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08:11

【野村の朝解説】政府機関の再開期待で、NYダウは最高値(11/13)

(注)画像はイメージです。 海外市場の振り返り 12日の米国株式市場で、NYダウが連日で過去最高値を更新しました。米政府機関の再開に向けたつなぎ予算案は12日中にも下院を通過する見通しで、米景気の下押し圧力が弱まるとの見方が広がり、金融や資本財などの景気敏感株が買われました。一方、大手半導体のアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が大幅高となったものの、アマゾン・ドットコムやメタ・プラットフォームズなど一部の大型ハイテク株が下落し、ナスダック総合指数は続落となりました。為替市場では、一時1米ドル=155円台と、9ヶ月ぶりの安値を付ける場面がありました。また、米政府機関の再開に関連して、ホワイトハウスのレビット報道官は12日、10月分の雇用統計や消費者物価指数が公表されない可能性が高いと述べています。 相場の注目点 米国株には冬場に株価が上昇しやすいというアノマリー(経験則)があると言われますが、今年もそのアノマリーを実現させるにはAI関連株の成長性に対する投資家の信頼回復が欠かせません。過去最長となった米政府機関の閉鎖が再開にメドがついたことを受け、NYダウが連日で過去最高値を更新するなど、米国株の持ち直し機運が高まっています。しかし、これまで相場を牽引してきたAI関連銘柄は勢いが戻っておらず、ナスダック総合指数は上値の重い状況にあります。大手ハイテク企業の2025年7-9月期決算では、AIインフラへの旺盛な投資が継続していることが示されましたが、一方で巨額投資に見合う収益が得られるかについて懐疑的な見方が広がっています。本日、日本ではキオクシアHDが7-9月期決算、米国ではアプライド・マテリアルズが8-10月期決算を発表する予定です。また、来週19日にはエヌビディアの8-10月期決算も控えています。一連の半導体関連企業の決算を通じて、AIインフラへの投資を巡る懸念が後退するかが注目されます。 (野村證券 投資情報部 岡本 佳佑) 注)データは日本時間2025年11月13日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、中心限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。 ご投資にあたっての注意点