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10/25 07:00【来週の予定】試される高市首相の手腕、主要国の金融政策会合
今週の注目点の一つは高市新政権の動向です。新政権は、21日(火)の初閣議で指示した経済対策の策定を急ぎ、2025年度補正予算の年内成立を目指すとみられます。また、トランプ大統領が訪日し、28日(火)に日米首脳会談が予定されています。31日(金)にはAPEC首脳会議でアジア首脳との会談が行われるなど、就任早々に高市首相の手腕が試されそうです。 また、今週は主要国で開催される金融政策決定会合にも注目です。28日(火)-29日(水)にはFOMC、29日(水)-30日(木)には日銀金融政策決定会合、30日(木)にはECB金融政策理事会が開催されます。今回のFOMCは、政府機関の一部閉鎖を受けて重要指標の発表が遅れる中での異例の開催となります。雇用情勢の悪化に伴い、2会合連続で0.25%ポイントの利下げを決定する公算です。他方、日銀は政策金利を据え置くと野村證券では予想します。日銀と新政権のコミュニケーションが十分取れていないタイミングで、政策変更に動く可能性は低いと考えられます。 経済指標は、米国で27日(月)に9月耐久財受注、28日(火)に10月コンファレンスボード消費者信頼感指数、30日(木)に7-9月期実質GDP速報値、31日(金)に9月個人消費支出・所得統計、10月シカゴ購買部協会PMIと重要統計が発表されます(政府閉鎖の影響に留意)。今後の金融政策を占う上でも注目です。 ユーロ圏では、30日(木)にユーロ圏とドイツの7-9月期実質GDP速報値、31日(金)にはユーロ圏の10月消費者物価指数(HICP)が発表されます。野村證券では、2025年末にかけてインフレ率が政策目標の+2%に近づく一方で実質GDP成長率が加速し、25年6月でECBの利下げ局面は終了したと予想しています。 中国では、31日(金)に10月政府版PMIが発表されます。底堅い輸出が景気を下支えしているものの、不動産不況が継続しており、政府による過剰生産と低価格競争を是正する政策や、消費喚起策の効果の剥落、公務員の会食を禁止する倹約令などが景況感を下押ししたと推察されます。 (野村證券投資情報部 坪川 一浩) (注1)イベントは全てを網羅しているわけではない。◆は政治・政策関連、□は経済指標、●はその他イベント(カッコ内は日本時間)。休場・短縮取引は主要な取引所のみ掲載。各種イベントおよび経済指標の市場予想(ブルームバーグ集計に基づく中央値)は2025年10月24日時点の情報に基づくものであり、今後変更される可能性もあるためご留意ください。なお、米国で2025年10月1日から実施された連邦政府機関の一部閉鎖の影響で、米国の経済指標の一部で発表が延期または中止されるものがありますのでご注意ください。(注2)画像はイメージです。(出所)各種資料・報道、ブルームバーグ等より野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点
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10/18 07:00【来週の予定】米国の企業決算、日本の政局、中国の重要指標
前週の金融市場では、米国の2025年7-9月期決算発表、米中関税紛争の再燃、日本では公明党の連立与党離脱と新たな連立の枠組みと言った政局が関心を集めました。今週の米国では幅広い産業で決算発表が予定されていることから、マクロ指標に代わって景気動向を見極めるために材料視されそうです。 各種報道によれば、日本では21日(火)に臨時国会が召集され、首相指名選挙を実施することが決まった模様です。注目点は衆参両院で過半数を占める安定的な連立の枠組みが構築されるか否かという点です。 米国では政府機関の一部閉鎖の影響が続いています。延期されていた9月CPIが24日(金)に発表されますが、通常と比べてデータが欠落しており、割り引いてみる必要があります。また、FRBが10月30日(木)までブラックアウト期間に入っていることもあり、景気動向や金融政策の行方を探るうえでは材料難の週になりそうです。 