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2023/10/31 08:42
【モーニングFINTOS!】ストライキ終結や良好な決算が追い風に(10/31)
海外市場の振り返り 30日の米国株式市場で、NYダウは4営業日ぶりの上昇となり、主要3指数はそろって上昇しました。この日は、米国完成車メーカーのストライキ終結や良好な決算発表などが市場の追い風となりました。 相場の注目点 今週は、米国時間11月1日に11月FOMCの結果が公表されます。11月FOMCにおける政策金利については、据え置きとの見方が大勢です。市場の関心は、12月12日・13日に行われる12月FOMCの政策スタンスに移っていると思われます。11月のFOMCは、FRBの経済予測やいわゆるドットチャートと呼ばれるFOMC参加者の今後の政策金利見通しが公表される会合ではありません。11月FOMCの結果が発表された際には、声明文に加え、パウエル議長の会見などを通し、FRBの現状認識が注目されます。今週はFOMC通過後も、3日に米国10月雇用統計や米国10月ISMサービス業景気指数など、重要な経済指標が発表されます。市場の関心は次回会合以降の金融政策に移っているとみられることから、これらの経済指標の内容によっては金融政策への思惑から、株式市場が反応することも考えられます。 本日のイベント 本日、昼頃に日銀の金融政策決定会合の結果発表が行われます。野村證券では、YCC(イールドカーブ・コントロール)やマイナス付利などの金融政策の変更は無いと予想していますが、一部報道では、YCCの再修正を議論し、1%の長期金利の上限を柔軟化して一定程度1%を超える金利上昇を容認するとの観測がでています。 (投資情報部 寺田 絢子) (注)データは日本時間2023年10月31日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。 ※画像はイメージです。 FINTOS!編集部オリジナル記事 【11月の投資戦略】短期的な米政治リスクの決着後、株価は復調へ 【注目トピック】中東情勢が緊迫化も原油価格への影響は限定的か ご投資にあたっての注意点
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2023/10/30 20:00
【今週の米国株】下げ止まらぬ株価、FOMCはストッパーにならず(10/30)
先週:波乱含みの企業業績と地政学リスク 前週に一時16年ぶりの5%台に乗せた米長期金利(10年国債利回り)は、先週末(27日,金)に4.8%台とやや落ち着きを取り戻しました。しかしながら、株価に下げ止まりの兆しはありません。 一つの理由として、本格化する企業決算発表が市場の期待ほどには好調に推移していない点があります。 以下は10月13日(金)時点のS&P 500指数構成企業のポジティブサプライズ比率(注1)です。この統計では6-8月期の企業決算も含むため、既に32社が発表されたとみなされています。この時点では、全体の87.5%が純利益ベースで市場予想を上回る決算を発表していました。 (注1)ポジティブサプライズ比率は、S&P 500 企業のうち決算実績がアナリスト予想平均を上回った企業の比率。2023年7-9月期には、2023年6-8月期決算、2023年8-10月期決算企業も含む。 (注2)直近4四半期平均とは2022年7-9月期~2023年4-6月期の平均。長期平均とは、売上高は2002年以降、純利益は1994年以降の平均。 (注3)LSEG(旧リフィニティブ)による2023年10月27日時点(売上高について32社、純利益について32社)の集計。 (出所)LSEG(旧リフィニティブ)より野村證券投資情報部作成 しかし、S&P500指数構成企業の半数近くが発表を終えた10月27日(金)時点では以下の通りとなっています。 (注)LSEG(旧リフィニティブ)による2023年10月27日時点(売上高について245社、純利益について244社)の集計。 (出所)LSEG(旧リフィニティブ)より野村證券投資情報部作成 純利益ベースで市場予想を上回る決算を発表した会社の比率は全体の77.6%まで低下しています。