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24件
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04/19 07:00
【来週の予定】ブラックアウト期間前、FRB高官は何を語るのか
来週の注目点:FRB高官の発言、IMFの世界経済見通しとPMI速報値 トランプ政権の関税政策と、それに対するFRBや各国政府の対応に市場の関心が集まっています。FRBは5月6日(火)-7日(水)にFOMCを控えて26日から金融政策に対する公式発言を自粛するブラックアウト期間に入るため、今週も今後の政策運営に関するFRB高官の発言が注目されます。 22日(火)のジェファーソン副議長を筆頭に、多くのFRB高官の講演が予定されています。また、23日(水)には地区連銀経済報告(ベージュブック)が公表されることから、経済活動に対する関税の影響や、それを受けたFRB高官の政策判断が注目を集めそうです。 21日(月)からワシントンでIMF・世界銀行総会が開催されるのに合わせ、22日(火)にはIMFの世界経済見通しが公表されます。今回は米国の関税による世界経済への影響が注目テーマとして取り上げられると見込まれることから、その分析結果が注目されます。 経済指標では23日(水)に主要各国・地域の4月PMI速報値が発表されます。関税の影響を受けた製造業の景況感や、物価の状況、雇用判断などが注目を集めそうです。 米国では23日(水)に3月新築住宅販売件数、24日(木)に3月中古住宅販売件数と3月耐久財受注、25日(金)に4月ミシガン大学消費者マインド確報値が発表されます。速報値では1年先の期待インフレ率が大幅に上昇する一方、消費者マインドは大きく低下し、市場の注目を集めました。確報値でも修正の方向や修正幅が、再び市場の関心を集めそうです。 日本では25日(金)に4月東京都区部消費者物価指数が発表されます。消費動向への影響が大きい食料品やエネルギー価格の動向に注目です。 欧州では景気先行指数として注目度の高い、ドイツの4月Ifo企業景況感指数が24日(木)に発表されます。財政拡張政策と米国の関税が相殺し合う格好になっていることから、その結果が注目されます。 (野村證券投資情報部 尾畑 秀一) (注1)イベントは全てを網羅しているわけではない。◆は政治・政策関連、□は経済指標、●はその他イベント(カッコ内は日本時間)。休場・短縮取引は主要な取引所のみ掲載。各種イベントおよび経済指標の市場予想(ブルームバーグ集計に基づく中央値)は2025年4月18日時点の情報に基づくものであり、今後変更される可能性もあるためご留意ください。(注2)画像はイメージです。(出所)各種資料・報道、ブルームバーグ等より野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点
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04/12 07:00
【来週の予定】不透明感が続くトランプ政権の政策の行方
来週の注目点:関税の行方、米中の主力経済指標、日本のインフレ トランプ大統領は9日、「相互関税」の上乗せ分を中国を除いて90日間停止すると発表しました。それを受けて世界の主要株価指数は大幅に反発しました。トランプ政権の関税に関する姿勢の軟化は相場の支援材料となりますが、一律10%の関税率や自動車への25%の関税は維持されたままです。今後は米国との二国間交渉の行方が注目されます。トランプ大統領が次に、いかなる手段に出るかは予想が難しく、不透明感が続く可能性があります。 景気減速の兆候が散見される米国では、15日(火)に4月NY連銀製造業景気指数、16日(水)に3月小売売上高、3月鉱工業生産、17日(木)に4月フィラデルフィア連銀製造業景気指数、3月住宅着工・建設許可件数など注目度の高い経済指標が発表されます。景気の減速感が強まった場合は、トランプ政権の関税政策やFRBの金融政策にも影響を与えるとみられます。 日本では、16日(水)に2月機械受注が発表されます。トランプ政権による政策の不確実性の高まりが、内外企業の設備投資の前倒しの動きとなっているかを確認したいと思います。16日(水)には3月訪日外国人客数が発表されますが、円高がどの程度影響を与えているか注目されます。