日本では20日(月)に高田日銀審議委員、21日(火)に氷見野日銀副総裁の講演が予定されています。高田委員は9月の金融政策決定会合で0.75%程度への利上げを主張しました。日本の政局流動化や米中の関税紛争の再燃等をどのように評価するのかを含め、10月会合に向けた政策スタンスが注目されます。 経済指標では22日(水)に9月貿易統計、24日(金)に9月全国CPIと10月S&Pグローバル日本PMI速報値が発表されます。景気の堅調な推移が確認できれば、年内中にも利上げとの市場の見方を後押しする材料になりそうです。 中国では20日(月)に7-9月期実質GDP、9月小売売上高と鉱工業生産、1-9月固定資産投資と不動産投資など、注目度の高い経済指標が発表されます。中国経済には夏場まで駆け込み輸出や財政補助金などの効果が集中的に生じていたとみられることから、9月の指標において反動が確認されるかが注目点です。 (野村證券投資情報部 尾畑 秀一) (注1)イベントは全てを網羅しているわけではない。◆は政治・政策関連、□は経済指標、●はその他イベント(カッコ内は日本時間)。休場・短縮取引は主要な取引所のみ掲載。各種イベントおよび経済指標の市場予想(ブルームバーグ集計に基づく中央値)は2025年10月17日時点の情報に基づくものであり、今後変更される可能性もあるためご留意ください。なお、米国で2025年10月1日から実施された連邦政府機関の一部閉鎖の影響で、米国の経済指標の一部で発表が延期または中止されるものがありますのでご注意ください。(注2)画像はイメージです。(出所)各種資料・報道、ブルームバーグ等より野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点
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10/11 07:00【来週の予定】首相指名選挙、日銀の動向、米国政府閉鎖の行方
日本では、今後、臨時国会が召集され首相指名選挙が実施されます。首相指名選挙の実施日は当初15日(水)との見方が優勢でしたが、公明党や野党との連立を見据えた協議に時間を要し、翌週20日(月)~21日(火)まで日程が後ずれする可能性が高まっています。首相指名選挙では高市自民党総裁が首相に選出される公算が大きいとみられます。閣僚の顔ぶれや、野党との連立を踏まえた政策合意などによっては、高市総裁が目指す政策の方向性が変化する可能性もあり、相場を左右する要因になりそうです。 また、今週は複数の日銀政策委員の発言機会が予定されています。高市総裁が日銀の利上げへのけん制とも受け取れる発言を繰り返す中、政策委員の発言内容に注目が集まります。 米国では、政府機関閉鎖により雇用統計などの重要指標の発表が延期されるなど、影響が出始めています。今週は15日(水)に地区連銀経済報告(ベージュブック)、9月消費者物価指数、16日(木)に9月小売売上高、17日(金)に9月住宅着工・建設許可件数、9月鉱工業生産などの重要指標の発表が予定されていますが、一部で政府機関閉鎖による発表延期が続く可能性があります。10月28日(火)~29日(水)にはFOMCの開催が予定されていますが、こちらは予定通り開催される見込みです。市場は10月FOMCでの追加利下げを相当程度織り込んでいますが、政府機関閉鎖による経済データの欠如が政策判断を難しくする中でいかなる決断が下されるか注目です。 中国では、13日(月)に9月貿易統計が発表されます。米国の関税政策を受けて中国の米国向け輸出は前年比で大幅なマイナスとなっていますが、ASEANやアフリカ諸国向けの伸びがカバーしています。特に、アフリカ産品に対する「ゼロ関税」方針を打ち出すなど、アフリカ市場でのシェア拡大策が功を奏しています。 (野村證券投資情報部 坪川 一浩) (注)イベントは全てを網羅している訳ではない。◆は政治・金融政策関連、□は経済指標、●はその他イベント(カッコ内は日本時間)。休場・短縮取引は主要な取引所のみ掲載。各種イベントおよび経済指標の市場予想(ブルームバーグ集計に基づく中央値)は2025年10月10日時点の情報に基づくものであり、今後変更される可能性もあるためご留意ください。なお、米国で2025年10月1日から実施された連邦政府機関の一部閉鎖の影響で、米国の経済指標の一部で発表が延期または中止されるものがありますのでご注意ください。(出所)各種資料・報道、ブルームバーグ等より野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点
