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10/03 08:35
【野村の朝解説】米国株小動き ドル円は1ドル146円台へ(10/3)
(注)画像はイメージです。 海外市場の振り返り 2日の米国株式市場で、主要3指数は揃って小幅高となりました。イスラエルがイランに対して報復する姿勢を示すなど、中東情勢は引き続き緊迫状態にあります。一方、ADP雇用リポートでは米国労働市場の堅調さが示され、ソフトランディングへの期待が維持されたことが株価を下支えしました。 相場の注目点 為替市場で円相場は大幅に下落し、1米ドル=146円50銭台で推移しています。9月ADP雇用リポートの結果を受けた米国長期金利の上昇に加え、日銀の利上げ姿勢をけん制する石破首相の発言が要因となっています。総裁選後の株安や円高を受け、石破政権はタカ派的とのイメージの払拭を優先しているとみられ、総選挙までは円を売りやすい環境との認識が一段と強まりそうです。ただし、総選挙に向けては過度な円安やインフレも逆風になり得ます。米国景気ソフトランディングの確度が高まる局面では円安圧力が強まるため、追加利上げに前向きな姿勢へと変化する可能性には注意が必要です。 本日のイベント 本日は米国で、9月のISMサービス業景気指数や8月の製造業受注、週間新規失業保険申請件数などが発表されます。米国の経済指標を通じて、ソフトランディングへの期待がさらに高まれば、為替市場での円安ドル高進行を通じて日本株の上昇要因となりそうです。日本では、野口日銀審議委員の講演が予定されています。 (野村證券 投資情報部 大坂 隼矢) (注)データは日本時間2024年10月3日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。 野村オリジナル記事の配信スケジュール ご投資にあたっての注意点
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10/02 18:00
【特集】過去の円高時に上昇した銘柄ランキング 4つの傾向で分類すると
(注)画像はイメージ。 日米の金融政策の方向性の違いから円高傾向に 日本銀行が今年7月に追加利上げを実施した一方、米連邦公開市場委員会(FOMC)は9月に大幅な利下げを行いました。日米の金融政策の方向性の違いから、一時1ドル=160円台をつけていたドル円相場は大きく円高へと傾きました。直近では、石破茂氏が自民党総裁選で勝利したことも円高材料視されました。 では、過去に円高が進行した時にはどのような銘柄が上昇したのでしょうか。また、それらの銘柄にはどのような特徴があるのでしょうか。 これを分析するために使った指標が、「対米ドル円ベータ値」です。これは米ドル/円の為替変動に対して、市場全体の変動を超えて動く傾向のある(為替感応度が高い)個別銘柄に注目できる指標です。 ベータ値がマイナスで値が大きい銘柄ほど、円高ドル安の為替変動の影響を受けて上がったということを意味します。また、ベータ値=0は、その銘柄は為替変動の影響を受けなかったということを意味します。 (注1)対象はREITを除く野村アナリストカバー銘柄。レーティングが保留の銘柄は除外している。対米ドル円ベータ値の下位25銘柄を記載。全ての銘柄をグループ化しているわけではない。(注2)各ベータ値は、直近60ヶ月(5年)の月末ベースの月間騰落率より算出(修正株価を使用)。米ドル円相場は日銀公表値終値(売り気配)を採用。直近値は2024年9月20日。1円の円安米ドル高による影響は、対米ドルで1円円安が進行した場合の営業利益への影響額で、野村證券エクイティ・リサーチ部の予想(2024年9月11日時点)。ただし、レーザーテック、太陽誘電、HOYAは税前利益が対象利益。1円の円安米ドル高による影響が記載されていない銘柄は為替の業績への影響が小さいと判断される銘柄。(出所)東京証券取引所、日本経済新聞社、日本銀行、野村證券エクイティ・リサーチ部より野村證券投資情報部作成 円高時に上昇した銘柄の特徴とは? 過去(5年間)、円高米ドル安が進行した際に上昇した銘柄は、概ね下記のようなグループに分けられます。 ① 円高メリットグループ小売・食品など、円高により商品や原材料の仕入コストが低下すると期待される業種 ② 円高無関係グループヘルスケア、インターネットサービスなど、為替の影響を受けにくいとされる業種 ③ 高成長期待グループ成長期待の高い(実際に過去の増収率が高い)半導体・電子デバイス関連銘柄 ④ 高ROEグループ内需、外需問わず、ROEが高い銘柄 一般的には、①や②のように、他の業種に比べ、円高米ドル安が業績に好影響(あるいは影響が限定的)であるグループの銘柄が上昇すると考えられがちです。 ただ実際には、円高が業績的には不利に働くことが多い高成長期待銘柄や、ブルーチップ性の高い高ROE銘柄も数多く名を連ねています。 (野村證券投資情報部 大坂 隼矢) ご投資にあたっての注意点
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10/02 15:48
【野村の夕解説】中東情勢緊迫化を受け日経平均株価反落 843円安(10/2)
