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24件
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12/07 07:00
【来週の予定】12月FOMCを控え、ブラックアウト期間に突入へ CPIなどが手掛かりか
来週の注目点:米CPI、日銀短観、ECB金融政策、中国の重要会議 米国では、12月17日(火)-18日(水)にFOMCを控えて、7日(土)からFRBのブラックアウト期間(金融政策に対する公的な発言を自粛する期間)に入ります。ブラックアウト期間を前にFRB高官からタカ派的(利下げに慎重)な発言と、ハト派的(利下げに積極的)な発言が相次いで見られたことで、市場参加者は12月利下げの有無の見極めが難しくなっています。今週は重要統計の発表が少ない中、金融政策を巡る手掛かりを得るために、11日(水)の11月のCPI(消費者物価指数)や、12日(木)の週間新規失業保険申請件数などに注目が集まります。 米国以外でも複数の主要国・地域で金融政策会合が開催されます。10日(火)に豪州、11日(水)にカナダ、ブラジル、続く12日(木)にはユーロ圏で金融政策理事会が予定されています。野村ではECBは24年12月から25年6月までは会合毎に0.25%ポイントの計1.25%ポイント、同年9月に0.25%ポイントの追加利下げを実施すると予想します。米トランプ次期政権による関税引き上げのユーロ圏経済へのマイナスの影響が懸念される中、緩やかなペースで連続利下げが実施され、ユーロ安圧力が継続すると見ています。 日本では、9日(月)に11月景気ウォッチャー調査、7-9月期実質GDP(2次速報値)、13日(金)には12月調査・日銀短観が公表されます。12月調査・日銀短観では、景気回復に足踏みがみられるも、依然として業況判断DIが高水準を維持すると野村では予想しています。 足元で景気回復の兆しが見える中国では10日(火)に11月貿易統計が発表されます。米トランプ次期政権による関税引き上げを見込んだ駆け込み需要が輸出を押し上げる可能性があります。また、11日(水)~12日(木)に中央経済工作会議が開催される見通しです。2025年の経済目標と、金融、財政、産業政策などの基本方針が示される見込みです。中国経済の今後を占う上で重要です。 (野村證券投資情報部 坪川 一浩) (注1)イベントは全てを網羅しているわけではない。◆は政治・政策関連、□は経済指標、●はその他イベント(カッコ内は日本時間)。休場・短縮取引は主要な取引所のみ掲載。各種イベントおよび経済指標の市場予想(ブルームバーグ集計に基づく中央値)は2024年12月6日時点の情報に基づくものであり、今後変更される可能性もあるためご留意ください。(注2)画像はイメージです。(出所)各種資料・報道、ブルームバーグ等より野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点
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11/30 07:00
【来週の予定】注目の年末商戦動向と半導体市場の展望
来週の注目点:米国の感謝祭商戦の結果と世界の半導体需要の見通し 米国では前週末の感謝祭を経て年末商戦が本格化しています。年末商戦は今後の消費動向を占う上で注目されていますが、全米小売業協会(NRF)が10月15日に発表した売上高予測は前年比+2.5~3.5%増であり、物価高を背景に「消費者は支出に慎重になっている」と指摘されています。NRFは12月2日(月)に感謝祭週末の売上高を発表するとみられ、その結果が注目されます。 3日(火)には世界半導体市場統計(WSTS)が2024年秋季半導体市場予測を発表します。生成AIブームに伴う半導体需要の増加が予想される一方で、パソコンやスマホ向け半導体需要の回復の遅れが懸念されています。 今週は重要統計が相次いで公表されます。米国では2日(月)に11月ISM製造業景気指数、3日(火)に10月雇用動態調査(JOLTS)、4日(水)に11月ISMサービス業景気指数、6日(金)に11月雇用統計が発表されます。11月FOMC議事要旨ではFRB内で利下げに対して慎重な意見が広まっていることが示唆されました。