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16:28
【野村の夕解説】ファーストリテイリング急落が重石 方向感ないまま反落(07/11)
(注)画像はイメージです。 本日の動き 11日の日経平均株価は、前日発表された2024年9月-2025年5月期の決算で、利益率の低下が示されたファーストリテイリングの大幅下落が重石となり、終日方向感のない値動きでした。日経平均株価は、前日の米国株上昇の流れを引き継いで上昇して始まり、一時前日比311円高と、この日の高値をつけました。しかしその後、ファーストリテイリングが急落したことを受けて、日経平均株価も急速に上げ幅を縮小させ下落に転じました。その一方で、半導体関連株や素材株などの景気敏感株が上昇し、日経平均株価を下支えしました。その後、トランプ大統領が自身のSNSでカナダからの輸入品に対して8月1日から35%の関税を課すとの書簡を公表したことを受け、米国が交渉中の他国に対しても強硬な関税政策を進めるとの思惑が強まり、日経平均株価は軟調な値動きとなりました。外国為替市場では対米ドルで円安が進行したことから、日経平均株価は再び上昇に転じる場面もみられましたが、追加の材料もなく様子見姿勢が広がり、その後は一進一退の値動きとなりました。日経平均株価の大引けは前日比76円安の39,569円となり、ファーストリテイリング1銘柄で日経平均株価を262円押し下げました。一方、TOPIXは前日比0.39%高と反発しました。 本日の市場動向 ランキング 本日のチャート (注)データは15時45分頃。米ドル/円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。米ドル/円は11:30~12:30の間は表示していない。(出所)Quickより野村證券投資情報部作成 今後の注目点 トランプ政権と各国との関税交渉が継続しているため、進展が注目されます。 (野村證券投資情報部 松田 知紗) ご投資にあたっての注意点
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12:00
【今週のチャート分析】日本株は関税懸念で上値重いも、一部の新興国株は上昇
※画像はイメージです。 ※2025年7月10日(木)引け後の情報に基づき作成しています。 日経平均株価、関税懸念で上値重い、25日線が下値サポートなるか 今週の日経平均株価は、円安進行が下支えとなったものの、トランプ政権の関税政策に対する懸念から上値の重い展開でした。 これまでの動きをチャート(図1)で見ると、6月下旬に5月以降の中段保ち合いを上放れして、年初来高値を更新しました。ただ、6月30日高値(ザラバベース:40,852円)形成後は日米関税交渉に対する市場の警戒感の高まりから押しを入れ、再び4万円を割り込みました。中段保ち合い時に下値サポートとなった上向きの25日移動平均線(7月10日:39,019円)が下支えとなるか注目されます。 (注1)直近値は2025年7月10日時点。(注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成 一方で、週足チャート上(図2)では6月下旬の大幅上昇で、52週線(7月10日:38,036円)と昨年7月高値以降の下降トレンドライン(6月中旬:38,300円前後)をいずれも明確に上抜けており、中長期上昇トレンド入りの可能性が高まっています。目先の調整が一巡して上昇に転じれば、再び4万円台を回復し、年初来高値(6月30日:40,852円)を更新する動きが期待されます。 (注1)直近値は2025年7月10日時点。(注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成 約3年半ぶり高値をつけた新興国株、上昇余地あり 新興国株は上昇傾向が続いています。2025年に入ってからは、トランプ政権の関税政策などを背景に、米国外へ資金が移動する動きが見られ、その一部が新興国株に流入しているとみられます。まずは、MSCIエマージング・マーケット指数の月足チャートを確認しましょう(図3)。 (注1)直近値は2025年7月8日時点。(注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。(注3)ドル建てのMSCIエマージング・マーケット指数を使用している。(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成 この指数は2008年以降、大きく上下しながらも長期的には上昇トレンドを維持しています。2022年10月には、長期上昇トレンドの下限付近で底を打ち、その後は上昇傾向に転じました。今年6月には、2024年10月の高値を上抜け、約3年半ぶりの高値を記録しています。今後は、2021年2月の高値(1,444pt)や長期上昇トレンドの上限(1,600pt前後)を目指す展開が予想されます。 新興国株を代表する中国株やインド株も今春以降に上昇基調となりました。中国では、今年5月に金融緩和策や内需刺激策が相次いで発表され、株価を押し上げています。上海総合指数は今年7月に昨年10月の高値を突破し、約3年半ぶりの高値を付けました(図4)。この先、21年9月高値(3,715pt)や、24年10月高値から25年4月安値にかけての下落幅の倍返し水準(3,882pt)が次の上値メドとして挙げられます。 (注1)直近値は2025年7月8日。(注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成 (野村證券投資情報部 岩本 竜太郎) ご投資にあたっての注意点
