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11/23 09:00
【業界展望】化粧品・トイレタリー:直近決算と24年の見方
化粧品:2024年は中国消費の回復がカギ 化粧品企業の23年7~9月期決算は、国内販売は好調だった。コロナ禍からのリオープンによる内需回復、訪日外客数増加によるインバウンド売上回復が背景にある。一方、海外販売は欧米では堅調であったが、中国本土で減速した。①中国海南島や韓国の免税市場での代購業者への転売規制、②福島原発からのALPS(多核種除去設備)処理水放出に伴う風評影響があったためで、全体的には厳しい決算と言える。 国内はこれまで高価格帯と低価格帯が回復の中心であったが、ボリュームゾーンである中価格帯にも回復の兆しが見られ、市場全体が良化している。10月までの百貨店やドラッグストアでの販売動向も良好な状況が継続しており、23年中は国内消費者の活発な購買活動が期待出来よう。24年以降はリオープン効果が一巡することで内需の成長率はコロナ禍前の1桁前半程度に減速すると考える。ただし、航空便数増加等により訪日中国人数が回復すると見込まれ、インバウンド売上を牽引すると考える。コロナ禍前は化粧品の免税販売の約9割を中国人が占めたとされる。足元の訪日中国人数はコロナ禍前の約3割に留まり、百貨店の消耗品の免税販売も同3割と、一定の連動性があろう。加えて、コロナ禍前と比べて為替が20~30%程度円安水準にあるため日中価格差が拡大し、割安感から日本で購買するメリットが増していよう。 海外は主要販路である中国で先述の2点の影響を受けるが、両課題とも改善に向かっていると判断している。①5月に転売規制が強化されてから海南省で在庫調整が継続しているが、統計等を踏まえると製品消化が進捗している。②化粧品等の販促では、当初はEC(電子商取引)等のKOL(Key Opinion Leader、影響力を持つ専門家)が日本ブランドの販促を断る事案も発生したが、処理水報道の沈静化に伴い回復傾向にある。実際、化粧品各社は両影響の終息を24年1~3月期とコメントしており、一つの目安と言える。国内化粧品企業の海外事業は中国人消費への依存度が高く、短期的には他地域でのカバーは難しい。24年度は中国人消費獲得がカギと野村ではみており、現地で注力ブランドの育成が進む資生堂の業況に注目している。 トイレタリー:値上げと海外展開力に注目 トイレタリー企業の7~9月期決算は、国内業績の改善が進んだ一方で、海外は中国の減速を背景に前四半期比で減速した企業が多かった。トイレタリー全体の方向感は化粧品同様に厳しいものであったが、国内を中心に業況に変化がみられたと言える。 国内業績の改善は各社が取り組んできた値上げが浸透してきたことが要因である。国内は商習慣の違い等から、海外と比較して値上げの進捗が遅れてきたが、既存品の値上げやリベートの抑制、新製品による単価引き上げ等が寄与した。原材料高影響のピークアウトも業績改善に寄与した。現状では24年上期にかけて値上げ効果、原材料安メリットは継続すると考え、国内は堅調な業績推移を野村では予想している。 今後の注目ポイントとしては、各社の24年の値上げ方針と考える。コスト面では中東情勢の悪化等を背景に原油価格が再び上昇基調にあるうえに、円安による輸入物価の上昇が見込まれる。23年度の原材料価格の前提となる原油価格は約90ドル/バレル(1~6月期が約100ドル/バレル、7~12月期が約80ドル/バレル)とみており、足元の原油価格の水準が継続すると24年下期は再び原料高となり、業績の下押し要因となる可能性が高い。現状で各社が取り組む値上げ効果が一巡するのは24年上期と考える為、それ以降の価格施策に注目する。 一方、国内市場は中期的に人口減少等で大きな成長は見込みにくい。そのため、高い市場成長率が見込める海外での事業拡大がトイレタリー企業にとって当面の課題となろう。日本ブランドは品質や技術力の面で、グローバル企業に勝るものがあると野村では考えている。しかし、P&G やUnilever といったグローバル大手企業と比較して事業展開は後発であり、かつ事業規模の面でも経営リソースは限られる。競争に勝ち残っていくには、注力する地域やカテゴリーの選別等が必要と考えている。 この観点ではユニ・チャームの業況に注目している。同社は国内やアジアを中心とした海外で高いシェアを獲得し、海外売上高比率は22.12期で約7割を占めるなど、トイレタリーセクターの国内他社以上に海外展開が進んでいる。紙おむつや生理用品等の不織布・吸収体製品に経営リソースを集中投下していることが国内やアジアを中心とした海外での高いシェアの獲得につながっており、価格決定力の高さから国内外で値上げの恩恵を享受してきた。今後原材料高となった場合でも業績の耐久力は高いと野村では考えている。 (野村證券エクイティ・リサーチ部 大花 裕司) ※野村週報 2023年11月20日号「産業界」より ※掲載している画像はイメージです。 【FINTOS!編集部発行】野村オリジナル記事配信スケジュールはこちら ご投資にあたっての注意点