18日(金)には3月全国消費者物価指数(CPI)が発表されます。野村では、生鮮食品を除く食品価格の伸びを主因に、コアCPI(生鮮食品を除く総合)の前年同月比での伸びが加速すると予想します。 中国では、14日(月)に3月貿易統計、16日(水)に25年1-3月期実質GDP、3月小売売上高と鉱工業生産、1-3月固定資産投資と不動産投資と、重要統計の発表が予定されています。内需喚起策など政策支援が景気の下支えになったとみられます。 ユーロ圏では、17日(木)にECB金融政策理事会が行われます。今会合では0.25%ポイントの利下げが市場コンセンサスです。米国による関税引き上げの景気への影響が懸念される中、利下げへのハードルは低くなっています。 (野村證券投資情報部 坪川 一浩) (注1)イベントは全てを網羅しているわけではない。◆は政治・政策関連、□は経済指標、●はその他イベント(カッコ内は日本時間)。休場・短縮取引は主要な取引所のみ掲載。各種イベントおよび経済指標の市場予想(ブルームバーグ集計に基づく中央値)は2025年4月11日時点の情報に基づくものであり、今後変更される可能性もあるためご留意ください。(注2)画像はイメージです。(出所)各種資料・報道、ブルームバーグ等より野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点
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04/05 07:00
【来週の予定】相互関税の発表を受けた各国政府の対応に注目が集まる
来週の注目点:FRB高官講演と米インフレ指標、植田日銀総裁コメント 4月2日にトランプ大統領は相互関税の詳細を発表しました。最低10%の一律関税に加え、一部の国・地域には個別に高率の追加関税を課す計画であり、中国が34%、EUが20%、日本には24%関税が賦課されます。中国は既存の20%追加関税に上乗せされ、54%の関税率となります。一律関税は4月5日、個別の高率関税は4月9日に発効する予定です。今後の焦点は、各国の対応策や米国との交渉、品目別関税へと移行すると見られ、トランプ関税を巡るあく抜け感が市場で醸成されるまでには今しばらく時間を要しそうです。 米国の相互関税の発表を経て、今週は各国の政府高官や政策当局者による評価が注目されそうです。米国では9日(水)のバーキン・リッチモンド連銀総裁を皮切りに複数のFRB高官の講演が予定されています。特に11日(金)のウィリアムズNY連銀総裁の講演が注目されます。ウィリアムズ総裁は3月FOMC会合後、関税によるインフレへの影響は「一過性」であるとしたパウエルFRB議長に同調する発言をしました。その後、複数のFRB高官がより慎重に判断すべきとの趣旨の発言を行っています。ウィリアムズ総裁の判断に変化があれば、市場の利下げ期待に水を差す可能性があります。 経済指標では10日(木)の3月消費者物価指数と11日(木)の生産者物価指数、4月ミシガン大学消費者マインド速報値が注目です。消費者物価が2月に続いてインフレ鎮静化の継続を示す結果になれば、長期金利の低下を通じて米国株にも追い風となることが期待できます。 日本では、次の利上げのタイミングを探る上で7日(月)の日銀支店長会議、9日(水)の植田日銀総裁の挨拶が、経済指標では7日(月)の2月毎月勤労統計、8日(火)の3月景気ウォッチャー調査が注目されます。足元で購入頻度の高い食品価格が上昇していることから、消費の持続力を探る上で実質賃金の動向に対する関心が高まっています。 その他、今週は9日(水)にニュージーランドとインドで金融政策の決定会合が予定されています。 (野村證券投資情報部 尾畑 秀一) (注1)イベントは全てを網羅しているわけではない。◆は政治・政策関連、□は経済指標、●はその他イベント(カッコ内は日本時間)。休場・短縮取引は主要な取引所のみ掲載。各種イベントおよび経済指標の市場予想(ブルームバーグ集計に基づく中央値)は2025年4月4日時点の情報に基づくものであり、今後変更される可能性もあるためご留意ください。(注2)画像はイメージです。(出所)各種資料・報道、ブルームバーグ等より野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点