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10/04 07:00【来週の予定】米国政府閉鎖の行方とFRB高官発言、植田総裁発言
米国では2025年9月末までに2025/26年度予算が成立せず、10月1日から政府閉鎖が実行されました。このため、経済指標の発表が延期・中止される事態になっています。短期間で収束すれば景気への影響は軽微にとどまる一方、長期化すれば企業・消費者センチメントの悪化も相まって、景気への悪影響が顕在化するとみられます。前週末のマーケットでは政府閉鎖に伴う公務員の大量解雇は民主党の造反を促す交渉材料との見方が広がり、市場は静観の構えを示しました。 米国では今週も多くのFRB高官の講演が予定されています。経済指標の発表延期が政策判断にどのような影響を与えるのか、各高官の発言が注目されます。 日本に関しては、政治面では自民党総裁選後の与野党協議の行方が注目されます。金融政策面での注目点としては、6日(月)の日銀支店長会議が挙げられます。10月の金融政策決定会合はライブ(政策変更もあり得る)だとの見方が高まっているうえ、直近の日銀短観(9月調査)は大企業製造業の景況感が2四半期連続で改善する結果になりました。地方の景気動向を踏まえた上で、植田総裁の発言が注目されます。経済指標では8日(水)の8月毎月勤労統計、9月景気ウォッチャー調査と今後の景気動向を見極める上で注目度の高い指標が発表されます。 欧州では6日(月)にユーロ圏の8月小売売上高、7日(火)にドイツの8月製造業受注が発表されるうえ、9日(木)には9月ECB政策理事会の議事録が発表されます。ECBは25年6月の利下げを最後に政策金利を据え置いています。先物金利を見ると、市場では26年半ばにかけて金利据え置きを予想しています。ドイツの製造業受注統計は国内およびユーロ圏内外からの財別の受注動向を把握することができます。トランプ関税が、ドイツおよびユーロ圏の消費、設備投資に与える影響を探るうえで重要な手掛かりとなることから、注目されます。 (野村證券投資情報部 尾畑 秀一) (注1)イベントは全てを網羅しているわけではない。◆は政治・政策関連、□は経済指標、●はその他イベント(カッコ内は日本時間)。休場・短縮取引は主要な取引所のみ掲載。各種イベントおよび経済指標の市場予想(ブルームバーグ集計に基づく中央値)は2025年10月3日時点の情報に基づくものであり、今後変更される可能性もあるためご留意ください。なお、米国で2025年10月1日から実施された連邦政府機関の一部閉鎖の影響で、米国の経済指標の一部で発表が延期・または中止されるものがありますのでご注意ください。(注2)画像はイメージです。(出所)各種資料・報道、ブルームバーグ等より野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点
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09/27 07:00【来週の予定】自民党総裁選、短観、FRB議長選任、米雇用統計
日本では、10月4日(土)の自民党総裁選挙の投開票に向けて候補者による討論会や演説会が開催されています。総裁選の結果は株価や金利、為替などに影響を与える可能性があり、要注目です。また、10月1日(水)に日銀短観(9月調査)が発表されます。7月23日(水)に日米が関税交渉に合意し、9月4日(木)にトランプ大統領が自動車関税率を15%に引き下げる大統領令に署名するなど、ここ数ヶ月で米国の関税政策を巡る環境は大きく変化しており、日銀短観ではその影響を確認したいと思います。 米国では、2026年5月のパウエルFRB議長の議長としての任期満了を控えて、次期FRB議長候補の1回目の面談を10月第1週までに終わらせる見込みです。ベッセント米財務長官は候補者10人程度と面談の上、最終候補者のリストをトランプ大統領に提出するとみられます。