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11/22 19:00
【野村の動画】投資家に買われた「配当利回り3%以上」銘柄は?トップ20を紹介(2023年8-10月分)
2023年8月1日~2023年10月31日の期間で、野村證券の個人口座で買い付けられた銘柄の中から、今期予想配当利回りが2023年10月31日時点で3%以上だった銘柄を抽出しました。約定件数順に上位20銘柄を紹介いたします。 ご投資にあたっての注意点
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11/22 16:12
【イブニングFINTOS!】日経平均株価、朝高後上昇に転じるも、伸び悩み(11/22)
本日の株式市場 前日の米国株式市場で主要3指数は揃って下落しました。加えて、米国時間引け後に米国半導体大手エヌビディアが決算を発表し、2023年8-10月期決算は市場予想を大幅に上回る良好な決算だった一方で、株価は時間外取引で下落しました。この流れを受けて、日経平均株価は、前日比171円安の33,182円で取引を開始しました。一方、イスラエルが、パレスチナ自治区ガザでの戦闘を4日間停止すると伝わったことや、押し目買いが相場を支え、間もなく前日比上昇に転じると、一時、前日比239円高の33,593円まで上げ幅を広げる場面も見られました。後場に入ると祝日を前に新たな材料に乏しい中、伸び悩み、前日比97円高の33,451円で取引を終えました。 個別では、アドバンテストや東京エレクトロンなど、半導体関連株の一角が終日軟調となり、2銘柄で日経平均株価を77円超、押し下げました。 本日発表予定の海外経済指標等 【米国】・10月耐久財受注(前月比) (コア)前月:+0.5% 予想:+0.2% (注)経済指標などの市場予想はブルームバーグによる市場コンセンサス予想。時間は日本時間。(出所)東京証券取引所等より野村證券投資情報部作成 ※掲載している画像はイメージです。 【FINTOS!編集部発行】野村オリジナル記事配信スケジュールはこちら ご投資にあたっての注意点
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11/22 12:00
【野村の投資判断】ドル円見通しを修正:2024年12月末は135円と予想
日米の金融政策見通しの変更を反映 野村證券は、日本と米国の経済見通しを改定しました。従来は米国が2023年10-12月期に景気後退に入ると予想していましたが、これを2024年7-9月期に変更しました。金融政策に関しては、FRB(米連邦準備制度理事会)が量的引き締めの停止と共に、2024年9月に利下げを開始すると見込んでいます。従来は2024年3月に利下げが始まると予想していました。 一方、日本では2023年7-9月期に実質GDP(国内総生産)が前期比でマイナス成長を記録しましたが、これは一時的な減速にとどまると見ています。金融政策のメインシナリオ(確率60%)について、従来は日本銀行によるYCC(イールドカーブ・コントロール、長短金利操作)の撤廃を2024年10-12月期、マイナス金利の撤廃を2025年以降と予想していました。新しいメインシナリオでは、YCCの撤廃を2024年4-6月期、マイナス金利の撤廃を2024年7-9月期以降に前倒ししました。 FRBの利下げ開始の後ずれと日銀の金融政策正常化の前倒しは、ドル円相場に相反する影響を及ぼします。今回は、特に米国景気の想定以上の底堅さを反映し、2024年に向けたドル円見通しを見直しました。 2024年3月末の見通しは、従来の1ドル=140円から148円に、そして2024年12月末の見通しは1ドル=130円から135円にそれぞれ円安・ドル高方向に修正しました。ただし、2024年にドル円相場のトレンドが円高・ドル安方向に転換するという見方自体には変わりはありません。 (FINTOS!編集部) 要約編集元アナリストレポート「国際金融為替フラッシュ – ドル円:24年に向けた見通しを修正(2023年11月20日配信)」(プレミアムプラン限定) (注1)画像はイメージ。(注2)各種見通しは2023年11月20日時点。 要約編集元アナリストレポートについて ご投資にあたっての注意点
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11/22 09:30
【野村の投資判断】中国関連銘柄の持ち直しと欧州関連銘柄の低迷
