
米国:2023年7-9月期決算プレビュー
7-9月期は前年同期比-0.2%予想
10月中旬から、S&P 500 指数構成企業の2023年7-9月期決算の発表が本格化します。
2023年9月29日時点の調査会社リフィニティブ集計による市場予想平均では、同期の四半期EPS(1株当たり利益)は、前年同期比-0.2%と予想されています。
2022年10-12月期から3四半期連続で前年同期比減益となっていましたが、2023年7-9月期には前年同期比ほぼ横ばいになる見込みです。
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前回の2023年4-6月期決算では、決算実績が事前のアナリスト予想平均を上回るポジティブサプライズの比率が純利益では78.8%となっていました。同様の傾向が続けば、 2023年7-9月期には、前年同期比増益に転じる可能性も考えられます。

アナリスト達は慎重に見直している模様
リビジョンインデックスの動向をみると、2023年9月29日時点では、FY1(予想1期目)は1.15、FY2は0.89となっています。
直近3週間ほど、FY2は1を下回っていますが、決算発表直前にアナリスト達は業績予想を慎重に見直す傾向があるため、足下でも同様の傾向となっていると推察されます。

決算発表時の注目点
年度ベースでのEPSについてみると、2023年は前年比+1.3%と微増益が予想されています。しかし、2024年は同+12.1%、2025年は同+11.9%と、増益基調となると予想されています。
米国企業が、独自の技術力やビジネスモデルで中長期的に業容を拡大していくことが、業績予想に織り込まれていると推察されます。
今後、2023年7-9月期決算の発表が本格化した際には、決算実績や2023年10-12月期の会社業績見通しなどから、四半期業績が前年同期比増益に転じるかを、まずは確認したいと考えます。
そして、通期会社業績見通しや経営陣のコメントなどを通じ、2024年以降、史上最高益を更新していくというアナリスト予想平均の確からしさを見極めるヒントが得られないか、チェックしていきたいと考えます。

(野村證券投資情報部 村山 誠)