新着
482件
-
05/13 17:00
【今週の米国株】NYダウ連騰、「プチ金融相場」継続は15日(水)のCPI次第
※執筆時点 日本時間13日(月)12:00 今週:NYダウ連騰、プチ金融相場に ※5月3日(金)-5月10(金)5営業日の騰落 5月3日(金)発表の24年4月雇用統計で、非農業部門雇用者数と平均時給がいずれも市場予想を下回りました。また、4月30日(火)-5月1日(水)に開催されたFOMC(米連邦公開市場委員会)後にパウエルFRB議長は「利上げの可能性は低い」と述べています。こうしたことを背景に、米長期金利の上昇は一服し、4.5%近辺で推移しています。野村の2010年1月以降の集計を基にした試算によれば、雇用者数下振れと賃金下振れが重なる場合、しばらくは株高になりやすいものの、雇用統計発表日から30営業日後以降は株高一服の傾向もあります。5月雇用統計から30営業日後は6月11日(火)-12日(水)の6月FOMC頃にあたります。 4月雇用統計は年内利下げの支援材料に 2024年4月の非農業部門雇用者数は前月比+17.5万人の伸びとなり、市場予想(同+24万人)を下回りました。また、時間当たり平均賃金は同+0.2%と、こちらも市場予想(同+0.3%)を下回りました。時間当たり平均賃金の伸びの鈍化は、再びインフレ鈍化傾向に戻るとの市場期待への支援材料となります。 雇用者数の伸びは依然として相対的に堅調であるため、FRBは金融緩和への方向転換を辛抱強く待ち続けることになります。FRB(米連邦準備理事会)は今年後半の利下げを検討しており、野村は引き続き、今年7月と12月に0.25%ポイントの利下げが行われると予想しています。 今週のポイントは2点です。 15日(水)の4月米CPI(消費者物価指数) 5月15日(水)に4月米CPI(消費者物価指数)が発表されます。前述の通り、今週の株価上昇が4月の下落要因であったインフレ再燃懸念が和らいだことが主因であることから、株高の持続力はCPI次第といえるでしょう。 野村では、食料品とエネルギーを除くコアCPI上昇率を前月比+0.328%と、3月(同+0.359%)からやや鈍化する公算が大きく、インフレ再加速への懸念がやや和らぐと予想しています。モノの価格(中古車価格や新車価格などのコア財)が同+0.228%と3月の同-0.153%から下げ止まる一方、サービス価格(貸家賃料、持家帰属家賃、輸送サービス、保険、航空運賃などのコアサービス)が同+0.42%と3月の同+0.525%から鈍化する傾向を予想しています。 この予想を前提とした場合の4月のコアPCE(個人消費支出)デフレーター(31日発表予定)は同+0.244%と、3月の同+0.317%から減速すると予想されます。この前月比上昇率は、連邦準備制度理事会(FRB)の+2%のインフレ目標比では高いものの、4月のコアインフレ率が予想通り鈍化すれば、1-3月期のコアインフレ率の急上昇は予想外だったものの、再加速はしないだろうとのFRBの見方を後押しする可能性が高く、7月の利下げへの道を開くと考えています。 米主要企業の2-4月期決算発表スタート、まず16日(木)のWMT等 FRBが「やがては利下げに踏み切るものの、予想よりも利下げペースは緩やかである、従って米長期金利の低下ペースも緩やか」との想定下でも、業績が堅調に推移するのであれば、それが株価上昇のドライバーになることが想定されます。今後の株価を考えるにあたっては、決算の重要度はより高まります。 (注1)ポジティブサプライズ比率は、S&P 500 企業のうち決算実績がアナリスト予想平均を上回った企業の比率。2024年1-3月期には、2023年12月-2024年2月期決算、2024年2-4月期決算企業も含む。(注2)直近4四半期平均とは2023年1-3月期~2023年10-12月期の平均。長期平均とは、売上高は2002年以降、純利益は1994年以降の平均。(注3)LSEGによる2024年5月3日時点(売上高について399社、純利益について397社)の集計。(出所)LSEGより野村證券投資情報部作成 これまでの2024年1-3月期決算を振り返ると、決算実績がアナリスト予想を上回る企業の比率(ポジティブサプライズ比率)が、引き続き多数を占めています。しかし、売上高については、同比率は直近4四半期平均や長期平均を下回っており、この点は注意が必要です。 小売とテック決算の1ヶ月へ 2-4月期決算は小売と情報技術が集中します。