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24件
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02/15 07:00
【来週の予定】ドイツ総選挙へ、極右勢力台頭の可能性
来週の注目点:トランプ政権の関税政策、ウクライナ情勢、ドイツ総選挙 引き続き、米国トランプ政権の動向が市場のボラティリティー(変動性)の大きな要因になっています。2月初旬に155円付近にあった円の対米ドルレートは、2月7日には一時150円台まで円高が進行しましたが、その後、154円台まで揺り戻しました(2月13日時点)。トランプ関税による日本経済への悪影響が相対的に小さくなるとの思惑や、日銀の利上げ継続期待が円高要因です。しかし、足元では、ウクライナ紛争の停戦・終結への期待が高まったことや、1月の米国の消費者物価指数(CPI)の伸び率が市場予想を上回り、インフレ懸念と米金利の先高観が強まったことを受けて、米ドルやユーロに対して円は弱含んでいます。 米国では、19日(水)に1月FOMC議事要旨が発表されます。政策金利とインフレ見通しに加えて、トランプ政権の政策に対する議論が注目されます。経済指標では、18日(火)発表の2月NY連銀製造業景気指数、20日(木)の2月フィラデルフィア連銀製造業景気指数、21日(金)発表の2月PMI速報値など、景気指数の発表が続きます。 日本では、17日(月)に10-12月期実質GDP(1次速報値)が発表されます。野村では、前期比+0.8%(年率+3.2%)と大幅なプラス成長になったと予想します。ただし、輸入の減少が主因で、内需はやや伸び悩んだとみています。19日(水)には12月機械受注と1-3月期の受注見通し、21日(金)には1月全国CPI、2月PMI速報値が発表されます。1月全国コアCPIは前年同月比+3.2%と、12月(同+3.0%)から伸び率が加速したと野村では、予想します。こちらは日銀の政策判断にも影響するため、重要です。 ユーロ圏では、18日(火)にドイツの2月ZEW景況感調査、21日(金)には2月PMI速報値と、景気指数の発表が続きます。また、23日(日)にはドイツで総選挙が実施されます。連立政権の組み方によって、政策の方向性が大きく変わる可能性があるだけに、注目です。 (野村證券投資情報部 坪川 一浩) (注1)イベントは全てを網羅しているわけではない。◆は政治・政策関連、□は経済指標、●はその他イベント(カッコ内は日本時間)。休場・短縮取引は主要な取引所のみ掲載。各種イベントおよび経済指標の市場予想(ブルームバーグ集計に基づく中央値)は2025年2月14日時点の情報に基づくものであり、今後変更される可能性もあるためご留意ください。(注2)画像はイメージです。(出所)各種資料・報道、ブルームバーグ等より野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点
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02/08 07:00
【来週の予定】パウエル議長をはじめ、FRB高官の発言に注目
来週の注目点:パウエルFRB議長の議会証言、米消費者物価 2025年初めてとなる1月の金融政策会合では、主要中央銀行間の政策スタンスの乖離が改めて浮き彫りになりました。日本銀行は0.25%ポイントの利上げを実施し、中立金利に向けて利上げを継続する意向を示しました。FRBは金融政策を据え置いた上で、トランプ政権の政策不透明感が残存する中で、景気が堅調に推移していることから様子見を続けることが可能であるとの判断を示しました。一方、ECBは景気下振れ懸念を背景に利下げを継続する意向です。主要中銀間の政策スタンスの違いは株式市場では変動率を高める方向に作用すると見られる一方で、為替市場では米ドル高、円高、ユーロ安圧力となる事が予想されます。 今週、米国では11日(火)のパウエルFRB議長の上院での半期議会証言を筆頭に、FRB高官の講演が複数予定されています。25年1月のFOMCでは声明が従来よりもタカ派的(利下げに消極的)なトーンを強めた一方で、記者会見でのパウエル議長の発言にはこのタカ派色を中和するものが目立ちました。