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03/29 07:00
【来週の予定】関税発動は2日(水)、市場の反応に注目
来週の注目点:トランプ関税、日米中の景況感調査・雇用指標 引き続き、トランプ大統領の言動に相場が揺さぶられる展開が見込まれます。4月2日には、貿易相手国と同水準の関税を課す相互関税の発動が見込まれています。また、4月3日(木)には、米国が輸入するすべての自動車に25%の関税が発動されます(現状の2.5%からスタート)。米国内の工場で組み立てた自動車は対象にならない見通しです。トランプ大統領は、相手国の出方次第では軽減措置があることを示唆しており、実際の関税措置がどのようなものになるか、注目が集まります。 米国の金融政策に関しては、3日(木)にジェファーソンFRB副議長、4日(金)にパウエルFRB議長の講演が予定されています。パウエルFRB議長は、3月FOMCで「利下げを急ぐ必要はない」との従来の姿勢を維持しながらも、トランプ政権の高関税政策を受けて「不確実性が異常なほどに高まっている」と指摘し、警戒感を示しました。高まる市場の利下げ期待に対して何らかの示唆を与えるか、注目です。 また、米国では月初の重要指標の発表が相次ぎます。1日(火)に3月ISM製造業景気指数、2日(水)に3月ADP全米雇用レポート、3日(木)に3月ISMサービス業景気指数、4日(金)に3月雇用統計が発表されます。足元で景気減速の兆しが見受けられることから、経済指標の結果が改めて注目されます。 日本では1日(火)に日銀短観(3月調査)が発表されます。同統計は調査対象、調査内容ともに広範囲に及び、政策判断にも影響力の大きい調査です。市場では、トランプ政権の関税引き上げや中国経済の低迷を受けて製造業の業況判断DIの悪化が見込まれています。 中国では、3月31日(月)に3月政府版PMIが発表されます。2月以降に発動された米国の追加関税の影響が懸念される一方、中国政府による内需喚起策が景気を下支えするとみられます。 (野村證券投資情報部 坪川 一浩) (注1)イベントは全てを網羅しているわけではない。◆は政治・政策関連、□は経済指標、●はその他イベント(カッコ内は日本時間)。休場・短縮取引は主要な取引所のみ掲載。各種イベントおよび経済指標の市場予想(ブルームバーグ集計に基づく中央値)は2025年3月28日時点の情報に基づくものであり、今後変更される可能性もあるためご留意ください。(注2)画像はイメージです。(出所)各種資料・報道、ブルームバーグ等より野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点
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03/22 07:00
【来週の予定】各国で月末の重要統計の発表週
来週の注目点:米国消費関連指標、日銀の「主な意見」、欧州の景況感 18日(火)~19日(水)に日米で金融政策会合が開催されました。政策金利に関しては、大方の予想通り日米ともに据え置かれました。また、会合後の記者会見では、植田日銀総裁、パウエルFRB議長ともにトランプ政権の政策を巡る不透明感に言及し、今後も政策の影響と経済指標を精査しながら、会合毎に政策判断を行う姿勢を示しました。 注目されたFRBの政策金利見通しは、1回当たりの利下げ幅を0.25%ポイントとした場合、25年、26年はともに2回、27年は1回の利下げが予想されています。ただし、25年中に1回以下の利下げを予想している参加者の数は前回(24年12月)の4人から8人に増えており、利下げに対して慎重化していることを示唆しました。 今週は各国で月末の重要統計の発表週になります。米国では25日(火)に3月消費者信頼感指数と2月新築住宅販売件数、26日(水)に2月耐久財受注、28日(金)に2月個人消費支出・所得統計が発表されます。市場では消費者信頼感指数が2月に下振れたこと を契機に景気減速懸念が高まっています。このため、3月の消費者信頼感指数、並びに2月の個人消費支出・所得統計はいつも以上に注目を集めています。 日本では28日(金)の3月日銀金融政策決定会合における主な意見と3月東京都区部消費者物価指数が重要です。