中国との関連度が高い銘柄は調整圧力に見舞われる可能性

中国関連の銘柄には、いくつかの経済指標から要注意のシグナルが出ています。中国の製造業PMI(購買担当者景気指数)は3ヶ月連続で低下し、調査対象に民営企業が多い長江商学院の設備投資意欲指数も4ヶ月ぶりに下がっています。また、日本の鉱工業生産指数の生産用機械は3ヶ月ぶりに前月比で下落し、中国景気に敏感なホットコイル(熱延広幅帯鋼)の市況も軟化しています。

これらの動向が日本の株式市場に与える影響は3つ考えられます。第一に、中国の景気が日本の全体的な企業業績に与える影響は必ずしも大きくないと言えます。実際、海外事業活動基本調査(経済産業省)から計算すると、日本企業の中国売上高比率は8.6%にとどまっています。第二に、コモディティー市場の軟化が海運、鉄鋼、商社など市況敏感な業種の株価にマイナスの影響を与える可能性があります。第三に、中国との関連度が高い銘柄は調整圧力に見舞われる可能性があります。

当面のイベントでは、FOMC(米連邦公開市場委員会)と日銀の政策決定会合も無視できません。パウエル議長と植田総裁は政策決定において「データ次第」と強調することが予想されます。この場合、タカ派(金融引き締めに積極的)政策への警戒が沈静化し、グロース株に対する下支え効果となると見ています。

短期の調整リスクがある24銘柄

これらの状況を踏まえて、「短期調整候補」の銘柄として、中国関連の銘柄に焦点を当てたスクリーニングを試みました。具体的には、中国の影響力が大きく、足元の株価調整が少なく、アナリストが楽観的な見通しを持っていない銘柄を抽出しています。また、銘柄リストでは、PBR(株価純資産倍率)が低い(バリュー特性の強い)銘柄を上位に掲載しています。ただし、この分析は短期の調整リスクに焦点を当てたもので、中長期的な投資戦略とは一致しない場合があります。

要約編集元アナリストレポート「日本株ストラテジー – 中国景気下振れと「短期調整候補」銘柄(5月31日配信)」(プレミアムプラン限定)では、中国との関連度が高い銘柄のうち、中国景気の弱さが織り込み切れていない「短期調整候補」の24銘柄を紹介しています。

(FINTOS!編集部)

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