(注)画像はイメージです。 本日の動き 本日の日経平均株価は前日比515円安の38,136円で取引を開始しました。前日、イスラエル軍はイランがイスラエルに向けてミサイルを発射したと発表しました。中東情勢の緊迫化が投資家のリスク回避姿勢を強めました。また前日の米国株式市場では、アップルについて一部のアナリストが最新スマートフォンの需要が弱い可能性に言及したことが悪材料視され大幅下落となりました。アップルの下落が他のハイテク株にも波及し、ナスダック総合は前日比-1.53%となりました。東京株式市場でもTDKや村田製作所などのアップル関連株や半導体関連株の下落が目立ちました。その後の日経平均株価は38,000円を挟んで一進一退となりましたが、午後に入るとリスク回避姿勢が強まり下げ幅を広げ、前日比843円安の37,808円と反落して本日の取引を終えました。 個別銘柄では、東京エレクトロンが前日比-3.68%、アドバンテストは同-4.84%と値がさハイテク株の下落が目立ちました。一方で東証33業種別では原油価格上昇を受け、鉱業は同+4.28%と逆行高となり上昇率のトップとなりました。 本日の市場動向 ランキング 本日のチャート (注)データは15時15分頃。ドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。(出所)Quickより野村證券投資情報部作成 今後の注目点 本日、米国では9月のADP全米雇用レポートが発表されます。他にもクリーブランド連銀ハマック総裁やセントルイス連銀ムサレム総裁、ボウマンFRB理事らFRB高官の講演が予定されています。 (野村證券投資情報部 神谷 和男) ご投資にあたっての注意点
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10/02 08:42
【野村の朝解説】米国株下落 中東情勢悪化への懸念が重し(10/2)
(注)画像はイメージです。 海外市場の振り返り 1日の米国株式市場で、主要3指数は揃って下落しました。イスラエルによるレバノンでの攻撃を受けて、イランがイスラエルに向けたミサイル発射を準備中と報じられ、中東情勢悪化への懸念からVIX指数は一時節目となる20を上回る場面があり、ボラティリティー(変動性)が高まりました。経済指標では、9月のISM製造業景気指数は47.2と前月から変わらず、市場予想(47.5)を下回りました。雇用指数が43.9と前月の46.0から大幅に悪化しました。一方、8月のJOLTS求人件数は804.0万件と前月改定値(771.1万件)から増加し、市場予想(764.0)を上回るなど、この日発表された米国の経済指標は強弱入り交じる結果となりました。 相場の注目点 日米の9月の金融政策会合を通過し、9月27日(金)に自民党総裁選を終え、市場の注目は石破新首相の所信表明演説(4日の本会議)や日米の金融政策の今後のスピード感、11月の米国大統領選挙の動向に移りつつあります。米国では、9月FOMCでパウエルFRB議長が今会合の0.50%ポイントの利下げが「将来の利下げペースを示すものではない」とし、利下げペースはデータ次第との姿勢を示しました。今週、米国で発表される経済指標では、2日(水)に9月ADP全米雇用レポート、3日(木)に9月28日の週の新規失業保険申請件数、9月ISMサービス業景気指数、4日(金)に9月雇用統計など重要指標の発表が相次ぎ、注目が集まります。また、金融政策関連では、FRB高官の講演会等が複数予定されています。 本日のイベント 本日、米国で9月のADP全米雇用レポートが発表されます。 (野村證券 投資情報部 寺田 絢子) (注)データは日本時間2024年10月2日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。 野村オリジナル記事の配信スケジュール ご投資にあたっての注意点
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10/01 16:02
【野村の夕解説】米国株高と円安進行を追い風に、日経平均は反発 (10/1)
(注)画像はイメージです。 本日の動き 前日の米国株式市場では、パウエルFRB(連邦準備理事会)議長から利下げ方針と経済安定への取り組みが改めて確認されたことで、主要3指数は揃って上昇しました。一方で、パウエル議長からは「利下げを急いでいない」との発言があり、ニューヨーク為替市場で1米ドル=143円台後半まで円安米ドル高が進みました。これらを受けて、本日の日経平均株価は、前日比312円高の38,232円で取引を開始しました。午前中に一服する場面はあったものの、1米ドル=144円台半ばまで円安米ドル高が進む中、日経平均株価は円安進行に伴って上昇しました。午後に入って上げ幅は700円を上回り、引けにかけても高値圏で推移し、結局前日比732円高の38,651円で本日の取引を終えました。個別銘柄では、円安進行を受けて、値がさ株のファーストリテイリングが前日比+2.72%上昇して日経平均株価を押し上げたほか、株式分割の効力発生日を迎えたTDKが前日比+6.82%と大きく上昇しました。 本日の市場動向 ランキング 本日のチャート (注)データは15時15分頃。ドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。(出所)Quickより野村證券投資情報部作成 今後の注目点 本日、米国で9月ISM製造業景気指数、8月JOLTS(雇用動態調査)が発表されます。パウエルFRB議長は今後の追加利下げについてはデータ次第との姿勢を示していることから、注目が集まります。 (野村證券投資情報部 秋山 渉) ご投資にあたっての注意点