このため、雇用統計が米国景気の堅調推移を示唆する結果になれば、市場の利下げ観測が後退し、金利上昇とドル高につながることが予想されます。 日本では6日(金)発表の10月毎月勤労統計が注目されます。世界的に消費に対するインフレの悪影響が懸念されています。日本でも景気回復の持続力を図る上で、実質賃金の動向が鍵となります。 欧州では5日(木)のドイツの10月製造業受注が市場の注目を集めると見られます。同統計は国内外からの財別の受注が確認できます。特にドイツでは政治が混乱する中で、EV失速と中国景気低迷の影響によって景気下振れが懸念されていることから、消費財や資本財受注動向に注意が必要です。 中国では11月30日(土)~12月4日(水)にかけて各種の11月PMIが発表されます。10月に続き、政府の各種経済対策の恩恵が確認できれば市場の安心感につながりそうです。 (野村證券投資情報部 尾畑 秀一) (注1)イベントは全てを網羅しているわけではない。◆は政治・政策関連、□は経済指標、●はその他イベント(カッコ内は日本時間)。休場・短縮取引は主要な取引所のみ掲載。各種イベントおよび経済指標の市場予想(ブルームバーグ集計に基づく中央値)は2024年11月29日時点の情報に基づくものであり、今後変更される可能性もあるためご留意ください。(注2)画像はイメージです。(出所)各種資料・報道、ブルームバーグ等より野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点
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11/23 07:00
【来週の予定】ブラックフライデーを皮切りに年末商戦が本格スタート
来週の注目点:12月FOMCに向けて米国の経済指標に注目 米国景気が上振れし、FRBの利下げが難しくなるリスクが市場では意識されています。トランプ次期政権による減税などの景気刺激策や、関税引き上げなどの通商政策、移民規制はいずれもインフレ圧力を高めるとの見方が強まっています。足元では、タカ派(利下げに慎重)的なボウマンFRB理事が利下げに対して慎重な姿勢を示し、ハト派(利下げに積極的)のクック理事も利下げを急がない旨の発言を行ったことも市場の利下げ期待を低下させています。12月17日(火)~18日(水)開催のFOMCに向けて、米国の経済指標やFRB高官発言に注目です。 米国では、26日(火)に11月FOMC議事要旨、11月コンファレンスボード消費者信頼感指数、27日(水)に10月個人消費支出・所得統計、10月耐久財受注、29日(金)に11月シカゴ購買部協会PMIが発表されます。また、同日の大規模セール「ブラックフライデー」を皮切りに年末商戦が本格的にスタートします。米国の個人消費の状況は今後の金融政策を占う上で重要です。 日本では、29日(金)に10月鉱工業生産が発表されます。自動車は工場稼働停止からの挽回生産の継続が期待できる一方、在庫調整の進展を受けて堅調だった電子部品・デバイスは回復ペースが鈍化する可能性が指摘されています。 ユーロ圏では、25日(月)にドイツの11月Ifo企業景況感指数が発表されます。ドイツでは、連立政権の崩壊や米国の次期政権による関税引き上げへの懸念が景況感を下押しすると見ています。29日(金)発表の11月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)は、前年同月比+2.3%と前月から同+0.3%ポイント加速したと野村では予想します。ECBは景気、インフレ動向に配慮して、12月にも0.25%ポイントの小幅利下げを実施すると予想します。 (野村證券投資情報部 坪川 一浩) (注1)イベントは全てを網羅しているわけではない。◆は政治・政策関連、□は経済指標、●はその他イベント(カッコ内は日本時間)。休場・短縮取引は主要な取引所のみ掲載。各種イベントおよび経済指標の市場予想(ブルームバーグ集計に基づく中央値)は2024年11月22日時点の情報に基づくものであり、今後変更される可能性もあるためご留意ください。(注2)画像はイメージです。(出所)各種資料・報道、ブルームバーグ等より野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点