依然として直近4四半期平均の73.6%を上回っていますが、サプライズ比率の低下が市場のセンチメント悪化につながった可能性があります。クラウド事業の売上高が市場予想を下回ったアルファベットの株価が決算発表翌日に前日比10%近く下落するなど、最大手7社の中でも明暗が分かれています。 加えて、イスラエルによるガザ地区への地上侵攻への警戒が高まり地政学的リスクも意識されました。原油価格上昇→金利上昇→株価下落、といった金融市場への影響は現時点では限定的ですが、米企業業績に与える影響には引き続き注視が必要です。25日(水)に決算を発表したメタ・プラットフォームズの2023年10-12月期売上高見通しは市場予想を下回りました。当社は決算説明会で、10月に中東で紛争が勃発して以降、広告収入が軟調になっている点を挙げています。 Point1. 企業業績、発表後半戦で巻き返しなるか 7-9月期決算発表は折り返し地点を迎え、後半戦に差し掛かります。野村證券の池田チーフ・エクイティ・ストラテジストは、先週までの決算発表を受け「苦戦が目立つのが不動産、インダストリアル(特に運輸)、テクノロジー(特に情報サービス)の3業種。逆に、素材(化学、鉄鋼など)は上振れ優位。素材業種の業績改善は、中国景気のボトムアウトにも助けられているとみられる」と分析しています。個別銘柄を保有する投資家にとっては、セクターや銘柄の選別も重要な局面となりそうです。 今週は、30日(月)にマクドナルド、31日(火)にAI向け半導体でエヌビディアと競合するアドバンスド・マイクロ・デバイセズ、1日(水)に素材のアルベマール、2日(木)にアップルと、業界を代表する企業の決算発表が相次ぎます。 先週発表された米7-9月期GDP速報値は市場予想を上振れたものの、内訳では設備投資が前年同期比マイナスとなったことがネガティブ・サプライズでした。金融引き締めが企業の設備投資意欲に悪影響を与え始めた可能性も示唆されます。こうした懸念を払しょくし市場予想を上回る決算発表が続けられるかが、今週の米国株にとってのポイントとなりそうです。 Point2. 米長期金利が変える金融政策 高い長期金利が「利上げ見送り」を後押し 米国株を左右するもう一つの大きな要素が長期金利(金利上昇は株価下落の一因)ですが、足元でFRB(米連邦準備理事会)関係者から長期金利を重視する発言が相次いでいます。 米国野村グループの雨宮シニア・エコノミストによれば、「タームプレミアム(長期金利に対する上乗せ金利)と政策引き締めの間には一定のトレードオフ(相殺関係)がある。最近の長期金利上昇は、0.25%ポイントの利上げが1回ないし2回行われたのと同等の引き締め効果をもつと推定される」と分析しています。 これに従えば、年内のFOMC(米連邦公開市場委員会)での利上げ見送りの可能性は高まっているとみられ、金利上昇による株価下押し圧力を、利上げ観測の後退による株価下支え効果が打ち消していくと考えられます。 1日(水)の「リファンディング」発表に注目 今後の長期金利を考える上では、リファンディング(米国債発行計画四半期会合)の発表が注目されます。特に、1日(水)に公表される11・12・1月分の具体的な年限別発行額は市場にとって重要です。前回(8月)のリファンディングでは市場予想を上回る米国債の増発が決定され、それ以降米金利の上昇が強まりました。今回も、前回と同様のペースでの利付債増発が決定されると見込まれます。 今回の増発の年限構成が前回と同様となれば追加的に金利上昇のリスクがある一方、長い年限での増発ペースの鈍化が示唆される場合には、材料一巡から金利は低下すると想定されます。 Point3.FOMCより経済指標 11月1日(水)に発表されるFOMC(米連邦公開市場委員会)では据え置きが市場のコンセンサスとなっています。このため、市場の関心は今後の政策スタンスに関するパウエルFRB議長の発言に集まっています。11月FOMCは9月や12月のFOMCと違い、ドットチャート(参加者による政策金利の見通し)の発表がなく、金融政策の先行きを予測するヒントは多くないとみられるためです。むしろ、金融政策の判断基準となりうる10月雇用統計と10月ISMサービス業景気指数(ともに3日(金)に発表)に市場の関心が集まると見られます。 中東情勢や長期金利上昇に出口が見えない中で株価反発の材料は見出しづらいですが、まずは堅調な企業業績・見通しの銘柄に注目し、投資対象を見極めていく局面と考えます。 (FINTOS!外国株 小野崎通昭) ご投資にあたっての注意点
