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【12月の投資戦略】短期変動に振り回されず、株価の基本観は企業業績にあり

(注)画像はイメージです。 株式市場をみる基本観は企業業績 日米株式市場で、AI関連株の変動が高まっており、その成長性に対する懐疑的な見方もみられます。しかし、論点はAI関連ビジネスの収益化が達成されるかですが、その判断はインフラが整備されビジネスが進み始めてからであり、現在は投資優先の初期段階とみます。我々の基本観は、株式市場は企業業績に沿って推移するとみています。2025年7-9月期決算発表において、日米ともに企業業績は上振れており、連続最高益継続の確度が高まっています。 米国景気は底堅い 米国でトランプ政権の支持率が低下しています。関税によるインフレや政府閉鎖が背景にあり、11月4日のニューヨーク市長と2つの州知事選挙は民主党が勝利しました。米中通商合意では、24%の追加関税が1年先送りされました。自国生産が十分でない輸入食料品も、相互関税から除外されました。関税政策の強化局面は一巡したとみられます。政府閉鎖により経済指標の発表が遅れ、景気判断の視界は不良です。しかし、遅延した政府の支払いは補償や挽回が進み、年末商戦は穏当な伸びが予想されるなど、景気は底堅く推移するとみられます。 米国企業業績は堅調 FRB高官の中に利下げに対する慎重論が広がっています。しかし、インフレ懸念が一巡すれば、いずれ利下げが行われるとの見方は変わりません。政治経済の様々な動きはありますが、企業業績は堅調です。AIインフラの拡充を進める大手テクノロジー企業の巨額な設備投資は、営業キャッシュフローの範囲内と予想されています。テクノロジー企業のPER(株価収益率)でみたバリュエーションは、ITバブル時の正当化し難い水準と比べ、はるかに低い位置にあります。 中国の金融市場は安定している ユーロ圏経済は緩やかな景気回復が続いています。ドイツの積極財政は、2026年以降、国防関連やインフラ投資で効果が表れてくるでしょう。インフレは落ち着いており、ECBは政策金利の据え置きを続けるとみられます。中国は不動産開発投資を中心に不振が続いています。中国政府は景気支援策を進めており、金融市場は安定しています。 日本の企業業績は2025年度減益予想が一転増益に 日本の輸出やインバウンド需要は、米国や中国の不透明さに影響を受け得るものの、製造業の在庫は抑制的な水準を維持しています。高市政権は責任ある積極財政を掲げ、大型の経済対策を策定しました。実質賃金の低迷が続く中、連合は2026年の春闘で5%以上の賃上げと実質賃金1%上昇を目標に掲げました。消費者物価(除く生鮮食品)は、食料品の上昇を中心に、日本銀行の物価目標である2%を超える伸びが続きます。日本銀行は追加利上げに向けた姿勢を維持しています。国債利回りは積極財政による国債増発やインフレ、日銀の利上げなどの見方から、年限の長い超長期国債を中心に上昇が続いています。日本の金利上昇に対して、足元では円安・米ドル高が進みます。輸入物価上昇を通じたインフレも懸念され、為替介入への警戒感が高まっています。このような外部環境の下、企業業績は円安や日米関税交渉の決着などから上方修正が優勢となり、2025年度の減益予想は一転増益となる可能性が高まっています。野村證券は2026年末の日経平均株価の見通しを55,000円としています。 投資戦略については、AI関連企業を中心に株価下落がみられるものの、これらの企業業績はむしろ上方修正が優勢です。米国トランプ政権の不規則な政策実施や、国内外で金利上昇が加速する場合、株式市場のボラティリティー(変動率)が高まる場面もあるでしょう。しかし、株価の基本観は企業業績にあるとの見方は不変で、利益成長への信頼感が高まれば、株価は復調に向かうとみます。 ※野村證券投資情報部「Nomura 21 Global 12月号」(発行日:2025年11月25日)「投資戦略の概要」より 野村證券投資情報部 シニア・ストラテジスト 小髙 貴久 1999年野村総合研究所入社、2004年に野村證券転籍。日本の経済・財政・金融動向、内外資本フローなどの経済・為替に関する調査を経て、2009年より投資情報部で各国経済や為替、金利などをオール・ラウンドに調査。現在は日本株に軸足を置いた分析を行う。2013年よりNomura21Global編集長を務める。 Nomura21Global参考銘柄について ご投資にあたっての注意点

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