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11/16 07:00
【来週の予定】トランプ陣営による主要ポストの人選が進む
来週の注目点:米次期政権の人事、主要国・地域の11月PMI速報値 米国では前週後半に一部メディアが下院でも共和党が過半数を維持した見込みだと報じており、大統領から上下両院まで共和党が制する「トリプルレッド」の実現が確実な情勢です。このため、トランプ氏が掲げた個人所得税減税の延長や法人税減税などの拡張的財政政策の実現の可能性がより高まったと考えられます。 また、大統領選が早期に決着したことから、足元でトランプ陣営は主要ポストの人選を進めています。特に国務長官や国連大使、駐イスラエル大使など外交・安全保障面の人選を優先しています。ブッシュ親子に代表されるように、近年の米国では外交・安全保障の人事を優先した大統領は戦争を引き起こすとの経験則があります。第1次トランプ政権時とは異なりウクライナ紛争や中東情勢の悪化など地政学リスクが高まっていることから、政権発足後の外交政策には注意が必要です。 今週は注目度の高い経済指標や重要イベントは多くありません。22日(金)には主要国・地域の11月PMI速報値が発表されます。足元では製造業とサービス業の温度差が拡大していることから、製造業に持ち直しの動きが確認できるかが注目点です。 米国では18日(月)に11月NAHB住宅市場指数、19日(火)に10月住宅着工・建設許可件数、21日(木)に10月中古住宅販売件数と住宅関連指標の発表が予定されています。9月中旬以降、米国景気の堅調推移を受けて長期金利が再上昇し、住宅ローンへと波及していることからその影響が注目されます。 日本では22日(金)に10月の全国消費者物価指数が発表されます。市場では12月会合での利上げ観測が高まっていますが、同統計の結果が政策判断に影響する可能性は低いと考えられます。 今週はインドネシア、トルコ、南アフリカなど新興国の金融政策会合が予定されています。米大統領選挙の結果を受けたドル高が各中銀の政策判断に与える影響が注目されます。 (野村證券投資情報部 尾畑 秀一) (注1)イベントは全てを網羅しているわけではない。◆は政治・政策関連、□は経済指標、●はその他イベント(カッコ内は日本時間)。休場・短縮取引は主要な取引所のみ掲載。各種イベントおよび経済指標の市場予想(ブルームバーグ集計に基づく中央値)は2024年11月15日時点の情報に基づくものであり、今後変更される可能性もあるためご留意ください。(注2)画像はイメージです。(出所)各種資料・報道、ブルームバーグ等より野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点
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11/09 07:00
【来週の予定】「トランプトレード」はしばらく継続するか
来週の注目点:米中の主要経済指標、FRB高官発言 前週の米国では、大統領・議会選挙で共和党のトランプ氏の再選が確実となり、上院でも共和党が過半数を奪還、下院も共和党が優勢の状況です。次期政権による減税等への期待から米国株は上昇、米国債市場では長期金利を中心に上昇し、為替市場でもドルは主要通貨に対して全面高となりました。 このような「トランプ・トレード」はしばらく継続すると見られますが、次第に、次期政権における期待とリスクを足元の経済環境と金融政策に織り込む相場展開に移行すると見ています。次期政権が志向する減税や規制緩和は景気を後押しする一方、関税引き上げなどの通商政策、移民規制はいずれもインフレ圧力を高め、かえって経済成長を下押しする可能性もあります。また、トランプ氏は金融政策への介入を強める意向で、FRBの独立性を揺るがす恐れがあります。 米国では、12日(火)~14日(木)にパウエルFRB議長を含む複数のFRB幹部による講演が予定されており、今後の金融政策を占う上で注目されます。米国の経済指標では、13日(水)に10月CPI(消費者物価指数)、14日(木)に10月PPI(生産者物価指数)、15日(金)に11月NY連銀製造業景気指数、10月小売売上高、10月鉱工業生産など重要統計の発表が相次ぎます。 