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2023/10/30 16:56
【イブニングFINTOS!】日経平均株価 反落 中東情勢の悪化懸念が重石(10/30)
本日の株式市場 本日の日経平均株価は、前週末比328円安の30,663円で取引を開始しました。週末にイスラエルのネタニヤフ首相がガザ地区への攻撃を強化する考えを示したことで、中東情勢悪化への懸念が高まり、株式市場の重石となりました。寄付き後は概ね30,600円台近辺で一進一退となりました。後場に入っても、新たな材料に乏しい中、今週は日米で金融政策の発表があることから様子見姿勢が広がり、前場と同水準でのもみあいが続きました。結局、この日の日経平均株価は前週末比294円安の30,696円と反落して取引を終えました。 個別では、前週末に決算発表をした企業が大きく動きました。信越化学工業は2023年4-9月期営業利益が市場予想を上回ったことが好感され、株価が前週末比+4.39%となりました。一方で、日野自動車は2024.3期の業績見通しを下方修正したことが嫌気され、株価は同-18.66%となり、オムロンも同じく業績予想を下方修正したことが嫌気され、株価はストップ安水準の同-15.82%となりました。 本日発表予定の海外経済指標等 本日は特にありません。 (注)経済指標などの市場予想はブルームバーグによる市場コンセンサス予想。時間は日本時間。(出所)東京証券取引所等より野村證券投資情報部作成 【FINTOS!編集部発行】野村オリジナル記事配信スケジュールはこちら ご投資にあたっての注意点
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2023/10/30 15:30
【新産業紹介】DACCSの実用化に向けて米国が本格始動
地球温暖化対策の切り札として、大気中の二酸化炭素(CO2)を回収・貯留する新技術「DACCS」が注目されている。 地球温暖化の影響が年々深刻化し、温暖化対策の緊急性がかつてないほど高まっている。2023年夏は、日本だけでなく、世界全体でも観測史上最も暑い夏だった。同年8月には、産業革命以降における世界平均の温度上昇幅が約1.5℃に到達したことが報告されている。 地球温暖化の主因であるCO2を大気から直接除去するネガティブエミッション技術の一つがDACCS である。DACCS では、まずファンで取り込んだ大気を特殊な水溶液等に接触させることで、大気からCO2を分離する。その後、熱等を加えて水溶液からCO2を回収し、地下の帯水層や枯渇した油田・ガス田などで貯留する。 ネガティブエミッション技術には、藻類を用いて海洋のCO2吸収を促進するブルーカーボンや、CO2を吸収する鉱物を土壌や海洋に散布する風化促進、海洋アルカリ化などの技術もある。しかし、これらの技術は、実際にどの程度CO2を吸収したか定量化することが難しい、環境への悪影響も懸念される、といったデメリットがある。一方、DACCS は、CO2吸収の定量化が容易で、環境への悪影響も限定的である。 そのため、米国はDACCS の実用化に向けて本格的に動き出している。22年8月に成立したインフレ抑制法では、DACCSで回収・貯留したCO2に180米ドル/トンの免税措置を設けている。23年8月には、米国エネルギー省が、テキサス州とルイジアナ州の2カ所のDACCS 商用化プロジェクトを中心に、計12億米ドル(約1,800億円) を拠出すると発表した。両州のDACCS は、いずれも年間100万トンのCO2を回収する計画である。 欧米では、既に05年頃からDACCSに特化したスタートアップが登場している。