来週の注目点:3万円台回復の日経平均、外需関連の経済指標に注目

日経平均が3万円の大台を回復しましたが、今後の見方は分かれます。実現しそうな高い賃上げ率を背景に内需が景気を下支えし、日本株の更なる押し上げにつながるとの期待がある一方、世界経済の減速が日本にも及んで息切れするのではないか、との見方もあります。日本では、22日(月)に3月機械受注と4-6月期見通し、23日(火)に5月auじぶん銀行PMI速報値が発表されます。自動車や金属関連を中心とした設備投資需要の継続が期待できる一方、欧米の金融不安や世界経済の先行きに対する懸念がどの程度影響するのか、注目が集まります。

米国では、FRB(米連邦準備理事会)による金融引き締めスタンスの継続、金融不安や連邦債務の法定上限引き上げを巡る不透明感が消費者心理を悪化させています。米国景気は底堅さを維持していますが、景気を下支えしてきた消費に下振れ懸念が強まっています。米国では23日(火)に5月S&PグローバルPMI速報値、4月新築住宅販売件数、24日(水)に5月FOMC議事録、26日(金)に4月耐久財受注、4月個人消費支出・所得統計の発表が予定されています。米国景気の持続性を占う上で、景況感の悪化や消費の減速が見られるか注目が集まります。FOMC議事録では銀行破綻に対する評価が焦点です。

ユーロ圏では、23日(火)にユーロ圏及びドイツの5月HCOB・PMI速報値、24日(水)にドイツの5月Ifo企業景況感指数が発表されます。ECB(欧州中央銀行)の利上げ継続懸念や金融不安が景況感を下押しする可能性には注意が必要です。

トルコでは、28日(日)に大統領選の決選投票が実施されます。5月14日の投票で得票率が上回ったエルドアン現大統領が優勢と見られ、同候補が勝利した場合には、中銀への利下げ要求が継続し、リラへの下押し圧力が強まることが予想されます。

(野村證券投資情報部 坪川 一浩)

(注)イベントは全てを網羅しているわけではない。◆は政治・政策関連、□は経済指標、●はその他イベント(カッコ内は日本時間)。休場・短縮取引は主要な取引所のみ掲載。各種イベントおよび経済指標の市場予想(ブルームバーグ集計に基づく中央値)は2023年5月19日時点の情報に基づくものであり、今後変更される可能性もあるためご留意ください。
(出所)各種資料・報道、ブルームバーグ等より野村證券投資情報部作成

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