議会証言ではよりFRB内のコンセンサスに即した見解が示されると想定されるため、改めて市場の関心を集めそうです。 米経済指標では、金融政策面では12日(水)の1月消費者物価指数、実際の景気動向を確認する上では14日(金)の1月小売売上高、1月鉱工業生産が注目されます。特に先月に続きインフレが穏当な結果を示せば、金利低下・株高を促すことが予想されます。 日本では10日(月)発表の1月景気ウォッチャー調査が注目されます。市場では景況感の動向と並んでその変動の背景にある個別のコメントにも関心が集まる指標です。企業の人手不足感やインバウンド動向、賃上げ機運などが注目されます。 欧州では14日(金)にユーロ圏の24年10-12月期実質GDP改定値が発表されます。各需要項目の動向が明らかになることから、欧州景気の下振れリスクを点検する上で市場の関心を集めそうです。 (野村證券投資情報部 尾畑 秀一) (注1)イベントは全てを網羅しているわけではない。◆は政治・政策関連、□は経済指標、●はその他イベント(カッコ内は日本時間)。休場・短縮取引は主要な取引所のみ掲載。各種イベントおよび経済指標の市場予想(ブルームバーグ集計に基づく中央値)は2025年2月7日時点の情報に基づくものであり、今後変更される可能性もあるためご留意ください。(注2)画像はイメージです。(出所)各種資料・報道、ブルームバーグ等より野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点
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02/01 07:00
【来週の予定】カナダ、メキシコ、中国への追加関税は発動されるのか
来週の注目点:追加関税の帰趨、米主要経済指標 1月28日(火)~29日(水)のFOMCでは、大方の予想通り政策金利は据え置かれました。パウエルFRB議長は記者会見で、トランプ政権による関税政策が経済に与える影響を見極めて行く姿勢を示しました。また、現在の金融政策が引き締め的であるとの認識を示しながらも、「政策調整を急ぐ必要はない」として目先の利下げには慎重な姿勢を示しました。 今後の利下げ時期について目立った手掛かりを得られない中、米国ではトランプ政権の動向、景気・インフレ動向が注目を集めそうです。大統領就任初日の関税発動は回避されたとはいえ、カナダ、メキシコ、中国などへの追加関税を2月1日(土)に発動する意向を示しています。仮に、関税が発動された場合には米金利上昇とドル高圧力、回避された場合には米金利低下とドル安圧力が強まると見ています。 米国の経済指標では、2月3日(月)の1月ISM製造業景気指数、5日(水)の1月ADP全米雇用レポート、1月ISMサービス業景気指数、7日(金)の1月雇用統計、2月ミシガン大学消費者マインド速報値に注目です。また、3日(月)から5日(水)にかけて予定されているFRB高官の講演は今後の利下げ時期や回数を探る上で注目を集めます。 日本では、3日(月)に1月日銀金融政策決定会合における主な意見、5日(水)には24年12月毎月勤労統計が発表されます。好調な冬季賞与に伴い、1人当たり名目賃金は11月から加速したと予想します。日銀の政策判断にも影響する可能性があり、注目です。 中国では旧正月(春節)を迎え、2月4日(火)まで休場となります。経済指標は、3日(月)の1月財新版製造業PMI、5日(水)の1月財新版サービス業PMIに注目です。トランプ政権による関税引き上げが懸念される中、輸出の前倒しが製造業の景気を下支えしてきました。しかし、2月に追加関税が課された場合には輸出が勢いを失う可能性があり、中国景気に対する懸念が更に強まる可能性があります。 (野村證券投資情報部 坪川 一浩) (注1)イベントは全てを網羅しているわけではない。◆は政治・政策関連、□は経済指標、●はその他イベント(カッコ内は日本時間)。休場・短縮取引は主要な取引所のみ掲載。各種イベントおよび経済指標の市場予想(ブルームバーグ集計に基づく中央値)は2025年1月31日時点の情報に基づくものであり、今後変更される可能性もあるためご留意ください。(注2)画像はイメージです。(出所)各種資料・報道、ブルームバーグ等より野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点