このような中、米国の大手企業によるDACCS 関連スタートアップの積極的なM&A が増加し始めている。22年4月にはBaker HughesがMosaic Materialsの、翌年8月にはOccidental Petroleum がCarbon Engineering の買収を発表した。 日本でも経済産業省を中心にDACCS導入についての議論が始まっており、今後の動向が注目される。 (野村證券フロンティア・リサーチ部 横山 恭一郎) ※野村週報 2023年10月30日号「新産業の潮流」より ※掲載している画像はイメージです。 【FINTOS!編集部発行】野村オリジナル記事配信スケジュールはこちら ご投資にあたっての注意点
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2023/10/30 09:30
【銘柄紹介】三菱UFJ/山九/コナミ
三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306) 銀行 顧客部門収益は堅調に推移 野村では、10月2日付で2024.3期親会社株主利益について、従来の会社計画(1.3兆円)並の予想から、600億円強増額し、1兆円3,684億円に見直した。主に、相場変動を捉えた市場部門収益を4~6月期決算に実現したことで、その他業務収益等を増額修正したことによるもの。マクロ環境を受けた国内顧客部門の好転や足元の円安傾向等も増益に寄与するものと想定される。中長期の業績の方向性については、24.3期に計上する持分法関連の一過性の増益要因(600億円規模)剥落影響は想定されるものの、収益性重視の経営姿勢を背景とする収益改善傾向などが、顧客部門の利益増加を牽引するものと想定される。 次期中期経営計画に注目 他社比でも進んでいる当社の株主還元方針は、一定程度当社株価評価に織り込まれているものと想定されよう。24年度から開始想定の次期中期経営計画で、自律的な企業価値成長を提示できるかに野村では注目している。邦銀の利益成長ドライバーは金利上昇のみとの見方が株式市場では根強いが、国内マクロ環境が構造的に好転しつつある中、①会社固有の戦略施策でトップライン成長を伴う利益成長を実現し、②その果実(ROE(自己資本利益率)向上、株主還元強化等)を投資家と共有する経営姿勢を示せるか、金利相場を超えた今後の株価の中長期的な動向を占う点からも注目している。 (野村證券エクイティ・リサーチ部 高宮 健) 山九(9065) 陸運 鉄鋼、化学の補修に強い 当社は物流事業と鉄鋼、化学業界の補修を主力とする機工事業を手掛ける。利益の大半を創出する機工事業は、鉄鋼業界との取引が約40%、化学業界が30~40%、残りが電力会社などである。 コロナ禍では顧客が生産を抑制したことで機工事業の受注が低調だったが、生産の正常化に伴い、受注は回復傾向にある。なお、受注の特徴として、化学業界からの案件は2年に1回のシャットダウンメンテナンス(以下、SDM)により振幅がある。 2023年1月に発表された中期経営計画では健全な財務体質を生かし、総還元性向を70%と株主還元を強化、自己資本利益率も中期的に向上させていく方針が示された。 24.3期は6 %営業増益を予想 23年4~6月期の営業利益は前年同期比1%減益、機工事業の6月末受注残は922億円と過去最高を更新した。SDM の案件は少なかったものの、鉄鋼の修繕需要が回復してきたことが業績に寄与した。 野村では豊富な受注残の消化で、24.3期の営業利益は前期比6%増益の405億円と、会社計画の370億円を上回ると見ている。25.3期はSDM の案件が多く、営業利益は同8%増益の437億円を予想する。中長期的な成長ドライバーとして、中東や東南アジアで建設されたプラントの補修の獲得、顧客の生産設備の脱炭素化に対応した新たな案件の獲得に注目していきたい。 (野村證券エクイティ・リサーチ部 広兼 賢治) コナミグループ(9766) 情報・通信 休眠IP活用で利益拡大が進もう 当社は家庭用ゲームやモバイルゲーム、カードゲームを主力とする国内大手ゲームメーカーであり、スポーツクラブ運営やアミューズメント機器の製造販売等も手掛ける。