【野村の朝解説】雇用統計を控え主要3指数は小幅安(12/16)
(注)画像はイメージです。
海外市場の振り返り
15日の米国株式市場で主要3指数は揃って続落しました。取引序盤は上昇して始まったものの、11月の雇用統計など米国の重要指標発表を控えて様子見の姿勢が根強く、最高値圏にあるなかで持ち高調整の動きも重石となりました。主要な半導体株で構成されるSOX指数も上げを維持出来ず、下落に転じています。また、今週18-19日の日銀会合における利上げがほぼ確実視される中、為替市場ではドル円の上値の重さが継続し、一時155円割れとなりました。
相場の注目点
米国ではFRBが2025年9月の利下げ再開以降、3回連続で利下げを決定しています。2026年には関税の悪影響一巡や減税効果の顕在化、FRBの利下げ継続観測の中、景気回復観測が高まりやすいとみられますが、市場は引き続き2026年末までにさらに2回の利下げ実施を織り込んでいます。政府機関閉鎖の影響で経済指標の情報に制約がある中、12月FOMCで公表されたドットチャート(政策金利見通し)は2026年以降の参加者の見立てにばらつきが大きく、次回利下げの時期を見極める上では、本日発表される11月の雇用統計や10月の小売売上高、12月の購買担当者景気指数(PMI、速報値)など重要指標に加えて、FRB高官の発言が注目されます。また、今週は日銀会合やECB定例理事会の開催も予定されています。足元では、日本を除く主要先進国が総じて利下げ局面にある、という従来の前提が揺らいでいます。豪州やニュージーランド、カナダなどを中心に2026年の利上げ転換に向けた観測が広がりつつあるほか、欧州でもECBの次の政策変更は利上げになるとの見方が浮上しています。為替市場では各国中銀スタンスを見極める局面へのシフトが見込まれ、今週はラガルドECB総裁が市場の利上げ観測を容認するような姿勢を見せるのかどうかも注目されます。
(野村證券 投資情報部 引網 喬子)
注)データは日本時間2025年12月16日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、中心限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。
ご投資にあたっての注意点