新議長の政策スタンス次第で今後の金融政策運営が大きく変わる可能性があります。また、今後の利下げペースを占う上では、9月30日(火)の9月シカゴ購買部協会PMI、9月消費者信頼感指数(コンファレンスボード)、10月1日(水)の9月ISM製造業景気指数、9月ADP全米雇用レポート、3日(金)の9月雇用統計、9月ISMサービス業景気指数などの重要指標にも注目です。 欧州では、10月1日(水)にユーロ圏の9月消費者物価指数(HICP)が発表されます。野村證券では、2025年後半にインフレ率が政策目標の+2%に到達する一方で実質GDP成長率が加速するとみており、25年6月でECBの利下げ局面は終了したと予想しています。 8月の経済指標の悪化を受けて景気減速懸念が強まった中国では、9月30日(火)に9月政府版及び9月RatingDog版の製造業及び非製造業(サービス業)PMIが発表されます。政府による過剰生産と低価格競争を是正する政策や、消費財下取り制度の効果が剥落することによる消費需要の反動減、公務員の会食を禁止する倹約令による飲食店売上の減速などが景況感を下押ししたと予想されます。 (野村證券投資情報部 坪川 一浩) (注1)イベントは全てを網羅しているわけではない。◆は政治・政策関連、□は経済指標、●はその他イベント(カッコ内は日本時間)。休場・短縮取引は主要な取引所のみ掲載。各種イベントおよび経済指標の市場予想(ブルームバーグ集計に基づく中央値)は2025年9月26日時点の情報に基づくものであり、今後変更される可能性もあるためご留意ください。(注2)画像はイメージです。(出所)各種資料・報道、ブルームバーグ等より野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点
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09/20 07:00【来週の予定】FRB高官の講演、米国の消費関連指標と自民党総裁選
FRBは9月16日(火)-17日(水)にFOMCを開催し、大方の予想通り政策金利を0.25%ポイント(pt)引き下げ、4.00-4.25%としました。今回の決定に唯一反対したミラン理事は、0.5%ptの利下げを主張しました。パウエル議長は利下げ決定の理由として労働市場の下振れリスクを挙げたうえで、今回の利下げを「リスク管理」の調整と位置付けました。また、同時に公表した政策金利見通し(中央値)では、25年中に追加で0.5%ptの利下げが示されましたが、FOMCメンバー19名中9名が0.25%pt以下の利下げ見通しを示したことを踏まえると、FRB内の政策姿勢が大きく利下げ方向に傾斜した訳ではなさそうです。 今週は多くのFRB高官の講演が予定されています。26年5月にパウエル議長の議長としての任期満了を控えて、トランプ大統領は理事会メンバーの人事に積極的に関与しています。ただし、大統領には地区連銀総裁の指名権は付与されていないことから、各地区連銀総裁の政策姿勢やターミナルレート(政策金利の着地点)に対する見解が注目されます。 米国では、24日(水)に8月新築住宅販売件数、25日(木)に8月中古住宅販売件数、26日(金)には8月個人消費支出・所得統計とFRBがインフレ指標として注目しているコアPCE(食品・エネルギーを除く個人消費支出)デフレーターが発表されます。米国では8月小売売上高は好調だったものの、中低所得層の購買力は低下しているとの見方もあり、結果が注目されます。 日本では22日(月)に自民党総裁選挙が告示され、10月3日まで総裁選が行われます(10月4日投開票)。総裁交代に伴い、経済政策や政権の枠組みが変わる可能性があることから、各候補の財政政策姿勢や成長戦略に対する市場の関心が集まっています。 その他、注目度の高い指標としては、23日(火)に米国と欧州(HCOBユーロ圏)、24日(水)には日本で9月S&PグローバルPMI速報値の発表が予定されています。 (野村證券投資情報部 尾畑 秀一) (注1)イベントは全てを網羅しているわけではない。◆は政治・政策関連、□は経済指標、●はその他イベント(カッコ内は日本時間)。休場・短縮取引は主要な取引所のみ掲載。各種イベントおよび経済指標の市場予想(ブルームバーグ集計に基づく中央値)は2025年9月19日時点の情報に基づくものであり、今後変更される可能性もあるためご留意ください。(注2)画像はイメージです。(出所)各種資料・報道、ブルームバーグ等より野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点