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10/01 09:30
【週間ランキング】日本株の値上がり/値下がり銘柄は?(9月第4週)
※画像はイメージです。 日本主要銘柄・株価騰落率ランキング(上位) 2024年9月第4週(2024年9月20日~9月27日) 2024年9月月間(2024年8月30日~9月27日) 2024年年間(2023年12月29日~2024年9月27日) (注)対象はTOPIX500、直近値は2024年9月27日。(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成 日本主要銘柄・株価騰落率ランキング(下位) 2024年9月第4週(2024年9月20日~9月27日) 2024年9月月間(2024年8月30日~9月27日) 2024年年間(2023年12月29日~2024年9月27日) (注)対象はTOPIX500、直近値は2024年9月27日。(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成 <参考>今週の日本株式市場パフォーマンス 主要指数 TOPIX: 東証33業種 (注)業種分類は東証33業種ベース。直近値は2024年9月27日時点。(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点
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10/01 08:41
【野村の朝解説】米国株は小幅上昇 米ドル円相場は円安(10/1)
(注)画像はイメージです。 海外市場の振り返り 前日の米国主要株価指数は3指数揃って小幅上昇となりました。取引時間中、前日比マイナス圏で推移する場面もありました。しかし、パウエルFRB議長の講演で利下げ指針と経済の安定に向けた取り組みが改めて確認されたことから、主要株価指数は引けにかけて復調して取引を終えNYダウとS&P500は史上最高値更新となりました。また、パウエル議長の「経済成長や貯蓄率などの最近のデータ修正により、FRBが注目してきた下方リスクの一部が取り除かれた」との発言を受け、米ドル円相場は1ドル=143円台と、前日の15:00時点の141円80銭台から円安が進んでいます。 相場の注目点 日本では臨時国会が召集され石破自民党新総裁が首相指名されます。日銀短観や9月日銀政策決定会合における主な意見を踏まえて、為替市場で進行する円安米ドル高の動向や前日大幅下落となった日経平均株価の動向が注目されます。本日朝方の日経平均株価は上昇して取引を開始することが見込まれ、上値を試す展開となりそうです。 本日のイベント 中国では本日(~7日)より国慶節(建国記念日)で取引所は中国、香港ともに休場となります。ユーロ圏では9月消費者物価指数、米国では9月ISM製造業景気指数や8月雇用動態調査と注目される経済指標の発表が予定されています。また米国ではアトランタ連銀ボスティック総裁の講演があります。 (野村證券 投資情報部 神谷 和男) (注)データは日本時間2024年10月1日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。 野村オリジナル記事の配信スケジュール ご投資にあたっての注意点
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09/30 08:48
【野村の朝解説】NYダウ高値更新 日本株先物急落の波乱(9/30)
(注)画像はイメージです。 海外市場の振り返り 27日の米国株式市場は、FRBが注目するPCE(個人消費支出)デフレーター(除く食品・エネルギー)のコア指数が前月比+0.1%と、市場予想の同+0.2%を下回り、インフレが着実に減速していることが示されました。NYダウは史上最高値を更新しましたが、半導体株が軟調となり、S&P500指数やナスダック総合指数は小幅安で引けました。中国政府がAI関連半導体について、米国製ではなく、自国製の製品購入を中国企業に行うよう圧力を強めているとの報道がなされています。この他、セントルイス連銀のムサレム総裁が、今後のFOMCにおける利下げは漸進的なペースに戻るべきと発言しています。 相場の注目点 27日に行われた自民党総裁選挙の決選投票決定直前にかけて、日経平均株価は大幅高で引けました。石破新総裁誕生が報じられ、30日早朝にかけて為替は1米ドル=146円台から同142円台、大阪証券取引所の日経平均先物は37,400円台へと急落しています。石破氏の法人税増税や金融所得課税強化についての過去の発言や、日銀の独立性を認めていることで、今後の利上げを容認するとの見方による市場の反応とみられます。