欧州関連銘柄のレーティングの引き下げリスクに注意 日本の株式市場が持ち直しています。ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)から見ると、世界的な金利上昇の圧力が緩和されたことや、第2四半期の決算で利益率が拡大したことが好材料とみなされた模様です。 需給面では、海外の先物投資家の影響が大きいと見られます。具体的には、CTA(商品投資顧問)によるロングポジション(買い持ち)の拡大が目立っています。現在のロングポジションは約8,000億円にまで増加しており、今年6月には約2.5兆円に達したことを考えると、まだ拡大の余地があると言えます。 個別銘柄の物色動向については、中国関連銘柄の反発が目立っています。景気指標と比べて売られ過ぎだった状態から、景気指標とおおむね整合的な水準にまで持ち直しています。中国関連銘柄は、グロース株の色彩が強いため金利低下が好感されたほか、中国景気が緩やかに回復していることも追い風となった可能性があります。 一方で、欧州関連銘柄は低迷を続けています。日本だけでなく、米国の株式市場でも、欧州関連銘柄はパフォーマンスが低迷しており、欧州景気の弱さが影響していると考えられます。しかし、アナリストは欧州関連銘柄に対して総じて強気の見方を続けており、現在の景気低迷が完全に反映されているとは言い難い状況です。決算シーズンの直後であるため、レーティングの引き下げリスクに注意が必要です。ただし、アナリスト予想の下方修正がセリング・クライマックス(売りの最終局面)と見なされる可能性も否定できません。 (FINTOS!編集部) 要約編集元アナリストレポート「野村クオンツ・インサイト – CTAの日本株ロング拡大とドル円ロング縮小リスク(2023年11月20日配信)」(プレミアムプラン限定) (注)画像はイメージ。 要約編集元アナリストレポートについて ご投資にあたっての注意点
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11/22 09:25
【米国株決算速報】エヌビディア(NVDA):生成AIの時代は離陸した、株価は-1.23%(時間外取引)
決算概要:2023年8-10月期(2024.1期第3四半期) EPS実績は市場予想を上回った 米国時間11月21日引け後に、グラフィックスや、AI、データセンター向けなどの半導体の設計・販売を行うエヌビディア(NVDA US)が2023年8-10月期(2024.1期第3四半期)決算を発表しました。売上高は市場予想を12.0%上回り、EPSは市場予想を19.2%上回りました。 生成AIの時代は離陸、売上高成長の継続に自信 会社の2023年11月-2024年1月期の売上高と粗利率の見通しは市場予想を上回りました。 会社は、決算書で「生成AIの時代は離陸した」とコメントしました。また、決算説明会では生成AIによる需要に対応し供給を増やしたことでデータセンター向けの売上高が前年同期比の3.8倍に増加したことを強調し、2025.1期通期も引き続き供給を増加させるとコメントしました。 売上高とEPSの推移 株価は時間外取引で小幅安 エヌビディアの株価は、前日比0.92%安で引けた後、決算発表を受けて時間外取引では、終値比1.23%安の493.30ドルで推移しています(NY時間17:39)。 実績や会社見通しは市場予想を上回り、特に粗利率見通しが高いことは需要が供給を上回る状況が続くことを示唆していると推察されます。一方で、一部の市場参加者の非常に高い予想には届かず、株価が年初来で3.4倍に上昇していたことから利益確定売りが出たと考えられます。 株価推移 (6ヶ月日足) (注1)EPS は非米国会計基準の希薄化後一株当たり利益。(注2)株価推移:データは日次で、直近値は2023年11月21日時点。(注3)売上高とEPSの推移:赤色は実績で、直近値は2023年8-10月期(2023/10)。2023年11月-2024年1月期の売上高の白丸は会社見通し中間値。灰色はLSEG(旧リフィニティブ)集計による市場予想平均。2023年11月-2024年1月期以降の予想は2023年11月20日時点。(出所)会社発表、LSEG(旧リフィニティブ)より野村證券投資情報部作成 (文責:野村證券 投資情報部・竹綱 宏行) 【米国株決算速報】エヌビディア(NVDA):生成AIの導入競争が始まる、株価は+8.14%(時間外取引) 野村の米国株決算リンク集:2022年1-3月期・4-6月期・7-9月期・10-12月期決算 野村の米国株決算リンク集:2021年10-12月期 ご投資にあたっての注意点
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11/22 08:43
【モーニングFINTOS!】主要3指数は揃って小反落(11/22)