まずは、14日(火)のホームセンター大手のホーム・デポ、16日(木)のスーパーマーケット大手のウォルマート等の決算発表で米小売の状況を確認したいと考えます。ホーム・デポ決算では住宅関連への消費、ウォルマート決算では生活必需品への消費と米経済全体への示唆にも富むため、市場の注目度も高いと言えます。15日(水)にはソフトウェア大手のシスコ・システムズ、16日(木)には半導体製造装置大手のアプライド・マテリアルズが発表されます。いずれも2-4月期のテック決算発表のトップバッターでもあり、22日(水)にエヌビディア決算を前に注目が集まります。 米小売はマクロ統計にも注目 また、15日(水)には4月米小売売上高も発表されます。3月は裁量的(生活必需品ではない)品目の構成比が高い業種の売上が低調でした。インフレの高止まりが続く中で米国の消費者は選別志向を強めていると推察されますが、この傾向が続くかを確認したいと考えます。 (野村證券投資情報部 小野崎 通昭) ご投資にあたっての注意点 要約編集元アナリストレポートについて 野村オリジナル記事の配信スケジュール
-
05/13 15:59
【野村の夕解説】日経平均株価、反落 材料難の中、方向感を欠く (5/13)
(注)画像はイメージです。 本日の動き 本日の日経平均株価は前週末比17円安の38,211円で取引を開始しました。前週末の米国株式市場がまちまちな結果となった流れが、国内株式市場でも続きました。寄り付き後早々に上昇に転じる場面もありましたが、材料難の中、前週末終値をやや下回る水準でもみあいとなりました。債券市場では、日銀が通知した定例の公開市場操作で、長期債の購入予定額を減らしたことにより、長期金利が約半年ぶりの水準まで上昇したものの、株式市場への影響は限定的でした。その後も日経平均株価には大きな動きはなく、前週末比49円安の38,179円と小幅に反落して、本日の取引を終えました。 個別では、KDDIやオリンパスが前週末引け後に2024.3期決算と同時に発表した自社株買いが好感され、2銘柄で日経平均株価を約60円押し上げました。一方で、東京エレクトロンも2024.3期決算と同時に自社株買いを発表したものの、自社株買いの内容が、自己株式を除く発行済み株式総数の0.8%に留まったことが失望されました。また、セコムも前週末に2024.3期決算と自社株買いを発表したものの下落し、2銘柄で日経平均株価を約62円押し下げました。 本日の市場動向 ランキング 本日のチャート (注)データは15時15分頃。ドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。(出所)Quickより野村證券投資情報部作成 (野村證券投資情報部 磯崎 博志) ご投資にあたっての注意点
-
05/13 09:30
【今週の注目決算】三菱UFJ、三井住友FG、みずほFGなど(2024年5月第3週)
日本企業の2024年1-3月期の決算発表が終盤戦に突入します。代表的な銘柄では、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)、三井住友フィナンシャルグループ(8316)、みずほフィナンシャルグループ(8411)のメガバンク3社、ソフトバンクグループ(9984)、ENEOSホールディングス(5020)などが決算発表を予定しています。 (野村證券投資情報部 デジタル・コンテンツ課) ご投資にあたっての注意点
-
05/13 08:19
【野村の朝解説】NYダウは8日続伸も、インフレ懸念が重しに(5/13)
(注)画像はイメージです。 海外市場の振り返り 10日の米国株式市場で、NYダウは8日続伸となり4万ドルが再び視野に入った一方、ナスダック総合は小幅に反落となりました。米連邦準備理事会(FRB)による年内利下げの観測を背景に主要3指数は上昇して始まりましたが、その後は失速し前日引け値付近で小動きが続きました。引けにかけては生活必需品や公益などディフェンシブ銘柄が買われ、堅調な値動きとなりました。この日発表された経済指標では、5月のミシガン大学消費者マインド(速報値)が67.4と市場予想(76.2)を大きく下振れ、昨年11月以来の低水準に落ち込みました。1年先の期待インフレ率および5-10年先の期待インフレ率がいずれも市場予想を上回り、消費者心理の重石になったと見られます。発表を受けて米10年国債利回りは4.5%付近にまで上昇、米国のインフレの鎮静化には時間がかかり、FRBによる利下げ開始が遅れるとの見方が広がりました。 