日本では、11日(月)に10月日銀金融政策決定会合における主な意見、10月景気ウォッチャー調査、15日(金)に7-9月期実質GDP(1次速報値)が発表されます。7-9月期実質GDP成長率は前期比年率-0.5%(市場予想は同+0.6%)と、2四半期ぶりのマイナス成長に転じると野村では予想します。 ユーロ圏では、12日(火)にドイツの11月ZEW景況感調査が発表されます。ドイツの景況感に底打ちの兆しが見えれば相場の下支えとなります。 中国では、15日(金)に10月小売売上高、鉱工業生産、1-10月固定資産投資、不動産投資などの主要月次経済統計が発表されます。野村では、景気刺激策の効果による消費者心理の改善が消費の押し上げに寄与したと見ています。 (野村證券投資情報部 坪川 一浩) (注1)イベントは全てを網羅しているわけではない。◆は政治・政策関連、□は経済指標、●はその他イベント(カッコ内は日本時間)。休場・短縮取引は主要な取引所のみ掲載。各種イベントおよび経済指標の市場予想(ブルームバーグ集計に基づく中央値)は2024年11月8日時点の情報に基づくものであり、今後変更される可能性もあるためご留意ください。(注2)画像はイメージです。(出所)各種資料・報道、ブルームバーグ等より野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点
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11/02 07:00
【来週の予定】ハリス対トランプ、接戦の結末は?
来週の注目点:米国の大統領・議会選挙と日本の政局 今週、米国では5日(火)に大統領・議会選挙、6日(水)~7日(木)にFOMCと重要日程が並んでいます。全国支持率ではハリス副大統領がトランプ前大統領を僅かながらリードする展開が続いていますが、選挙のたびに勝者が変わり易いスイングステートと呼ばれる激戦7州ではトランプ氏が巻き返しています。市場では大統領から上院・下院まで共和党が勝利する「レッドスウィープ」が意識され、株高、長期金利上昇、ドル高につながっている模様です。選挙戦は依然予断を許さない状況にあり、今回も大統領選の結果が確定するまでに時間がかかる可能性がありますが、過去、株式市場では不透明感の高いイベント通過が好感され、株高につながる面もありました。 今回のFOMCでは0.25%ポイント(pt)の利下げが予想されています。24年9月FOMC直後の市場では24年中に0.75%ptの利下げを織り込む動きが見受けられましたが、足元では米国景気の堅調推移を背景に0.5%ptの利下げを完全には織り込んでいません。FRB内で景気の堅調推移やインフレ再燃への警戒感が見受けられるようならば、25年中に利下げは打ち止めとの見方が浮上する可能性もありそうです。 日本では総選挙の結果を受けた政権の枠組みの行方が注目されます。10月27日に行われた総選挙の結果、自公連立政権は過半数を割り込み少数与党となりました。このため法案の成立に向けて国民民主党や日本維新の会など、少数政党との協力関係を模索することになります。景気の点からは、これらの少数政党の政策がどの程度反映されるのかが注目されます。市場への影響という面では、財務相など経済関係閣僚の人選と、日銀との関係が注視されます。 その他、今週発表の注目度の高い統計としては、5日(火)の米国の10月ISMサービス業景気指数、中国の10月財新版サービス業PMI、6日(水)のドイツの9月製造業受注、7日(木)のドイツの9月鉱工業生産、中国の10月貿易統計、8日(金)の米国の11月ミシガン大学消費者マインド速報値などが挙げられます。 (野村證券投資情報部 尾畑 秀一) (注1)イベントは全てを網羅しているわけではない。◆は政治・政策関連、□は経済指標、●はその他イベント(カッコ内は日本時間)。休場・短縮取引は主要な取引所のみ掲載。各種イベントおよび経済指標の市場予想(ブルームバーグ集計に基づく中央値)は2024年11月1日時点の情報に基づくものであり、今後変更される可能性もあるためご留意ください。(注2)画像はイメージです。(出所)各種資料・報道、ブルームバーグ等より野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点
