【野村の朝解説】利下げ観測の後退が米国株の重石に (11/17)
(注)画像はイメージです。
海外市場の振り返り
14日の米国株式市場では、ハイテク関連銘柄の一部に買いが入ったことから持ち直したものの、NYダウとS&P500は小幅安で引けました。FRB高官からは連日、追加利下げに慎重なコメントが相次いでいることが重石となっているようです。また、19日には半導体大手エヌビディアの決算発表を控えていることも、様子見ムードにつながった可能性があります。為替市場では、円が米ドルに対して一時153円台半ばまで上昇したものの、行って来いの展開となり、結局154円台半ばで引けました。
相場の注目点
米労働統計局は9月の雇用統計を11月20日に発表することを明らかにしました。同統計は、政府閉鎖前に集計が終わっていました。過去の事例を踏まえれば、家計調査や消費者物価など、集計が困難な一部を除き、発表が遅延している多くの統計が発表される見込みです。債券市場では、多くの市場参加者がこれらのデータがFRBの政策判断に与える影響を警戒しているようです。背景には、ここ数日、FRB高官からは12月の利下げに対して慎重な発言が相次いでいることが挙げられます。株式市場では、12月9~10日のFOMCでの利下げ見送りは、ハイテク関連株売りにつながるとの見方もあります。一方、国債市場では、株安がリスク回避の国債買いを促すとの見方もあり、売り・買い両面の見方が交錯しています。
今週の米国では、19日にエヌビディアの決算発表が控えているほか、ホーム・デポ、ターゲット、ウォルマートなど大手小売企業の決算発表が予定されています。足元の消費動向や年末商戦に関する手掛かりが得られる可能性があります。
本日のイベント
日本では2025年7-9月期の実質GDP(1次速報値)が発表されます。
(野村證券 投資情報部 尾畑 秀一)
注)データは日本時間2025年11月17日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、中心限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。
ご投資にあたっての注意点