市場の一部には日銀の次の利上げは次回会合(4月30日-5月1日)になるのでは、との見方も見受けられます。その可能性を探る上で、「主な意見」における政策会合内の温度感が注目されます。 欧州では24日(月)に3月ユーロ圏PMI速報値、25日(火)にドイツの3月Ifo企業景況感指数と、景気に対して先行性を有し、注目度の高い景況感指数が発表されます。トランプ関税に対する不透明感が強い一方で、ドイツやEUは拡張財政政策を容認する方向へとスタンスを大幅に転換させました。市場では、財政スタンスの転換は歴史的なゲームチェンジャーだとの期待も高まっていることから、企業センチメントへの影響が注目されます。 (野村證券投資情報部 尾畑 秀一) (注1)イベントは全てを網羅しているわけではない。◆は政治・政策関連、□は経済指標、●はその他イベント(カッコ内は日本時間)。休場・短縮取引は主要な取引所のみ掲載。各種イベントおよび経済指標の市場予想(ブルームバーグ集計に基づく中央値)は2025年3月21日時点の情報に基づくものであり、今後変更される可能性もあるためご留意ください。(注2)画像はイメージです。(出所)各種資料・報道、ブルームバーグ等より野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点
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03/15 07:00
【来週の予定】中銀ウィークに突入 日米政策金利は据え置きがコンセンサス
来週の注目点:日米の金融政策会合、日本の物価、中国の経済指標 今週は主要国の多くで金融政策会合が開催されます。18日(火)~19日(水)に開催される日本銀行の政策決定会合では、政策金利の据え置きが市場のコンセンサスです。足元で個人消費が鈍化していることや、米国の経済や政策を巡る不確実性が高まっていることが一因です。植田総裁の会見では、賃上げ、個人消費の鈍さ、食料価格の高騰、米国の経済や政策を、どのように評価するかが焦点です。 同じく18日(火)~19日(水)には米国でFOMCが開催されます。今会合では政策金利の据え置きが見込まれます。金利先物市場では6月、7月、10月にそれぞれ0.25%ポイントの利下げを織り込む動きが強まっています。トランプ政権の政策は物価を押し上げる可能性が高く、政策金利を据え置いてインフレ抑制を重視するか、消費や労働市場の悪化を緩和するために利下げを行うか、FRBは今後難しい選択を迫られる可能性があります。 日本の経済指標では、19日(水)に1月機械受注が発表されます。足元で底堅い動きを見せている設備投資ですが、今後はトランプ政権の関税政策を想定した動きが出てくる可能性があります。また、21日(金)には2月全国消費者物価指数(CPI)が発表されます。こちらは日銀の政策判断にも影響するため、重要です。 米国では、17日(月)の3月NY連銀製造業景気指数、2月小売売上高、18日(火)の2月住宅着工・建設許可件数、20日(木)の3月フィラデルフィア連銀製造業景気指数など、重要統計の発表が続きます。 中国では、17日(月)に1-2月の小売売上高と鉱工業生産、1-2月の固定資産投資、不動産投資が発表されます。7日に発表された1-2月の輸出が大幅に減速したため、外需の減速が懸念されます。輸出の落ち込みは、トランプ政権の関税引き上げを前にした駆け込み輸出の一巡が一因と考えられます。また、9日発表の2月CPIの伸び率がマイナスに落ち込んだことは、内需の低迷を示唆しており、中国景気の現状を占う上でこれらの統計に注目が集まります。 (野村證券投資情報部 坪川 一浩) (注1)イベントは全てを網羅しているわけではない。◆は政治・政策関連、□は経済指標、●はその他イベント(カッコ内は日本時間)。休場・短縮取引は主要な取引所のみ掲載。各種イベントおよび経済指標の市場予想(ブルームバーグ集計に基づく中央値)は2025年3月14日時点の情報に基づくものであり、今後変更される可能性もあるためご留意ください。(注2)画像はイメージです。(出所)各種資料・報道、ブルームバーグ等より野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点
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03/08 07:00