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10/26 07:00
【来週の予定】選挙と金融政策で日本が揺れる一週間
来週の注目点:日本の総選挙と金融政策、米国の経済指標 今週の注目点は日本の総選挙と金融政策です。27日(日)には衆議院議員選挙の投開票が行われます。石破政権は、岸田前政権の運営方針を引き継ぐ見込みですが、自公過半数が微妙との世論調査が相次いでおり、石破内閣が景気重視の姿勢を強めて支持率の回復に努める可能性があります。このように与党の議席数によって石破内閣の政策方針が変化するリスクがあり、注目を集めます。 また、31日(木)には日銀金融政策決定会合の結果発表と植田総裁の記者会見が行われます。野村證券では、今会合では政策金利や物価見通しを据え置き、12月会合で利上げを実施すると予想します。他方、先行きの金融政策運営に関わる物価見通しのリスク評価が変更される可能性があり、今会合の焦点の一つと見られます。 米国経済は堅調に推移しており、FRBがより長くタカ派的(物価の安定を重視して金融引き締めに前向き)な姿勢を維持せざるを得なくなる経済の「ノーランディング」シナリオが台頭しています。29日(火)に10月コンファレンスボード消費者信頼感指数、30日(水)に7-9月期実質GDP速報値、10月ADP全米雇用レポート、31日(木)に9月個人消費支出・所得統計、10月シカゴ購買部協会PMI、11月1日(金)に10月雇用統計、10月ISM製造業景気指数と重要統計の発表が相次ぎます。今後の金融政策を見通す上で注目されます。 ユーロ圏では、30日(水)に7-9月期実質GDP速報値、31日(木)に10月消費者物価指数(HICP)が発表されます。ECBは次回の12月会合から2025年6月会合まで0.25%ポイントずつの連続利下げを行うと野村證券では予想します。ただし、想定を上回るユーロ圏景気の弱さやインフレ率の減速が確認された場合には、市場の大幅利下げ観測が強まる可能性もあります。 中国では、31日(木)に10月政府版PMI、11月1日(金)に10月財新版・製造業PMIが発表されます。これまでの金融緩和や不動産市場の支援策などの政策効果が注目されます。 (野村證券投資情報部 坪川 一浩) (注1)イベントは全てを網羅しているわけではない。◆は政治・政策関連、□は経済指標、●はその他イベント(カッコ内は日本時間)。休場・短縮取引は主要な取引所のみ掲載。各種イベントおよび経済指標の市場予想(ブルームバーグ集計に基づく中央値)は2024年10月25日時点の情報に基づくものであり、今後変更される可能性もあるためご留意ください。(注2)画像はイメージです。(出所)各種資料・報道、ブルームバーグ等より野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点
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10/19 07:00
【来週の予定】衆議院総選挙の行方に注目、日本株への追い風は吹くか
来週の注目点:主要国・地域のPMI速報と日本の総選挙 海外市場では2024年7-9月期の決算発表が本格化しているうえ、重要統計の発表が一巡したことから、多くの市場参加者は決算内容や今後の見通しなど、ミクロ情報から景気の先行きを探ろうとしています。このような状況下、今週は22日(火)にIMFが世界経済見通しを発表します。前回(7月)の同レポートでは「足踏み状態の世界経済」と題して、サービス価格の上昇がインフレ鎮静化を妨げ、金融政策の正常化を複雑にしていると指摘しました。足元ではECBに続き、FRBも利下げ局面入りしており、IMFの経済情勢に対する判断が注目されます。 主要国・地域では24日(木)に10月のPMI(速報)が発表されます。日米欧中の製造業PMIは全て景気判断の分岐点である50を下回っています。製造業に底入れ感が見受けられれば、市場のリスクセンチメントの改善につながることが期待されます。 米国では23日(水)に9月中古住宅販売件数、24日(木)に9月新築住宅販売件数、25日(金)に9月耐久財受注が発表されます。住宅ローン金利低下の影響が住宅販売の増加にどの程度寄与しているかが注目点です。 