相場の注目点 米国では今週は14(火)に4月生産者物価指数、15日(水)に5月NY連銀製造業景気指数、4月消費者物価指数、4月小売売上高、16日(木)に4月住宅着工・建設許可件数、4月鉱工業生産など、重要指標の発表が相次ぎます。足元では雇用や景況感関連など一部の経済指標が下振れるなか、インフレの緩やかな減速と景気堅調が共存する軟着陸の実現が容易でないことが、改めて意識されています。FRB議長は、利下げはデータ次第との姿勢を崩しておらず、米金融政策の先行きを見極めるうえで引き続き経済指標に注目が集まります。日本では、15日(水)に4月訪日外国人客数、16日(木)に2024年1-3月期実質GDP成長率(1次速報)が、景気支援策への期待が高まっている中国では、17日(金)に4月小売り売上高・鉱工業生産、1-4月固定資産投資、不動産投資が発表されます。 (投資情報部 引網 喬子) (注)データは日本時間2024年5月13日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。 野村オリジナル記事の配信スケジュール ご投資にあたっての注意点
-
05/12 12:00
【特集】高値からの積立投資を検証する バブル期から月1万円積み立てた評価額推移
バブル期、1989年末の日経平均株価最高値から2024年3月まで月1万円の積立投資を続けたとしたら評価額はどうなっていたでしょうか。シミュレーションしました。 積立投資はマーケットがどのような状態のときに始めるのがいいのでしょうか。2024年2月に日経平均株価は34年ぶりに最高値を更新しました。3月下旬以降株価は調整しましたが、「もう少し株価が下がったら積立投資を開始したい」と思っている方もいるかもしれません。 では、もし34年前の最高値のときから積立投資を始めたとしたら、どうなっていたでしょうか。野村證券投資情報部が試算しました。 1989年のバブル期最高値から始めた日経平均の積立投資、その投資成果は? こちらは日経平均株価がバブル期最高値の38,915円を付けた1989年12月末から、日経平均に毎月末1万円の積立投資を始めた場合の試算です。 (注)データは月次の終値ベースで、1989年末から2024年3月末日まで。積立投資は、日経平均に毎月末に10,000円ずつ投資をするとして計算。手数料、税金等は考慮していません。上記は過去の実績をもとにした試算結果であり、将来の投資成果を予測・保証するものではありません。局面によっては、積立による投資成果が期待できない場合があります。(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成 約19年後、2009年2月末には日経平均はバブル期以降の月末値の最安値、バブル・ピーク時の約1/5となる7,568円まで下がりました。それに対して積立投資の評価額は115万円で、累計投資額231万円の約1/2の水準に留まっています。 その後2013年4月末になると日経平均は、ピーク時の約1/3の13,860円まで戻しました。その時の積立投資の評価額は283万円となり、累計投資額の281万円を上回ってきました。つまり利益が出た状況になったわけです。 積立投資の継続で日経平均が低迷している期間に、より安い価格で多くの口数の買い付けができたことで平均買付コストが下がり、日経平均が高値に比べて低水準でも評価額がプラス圏に浮上できたといえます。 そして2024年3月末の日経平均が40,369円に達した段階では、積立投資の評価額は1,077万円となりました。累計投資額の412万円の約2.6倍になり、大幅に含み益の状況になりました。 積立投資の推移(試算)の特徴 積立投資の評価額(オレンジのグラフ)を見ると積立投資を始めた初期においては、買い付けた累計口数がまだ少ないため、投資対象(ここでは日経平均株価)の価格変動の影響が、金額として相対的に小さいことが分かります。 時間の経過とともに買い付けた累計口数が多くなるため、投資対象が価格変動することによる影響は金額的に大きくなります。つまりグラフが右側に行くほど金額のブレ幅は大きくなる傾向が見て取れます。 積立投資は、毎月同じ金額を投資することで、価格が安いときには多く、高いときには少ない量を自動的に購入できる、というメリットがあります。一定口数での買い付けと比較した場合、平均的な買い付けコストを低く抑えることが期待でき、これは投資対象の価格が上昇した際の投資効果を、さらに高めることにつながります。 本例でも明らかなように、積立投資を始める際は投資対象の価格が高いか安いかを気にするよりも、長期的な投資を通じて、平均的な買い付けコストを低く抑えることが期待できる積立投資のメリットを最大限活用することが重要となります。 ※本コラムで取り上げられた投資に関する基本的な考え方などについては、あくまで個人の見解によるものであり、野村證券の意見を代表するものではございません。 ご投資にあたっての注意点