【来週の予定】米消費者の期待インフレ率上昇とマインド悪化は続くか
来週の注目点:米物価関連指標と日本の内需関連指標 トランプ大統領は3月4日、カナダ、メキシコに対する25%の関税賦課と、中国に対して追加10%の関税を賦課することを決定しました(追記:6日、米国・メキシコ・カナダ協定に適合する輸入品については、4月2日に相互関税が発表されるまでの間、追加関税を猶予と発表)。4月1日には相互関税に関する調査が期限を迎えることもあり、もう暫くの間は、市場は米国の関税政策に対して神経質な展開を続けることが予想されます。第1次トランプ政権時の米国株市場では、ツイートなどを通じた追加関税導入の示唆は悪材料視される一方、実際の発動を契機に反発するパターンが典型的に見受けられました。この点では、4月2日に関税政策の大枠が確認できれば、市場の警戒感の後退につながる可能性がありそうです。 米国では18日(火)-19日(水)にFOMCを控え、FRBは8日からブラックアウト(金融政策に関する公式コメントを自粛する)期間入りします。経済指標では、12日(水)の2月消費者物価指数、13日(木)の2月生産者物価指数、14日(金)の3月ミシガン大学消費者マインド速報値が注目されます。2月に引き続き3月も消費者の期待インフレ率上昇とマインド悪化の組み合わせとなれば、市場の利下げ観測を後押しし、長期金利低下を促すことが予想されます。 日本では、10日(月)に1月毎月勤労統計と2月景気ウォッチャー調査、11日(火)に1月全世帯家計調査と10-12月期実質GDP(2次速報値)、12日(水)に1-3月期法人企業景気予測調査と2月国内企業物価指数が発表されます。家計調査や法人企業景気予測調査は常に市場の関心が高い指標ではありませんが、海外景気の先行き不透明感が高いことから、内需の成長余力を確認する上で、消費、設備投資関連統計の重要度が増しています。 その他、今週は11日(火)に米国エネルギー情報局(EIA)、12日(水)に石油輸出国機構(OPEC)、13日(木)に国際エネルギー機関(IEA)の3月月報が発表されます。トランプ政権はエネルギー価格の低下を目指していること、世界的なエネルギー需要低下懸念が高まっていることから、各機関の需要・価格見通しが注目されます。 (野村證券投資情報部 尾畑 秀一) (注1)イベントは全てを網羅しているわけではない。◆は政治・政策関連、□は経済指標、●はその他イベント(カッコ内は日本時間)。休場・短縮取引は主要な取引所のみ掲載。各種イベントおよび経済指標の市場予想(ブルームバーグ集計に基づく中央値)は2025年3月7日時点の情報に基づくものであり、今後変更される可能性もあるためご留意ください。(注2)画像はイメージです。(出所)各種資料・報道、ブルームバーグ等より野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点
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03/01 07:00
【来週の予定】ブラックアウト期間前のFRB高官の発言に注目
来週の注目点:米国経済指標、日米金融当局者発言、中国貿易統計 株式市場の支えになってきた堅調な米国景気は、足元で1月小売売上高が下振れするなど、減速感が見え始めています。トランプ政権の関税引き上げが企業のサプライチェーンの混乱やインフレ再燃につながるとの懸念や、政府の支出・雇用の削減への懸念が高まる中、企業や消費者の景況感が悪化していることが一因です。トランプ政権の政策が次第に実行に移される中で、この先の消費や雇用など実体経済の悪化につながるか、注目です。 米経済指標では、3月3日(月)に2月ISM製造業景気指数、5日(水)に2月ISMサービス業景気指数、2月ADP全米雇用レポート、7日(金)に2月雇用統計が発表され、景況感や雇用の現状が確認できます。 米金融政策では、18日(火)-19日(水)にFOMCを控え、今週はFRBがブラックアウト(金融政策に関する公式コメントを自粛する)期間入りする前の最後の機会となります。市場では金融政策の手がかりやFOMCの物価・経済見通しへのヒントを求めてFRB高官の発言、5日(水)の地区連銀経済報告(ベージュブック)が注目されそうです。 