来週の注目点:インフレ圧力は長期化するか、経済指標に注目

前週のFOMC(米連邦公開市場委員会)は、2会合ぶりに政策金利を据え置きました。しかし、年内の追加利上げや金融引き締めの長期化が意識される内容だったことから、米長期金利が上昇し、株式相場を下押ししました。パウエルFRB(米連邦準備理事会)議長は追加利上げはデータ次第とする姿勢を維持しており、今後の経済指標に改めて注目が集まります。米国では、26日(火)に9月コンファレンスボード消費者信頼感指数、8月新築住宅販売件数、27日(水)に8月耐久財受注、29日(金)に8月個人消費支出・所得統計、9月シカゴ購買部協会PMIが発表されます。

日本では29日(金)に9月東京都区部消費者物価指数が発表されます。10月の日銀金融政策決定会合に向けてインフレ圧力が継続し、金融政策の正常化期待が高まるか注目が集まります。また、同日の8月鉱工業生産(速報)では、自動車生産の回復が下支え要因となる一方、中国経済の下振れが生産を下押しする可能性があります。

ユーロ圏では、25日(月)にドイツで9月Ifo企業景況感指数、29日(金)にユーロ圏の9月消費者物価指数(HICP)が発表されます。エネルギー価格の高止まりや世界的な財需要の落ち込みが、製造業の景況感を下押しすると見込まれます。他方、ユーロ圏のインフレ率は鈍化が見込まれますが、足元のエネルギー価格上昇の影響には注意が必要です。  

中国では、29日(金)に9月財新版・製造業PMI及びサービス業PMIが発表されます。低調な不動産市況や世界的な財需要の落ち込みが景況感を下押しする一方、8月以降に実施されている経済対策の効果がどの程度現れるのか注目です。

(野村證券投資情報部 坪川 一浩)

(注)イベントは全てを網羅しているわけではない。◆は政治・政策関連、□は経済指標、●はその他イベント(カッコ内は日本時間)。休場・短縮取引は主要な取引所のみ掲載。各種イベントおよび経済指標の市場予想(ブルームバーグ集計に基づく中央値)は2023年9月22日時点の情報に基づくものであり、今後変更される可能性もあるためご留意ください。
(出所)各種資料・報道、ブルームバーグ等より野村證券投資情報部作成

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