来週の注目点:米国の経済指標と中国の景況感に注目

米国ではジャクソンホール会議が26日に閉幕し、次なる焦点は9月FOMC(米連邦公開市場委員会)です。追加利上げの有無や利下げ転換の時期を占う上で経済指標に改めて注目が集まります。29日(火)に8月コンファレンスボード消費者信頼感指数、30日(水)に8月ADP全米雇用レポート、31日(木)に7月個人消費支出・所得統計、8月シカゴ購買部協会PMI、9月1日(金)に8月雇用統計、8月ISM製造業景気指数と重要統計の発表が続きます。

ユーロ圏では、31日(木)に8月消費者物価指数(HICP)が発表されます。緩やかながらもユーロ圏のインフレは鈍化しつつありますが、ECB(欧州中央銀行)が注目しているコア指数でもインフレの減速基調が明確になるのか、注目を集めます。

中国景気に対する市場の懸念が強まる中、中国では31日(木)に8月政府版PMI、9月1日(金)に8月財新版・製造業PMIが発表されます。不動産市況の悪化や世界的な財需要の落ち込みが景況感を下押しすると見られます。中国政府は経済の現状に懸念を示しながらも、現段階の政策対応は小幅な利下げなどに留まっています。8月の景況感が悪化した場合には、より踏み込んだ政策対応への期待が高まると考えられます。

中国や欧州を中心に海外景気が下振れる中でも、日本経済は底堅く推移しています。日本では31日(木)に7月鉱工業生産が発表されます。同指数は前月比 -2.9%と伸び率がマイナスに転じると野村證券では予想しています(ブルームバーグの市場予想平均は同-1.0%)。製造業の景況感は幾分悪化していますが、堅調な輸出と在庫調整の進展により生産の回復基調は維持されると見ています。

(野村證券投資情報部 坪川 一浩)

(注)イベントは全てを網羅しているわけではない。◆は政治・政策関連、□は経済指標、●はその他イベント(カッコ内は日本時間)。休場・短縮取引は主要な取引所のみ掲載。各種イベントおよび経済指標の市場予想(ブルームバーグ集計に基づく中央値)は2023年8月25日時点の情報に基づくものであり、今後変更される可能性もあるためご留意ください。
(出所)各種資料・報道、ブルームバーグ等より野村證券投資情報部作成

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