2022年に大きく値を下げた米国のハイテク企業の株価が、足元は堅調に推移しています。下の図では、アップルやマイクロソフトを含むS&P500情報技術株指数、アルファベットやメタ・プラットフォームズを含むS&P500コミュニケーション株指数、そして米国を代表する株価指数であるS&P500株価指数の2023年の動向を、年初を100とした指数で示しています。

FRB(米連邦準備理事会)による利上げが米国経済に悪影響を及ぼすことが懸念され、S&P500株価指数は上昇のペースが鈍い一方で、S&P500情報技術株指数とS&P500コミュニケーション株指数は、S&P500株価指数を大きく上回る勢いで推移しており、現在は年初からの最高値付近にあります。この堅調な動きは今後も続くのでしょうか?その鍵となるのは、今後の業績動向です。

下の図は、S&P500株価指数の主要セクターやGAFAM(アルファベット、アップル、メタ・プラットフォームズ、アマゾン・ドットコム、マイクロソフトの5社)の利益増減の推移を示しています。GAFAMは2022年の第4四半期に底打ちを迎え、2023年の第2四半期には増益に転じると見込まれています。情報技術セクターについては、2023年の第2四半期に底打ちを迎え、同年の第4四半期には増益に転じると予想されており、業績の拡大基調が明確になっています。

今後、米国経済の成長が鈍化すると予想される中、情報技術企業は、人工知能やメタバースなどの新たな技術を商用化し、その収益を増大させる可能性があります。新技術の開発(イノベーション)が今後、米国ハイテク株を後押しする可能性があるため、その動きに注目が集まっています。

(野村證券投資情報部 東 英憲、磯崎 博志)

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