【今週のチャート分析】6月下旬の変化で見えた、日経平均中長期上昇シナリオ
※画像はイメージです。
※2025年7月17日(木)引け後の情報に基づき作成しています。
25日移動平均線を下支えとして再度4万円台へ
今週の日経平均株価は、円安進行が好感された一方、週末の参議院議員選挙や米関税政策に対する警戒感などから、上値は限定的でした。
チャート(図1)でこれまでの動きを見ると、6月下旬に5月以降の中段保ち合いを上放れし、年初来高値(6月30日、ザラバベース:40,852円)をつけました。その後は押しが入りましたが、これまで下支えとなってきた25日移動平均線(7月17日:39,325円)が今回も下支えとなっており、今後も同様の動きが続くか注目されます。仮に同線を割り込んだ場合は200日線(同:38,151円)が次の下値メドとして挙げられます。
(注1)直近値は2025年7月17日時点。(注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成
一方、週足チャート上(図2)では、6月下旬の大幅上昇により、52週移動平均線(7月17日:38,031円)と昨年7月高値以降の下降トレンドライン(6月中旬:38,300円前後)を明確に上抜けました。これにより中長期上昇トレンド入りの可能性が高まっています。この先4万円台を回復となれば、年初来高値(6月30日:40,852円)更新を目指す動きが期待されます。
(注1)直近値は2025年7月17日時点。(注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成
夏枯れを越えて高値更新なるか、2027年には5万円台への試算値も
日経平均株価は6月末に4万800円台を付けたものの、その後は上値の重い展開が続いています。今回は4月以降の動きを振り返り、中長期的な視点で今後の見通しを考えてみましょう(図2・図3)。
日経平均は今年4月の安値形成後に急速に上昇しましたが、52週移動平均線付近で一時的に戻り待ちの売りが優勢となりました。この52週線は1年間の週末終値の平均で、実質的に年間のコストとして意識されやすいためです(図2)。
しかし、6月下旬には中東情勢の緊張緩和や米ハイテク株の上昇を背景に、下降トレンドラインと52週線を明確に上抜けました。これにより、今年4月安値付近まで再度下落するリスクが低下し、中長期の上昇トレンドに入った可能性が高まっています。
7月に入って一時調整していますが、夏枯れ相場となっても52週線が下支えとなる動きが期待されます。調整後の上昇が続けば、まずは昨年7月の史上最高値更新が注目されます。前回の中長期上昇局面(22/3~24/7)の上昇倍率(1.7倍)や上昇期間(約2年)を今年4月安値に当てはめて試算すると、2027年には5万円台の達成も視野に入っています(図3)。
(注1)直近値は2025年7月17日時点。(注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。(注3)日柄は両端を含む。(出所)日本経済新聞社、各種資料より野村證券投資情報部作成
(野村證券投資情報部 岩本 竜太郎)
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