2011、13年の債務上限問題発生時のセクター別の反応
日経平均株価は5月11日以降、8日連続で上昇し、31,000円台を突破しました。しかし、日本株に完全にリスクがないわけではありません。米国の債務上限問題には警戒が必要です。民主党と共和党からは楽観的なコメントが出ていますが、具体的な交渉の進展は見られません。
過去の債務上限問題発生時、特に2011年(7月8日~29日)と2013年(9月26日~10月7日)では日本株に影響を与えました。TOPIXのリターンはそれぞれ-3.8%、-6.0%となりました。TOPIX17業種の2局面(2011年、2013年)平均の騰落率ランキングを見ると、金融を除く銀行、機械、輸送機械、不動産といった業種が下落の上位となりました。一方、食品、運輸・物流、医薬品、小売、情報・サービスその他といったディフェンシブな業種は比較的耐性を示しました。
今年発生したシリコンバレー銀行ショック(3月9日~20日)でも、似た傾向が見られました。同期間のTOPIXは-6.9%となり、業種別の騰落率ランキングでは銀行、金融を除く銀行、鉄鋼・非鉄、輸送機械、商社・卸売が下位に位置し、医薬品、食品、電機・精密、電力・ガス、素材・化学が上位になりました。
これらの局面における海外投資家の先物取引を見ると、2011年と2013年は比較的小規模な売り越しや買い越しに留まっていましたが、今年は5月12日までの週で3.10兆円という大規模な買い越しが行われています。これは一定の調整リスクが存在することを示唆しています。
野村證券では、セクター選択においてディフェンシブ性を重視すべきとし、特に食品、医療機器、インバウンド関連業種を推奨しています。
(FINTOS!編集部)
要約編集元アナリストレポート「Quick Note – 日本株朝メモ(2023年5月22日) – 2011, 13年の債務上限問題とセクター別株価(5月22日配信)」(プレミアムプラン限定)
要約編集元アナリストレポート「日本株ストラテジー – 注目点とトピック(2023年5月18日)(5月18日配信)」(プレミアムプラン限定)