閉じる
閉じる

FAQ

【モーニングFINTOS!】米国市場小動きで材料に欠く展開か、本日菅首相が訪米(4/15)

本日の相場動向

 14日の米国株式市場で、NYダウは前日比+53.62ドル(+0.15%)の33,730.89ドルと3営業日ぶりに上昇しました。一方で、S&P500指数は同-0.40%、ナスダック総合指数は同-0.98%と下落しました。前日の米国市場では、ジョンソン&ジョンソン製ワクチンの使用中断によって、経済正常化の遅れへの懸念が広がりました。しかし、米国政府が「接種計画に大きな影響はない」と強調したことで、この日の市場には一定の安心感が広がりました。また、寄り前に決算を発表したゴールドマン・サックスが上昇し、NYダウを押し上げました。一方で、前日は堅調に推移していたハイテクセクターは軒並み軟調な動きとなり、ナスダック総合指数は下落しました。

 日経平均先物CME終値は29,600円となりました。日経平均株価の前営業日終値(29,620円)からほぼ横ばいとなっています。足もとのドル円相場も1ドル=108円90銭前後で、前日15:00時点からほぼ横ばいです。

 今晩の米国市場では、3月の小売売上高や鉱工業生産などの主要経済指標が発表されます。2月は寒波の影響もあり、コア小売売上が前月比-3.5%と減速しました。3月は寒波の影響剥落に加え、追加経済対策の効果が顕在化することで、同+9.5%前後の高い伸びを記録する可能性があると野村證券では見ています(市場予想は同+7.2%)。これら主要経済指標で足元の景気回復が加速していることが確認された場合、FRBの金融政策の姿勢にも影響があり得るため注目が集まります。

 本日はトルコ中央銀行の金融政策の発表も予定されています。カブチオル新総裁は3月30日、年次の中銀理事会において、「インフレ率の低下が達成されるまで引き締めを維持する」、「政策金利は消費者物価の伸びを上回る水準に維持する」と表明していることから、今会合では現在19.00%の政策金利が据え置かれるとの見方が強まっています。しかし、同中銀の金融政策がエルドアン大統領の強い影響下にあると見られ、非常に不透明感が強いことは否めません。トルコ中銀がリラ急落を受けて引き締めスタンスを改めて表明したにも関わらず、利下げを実施するようであれば、再び金融市場が混乱するリスクが高く、注意が必要だと考えられます。

菅首相が訪米、明日の日米首脳会談の注目点は?

 菅首相は本日から18日までの日程で訪米し、明日16日(金曜日)には日米首脳会談が行われる予定です。議題として、経済面では、気候変動や経済協力について話し合われる見込みです。気候変動では、米国が議長国となる気候変動サミットの開催を4月22日に控えていることもあり、日本としても協力姿勢を示すことになると考えられます。温暖化ガス削減に向けた規制強化は企業のコスト増になるとの見方もあります。一方で、環境技術での日米連携など新規ビジネスの拡大という肯定的側面にも注目が集まるでしょう。

 金融市場ではもう一つのテーマである安全保障分野についても注目が集まっています。日本が安全保障関連の協力を通じて、中国との関係で米国の姿勢に同調する場合、日中関係が悪化し、通商関係にも影響を及ぼすのではないかとの懸念が市場にあります。しかし、野村では、安全保障に関しては、3月16日の日米外相会談や日米安全保障協議委員会(日米「2+2」)の共同発表を超えて踏み込んだ内容になる可能性は低いと考えています。今回の日米首脳会談をきっかけとした日中関係悪化の可能性は限定的と見込まれます。

野村の新着レポート

※レポート本文は画面最下部よりご覧ください(有料会員限定)

企業

  • オリンパス – 米国新製品無くとも追い風が吹くESD事業、課題が残るTSD事業
  • テルモ – TRIだけでなくR2PやRAVIの浸透も業績予想に織り込む
  • シスメックス – 2022年3月期の注目点は中国地産XN、米国XW、Astrego製品の開発状況
  • 野村不動産マスターファンド投資法人 – 2021年2月期:賃料減免のDPSへの影響は限られる
  • 栄研化学 – コロナ禍で変わったのはコロナ検査だけでなく便潜血検査の展望

業界

  • 医薬品卸業界 – 厳しい事業環境下で変化の兆しを探す
  • NVIDIAのCPU参入と半導体製造装置 – 前工程は大きな影響はなく後工程に追い風
  • 携帯販促競争と通信業界への投資見解 – 携帯新ブランドの販促競争拡大も、NTTは連結営業増益を予想し株主還元拡大と前提

マクロ

  • 政治レポート – ウクライナ国境でのロシア軍増強の今後の展望と金融市場への影響
【FINTOS!編集部発行】野村オリジナル記事配信スケジュールはこちら
ご投資にあたっての注意点