
1-3月期は大幅増益
5月7日までに、S&P 500 指数構成企業のうち439社が、2021年1-3月期決算を発表しました。調査会社リフィニティブによる集計では、同期のEPS(一株当たり利益)は前年同期比+44.9%の48.02ドルと、大幅な増益見込みとなっています。
新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、2020年1-3月期以降、米国企業は減益局面が続き、2020年10-12月期に若干ながらも増益に転じていましたが、 2021年1-3月期は回復が鮮明となっています。

なお、2021年1-3月期は、売上高、純利益とも、決算実績が事前のアナリスト予想を上回る企業の比率(ポジティブサプライズ比率)が、直近4四半期や過去の長期平均を大きく上回っています。

業績予想は上方修正
ポジティブサプライズが続いたことから、リビジョンインデックスは、再び大幅に上方修正優位となっています。2020年10-12月期決算の発表が一巡した本年3月中旬頃には一時、リビジョンインデックスは1近辺まで低下していました。 また、ポジティブサプライズが多数を占めた結果、年度EPSの予想も上方修正されています。

今後のチェックポイント
なお、5月7日時点の四半期EPSの予想では、2021年4-6月期は44.00ドルと、1-3月期の48.02ドルと比べ、利益が減少する予想となっています。しかし、2014年以降の四半期毎のEPSの推移をみると、1-3月期よりも4-6月期の利益水準が下回ったのは、新型コロナウイルスの感染拡大の直撃を受けた2020年のみです。

なお、4月9日時点の予想では、2021年4-6月期は42.24ドルと、1-3月期の40.11ドルと比べEPSは増加する、過去のパターンに沿った予想となっていました。
足元の景気回復・拡大局面において、上記のような予想となっている要因としては、2021年1-3月期については、決算実績が反映されてEPSが引き上げられているものの、4-6月期以降については、アナリスト達の予想の見直しが追い付いていない可能性が考えられます。今後、業績予想がどのように修正されていくか、確認していきたいと考えます。
(村山 誠)