日本では、5日(水)に内田日銀副総裁の発言機会が予定されています。足元の円高ドル安の背景には日銀の利上げ継続への市場の期待があるため、発言内容が市場で材料視される可能性があります。 ユーロ圏では6日(木)にECBの金融政策理事会が開催されます。3月理事会での利下げがほぼ既定路線のため、今後の政策スタンスに注目です。経済指標では、3日(月)にユーロ圏の2月消費者物価指数(HICP)や、6日(木)にユーロ圏の1月小売売上高が公表されます。 中国では、1日(土)に2月政府版PMI、7日(金)に1-2月貿易統計が発表されます。2月4日(火)に発動された米国の追加関税の影響が懸念されます。 (野村證券投資情報部 坪川 一浩) (注1)イベントは全てを網羅しているわけではない。◆は政治・政策関連、□は経済指標、●はその他イベント(カッコ内は日本時間)。休場・短縮取引は主要な取引所のみ掲載。各種イベントおよび経済指標の市場予想(ブルームバーグ集計に基づく中央値)は2025年2月28日時点の情報に基づくものであり、今後変更される可能性もあるためご留意ください。(注2)画像はイメージです。(出所)各種資料・報道、ブルームバーグ等より野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点
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02/22 07:00
【来週の予定】日銀利上げ期待で金利上昇、主要経済指標に市場の視線
来週の注目点:米住宅指標と個人消費、国内長期金利、ドイツ総選挙 米国のS&P500株価指数は2025年入り以降、過去最高値圏ながらも、横ばいと方向感が見え難い展開を続けています。その背景として強弱錯綜する経済指標やトランプ政権の政策不透明感が挙げられます。FRB高官の多くは、足元でインフレが粘着的な動きを示す中、景気が堅調であることから、トランプ政権の政策の影響を見極める時間が必要として、利下げに慎重な姿勢を示しています。 米国では25日(火)に消費者信頼感指数、26日(水)に1月新築住宅販売件数、27日(木)に1月耐久財受注、28日(金)に1月個人消費支出・所得統計など重要な指標の発表が予定されています。先週18日(火)に発表された1月NAHB住宅市場指数の6ヶ月先の販売見通し指数は新型コロナ禍以来最大の低下幅を記録し、住宅需要の悪化を示唆しました。このため、新築住宅販売の動向は従来以上に市場の関心を集める可能性があります。また、金融政策の判断材料としては、個人消費支出(PCE)とPCEデフレーターの結果が注目されます。 日本では10年国債利回りが2019年以来、約15年振りの水準まで上昇しています。背景には日銀に対する利上げ期待があると見られているため、28日(金)の2月東京都区部消費者物価指数、1月鉱工業生産の結果が注目されます。12月の鉱工業生産は前月比+0.3%、同時に公表された1月の生産計画は同+1.0%でしたが、経済産業省は過去の計画と実績の乖離幅を勘案すると同-2.1%となるとの試算を示しました。このため、市場では下振れリスクに対する警戒感が高いと想定されます。 ドイツでは23日(日)に連邦議会(下院)選挙が行われます。支持率では野党第1党のキリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)が首位で、これに極右政党の「ドイツのための選択肢(AfD)」が続いています。現与党の社会民主党(SPD)は苦戦しており、政権交代の実現が広く予想されていますが、極右政党の台頭を抑えるため、選挙後はCDU/CSUとSPDの大連立となる可能性が高いと見られます。 (野村證券投資情報部 尾畑 秀一) (注1)イベントは全てを網羅しているわけではない。◆は政治・政策関連、□は経済指標、●はその他イベント(カッコ内は日本時間)。休場・短縮取引は主要な取引所のみ掲載。各種イベントおよび経済指標の市場予想(ブルームバーグ集計に基づく中央値)は2025年2月21日時点の情報に基づくものであり、今後変更される可能性もあるためご留意ください。(注2)画像はイメージです。(出所)各種資料・報道、ブルームバーグ等より野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点