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09/13 07:00【来週の予定】日本・米国に加え、新興国の金融政策会合
今週は16日(火)-17日(水)に米国でFOMCが、続く18日(木)-19日(金)に日銀の金融政策決定会合が開催されます。先物金利を見ると、米国の2025年中の金融政策に関して、市場では、9月FOMCでの0.25%ポイントの利下げを含め、3会合連続での利下げがほぼ織り込まれています。26年末までみれば、6回の利下げが概ね織り込まれています。今回はFOMCメンバーの政策金利見通しが併せて公表されます。6月FOMC時点の利下げ見通しは25年中に2回、26年中に1回でした。仮に9月会合で利下げが行われた場合でも、FRBが先々の利下げに消極的な姿勢を示せば、米国株等にとってはネガティブに作用することが予想されます。 日銀に関しては金融政策は据え置きが広く予想されており、今回は展望レポートが公表される会合でもないことから、市場の関心は会合後の植田総裁会見に集まりそうです。トランプ関税の日本経済への影響に関する評価、追加利上げのタイミングに関する示唆の有無といった点が注目ポイントです。 今週は日米以外の多くの国でも、金融政策会合が予定されています。17日(水)にはインドネシア、カナダ、ブラジル、18日(木)には英国、南アフリカで金融政策会合が開催されます。米国の利下げ再開は、自国からの資金流出を懸念してきた新興国にとっては利下げのハードルを下げる要因となることから、各中央銀行の政策スタンスに変化が生じるかが注目されます。 欧州では17日(水)、18日(木)にラガルドECB総裁の講演が予定されています。ECBは25年6月の利下げを最後に金利据え置きへと転じています。政策スタンスに変化がないかが注目点です。 中国では15日(月)に、8月小売売上高と鉱工業生産、1-8月の固定資産投資、不動産投資と重要統計が発表されます。消費刺激策の持続力に加え、不動産投資の底入れといった変化が確認できるかが注目されます。 (野村證券投資情報部 尾畑 秀一) (注1)イベントは全てを網羅しているわけではない。◆は政治・政策関連、□は経済指標、●はその他イベント(カッコ内は日本時間)。休場・短縮取引は主要な取引所のみ掲載。各種イベントおよび経済指標の市場予想(ブルームバーグ集計に基づく中央値)は2025年9月12日時点の情報に基づくものであり、今後変更される可能性もあるためご留意ください。(注2)画像はイメージです。(出所)各種資料・報道、ブルームバーグ等より野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点
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09/06 07:00【来週の予定】日本の政局、米国の8月物価統計
8月下旬から米国株は頭の重い展開となっていますが、FRBによる利下げが市場の思惑通りに進むかが相場浮沈の一つのカギになりそうです。市場では年内2回程度の利下げが織り込まれていますが、パウエルFRB議長は9月FOMCでの利下げの可能性を示唆したものの、今後の利下げの道筋はデータ次第であるとの姿勢を維持しています。10日(水)に8月生産者物価指数、11日(木)に8月消費者物価指数、12日(金)に9月ミシガン大学消費者マインド速報値など、金融政策への影響が大きく、関税の影響を確認するうえでも注目度の高い指標が発表されます。 日本では、9月2日に開催された自民党の「両院議員総会」での参院選の総括を踏まえ、党執行部の主要メンバーが辞意を表明するなど政局が流動化しています。総裁選の前倒しを巡っては、前倒しを要求する国会議員は8日(月)に意思確認の書面を自民党本部に提出するように通達された模様です。 8日(月)には4-6月期実質GDP(2次速報値)が発表されます。