閉じる
閉じる

12:00

【今週のチャート分析】日経平均5万円突破、中長期トレンドを再考する

※画像はイメージです。※2025年10月30日(木)引け後の情報に基づき作成しています。 日経平均大幅上昇、押し目待ちに押し目なし 今週(10月27日~)の日経平均株価は、決算が好感された値がさの半導体やテクノロジー関連銘柄を中心に上昇し、27日に史上初の5万円台に達しました。 チャートを見ながら振り返ってみましょう。日経平均株価は、高市政権の成長を重視する姿勢に対する期待感の高まりや、米中対立激化懸念が後退したことなどを受けて、10月27日に心理的フシの5万円(図1-①)を超えました。そして29日には10月9日~14日の押し幅の倍返し(図1-②:50,650円)に到達しました。まさに「押し目待ちに押し目なし」という状況で上昇が続いています。 図1:日経平均株価:日足 (注1)直近値は2025年10月30日。(注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成 この先さらなる上昇となる場合、25日移動平均線から10%上方乖離水準(図1-③:52,629円)や、2024年7月高値から25年4月安値までの押し幅の倍返しの水準がさらなる上値メドとして挙げられます。 一方で、次々とフシに到達したことで達成感が醸成されやすい状況の中、これまでの急上昇に対する反動に注意が必要です。5万円(図2-④)を再度下回る調整を入れる場合、これまで何度も下支えとなっている上向きの25日移動平均線(図2-⑥:10月30日時点47,845円)が下値サポートとなるか注目されます。 図2:日経平均株価:日足 (注1)直近値は2025年10月30日。(注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成 (野村證券投資情報部 岩本 竜太郎) 【特集】2010年以降4回の中長期上昇局面参考なら6万円台も 日経平均株価が10月27日に史上初の5万円を突破したことを受けて、今号の特集では月足チャートを基に中長期的な上値メドを再考したいと思います。 前回の中長期上昇(図中D:2022年3月~2024年7月)の上昇倍率である約1.71倍を、2025年4月の安値に当てはめると、試算で約5万3千円になります。10月に同水準に接近していますが、なお上値余地が残ると考えられます。今回は安値から半年で約2万円の急上昇となっており、コロナショック後の急騰(図中C)やアベノミクス初期の急騰(図中A)と似た動きです。これらを含む大きな上昇局面へ移行する可能性も考えられます。 日経平均株価:月足(2006年~) (注1)直近値は2025年10月30日時点。(注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。(注3)日柄は両端を含む。(出所)日本経済新聞社、各種資料より野村證券投資情報部作成 過去4回の中長期上昇局面(A~D)の平均上昇倍率は約1.94倍で、これを今回に当てはめると6万円台の水準が示唆されます。こうした過去の倍率を参考にすると、さらなる上値余地があると言えるでしょう。 ただし、急上昇の後に調整が入る例もあります。アベノミクス初期の急上昇(2012年11月~2013年5月)では「バーナンキショック」(注)で一時調整し、その後約半年の保ち合いを経験しました。また、過去に2万、3万、4万円といった大台を超えた局面では一度調整が入るケースが見られました。上昇一巡後の一時的な調整には引き続き注意が必要です。     (注)バーナンキショックとは当時のFRB議長のバーナンキ氏が量的緩和縮小に言及したことによる金融市場の急変のこと (野村證券投資情報部  岩本 竜太郎 ) ご投資にあたっての注意点

新着 矢印

426