「遊戯王」や「プロ野球スピリッツ」、「eFootball」といったIP(知的財産)を数多く保有しており、近年はこれらIP をモバイルゲームへ展開することで利益を拡大させてきた。また休眠IP の活用も積極化しており、2022年10月には「サイレントヒル」シリーズを3タイトル開発中であることが発表された。23年11月1日には同IP の配信イベントを展開予定であり、ソフト販売本数押上げといったシナジー効果発揮に繋がるか注目する。 主力3事業は好調なフェーズ 24.3期は家庭用ゲーム、モバイルゲーム、カードゲームの主力3事業の拡大により、事業利益は前期比32.9%増の752億円と予想する。家庭用ゲームでは「桃太郎電鉄」、「メタルギアソリッド」等の人気IP 作品が発売となり、中期的には「サイレントヒル」等の作品パイプラインも豊富である。モバイルゲームでは「eFootball」の売上回復に加え、WBC 効果でユーザーが増加したと見られる「プロ野球スピリッツA」の拡大にも期待できる。カードゲームでは24年2月に遊戯王カードが25周年を迎えることから、商品展開拡大が想定され、利益拡大への期待は高いと考える。 (野村證券エクイティ・リサーチ部 三木 成人) ※野村週報 2023年10月30日号「銘柄研究」より ※掲載している画像はイメージです。 【FINTOS!編集部発行】野村オリジナル記事配信スケジュールはこちら ご投資にあたっての注意点
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2023/10/30 09:24
【米国株決算速報】シェブロン(CVX):販売・費用計上のタイミングやプロジェクトの遅れが重石、株価は-6.72%
決算概要:2023年7-9月期(2023.12期第3四半期) EPS実績は市場予想を下回った 米国時間10月27日寄り前に、石油メジャーの一角で、総合エネルギー・化学品事業を行うシェブロン(CVX US)が2023年7-9月期(2023.12期第3四半期)決算を発表しました。売上高は市場予想を5.1%上回り、EPSは市場予想を18.7%下回りました。 販売・費用計上のタイミングやプロジェクトの遅れが重石 会社は、前年同期比で資源価格が下落したことに加え、中長期的な契約による販売価格の上昇率よりも調達など短期のコスト上昇率が高かったことによるタイミング要因、カザフスタンでの新プロジェクトの収益化の遅れや既存設備の更新による一部事業の停止、米南西部パーミアン盆地での生産障害、などが純利益に悪影響を及ぼしたと決算説明会でコメントしました。 米国の川下事業では、精製マージンの拡大などが前期比での利益成長に寄与しました。 売上高とEPSの推移 株価は下落 シェブロンの株価は、前日比6.72%安で引けました。 EPS実績が市場予想を下回ったことや、プロジェクトの遅れに反応したと考えられます。 株価推移 (6ヶ月日足) (注1)EPS は非米国会計基準の希薄化後一株当たり利益。(注2)株価推移:データは日次で、直近値は2023年10月27日時点。(注3)売上高とEPSの推移:赤色は実績で、直近値は2023年7-9月期(2023/9)。灰色はLSEG(旧リフィニティブ)集計による市場予想平均。2023年10-12月期以降の予想は2023年10月26日時点。(出所)会社発表、LSEG(旧リフィニティブ)より野村證券投資情報部作成 (文責:野村證券 投資情報部・竹綱 宏行) 【米国株決算速報】シェブロン(CVX):前年比では原油安により減収減益も株主還元を強化、株価は-0.49% 野村の米国株決算リンク集:2023年1-3月期・4-6月期決算 野村の米国株決算リンク集:2022年1-3月期・4-6月期・7-9月期・10-12月期決算 野村の米国株決算リンク集:2021年10-12月期 ご投資にあたっての注意点
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2023/10/30 08:27
【モーニングFINTOS!】地政学リスクや企業決算がNYダウの重石に(10/30)