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08:15
【野村の朝解説】ナスダック総合指数が連日で最高値を更新(7/11)
(注)画像はイメージです。 海外市場の振り返り 10日の米国株式市場で主要3指数は揃って上昇し、S&P500指数とナスダック総合指数は過去最高値を更新しました。トランプ政権の関税政策に対する警戒は解けていませんが、7月5日までの1週間の新規失業保険申請件数が市場予想を下回り、雇用情勢の底堅さが示されたことで市場に安心感が広がりました。また、旅行需要の回復を背景にデルタ航空が市場予想を上回る2025年12月通期の業績見通しを示したことも好材料視されました。 相場の注目点 来週、国内では5月機械受注(14日)や、6月貿易統計(17日)、6月全国消費者物価指数(18日)などの経済指標が発表されます。米国では、FRB高官や関係者が金融政策に関する公式発言を自粛する「ブラックアウト期間(19~31日)」に入るのを前に、複数の高官が講演を行う予定です。利下げのタイミング等に関する発言が注目されます。 そして、来週からいよいよ米国企業の25年4-6月期決算発表シーズンが本格化します。LSEGが集計したS&P500指数採用企業のEPS(1株当たり利益)増益率は前年同期比+3.7%と予想されています(7月3日時点)。前四半期(同+11.5%)から大きく減速すると予想されていますが、トランプ関税の影響などを考慮し、アナリストが慎重な見通しを示しているためです。春先以降、米国株のけん引役となってきた情報技術やコミュニケーション・サービスといったハイテクセクターが好業績を維持できるかがポイントになると考えています。 本日、東京市場は株価指数オプション(7月物)の特別清算指数(SQ)の算出日です。また、良品計画などが25年3-5月期決算を発表する予定です。 (野村證券 投資情報部 岡本佳佑) (注)データは日本時間2025年7月11日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。 ご投資にあたっての注意点
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16:28
【野村の夕解説】ファーストリテイリング急落が重石 方向感ないまま反落(07/11)
(注)画像はイメージです。 本日の動き 11日の日経平均株価は、前日発表された2024年9月-2025年5月期の決算で、利益率の低下が示されたファーストリテイリングの大幅下落が重石となり、終日方向感のない値動きでした。日経平均株価は、前日の米国株上昇の流れを引き継いで上昇して始まり、一時前日比311円高と、この日の高値をつけました。しかしその後、ファーストリテイリングが急落したことを受けて、日経平均株価も急速に上げ幅を縮小させ下落に転じました。その一方で、半導体関連株や素材株などの景気敏感株が上昇し、日経平均株価を下支えしました。その後、トランプ大統領が自身のSNSでカナダからの輸入品に対して8月1日から35%の関税を課すとの書簡を公表したことを受け、米国が交渉中の他国に対しても強硬な関税政策を進めるとの思惑が強まり、日経平均株価は軟調な値動きとなりました。外国為替市場では対米ドルで円安が進行したことから、日経平均株価は再び上昇に転じる場面もみられましたが、追加の材料もなく様子見姿勢が広がり、その後は一進一退の値動きとなりました。日経平均株価の大引けは前日比76円安の39,569円となり、ファーストリテイリング1銘柄で日経平均株価を262円押し下げました。一方、TOPIXは前日比0.39%高と反発しました。 本日の市場動向 ランキング 本日のチャート (注)データは15時45分頃。米ドル/円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。米ドル/円は11:30~12:30の間は表示していない。(出所)Quickより野村證券投資情報部作成 今後の注目点 トランプ政権と各国との関税交渉が継続しているため、進展が注目されます。 (野村證券投資情報部 松田 知紗) ご投資にあたっての注意点
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12:00
【今週のチャート分析】日本株は関税懸念で上値重いも、一部の新興国株は上昇
