主要アセット週間騰落ランキング【2021年5月7日~5月13日】

 

 前週の世界株式市場は、米国の消費者物価の急上昇を受け、インフレ加速→FRBの量的緩和政策の早期縮小への警戒などから全体的に軟調な相場展開となりました。NASDAQ総合指数の大幅下落を受け、台湾株と日本株の下げが特に目立ちました。

 業種別に見ると、グローバルでは、金利上昇への懸念から、情報技術、一般消費財(ネット関連を含む)、通信サービスが大きく値を下げました。日本でも同様に、ほぼ全面安の展開の中で、電機・精密、機械、通信サービスの下げが目立ったほか、内需関連にも売りが広がりました。

注)業種別株価は、グローバルがS&PGlobal1200指数(GICS11業種)ベース、日本がTOPIX17業種ベース。業種表記は一部略称。直近値は2021年5月13日(インド、トルコ、フィリピンは5月12日、インドネシアは5月11日)。
(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成

(山内 正一郎))

日本:中国や主要各国の経済指標に注目

前週の振り返り

 インフレ加速からFRBによる金融緩和策が早期に正常化に向かうとの懸念が高まり、日経平均株価は今年2月以来となる27000円台まで大幅下落しました。

今週の展望

 各国の経済指標が注目されます。中国で17日に4月の主要経済統計が発表されます。中国は昨年4月に都市封鎖を解除し、経済活動が再開していたため、一部の指標で前年同月比で伸び率の減速の可能性には注意が必要ですが、力強い回復が維持されれば、日本企業の業績拡大への期待が高まります。

 加えて、18日の日本の2021年1-3月期GDP(1次速報値)や21日の主要各国の5月製造業PMIも注目されます。

(今村 允)

米国:目先不安定も堅調な企業業績には注目

前週の振り返り

 インフレ加速と金融緩和早期縮小への懸念で、週半ばにかけ、軟調に推移しました。

今週の展望

 経済指標は、地区連銀の製造業景気指数や住宅関連統計などが、複数発表予定です。

 前週は、予想を上回る4月消費者物価上昇率が株式市場を揺るがせました。市場参加者は、いずれ行われる量的緩和策の縮小について、どの段階でFRBから示唆が行われるか注視しており、経済統計やFRB高官発言などに大きく反応していると推察されます。

 目先は不安定な状態が続くとみられますが、企業業績が堅調なことには注目しつつ、投資判断をしていきたいと考えます。

(村山 誠)

新興国:米国金利と資源価格の綱引きの中、南アの金融政策に注目

前週の振り返り

 インフレ懸念の高まりから米国の量的緩和縮小前倒し観測が浮上し、世界的に株価が下落していますが、新興国通貨はトルコリラ、ブラジルレアルを除くと底堅く推移しました。

今週の展望

 米国長期金利や資源価格の動きをうかがう展開が見込まれます。経済指標では、17日にロシア1ー3月期実質GDP、19日に南アフリカの4月消費者物価、3月小売売上が発表されます。

 南アフリカでは資源価格上昇、新型コロナ感染の最悪期脱出から企業景況感が持ち直し、生産活動が回復しています。13日の金融政策会合は市場コンセンサスによれば、政策金利据え置きが予想されています。

(服部 哲郎))

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