閉じる
閉じる

12:00

【注目トピック】米国株決算分析 アナリスト達は業績予想を慎重にみている

※画像はイメージです。 米国:2025年1-3月期決算レビュー 25年1-3月期は前年同期比+9.7%推定 5月2日までに、S&P 500 指数構成企業のうち357社が、2025年1-3月期決算を発表しました。LSEGの集計では、同期のEPS(1株当たり利益)は前年同期比+9.7%の62.06ポイントと推定されています。 ※(アプリでご覧の方)2本の指で画面に触れながら広げていくと、画面が拡大表示されます。 (注)推定・予想は2025年5月2日時点のLSEG集計による市場予想平均。2025年1-3月期には、2024年12月-2025年2月期決算、2025年2-4月期決算の企業も含む。 (出所)LSEGより野村證券投資情報部作成 (注)推定・予想は2025年5月2日時点のLSEG集計による市場予想平均。2025年1-3月期には、2024年12月-2025年2月期決算、2025年2-4月期決算の企業も含む。 (出所)LSEGより野村證券投資情報部作成 今回の決算発表シーズンが始まる直前の4月4日時点の集計では、前年同期比+6.2%の60.05ポイントと予想されていました。これまでのところ、純利益の決算実績がアナリスト予想を上回る企業の比率(ポジティブサプライズ比率)は74.2%と多数を占めており、実績は上振れしています。 一方で、2025年4-6月期の予想については、直近の集計では前年同期比+5.2%と予想されていて、3月28日時点の同+8.4%よりも、増益率は鈍化が予想されています。 (注1)ポジティブサプライズ比率は、S&P 500 企業のうち決算実績がアナリスト予想平均を上回った企業の比率。2025年1-3月期には、2024年12月-2025年2月期決算、2025年2-4月期決算の企業も含む。(注2)直近4四半期平均とは2024年1-3月期~2024年10-12月期の平均。長期平均とは、売上高は2002年以降、純利益は1994年以降の平均。(注3)LSEGによる2025年5月2日時点(売上高について356社、純利益について357社)の集計。 (出所)LSEGより野村證券投資情報部作成 アナリスト達は慎重に見直している模様 アナリストの企業業績予想の修正動向を示すリビジョンインデックスは、概ね3ヶ月周期で循環的に動く傾向がみられます。 直近では、2024年10-12月期決算発表が始まる直前の2024年12月下旬に1を下回り始め(=下方修正優位)、同期の決算発表が概ね一巡した後も回復せずに、2025年1-3月期決算発表シーズンを迎えました。 (注) S&P 500 指数構成企業のリビジョンインデックス。リビジョンインデックスは直近4週間にアナリストが業績予想を上方修正した銘柄数/下方修正した銘柄数で計算。指数が1を上回ると上方修正優位、1を下回ると下方修正優位と判断される。FY1は予想1期目、FY2は予想2期目。直近値は2025年4月30日時点で、12月決算企業の場合、FY1は2025年12月期、FY2は2026年12月期。 (出所)LSEGより野村證券投資情報部作成 前述の通り2025年1-3月期は7割超の企業で決算実績が事前予想を上回ったにも関わらず、アナリスト達の業績予想の下方修正が続いています。トランプ政権の関税政策や、政府効率化省による連邦政府業務見直しの影響などの不透明要因から、アナリスト達は引き続き業績予想を慎重にみていると推察されます。 (注)推定・予想はLSEG集計による2025年5月2日時点の市場予想平均。カッコ内の数値は2025年4月4日時点の市場予想平均。 (出所)LSEGより野村證券投資情報部作成 今後の留意点 今後、2025年2-4月期を決算期とする小売企業やソフトウエア企業の決算発表が本格化します。決算が発表された際には、会社業績見通しや経営陣のコメントなどを通して、関税の企業業績に与える影響など、状況を把握していきたいと考えます。 (野村證券投資情報部 村山 誠) ご投資にあたっての注意点