※画像はイメージです。 ※2025年7月10日(木)引け後の情報に基づき作成しています。 日経平均株価、関税懸念で上値重い、25日線が下値サポートなるか 今週の日経平均株価は、円安進行が下支えとなったものの、トランプ政権の関税政策に対する懸念から上値の重い展開でした。 これまでの動きをチャート(図1)で見ると、6月下旬に5月以降の中段保ち合いを上放れして、年初来高値を更新しました。ただ、6月30日高値(ザラバベース:40,852円)形成後は日米関税交渉に対する市場の警戒感の高まりから押しを入れ、再び4万円を割り込みました。中段保ち合い時に下値サポートとなった上向きの25日移動平均線(7月10日:39,019円)が下支えとなるか注目されます。 (注1)直近値は2025年7月10日時点。(注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成 一方で、週足チャート上(図2)では6月下旬の大幅上昇で、52週線(7月10日:38,036円)と昨年7月高値以降の下降トレンドライン(6月中旬:38,300円前後)をいずれも明確に上抜けており、中長期上昇トレンド入りの可能性が高まっています。目先の調整が一巡して上昇に転じれば、再び4万円台を回復し、年初来高値(6月30日:40,852円)を更新する動きが期待されます。 (注1)直近値は2025年7月10日時点。(注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成 約3年半ぶり高値をつけた新興国株、上昇余地あり 新興国株は上昇傾向が続いています。2025年に入ってからは、トランプ政権の関税政策などを背景に、米国外へ資金が移動する動きが見られ、その一部が新興国株に流入しているとみられます。まずは、MSCIエマージング・マーケット指数の月足チャートを確認しましょう(図3)。 (注1)直近値は2025年7月8日時点。(注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。(注3)ドル建てのMSCIエマージング・マーケット指数を使用している。(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成 この指数は2008年以降、大きく上下しながらも長期的には上昇トレンドを維持しています。2022年10月には、長期上昇トレンドの下限付近で底を打ち、その後は上昇傾向に転じました。今年6月には、2024年10月の高値を上抜け、約3年半ぶりの高値を記録しています。今後は、2021年2月の高値(1,444pt)や長期上昇トレンドの上限(1,600pt前後)を目指す展開が予想されます。 新興国株を代表する中国株やインド株も今春以降に上昇基調となりました。中国では、今年5月に金融緩和策や内需刺激策が相次いで発表され、株価を押し上げています。上海総合指数は今年7月に昨年10月の高値を突破し、約3年半ぶりの高値を付けました(図4)。この先、21年9月高値(3,715pt)や、24年10月高値から25年4月安値にかけての下落幅の倍返し水準(3,882pt)が次の上値メドとして挙げられます。 (注1)直近値は2025年7月8日。(注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成 (野村證券投資情報部 岩本 竜太郎) ご投資にあたっての注意点
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【野村の朝解説】ナスダック総合指数が連日で最高値を更新(7/11)
(注)画像はイメージです。 海外市場の振り返り 10日の米国株式市場で主要3指数は揃って上昇し、S&P500指数とナスダック総合指数は過去最高値を更新しました。トランプ政権の関税政策に対する警戒は解けていませんが、7月5日までの1週間の新規失業保険申請件数が市場予想を下回り、雇用情勢の底堅さが示されたことで市場に安心感が広がりました。また、旅行需要の回復を背景にデルタ航空が市場予想を上回る2025年12月通期の業績見通しを示したことも好材料視されました。 相場の注目点 来週、国内では5月機械受注(14日)や、6月貿易統計(17日)、6月全国消費者物価指数(18日)などの経済指標が発表されます。米国では、FRB高官や関係者が金融政策に関する公式発言を自粛する「ブラックアウト期間(19~31日)」に入るのを前に、複数の高官が講演を行う予定です。利下げのタイミング等に関する発言が注目されます。 そして、来週からいよいよ米国企業の25年4-6月期決算発表シーズンが本格化します。LSEGが集計したS&P500指数採用企業のEPS(1株当たり利益)増益率は前年同期比+3.7%と予想されています(7月3日時点)。前四半期(同+11.5%)から大きく減速すると予想されていますが、トランプ関税の影響などを考慮し、アナリストが慎重な見通しを示しているためです。春先以降、米国株のけん引役となってきた情報技術やコミュニケーション・サービスといったハイテクセクターが好業績を維持できるかがポイントになると考えています。 本日、東京市場は株価指数オプション(7月物)の特別清算指数(SQ)の算出日です。また、良品計画などが25年3-5月期決算を発表する予定です。 (野村證券 投資情報部 岡本佳佑) (注)データは日本時間2025年7月11日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。 ご投資にあたっての注意点