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01/25 07:00
【来週の予定】中銀ウィークに突入 パウエル議長の発言に注目集まる
来週の注目点:米国・ユーロ圏の金融政策会合と実質GDP成長率 今週は米国を筆頭にユーロ圏やカナダ、ブラジル、南アフリカで金融政策会合が開催される中銀ウィークです。29日(水)に結果が発表されるFOMCでは、政策金利は据え置きとの見方が優勢です。今回は経済見通しの発表もないことから会合後の記者会見におけるパウエル議長の発言が注目されます。2025年は5年に1度の金融政策の枠組み変更が議論される年に当たります。5年前には平均インフレ目標導入など、インフレを目標近辺に引き上げるための手段が検討されました。議長会見では、利下げ時期や政策金利の着地点に加えて、今後の政策の枠組みに対する発言も注目されます。 一方、30日(木)に開催されるECBの金融政策理事会では0.25%ポイントの利下げが予想されます。インフレにはやや足踏み感が見受けられますが、ECBは景気下振れリスクを緩和するため利下げを継続することが予想されます。野村證券では、1月会合を含めて25年中に5回の利下げを予想しています。 米国では27日(月)の12月新築住宅販売件数を皮切りに、注目度の高い指標が多数発表されます。市場では30日(木)の24年10-12月期実質GDP速報、31日(金)の10-12月期雇用コスト指数、12月個人消費支出(PCE)デフレーターに関心が集まると予想されます。 日本では31日(金)の1月東京都区部消費者物価指数、12月鉱工業生産が注目されます。特に生産統計が自動車を中心とした輸送用機器の生産回復を示すか否かで、今後の景気動向だけではなく企業業績の見通しにも影響を与えることが予想されます。 ユーロ圏では27日(月)のドイツの1月Ifo企業景況感指数、30日(木)のユーロ圏、ドイツの24年10-12月期実質GDP成長率が重要です。先々の景気下振れを示唆する内容となった場合には、ECBに対する市場の利下げ観測を強める可能性があります。 中国では27日(月)に1月政府版PMIが発表されます。内訳系列である雇用指数下げ止まりの有無が注目点です。 (野村證券投資情報部 尾畑 秀一) (注1)イベントは全てを網羅しているわけではない。◆は政治・政策関連、□は経済指標、●はその他イベント(カッコ内は日本時間)。休場・短縮取引は主要な取引所のみ掲載。各種イベントおよび経済指標の市場予想(ブルームバーグ集計に基づく中央値)は2025年1月24日時点の情報に基づくものであり、今後変更される可能性もあるためご留意ください。(注2)画像はイメージです。(出所)各種資料・報道、ブルームバーグ等より野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点
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01/18 07:00
【来週の予定】トランプ氏が大統領就任へ、初日から大統領令連発か
来週の注目点:米大統領就任式と大統領令、日銀の政策判断 2025年の金融市場の行方に影響する最も重要な要素の一つが米国の次期政権の政策です。1月20日にトランプ次期大統領及びバンス次期副大統領が就任します。トランプ次期大統領は、議会で就任演説を行うとともに、公約実現のために就任初日から様々な大統領令を出すと見られています。関税、移民制限、バイデン政権のエネルギー政策の転換など、大統領令での実行が可能な政策が先行することが予想されます。 他方、米国の金融政策については、1月28日(火)-29日(水)のFOMCを控えて、18日(土)からブラックアウト期間(金融政策に対する公的な発言を自粛する期間)入りしています。米経済指標の発表も24日(金)の25年1月S&PグローバルPMI速報値、24年12月中古住宅販売件数などに限られます。市場の関心はトランプ次期政権の動向、米主要企業の24年10-12月期決算発表に集まります。 日本では、23日(木)-24日(金)に日本銀行の金融政策決定会合が開催され、24日に結果発表と植田日銀総裁の記者会見が行われます。1月会合の判断については、14日の氷見野日銀副総裁に続いて15日には植田日銀総裁が「米新政権の政策や春闘の賃金動向などを精査し、追加利上げを行うかどうか判断」する旨を明言しました。