-
05/12 09:00
【注目トピック】米国決算まとめ – 全般的にアナリスト予想が引き上げられた
※画像はイメージです。 米国:2024年1-3月期決算レビュー 24年1-3月期は前年同期比+5.1% 5月3日までに、S&P 500 指数構成企業のうち399社が、2024年1-3月期決算(2023年12月-2024年2月期決算企業も含む)を発表しました。LSEGの集計では、同期のEPS(1株当たり利益)は前年同期比+5.1%の55.78ドルと推定されています。 今回の決算発表シーズンが始まる直前の4月5日時点の集計では、前年同期比+3.5%の54.95ドルと推定されていました。 ※(アプリでご覧の方)2本の指で画面に触れながら広げていくと、画面が拡大表示されます。 2024年1-3月期は、決算実績がアナリスト予想を上回る企業の比率(ポジティブサプライズ比率)が、引き続き多数を占めています。しかし、売上高については、同比率は直近4四半期平均や長期平均を下回っており、この点は留意したいと思います。 年度EPS予想は全般的に引き上げ 年度ベースでのEPS予想についてみると、2023年の前年比微増益に対し、2024年以降は明確な増益基調が予想されています。 2024年1-3月期決算発表が本格化する直前の2024年4月5日時点の集計と比較すると、2024年以降の年度EPS予想は、各年度とも上方修正されています。 決算発表が始まる前も、2024年以降について米国企業の業績は増益基調となるとはみていたものの、足元の経済環境や地政学的リスクの高まりなどを受けて、慎重に業績を予想していたアナリストが相応いたものとみられます。 しかし、これまでの決算実績は事前予想を上回る企業が多かったため、全般的に業績予想が引き上げられていると推察されます。 今後の留意点 今後は、2024年2-4月期を決算期とする小売企業やソフトウエア企業などの決算発表が始まります。 なお、5月15日には米商務省から4月小売売上高が発表されます。3月は裁量的(生活必需品ではない)品目の構成比が高い業種の売上が低調でした。ウォルマートやホーム・デポなどの決算が発表された際には、足元の業績動向に加え、会社業績予想や経営陣のコメントなどを通して米国の個人消費の動向についても確認し、4月小売売上高と併せて、米国経済への示唆が得られないか、チェックしていきたいと考えます。 (野村證券投資情報部 村山 誠) ご投資にあたっての注意点
-
05/11 19:00
【野村の動画】セル・イン・メイ ‐ 「株は5月に売り逃げろ」は有効か? 長期日米株価から検証
「セル・イン・メイ」という相場の格言をご存じでしょうか。「5月にいったん売り逃げろ」という米国などで言い伝えられてきた先人の教えです。これには「ただし9月にはマーケットに戻ってこい」という続きの言葉があり、マーケットが軟調になりやすい5月から夏場の間は相場から離れた方が賢明なことを示唆しています。セル・イン・メイの捉え方について、野村證券で個人投資家向けに株式投資の情報を提供している投資情報部に過去の株価変動の検証を踏まえて話を聞きました。 ご投資にあたっての注意点
-
05/11 09:00
【オピニオン】円安と日銀の金融政策を巡る関係
※画像はイメージです。 2024年4月29日、ドル円相場は一時1ドル=160円台と34年ぶりの円安水準を更新しました。その直後には本邦通貨当局が為替介入を実施したと見られ、155円を割り込む場面もありました。5月1日には158円近辺で再び為替介入が行われた模様で、5円程度円高が進行するなど、ドル円市場は市場の円安圧力と本邦通貨当局の為替介入との間で変動の激しい相場展開を続けています。 円安ドル高の主因は日米金利差の拡大だと見られますが、足元で円安が加速した契機として、円安に対する植田日銀総裁の様子見姿勢が挙げられます。日銀は4月25-26日の金融政策決定会合で、予想通り政策金利を据え置きました。市場では円安を牽制する意味もあり、国債買入ペースの減額に関する何らかの示唆があるのではないかとの見方もありましたが、この点についても日銀からは特段アナウンスはありませんでした。 