来週の注目点:米国のインフレ関連指標に注目

前週の米国では、グールズビー・シカゴ連銀総裁やボスティック・アトランタ連銀総裁から景気失速回避を示唆する発言があり、米景気軟着陸との期待が維持されました。今週も地区連銀総裁らの講演が相次ぎ、米国景気についてどのような見通しが示されるか注目です。

また、10日(木)に8月石油輸出国機構(OPEC)月報、11日(金)に8月国際エネルギー機関(IEA)月報が発表されます。米国の景気悪化回避期待や、中国の景気対策期待、UAE(アラブ首長国連邦)が原油減産に積極的な姿勢を示していることなどから、原油価格が上昇しています。世界の石油需要見通しが上方修正されるか注目です。  

米国では、10日(木)に7月消費者物価指数、11日(金)に8月ミシガン大学消費者マインド(速報値)が発表されます。7月FOMCでパウエルFRB(米連邦準備理事会)議長はデータ次第との姿勢を示しており、9月FOMC(米連邦公開市場委員会)で追加利上げとなるかを占う上で重要な経済指標となります。

日本では、8日(火)に7月景気ウォッチャー調査が発表されます。賃上げに伴う個人消費の拡大や堅調な4-6月期の決算動向などを背景に、前月までの先行き判断DIの悪化に歯止めがかかるか注目です。

中国では、8日(火)に7月貿易統計が発表されます。世界的な財需要の落ち込みや、景気低迷から輸出入の伸びがさらに悪化するリスクには注意が必要です。  

新興国では、10日(木)にインドとメキシコで金融政策会合が開かれます。前者は足元のインフレ率の上昇や、堅調な景気動向から金利据え置きが見込まれます。後者は前回会合の声明文で利下げの可能性は示唆されなかったことから、金利据え置きが予想されますが、インフレ減速が続いていることから今回利下げが示唆されるか注目です。

(野村證券投資情報部 岩崎 晴弥)

(注)イベントは全てを網羅しているわけではない。◆は政治・政策関連、□は経済指標、●はその他イベント(カッコ内は日本時間)。休場・短縮取引は主要な取引所のみ掲載。各種イベントおよび経済指標の市場予想(ブルームバーグ集計に基づく中央値)は2023年8月4日時点の情報に基づくものであり、今後変更される可能性もあるためご留意ください。
(出所)各種資料・報道、ブルームバーグ等より野村證券投資情報部作成

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