20日の就任式前後に金融市場が不安定化した場合には、日銀が利上げを見送る可能性はあるものの、市場では利上げ予想が高まっています。野村では日銀の金融政策に関するシナリオを変更し、利上げ予想を25年3月会合から、1月会合に前倒ししました。 日本の経済指標では、20日(月)に24年11月機械受注、24日(金)に12月全国消費者物価指数(CPI)、25年1月auじぶん銀行PMI速報値が発表されます。野村では12月の生鮮食品を除くコアCPIインフレ率は前年同月比+2.9%と、24年11月(同+2.7%)から伸び率が加速すると予想します。政府による電気代・ガス代抑制策の終了がエネルギー価格の加速につながったと見られます。 (野村證券投資情報部 坪川 一浩) (注1)イベントは全てを網羅しているわけではない。◆は政治・政策関連、□は経済指標、●はその他イベント(カッコ内は日本時間)。休場・短縮取引は主要な取引所のみ掲載。各種イベントおよび経済指標の市場予想(ブルームバーグ集計に基づく中央値)は2025年1月17日時点の情報に基づくものであり、今後変更される可能性もあるためご留意ください。(注2)画像はイメージです。(出所)各種資料・報道、ブルームバーグ等より野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点
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01/11 07:00
【来週の予定】日米の金融政策に対する手掛かりを探る展開となりそう
来週の注目点:氷見野副総裁、FRB高官の講演と中国の主要統計 1月23日(木)-24日(金)に日本銀行の金融政策決定会合、28日(火)-29日(水)にFOMCを控えて、今週は日米の金融政策に対する手掛かりを探る展開となりそうです。 日本では14日(火)に氷見野日銀副総裁が神奈川県金融経済懇談会に出席、会合後には記者会見を行う予定です。少なくとも黒田氏が日銀総裁に就任した2013年以降、1月の決定会合前に政策委員が懇談会を開催した例はなく、市場では利上げに向けた地ならしが行われるのではないかとの見方が高まっています。このため、氷見野副総裁の発言に変化が見られない場合には失望感から円安が進行するリスクがあります。 米国では18日(土)からFOMC前のブラックアウト期間(金融政策に対する公式発言の自粛期間)入りを控えて、多くのFRB高官の講演が予定されています。FRBは24年9月から利下げ局面入りしましたが、それ以降、米国景気の堅調推移とインフレの粘着性を示す経済指標が相次いだことに加え、トランプ次期政権の掲げるインフレ的な政策に対する警戒感から、FOMC内では利下げに慎重な機運が高まっています。FRB高官の講演では、今後の利下げ時期やペースに対する手掛かりとして、景気とインフレに対する評価に加えて、トランプ次期政権の政策を自身の政策金利見通しにどの程度織り込んでいるかが注目されます。 ECBは16日(木)に24年12月の金融政策理事会の議事要旨を公表します。ユーロ圏では景気下振れ懸念が高まっていることから、ECBは利下げに積極的な姿勢を示すことが予想されます。 中国では17日(金)に24年10-12月期の実質GDP成長率、12月小売売上高と鉱工業生産、1-12月固定資産投資・不動産投資が発表されます。11月の小売売上高は前年比+3.0%と減速し、政府の自動車・家電製品買い替え支援策の影響が剥落した可能性が示唆されました。12月の主要統計が市場の景気減速懸念の緩和につながる結果となるかが注目されます。 (野村證券投資情報部 尾畑 秀一) (注1)イベントは全てを網羅しているわけではない。◆は政治・政策関連、□は経済指標、●はその他イベント(カッコ内は日本時間)。休場・短縮取引は主要な取引所のみ掲載。各種イベントおよび経済指標の市場予想(ブルームバーグ集計に基づく中央値)は2025年1月10日時点の情報に基づくものであり、今後変更される可能性もあるためご留意ください。(注2)画像はイメージです。(出所)各種資料・報道、ブルームバーグ等より野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点
