23年1-3月期は前年同期比3.2%減益

5月5日までにS&P 500 指数構成企業のうち419社が、2023年1-3月期決算(2022年12月-2023年2月期決算企業も含む)を発表しました。調査会社リフィニティブの集計では、同期のEPS(1株当たり利益)は前年同期比-3.2%の53.07ドルと予想されています。

今回の決算発表シーズンが始まる直前の4月7日時点の集計では、前年同期比-7.6%の50.63ドルと予想されていました。

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2023年1-3月期は、売上高、純利益とも、決算実績が事前のアナリスト予想を上回る企業の比率(ポジティブサプライズ比率)が、直近4四半期平均、長期平均を上回っています。決算発表を前に、アナリスト達が業績予想を慎重に見直した結果と考えられます。

年度EPS予想は引き続き増益基調予想

アナリストの業績予想の修正状況をみるリビジョンインデックスをみると、社数では、上方修正よりも下方修正の方が多い状態が続いています。

次に、年度ベースでのEPS予想についてみると、2023年度は4月7日時点と比べ、若干ながら上方修正となっています。前述のように、足元の決算が事前予想よりも堅調だったことを反映していると推察されます。

一方、2024年度、2025年度については、全般的に下方修正されています。引き続き増益が予想されていますが、アナリスト達は今後の業績予想について、より慎重に見直していることが窺えます。

今後の留意点

今後についてみると、2023年4-6月期は前年同期比-6.5%と、1-3月期よりも減益率が深くなると予想されています。ただし、2023年7-9月期には同+0.8%と増益に転じ、2023年10-12月期は同+9.5%と増益率が拡大する予想となっています。アナリスト達は業績予想を慎重に見直しているものの、2023年後半からは企業業績は回復に向かい、2024年には増益基調に復帰するとみているようです。

今後は、小売企業やソフトウェア企業などの2023年2-4月期決算発表が始まります。これら企業の決算では実績に加え、今後の会社見通しなどを通じ、企業業績の動向を確認していきたいと考えます。  

(野村證券投資情報部 村山 誠)

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