海外市場の振り返り 21日の米国株式市場で、主要3指数は揃って小反落となりました。エヌビディアの決算を取引時間終了後に控え、前日までS&P500とナスダック総合指数が5連騰していたこともあり、年末商戦や小売業の苦戦報道も嫌気されて、この日の米国株は小幅下落となりました。現地時間午後2時に発表されたFOMC議事録では、FRBが金融政策について「慎重に進む」姿勢で全員が一致していると述べられています。その中で、インフレ率が2%への道筋を明確にたどっていると確信するためには、さらなる証拠が必要になると強調されており、利上げ終了や2024年の利下げはまだ明確でないとの見方が示されましたが、米国10年国債利回りは小動きとなりました。 相場の注目点 米国では感謝祭休暇を控え、年末ムードが高まると同時に年末商戦が本格化します。市場ではコロナ禍で積み上がった過剰貯蓄の取り崩しによる消費堅調から消費節約志向が高まっていることから、今週末からクリスマス休暇にかけて各社から公表される年末商戦絡みの情報が注目を集めると予想されます。11月2日には、NRF(全米小売業協会)が2023年の年末商戦期間における見通しを発表し、売上高を前年同期比+3~4%と見込んでいます。また、オンライン及び無店舗販売(小売売上高の内数)については、同+7~9%との見通しを示しています。経済統計では、15日に発表された米国10月小売売上高で、生活必需品ではない品目の比重が高い業種の多くで、前月比、前年同月比共に売上高が減少しました。米国では、今週も2023年8-10月期を決算期とする小売企業の決算発表が続いており、発表される小売関連企業の決算動向とあわせ、感謝祭週末の小売業界の報道などを通じて、消費者の購買動向などが注目されます。 (投資情報部 寺田 絢子) (注)データは日本時間2023年11月22日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。 ※画像はイメージです。 FINTOS!編集部オリジナル記事 【週間ランキング】最も閲覧数が多かった個別銘柄は?トップ10を紹介(11/21) 【#半導体材料】AI抽出15銘柄/レゾナック、ADEKA、積水化学… ご投資にあたっての注意点
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11/21 19:00
【週間ランキング】最も閲覧数が多かった個別銘柄は?トップ10を紹介(11/21)
決算発表終盤戦、トップ3にはメガバンクが名を連ねる 日本の株式市場では、企業の決算発表が一巡しました。金融セクターの決算発表は終盤戦に集中しており、今週のトップ3にはメガバンク3社が名を連ねています。 1位となった三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)の決算では、半期として過去最大規模となる上限4,000億円の自社株買いが発表されました。また、2024年3月期の会社計画は据え置かれましたが、第2四半期時点での親会社株主利益の通期計画に対する進捗率は71%と高水準になっています。そのほか、顧客部門の収益も好調でした。 2位となったみずほフィナンシャルグループ(8411)の決算では、2024年3月期の1株当たり年間配当予想が95円から100円に増額修正されました。2024年3月期の会社計画も上方修正され、第2四半期時点での親会社株主利益の修正後通期計画に対する進捗率は65%となっています。そのほか、バランスシートの改善も続いています。 3位となった三井住友フィナンシャルグループ(8316)の決算では、2024年3月期の親会社株主利益予想が8,200億円から9,200億円に上方修正されました。また、上限1,500億円の自社株買いに加えて、2024年3月期の1株当たり年間配当予想を250円から270円に増額修正することが発表されました。そのほか、顧客部門の収益も全体的に好調でした。 (FINTOS!編集部) (注1)画像はイメージ。(注2)各種データは2023年11月20日時点。 ご投資にあたっての注意点
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11/21 16:06
【イブニングFINTOS!】日経平均株価、小幅に反落 終日方向感を欠く(11/21)
本日の株式市場 本日の日経平均株価は、前日比65円高の33,453円で取引を開始しました。前日の米国株式市場で主要3指数が揃って上昇したことが好感されました。しかし、為替市場でドル円レートが円高に急速に進んでいることから、輸出企業の採算が悪化するとの懸念が高まったことが株価を抑え、日経平均株価は寄付き後間もなく下落に転じました。その後は、アジア株式市場が堅調に推移したことから、日経平均株価は下げ渋りを見せ、前日終値近辺で一進一退となりました。後場に入っても新たな材料に乏しい中、方向感に欠ける動きとなり、前日比33円安の33,354円と小幅に続落して、取引を終えました。一方、東証グロース市場250指数は前日比+1.79%と3営業日続伸となりました。 個別では、アドバンテストや東京エレクトロンといった半導体関連の一角が上昇し、2銘柄で日経平均株価を約61円押し上げました。 本日発表予定の海外経済指標等 【米国】・10月中古住宅販売件数(年率換算:万件) 前月:396 予想:390・11月FOMC議事要旨 (日本時間翌4:00) (注)経済指標などの市場予想はブルームバーグによる市場コンセンサス予想。時間は日本時間。(出所)東京証券取引所等より野村證券投資情報部作成 ※掲載している画像はイメージです。 【FINTOS!編集部発行】野村オリジナル記事配信スケジュールはこちら ご投資にあたっての注意点