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2024/12/28 07:00
【来週の予定】トランプ政権と日米金融政策が左右する2025年
来週の注目点:トランプ次期政権の動向、日米のインフレ・賃金・景気 欧米など多くの国・地域では年末年始を挟んだ休暇シーズン入りし、多くの金融市場では2024年12月31日(火)~2025年1月1日(水)が休場となります。一方、日本では、12月30日(月)が大納会、1月6日(月)が大発会と、長期間の休場となります。国内が休場の間に海外市場が大きく動き、6日(月)の休場明けに国内市場が影響を受ける可能性には注意が必要です。 25年年明けの相場を動かす要因の一つは、25年1月に発足する米国トランプ次期政権の動向です。1月6日(月)の上下両院合同会議において次期米大統領として正式決定され、20日(月)に大統領就任式が行われます。政権移行期の最中にトランプ次期大統領が発信する経済政策などを巡る情報に注意が必要です。 もう一つの要因は、日米の金融政策です。FRBは24年12月FOMCで政策金利を0.25%ポイント引き下げましたが、パウエルFRB議長は会見で、今後の利下げペースの鈍化を示唆するなどタカ派的(インフレ抑制重視)な姿勢を示しました。1月8日(水)公表の12月FOMC議事要旨では、インフレ・景気に関する議論に注目です。また、1月3日(金)の12月ISM製造業景気指数、7日(火)の12月ISMサービス業景気指数、10日(金)の12月雇用統計、1月ミシガン大学消費者マインド速報値などの経済指標にも注目です。 日本では、24年12月会合で利上げを見送った日銀の次なる動向が焦点となります。植田総裁は利上げ見送りの理由として挙げていた賃上げ動向について、直近の講演で、経済データと共に支店長会議で集められた地方の動向も参考にすると述べました。1月9日(木)の日銀支店長会議、11月毎月勤労統計に注目です。 政府が景気支援姿勢を強めている中国では、不動産市況の回復が大都市など一部に限定され、家電などの買い替え支援策の効果に息切れが見られるなど、景気の回復力が弱い状態が続いています。12月30日(月)の12月政府版PMIでは、足元の景況感について確認できます。 (野村證券投資情報部 坪川 一浩) (注1)イベントは全てを網羅しているわけではない。◆は政治・政策関連、□は経済指標、●はその他イベント(カッコ内は日本時間)。休場・短縮取引は主要な取引所のみ掲載。各種イベントおよび経済指標の市場予想(ブルームバーグ集計に基づく中央値)は2024年12月27日時点の情報に基づくものであり、今後変更される可能性もあるためご留意ください。(注2)画像はイメージです。(出所)各種資料・報道、ブルームバーグ等より野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点
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2024/12/14 07:00
【来週の予定】利下げ織り込みが進むFOMC、利上げ織り込みが低調な日銀会合
来週の注目点:日米金融政策会合、中国の経済対策効果の確認 今週は17日(火)~18日(水)に米国で、18日(水)~19日(木)には日本でも中央銀行の金融政策決定会合が開催されます。 FRBの政策判断を見極める上で注目された11月CPIは食品・エネルギーを除くコア指数の前月比上昇率が市場予想に一致したことから、市場では今回のFOMCにおける利下げをほぼ織り込んでいます。ただし、コアCPIは4ヶ月連続で前月比+0.3%と、年率換算でインフレ目標である2.0%を上回る上昇率を続けていること、トランプ次期政権が関税の引き上げを公言していることから、「FRBは早晩、様子見に転じるのではないか」との見方が高まっています。今回の会合では経済・政策金利見通しが公表されることから、FRBが次期政権の政策をどの程度経済見通しに織り込んでいるかを含めて、政策金利見通しが注目されます。 日銀に関する市場の利上げ織り込みは2割程度と低調です。ブルームバーグが「日本銀行は消費者物価の上昇に加速感が見られず、海外経済の不確実性が強まっている中で、追加利上げを急ぐ状況にはないと認識している」と報じたこと等が影響しているようです。