来週の注目点:米国、中国の重要統計で景気の持続力を確認

日本のゴールデンウイーク中に米国ではFOMC(米連邦公開市場委員会)が開催されました。市場予想通りFF金利誘導目標を0.25%ポイント引き上げ、5.00~5.25%としました。声明文において、前回示された「追加的な引き締めが適切かもしれない」という文言が削除されタカ派的(利上げに積極的)姿勢が弱まりました。しかし、4月の雇用統計は市場予想を上回る堅調さを示しており、労働需給がどの程度緩和するかが引き続き焦点となります。

米国では、15日(月)に5月NY連銀製造業景気指数、16日(火)に4月小売売上高、4月鉱工業生産、17日(水)に4月住宅着工・建設許可件数、18日(木)に5月フィラデルフィア連銀製造業景気指数、4月中古住宅販売件数、5月13日の週の新規失業保険申請件数と、重要指標の発表が相次ぎます。利上げや銀行の貸し出し態度の厳格化の影響に注目です。

日本では17日(水)に2023年1-3月期実質GDP(1次速報値)、4月訪日外国人客数、19日(金)に4月全国消費者物価指数が発表されます。新型コロナ対策の緩和や、製造業の挽回生産を背景に景気回復継続、訪日外国人の増加が見込まれる一方、インフレ動向では値上げの影響に注目です。また、19日(金)に広島市で始まるG7首脳会議ではグローバル経済の分断やグローバルサウスについてどのような協議がなされるか注目です。

中国では16日(火)に4月小売売上高・鉱工業生産、1-4月固定資産投資、不動産投資が発表されます。ゼロコロナ政策の撤廃による景気回復の動向や不動産投資に回復の兆しがみられるかに関心が集まります。

その他には、14日(日)にトルコ大統領選・総選挙が実施されます。世論調査ではエルドアン大統領とクルチダルオール野党統一候補の支持率が拮抗しており、選挙結果が注目されます。

(野村證券投資情報部 岩崎 晴弥)

(注)イベントは全てを網羅しているわけではない。◆は政治・政策関連、□は経済指標、●はその他イベント(カッコ内は日本時間)。休場・短縮取引は主要な取引所のみ掲載。各種イベントおよび経済指標の市場予想(ブルームバーグ集計に基づく中央値)は2023年5月12日時点の情報に基づくものであり、今後変更される可能性もあるためご留意ください。
(出所)各種資料・報道、ブルームバーグ等より野村證券投資情報部作成

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