【野村の朝解説】雇用統計を受けナスダックは最高値更新(7/4)
(注)画像はイメージです。
海外市場の振り返り
3日の米国株式市場では主要3指数が上昇し、ナスダック総合とS&P500は連日の史上最高値更新となりました(独立記念日前日の短縮取引)。①予想を上回る6月米雇用統計、②米国による半導体設計ソフトの対中輸出規制の解除、③トランプ減税法案(One Big Beautiful Bill Act)が下院で可決され、本日トランプ大統領の署名で成立する見通しになったこと、などが好感されました。
6月米雇用統計は、非農業部門雇用者数14.7万人増(市場予想10.6万人増)、失業率4.1%(同4.3%)、平均時給前年比+3.7%(同+3.8%)などの内容でした。政府部門の雇用者数が州・地方の教育を中心に7.3万人増(過去12か月平均は2.5万人増)とプラスに寄与しました。市場は全体として堅調な内容と受け止め米長期金利は上昇しました。
相場の注目点
7月9日に期限を迎えるトランプ政権による相互関税の各国との交渉が注目されます。トランプ氏は、ベトナムとは合意したとコメントした一方、日本には最大35%と高率の関税を課すと示唆しました。期限直前に合意がなされるのか否かが市場にとって重要です。また、8月12日は米中双方の一時的関税引き下げの期限で、これを前にした米中間の交渉も注目されます。
本日のイベント
米国市場は独立記念日のため休場です。米国では、独立記念日からレイバーデー(今年は9月1日)までは夏季休暇を取得する会社員が多くなります。米国議会は7月最終週から8月末まで休会となり、議員は通常は選挙区に戻って活動を行います。企業や政府の意思決定がやや遅くなる可能性がある点には留意が必要です。
(野村證券 投資情報部 竹綱 宏行)
(注)データは日本時間2025年7月4日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。
ご投資にあたっての注意点