日本では25日(金)の10月東京都区部消費者物価指数、27日(日)の衆議院議員総選挙の結果が注目されます。総選挙は自民党苦戦が報じられており、自民、公明両党で過半数に届かない結果になれば、政治の流動化懸念から日本株の重石となるリスクがあります。逆に自公で安定多数(244議席)や絶対安定多数(261議席)を確保できれば、長期安定政権への期待から日本株にとって追い風となることが期待されます。 その他、海外では25日(金)に発表されるドイツの10月Ifo企業景況感指数が注目されます。野村證券では、ドイツ経済は24年4-6月期以降、3四半期連続でマイナス成長となり、景気後退に陥ると予想しています。 (野村證券投資情報部 尾畑 秀一) (注1)イベントは全てを網羅しているわけではない。◆は政治・政策関連、□は経済指標、●はその他イベント(カッコ内は日本時間)。休場・短縮取引は主要な取引所のみ掲載。各種イベントおよび経済指標の市場予想(ブルームバーグ集計に基づく中央値)は2024年10月18日時点の情報に基づくものであり、今後変更される可能性もあるためご留意ください。(注2)画像はイメージです。(出所)各種資料・報道、ブルームバーグ等より野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点
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10/12 07:00
【来週の予定】日米選挙戦の行方に揺れる相場展開か
来週の注目点:日米の選挙戦、米中の経済指標、ユーロ圏の金融政策 足元で米国株は景気の楽観論と利下げ継続観測、日本株は円安ドル高の進展と米国株の上昇が相場を下支えしています。日米株は底堅く推移していますが、日米共に選挙や金融政策の不透明感が残り、ボラティリティー(変動性)の高い状態が続いています。 米国では、11月5日(火)に米大統領・議会選挙、6日(水)~7日(木)にFOMC(米連邦公開市場委員会)が開催されます。それまでの間、大統領・議会選挙の行方と、今後の利下げ幅に関する市場の思惑に揺れ動く相場展開が予想されます。経済指標では、10月15日(火)に10月NY連銀製造業景気指数、17日(木)に9月小売売上高、9月鉱工業生産、18日(金)に9月住宅着工・建設許可件数などが発表されます。 日本では、15日(火)に衆議院議員総選挙が公示され、投開票は27日(日)に行われます。成長戦略、持続的な賃上げ、物価高対策を含む経済政策や、政治改革などが論点です。経済指標は、18日(金)に9月全国消費者物価指数(CPI)が発表されます。電気代・ガス代抑制策の一時再開により、コアCPIは減速が見込まれます。エネルギーを除けば、CPIは概ね横ばいに推移すると野村證券では予想します。その場合、現行の日銀の金融政策に中立的な内容と解釈されると見ています。 ユーロ圏では、15日(火)にドイツの10月ZEW景況感調査、17日(木)にECB(欧州中央銀行)の金融政策理事会の結果発表が行われます。景況感が悪化し、インフレ率が鈍化する中、ECBは政策金利(中銀預金金利)を今会合から来年9月会合まで0.25%ポイントずつ7回利下げを実施すると野村證券では予想します。ユーロは対ドルで軟調に推移しやすいと見ています。 予想外に大規模な景気刺激策が打ち出された中国では、13日(日)に9月物価統計、18日(金)に7-9月期実質GDP、9月小売売上高、鉱工業生産、1-9月固定資産投資、不動産投資などの主要経済統計が発表されます。これまでの不動産市場の支援策や金融緩和などの政策効果が注目されます。 (野村證券投資情報部 坪川 一浩) (注1)イベントは全てを網羅しているわけではない。◆は政治・政策関連、□は経済指標、●はその他イベント(カッコ内は日本時間)。休場・短縮取引は主要な取引所のみ掲載。各種イベントおよび経済指標の市場予想(ブルームバーグ集計に基づく中央値)は2024年10月11日時点の情報に基づくものであり、今後変更される可能性もあるためご留意ください。(注2)画像はイメージです。(出所)各種資料・報道、ブルームバーグ等より野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点