会合後の記者会見で植田総裁は、今後の金融政策運営に関して「経済・物価見通しが実現し、基調的な物価上昇率が上がっていくとすれば、金融緩和度合いを調節していくが、当面は緩和的な金融環境が継続すると考えている」と、従来の政策姿勢を繰り返しました。円安に関しては「基調的な物価上昇率への大きな影響はないと、みなさん(日銀の政策委員)が判断した」と述べ、差し迫った警戒感を示しませんでした。 植田総裁は23年4月の総裁就任以降、円安進行時にタカ派的(金融緩和解除に積極的)な発言を行い、円安をけん制する姿勢を見せてきました。このことから、植田総裁の様子見的発言が、「円安阻止を意図して日銀が早期利上げを実施する可能性は低い」との見方を喚起し、円安につながったと見られます。 日銀は政策判断のと主柱として「基調的な物価上昇率」の動向を据え、この点において足元の円安の影響は小さいと判断しています。輸入物価の前年比上昇率を前回為替介入を実施した2022年と比較すると、足元で輸入物価の上昇率はゼロ近辺にあり、円安による影響をとっても22年時の半分程度であることがわかります。 植田総裁は5月7日、岸田首相との会談後、円安についても協議したことを認め「経済・物価に潜在的に大きな影響を与え得るものであり、最近の円安について日銀の政策運営上、十分注視していくことを確認した」と、やや円安を警戒するトーンを強めました。円安基調に変化が見られなければ、植田総裁の発言はタカ派色が色濃くなる可能性がありそうです。ただし、政策判断においては基調的な物価動向が最重要である点に変わりはありません。 ※(アプリでご覧の方)2本の指で画面に触れながら広げていくと、画面が拡大表示されます。 (注)データは月次で、直近値は2024年3月。円安の影響は契約通貨建てと円建て輸入価格の前年比上昇率の差。(出所)LSEGより野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点
-
05/11 07:00
【来週の予定】日本通貨当局の発言が為替の行方の手がかりとなるか
来週の注目点:日本の通貨当局のスタンス、米国の経済指標 日本のゴールデンウィーク中に大幅に変動したドル円レートは、足元で緩やかな円安が継続しています。背景にあるのは金利差です。米国では景況感など一部の経済指標が下振れていますが、インフレの粘着性に鑑みれば、利下げ転換には時間が掛かると見られています。一方、日銀は、利上げに向かってもその余地は乏しいと見られており、日米の金利差が開いた状態が続くと予想されています。 米国では、パウエルFRB(米連邦準備理事会)議長が利下げはデータ次第との姿勢を崩しておらず、引き続き経済指標に注目が集まります。14日(火)に4月生産者物価指数、15日(水)に5月NY連銀製造業景気指数、4月消費者物価指数、4月小売売上高、16日(木)に4月住宅着工・建設許可件数、4月鉱工業生産など、重要指標の発表が相次ぎます。弱い経済指標が続けば、ドル高圧力の緩和が見込まれます。 今後の為替レートを占う上では、日本の通貨当局の発言にも注目です。日銀の植田総裁は足元で円安による物価上振れの可能性を示唆しており、日銀のスタンスに明確な変化が生じるか、注目です。日本の経済指標は、15日(水)に4月訪日外国人客数、16日(木)に2024年1-3月期実質GDP(1次速報値)が発表されます。野村證券では、実質GDPは前期比年率-2.6%と、2四半期ぶりにマイナスに転じると予想します。民間消費や設備投資、輸出、政府消費、住宅投資の減速が実質GDPを下押しすると見ています。 景気支援策への期待が高まっている中国では、17日(金)に4月小売売上高・鉱工業生産、1-4月固定資産投資、不動産投資が発表されます。外需の改善や中国製品の輸出価格の下落を受けて、好調な輸出が4月の鉱工業生産の押し上げ要因になる可能性があります。 (野村證券投資情報部 坪川 一浩) (注1)イベントは全てを網羅しているわけではない。◆は政治・政策関連、□は経済指標、●はその他イベント(カッコ内は日本時間)。休場・短縮取引は主要な取引所のみ掲載。各種イベントおよび経済指標の市場予想(ブルームバーグ集計に基づく中央値)は2024年5月10日時点の情報に基づくものであり、今後変更される可能性もあるためご留意ください。(注2)画像はイメージです。(出所)各種資料・報道、ブルームバーグ等より野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点