海外市場の振り返り 27日の米国株式市場で、NYダウは3日続落しました。イスラエル軍の報道官が、パレスチナ自治区ガザへの地上作戦を拡大すると述べたと報じられ、中東情勢が一段と悪化するとの警戒感が広がりました。加えて、決算が市場予想を下回った石油大手シェブロンが6%超と大幅下落したことや、CEOが保有する株式を一部売却する方針を示したJPモルガン・チェースが3%超下落し、NYダウの重石となりました。一方、前日引け後に好決算を発表したインテルやアマゾン・ドットコムが大幅上昇となり、ハイテク株は総じて堅調でした。ナスダック総合指数は3日ぶりに反発しました。 相場の注目点 今週は、国内主要企業の決算発表が序盤戦のピークを迎え、その動向が注目されます。経済指標では、米国で10月ISM製造業景気指数(11月1日)、同サービス業景気指数(3日)、10月雇用統計(3日)など重要経済統計が多数発表されます。米国景気の堅調さを示唆する結果となれば、逆に長期金利上昇を経由して株安の材料となる可能性には注意が必要です。 本日のイベント 本日より、日銀の金融政策決定会合が開催されます。明日(31日)には結果発表と植田総裁の記者会見が行われます。野村證券では、日銀は金融政策を据え置き、「経済・物価情勢の展望」で物価見通しを引き上げ、フォワード・ガイダンスを部分的に修正する可能性はあるものの確度は高くない、と予想しています。その他、日本電気やパナソニックHDなどが決算を発表する予定です。 (投資情報部 澤田 麻希) (注)データは日本時間2023年10月30日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。 ※画像はイメージです。 FINTOS!編集部オリジナル記事 【11月の投資戦略】短期的な米政治リスクの決着後、株価は復調へ 【今週のチャート分析】日経平均は10月4日安値に接近し、東証騰落レシオ70%台へ(10/27) ご投資にあたっての注意点
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2023/10/29 19:00
【11月の投資戦略】短期的な米政治リスクの決着後、株価は復調へ
結論:短期的な政治リスクの決着後、株価は復調色が強まるとみる。利上げ終了も大きな転換点に 目次・いずれ金利低下と業績拡大局面に・FRBは高い政策金利を暫く維持か・米国下院の混乱に注意もテクノロジー企業の業績は拡大へ・半導体市場の復調が鮮明に・日本企業の業況は良い・円安もあり日本企業の業績は良好 いずれ金利低下と業績拡大局面に 日米で長期金利が上昇しています。米国の金融引き締め姿勢の長期化や、主要国の景気持ち直しなどが理由とみられます。金利上昇による景気や企業業績の悪化(いわゆる逆業績相場の特徴)は今のところ限定的です。我々は、利上げ終了は大きな転換点となり、いずれ金利が低下し、企業業績の拡大が明確になれば、金融相場、業績相場として株価が追い風を受ける局面に移るとみます。ただし、経済・金融市場のリスクには短期的に注意すべきものもあります。 ▲TOPに戻る FRBは高い政策金利を暫く維持か ニューヨーク連銀が長短金利差から計算する1年後の米国景気後退確率は高く、住宅ローン金利の上昇もあって、住宅市況は低迷しています。しかし、米国の消費には復調がみられ、雇用環境も殆ど悪化していません。原油価格が上昇しているものの、米国のインフレ率は着実に減速しています。ただし、FRBの物価目標である2%の上昇率に向けては、更なる減速が必要です。FRBは利上げを終了させたとしても、高い政策金利を暫く維持するとみられます。金利低下局面に入るとしても、そのペースは緩やかであるとみます。 ▲TOPに戻る 米国下院の混乱に注意もテクノロジー企業の業績は拡大へ 11月17日の暫定予算期限切れまでに米国下院の混乱が収束しなければ、政府閉鎖のリスクがあります。しかし、米国企業業績はS&P500指数EPS(1株当たり利益)でみて、2023年7-9月期にいよいよ増益に転じるかどうかの節目にあります。先行きはテクノロジー企業を中心に業績拡大が強まり、短期的な政治リスクの決着後、株価は復調色が強まるとみられます。 ▲TOPに戻る 半導体市場の復調が鮮明に ユーロ圏は景気悪化懸念が強まっており、利上げは9月が最後で、金利上昇圧力は収まってゆくでしょう。中国は景気減速が懸念され、不動産開発企業の経営難などの問題もあります。中国政府は矢継ぎ早に景気支援策を発表しており、財政支出を伴う経済対策も検討されるとみられます。一方、中国で鉱工業セクターの在庫圧縮が進んでいます。また、世界的に半導体市場の復調が鮮明になりつつあり、日本の製造業にも恩恵が及ぶことになるでしょう。 ▲TOPに戻る 日本企業の業況は良い 日本の輸出は円安や国内外の在庫調整の進展に伴い、回復に向かっています。企業の景況感は、製造業の改善だけでなく、非製造業においても人流回復や企業の価格転嫁などが功を奏し、良好です。一方、実質賃金は大幅なマイナスとなっており、家計の生活水準は物価上昇分を賄いきれず、実質的に低下しています。政府は期限付きの所得税減税や物価高対策などの経済対策の策定を進めています。消費者の値上げ疲れなども見え始め、インフレ率は減速に向かう可能性が出てきましたが、長期金利は海外の金利環境につられるように上昇しています。日銀は、異例の金融緩和政策の変更素地が整うのを見極める段階にあるとみられます。 ▲TOPに戻る 円安もあり日本企業の業績は良好 米ドル円レートは企業の想定為替レートを上回る円安が進んでいます。円安は製造業を中心に業績の追い風で、良好な経済環境の下で企業業績は増益の勢いが強まるとみます。ここ1ヶ月間の株価下落で、PERなどのバリュエーションでみた割高感は、かなりの程度払しょくされています。野村證券は2023年末の日経平均株価の見通しを34,000円と予想します。 ▲TOPに戻る (野村證券投資情報部 小髙 貴久) ※野村證券投資情報部「Nomura 21 Global 11月号」(発行日:2023年10月23日)「投資戦略の概要」より 業種分類、Nomura21 Globalについて ※掲載している画像はイメージです。 ご投資にあたっての注意点
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2023/10/29 13:00
【注目トピック】岸田首相の経済対策、減税議論が本格化へ
減税議論 税収が過去最高を更新 2022年度の国の一般会計における税収・税外収入の合計は、約78.5兆円と3年連続で過去最高を更新しました。背景には、消費税、法人税、所得税の「基幹3税」が経済の正常化や企業業績の好調により3年連続で増収となったことが挙げられます。 「減税」議論に注目が集まる 岸田首相は9月25日に5本の柱からなる経済対策の方針を示しました。経済対策の狙いについて、「経済成長の成果である税収増などを国民に適切に還元すべく対策を実施したい」と述べ、「税や社会保障負担の軽減などあらゆる手法を動員する」と発言したことで、減税への期待が高まりました。 減税政策は税制改正で検討 各種報道によると、11月初旬に取りまとめられる経済対策には低所得世帯向けの給付金やガソリン価格の高騰を抑える補助の継続などが列記される模様です。また、期限付きの所得税減税を打ち出す方向で調整しているようです。予算規模は税収増の追い風を受け、ある程度の景気刺激効果を期待できる規模になる可能性があります。一方、減税政策については、減税に必要な法改正に時間がかかるため、11月初旬の経済対策ではなく、例年通り12月以降の税制改正のプロセスで議論される見込みで、そこに向けて与党の税制調査会に具体策の検討が指示される模様です。 今後のスケジュール 本格的な減税を行うためには、税制関連法案を成立させる必要があります。その場合、12月上旬に2024年度税制改正大綱が取りまとめられ、2024年1月の通常国会に関連法案が提出され、3月までに成立させるという段取りになります。減税の効果が現れるのは、来年度以降になるでしょう。近年、税収は増加傾向にあることから、経済・社会の在り方を見極めた上での継続的な減税政策が期待されます。 (野村證券投資情報部 寺田 絢子) 【FINTOS!編集部発行】野村オリジナル記事配信スケジュールはこちら 業種分類、Nomura21 Globalについて ご投資にあたっての注意点