ただし、次回25年1月会合まで見れば75%程度織り込まれていることから、仮に今会合で利上げが行われても24年7月会合後のような混乱にはつながらないと見ています。 米国では重要指標の発表も複数予定されていますが、特に注目すべきは20日(金)の個人消費支出・所得統計です。米国経済の成長持続力を測る上では個人所得・消費動向が重要な上、FRBがインフレ指標として参照しているのは同時に公表されるPCE(個人消費支出)コアデフレーターです。 中国では16日(月)に11月の鉱工業生産と小売売上高、1-11月の固定資産投資、不動産投資が発表されます。24年9月以降講じられてきた経済対策の影響を確認する点から、小売売上高の増加が持続しているか、不動産投資や鉱工業生産にも経済対策の恩恵が及んでいるかといった点がチェックポイントです。 (野村證券投資情報部 尾畑 秀一) (注1)イベントは全てを網羅しているわけではない。◆は政治・政策関連、□は経済指標、●はその他イベント(カッコ内は日本時間)。休場・短縮取引は主要な取引所のみ掲載。各種イベントおよび経済指標の市場予想(ブルームバーグ集計に基づく中央値)は2024年12月13日時点の情報に基づくものであり、今後変更される可能性もあるためご留意ください。(注2)画像はイメージです。(出所)各種資料・報道、ブルームバーグ等より野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点
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2024/12/07 07:00
【来週の予定】12月FOMCを控え、ブラックアウト期間に突入へ CPIなどが手掛かりか
来週の注目点:米CPI、日銀短観、ECB金融政策、中国の重要会議 米国では、12月17日(火)-18日(水)にFOMCを控えて、7日(土)からFRBのブラックアウト期間(金融政策に対する公的な発言を自粛する期間)に入ります。ブラックアウト期間を前にFRB高官からタカ派的(利下げに慎重)な発言と、ハト派的(利下げに積極的)な発言が相次いで見られたことで、市場参加者は12月利下げの有無の見極めが難しくなっています。今週は重要統計の発表が少ない中、金融政策を巡る手掛かりを得るために、11日(水)の11月のCPI(消費者物価指数)や、12日(木)の週間新規失業保険申請件数などに注目が集まります。 米国以外でも複数の主要国・地域で金融政策会合が開催されます。10日(火)に豪州、11日(水)にカナダ、ブラジル、続く12日(木)にはユーロ圏で金融政策理事会が予定されています。野村ではECBは24年12月から25年6月までは会合毎に0.25%ポイントの計1.25%ポイント、同年9月に0.25%ポイントの追加利下げを実施すると予想します。米トランプ次期政権による関税引き上げのユーロ圏経済へのマイナスの影響が懸念される中、緩やかなペースで連続利下げが実施され、ユーロ安圧力が継続すると見ています。 日本では、9日(月)に11月景気ウォッチャー調査、7-9月期実質GDP(2次速報値)、13日(金)には12月調査・日銀短観が公表されます。12月調査・日銀短観では、景気回復に足踏みがみられるも、依然として業況判断DIが高水準を維持すると野村では予想しています。 足元で景気回復の兆しが見える中国では10日(火)に11月貿易統計が発表されます。米トランプ次期政権による関税引き上げを見込んだ駆け込み需要が輸出を押し上げる可能性があります。また、11日(水)~12日(木)に中央経済工作会議が開催される見通しです。2025年の経済目標と、金融、財政、産業政策などの基本方針が示される見込みです。中国経済の今後を占う上で重要です。 (野村證券投資情報部 坪川 一浩) (注1)イベントは全てを網羅しているわけではない。◆は政治・政策関連、□は経済指標、●はその他イベント(カッコ内は日本時間)。休場・短縮取引は主要な取引所のみ掲載。各種イベントおよび経済指標の市場予想(ブルームバーグ集計に基づく中央値)は2024年12月6日時点の情報に基づくものであり、今後変更される可能性もあるためご留意ください。(注2)画像はイメージです。(出所)各種資料・報道、ブルームバーグ等より野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点