一方、石破新総裁は、これらの問題について、週末に市場の懸念に幾分配慮したような発言もみられました。30日の取引開始後に市場がどう反応するかが注目されます。 本日のイベント 本日は、自民党が新執行部を発足させます。既に主要な自民党や閣僚の人事は概ね報道されています。次に注目されるのは、具体的な経済政策の方針と解散総選挙の日程になるでしょう。日本の8月鉱工業生産が発表されます。製造業の生産が復調しているかどうかが注目されます。 (野村證券 投資情報部 小髙 貴久) (注)データは日本時間2024年9月30日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。 野村オリジナル記事の配信スケジュール ご投資にあたっての注意点
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09/29 12:00
【10月の投資戦略】日米主要企業の業績は過去最高益が続き、株価に反映するとみる
目次・ボラティリティーの高い状況は時間と共に和らぐ・米国の景気悪化リスクは限定的・米国企業は増益拡大へ・中国のデフレ輸出懸念・日本は物価安定への信頼感が増せば追加利上げ・日本の企業業績の拡大に対しバリュエーションは低下したまま ボラティリティーの高い状況は時間と共に和らぐ 日経平均株価は、米国景気敏感セクターと同じように、ボラティリティー(変動率)の高い状況が続きます。米国の景気減速懸念や、日米の金融政策の方針や金利の修正ペースに対する不透明さと円高リスクが理由とみられます。しかし、米国S&P500指数やNYダウは史上最高値を更新しており、米国経済は順調な拡大が続いています。我々は、時間の経過とともに高水準のボラティリティーは低下し、日本株市場も落ち着きを取り戻すとみており、実体経済や企業業績などのファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)に沿った株価動向に回帰するとみます。 米国の景気悪化リスクは限定的 主要国・地域の景況感は、製造業と比べて非製造業は比較的良好です。米国では、インフレ率が減速する中で、失業率が小幅に上昇しています。しかし、家計の債務や信用リスクの状況などから判断して、スパイラル的な景気悪化リスクは限定的です。利下げが進めば、住宅投資や消費が復調し、景気の下支えになることが期待されます。 米国企業は増益拡大へ 米国大統領選挙の行方が注目されますが、政府の政策推進力を見る上では議会選挙も重要です。他方、FRB高官の見通しによると、利下げは2026年にかけて続くと予想されていますが、金融市場はより早い時期に3%弱まで政策金利が引き下げられ、着地するとみているようです。逆イールド(長短金利の逆転)が解消し、景気軟着陸の可能性は高いとみられます。増益ペースは、大手テクノロジー企業で減速するものの、幅広い業種に増益拡大が広がり、S&P500指数にみるEPS(1株当たり利益)は、2024年終盤以降、二桁増益が続くでしょう。 中国のデフレ輸出懸念 ユーロ圏は中核国のドイツを中心に悪化懸念が強まっています。ECBは四半期に1度のペースでの利下げを続けるとみられます。中国は、不動産市況の低迷などを理由に内需を中心に景気が減速しており、供給能力の過剰を背景とする海外へのデフレの輸出が懸念されます。 日本は物価安定への信頼感が増せば追加利上げ 日本の輸出は自動車などを中心に弱含んでいますが、中国向けへは半導体の国産化などから半導体関連の輸出が増えています。製造業の在庫水準は十分抑制されており、在庫循環は好転入りに至ったとみられます。また、名目賃金は明確に上昇しています。消費者物価(除く生鮮食品)の上昇率は2%を上回って推移しており、賃金上昇を反映した物価の安定への信頼感が増せば、追加利上げが視野に入るとみられます。 日本の企業業績の拡大に対しバリュエーションは低下したまま 日本銀行は、市場のボラティリティーの低下を見極める一方、2025年度以降における、物価目標2%の見通し達成の実現確度の高まりを見て、追加利上げを行う方針にあるようです。金利は緩やかに上昇するとみられます。米ドル円相場は米日金利差縮小を背景に円高が進んできましたが、米国の利下げ期待はだいぶ織り込まれてきたとみられます。自民党総裁選挙後は、新政権の政策や解散総選挙の時期が注目されます。この様な中でも企業業績の拡大は続いており、バリュエーション(株価に基づく企業価値評価)は、大きく低下したままです。野村證券は、2024年末の日経平均株価の予想レンジ上限を40,500円と予想しています。 投資戦略については、日米の政治イベントや金融政策の見通しが見定められるまで、ボラティリティーの高い状況が続くでしょう。しかし、日米ともに主要企業の業績は過去最高益の更新が続くとの見方は不変で、株価は最終的に業績の趨勢に回帰するとみます。 (野村證券投資情報部 小髙 貴久) ※野村證券投資情報部「Nomura 21 Global 10月号」(発行日:2024年9月24日)「投資戦略の概要」より※掲載している画像はイメージです。 Nomura21Global参考銘柄について ご投資にあたっての注意点