中間配当の権利取りや急落銘柄の押し目狙いとみられる買いが目立つ

一般的に、9月は3月期決算企業の中間配当の権利取りを狙った買いが発生します。そのため、配当利回りが高いとされる銘柄が複数ランクインしています。例として、前月の11位から4位に順位を上げたソフトバンク(9434)は、高配当株として有名です。また、前月と同じく7位だった三菱HCキャピタル(8593)は、連続増配株として知られています。

直近、原油価格が乱高下しています。前月の13位から6位に上昇した石油元売りのENEOSホールディングス(5020)の業績は、原油価格の影響を強く受けるため、株価も連動して大きく変動しています。

本田技研工業(7267)は、前月はランキング圏外でしたが、10位に急上昇しました。ホンダは、2023年10月1日付で1株を3株に分割しています。株式分割は、個人投資家からの新規資金流入への期待を高め、多くの場合ポジティブに評価されますが、権利落ち日が材料出尽くしのタイミングとなりやすい点には、注意が必要です。

鉄鋼セクターの2社が前月から順位を上げています。日本製鉄(5401)が9位(前月:28位)、神戸製鋼所(5406)が12位(前月23位)にランクインしました。鉄鋼セクターは、9月末から10月初めにかけての日本株の調整局面で下落率が相対的に高くなりました。年初来のパフォーマンスが非常に良好だったことから、利益確定売りが先行した可能性があります。

IHI(7013)が、前月のランキング圏外から15位にランクインしました。米航空防衛大手RTXは9月中旬に、傘下のプラット・アンド・ホイットニー(P&W)が製造した航空エンジン「PW1100G」の不具合に関して、補償金などを含め、今後数年で30億~35億ドルの費用負担が発生すると発表しました。この発表を受けて、共同開発に参画した重工大手3社の株価は大きく下落しました。「PW1100G」の開発参加比率は、IHIが15%と3社中で最も高く、株式市場の注目を集めました。

(FINTOS!編集部)

(注1)画像はイメージ。
(注2)各種データは2023年10月10日時点。

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