市場予想は1次速報と同値の前期比年率+1.0%となっていますが、翌7-9月期は関税の影響によりマイナス成長に転じると野村證券では予想します。他方、同日発表の8月景気ウォッチャー調査の現状判断DIは、日米関税交渉の妥結が発表されて改善した7月調査からさらに改善したと野村證券では予想します。 欧州では11日(木)にECBの金融政策理事会が開催されます。米国の関税によるインフレ圧力、欧州経済の底堅さを背景に、ECBは当面様子見姿勢を継続すると考えられます。利下げの休止や、ドル資産からの資金シフト観測を受けてユーロは年末にかけて対米ドルでは堅調に推移すると野村證券では予想します。 中国では8日(月)に8月貿易統計が発表されます。8月の輸出の伸びは、米国向け輸出の低調に加え、比較対象となる前年の水準が高いため、前月から減速すると野村證券では予想します。 (野村證券投資情報部 坪川 一浩) (注1)イベントは全てを網羅しているわけではない。◆は政治・政策関連、□は経済指標、●はその他イベント(カッコ内は日本時間)。休場・短縮取引は主要な取引所のみ掲載。各種イベントおよび経済指標の市場予想(ブルームバーグ集計に基づく中央値)は2025年9月5日時点の情報に基づくものであり、今後変更される可能性もあるためご留意ください。(注2)画像はイメージです。(出所)各種資料・報道、ブルームバーグ等より野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点
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08/30 07:00【来週の予定】米国の経済指標、中国の景況感
ジャクソンホール会議でのパウエルFRB議長講演(8月22日)では2025年9月FOMCでの利下げの可能性を示唆したものの、関税によりインフレには上振れのリスクがあるとして警戒感を示しました。また、今後の利下げの道筋はデータ次第であるとの従来からの姿勢を維持したことから、改めて経済指標に注目が集まります。米国では9月2日(火)に8月ISM製造業景気指数、3日(水)に地区連銀経済報告(ベージュブック)、4日(木)に8月ADP全米雇用レポート、7月貿易統計、8月ISMサービス業景気指数、5日(金)に8月雇用統計と重要統計の発表が続きます。 日本では、9月2日(火)に氷見野日銀副総裁の発言機会が予定されています。また、5日(金)に7月毎月勤労統計が発表されます。野村證券では、7月の現金給与総額(1人当たり名目賃金)は前年比+3.0%と、6月(同+3.1%)から減速したと予想します。また、CPI(消費者物価指数)の減速を受けて、実質賃金は同-0.6%と、前月(同-0.8%)からマイナス幅が縮小したと予想します。 中国では、8月31日(日)に8月政府版PMI、9月1日(月)に8月RatingDog製造業PMI、3日(水)に8月RatingDogサービス業PMIなどの景気指数が発表されます。野村證券では、公務員等に対して5月から実施している豪華な宴会等を禁止する「倹約令」が、飲食店の売上や酒類販売などの消費を下押ししたと予想します。また、7月から政府が実施している低価格競争や過剰生産を抑制する規制強化が生産を下押しした可能性があります。さらに、消費財下取り制度による需要の反動減なども見込まれ、年後半の中国景気には下押し圧力が強まると野村證券では予想します。 欧州では、9月2日(火)にユーロ圏の8月HICP(消費者物価指数)が発表されます。25年後半にはユーロ圏の実質GDP成長率が加速する中でもインフレ率が政策目標の2%程度で留まり、ECBの利下げ局面は終了したと野村證券では予想します。 (野村證券投資情報部 坪川 一浩) (注1)イベントは全てを網羅しているわけではない。◆は政治・政策関連、□は経済指標、●はその他イベント(カッコ内は日本時間)。休場・短縮取引は主要な取引所のみ掲載。各種イベントおよび経済指標の市場予想(ブルームバーグ集計に基づく中央値)は2025年8月29日時点の情報に基づくものであり、今後変更される可能性もあるためご留意ください。(注2)画像はイメージです。(出所)各種資料・報道、ブルームバーグ等より野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点