまでには至っておらず、仮想通貨は大幅調整後も低迷する一方、金価格は最高値圏で推移しています。為替市場では米ドルは主要通貨に対して総じてみれば横ばいとなり、対円では150円台半ばの水準で推移しています。
相場の注目点
日本では21日に臨時国会を召集、首相指名選挙を実施し、新政権が発足する見込みです。自民党と日本維新の会の連立協議が合意に達すれば、高市早苗氏が日本で初めて女性の首相に就任するとみられます。新政権の政策は、自民党総裁選時の高市氏の公約と比較すると、財政政策は拡張路線が踏襲される一方、金融政策面で日銀に対する緩和圧力は低下する、との見方が市場では優勢なことから、円高を探る動きが続きそうです。
米国では2025年7-9月期決算と中国との通商交渉の行方に加え、クレジットリスクに対する警戒感が燻る展開が想定されます。米国の7-9月期決算では今週から幅広い業種での発表が予定されています。政府機能一部閉鎖の影響からマクロ指標の発表が延期されていることから、景気動向を把握する上でも決算内容への注目度が高まっています。また、トランプ大統領は10月末から開催されるAPEC(アジア太平洋経済協力)首脳会議に合わせて、習近平国家主席との会談を模索していることから、事前協議における交渉の行方が注目されます。
(野村證券 投資情報部 尾畑 秀一)
注)データは日本時間2025年10月20日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、中心限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。
ご投資にあたっての注意点