海外市場の振り返り

19日の米国株式市場は、主要3指数が揃って反落しました。カナダのCPI(消費者物価指数)が市場予想を上回ったことや、堅調な米住宅指標、米中古車価格の上昇などを受け米長期金利が上昇したことが理由と推察されます。

米国の経済指標では、8月住宅着工件数は市場予想を下回ったものの、先行指標である建設許可件数のうち建設業の基調を示す最も安定した指標である一戸建て許可件数は堅調でした。

また、民間調査による米国卸売中古車価格は、8月の前月比0.2%上昇に続き、9月前半は同1.5%上昇しました。UAW(全米自動車労働組合)によるストライキの影響で新車の供給減少を一部織り込んだと推察されます。中古車価格は、CPIの主要な構成要素の一つで、高インフレの長期化の観点から注目されます。

相場の注目点

米国の金利動向が注目点です。米国では昨日から開催中のFOMC(連邦公開市場委員会)の結果が日本時間今夜発表されます。野村は、FRB(連邦準備制度理事会)が今回の会合では政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を5.25~5.50%に据え置くと予想しています。また、FOMC参加者のFF金利予想(ドットチャート)の中央値は、2023年末は年内にさらに1回の利上げが行われた場合の水準である5.625%に据え置かれる一方、2024年末と2025年末の政策金利予想については、FRBの「より高い水準により長く維持する」方針を反映して、前回よりも引き上げられ、より緩やかなペースで利下げが進められるとの見通しが示されると、野村は予想しています。

(投資情報部 竹綱 宏行)

(注)データは日本時間2023年9月20日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。

※画像はイメージです。

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