バリュー株の圧勝は転換か

直近の市場環境では、日米の株式市場が共に回復傾向にあります。マクロ要因(景気や金利)としては、10月9日以降、FOMC(米連邦公開市場委員会)の参加者から「最近の米金利上昇による金融引き締め効果により、追加利上げの必要性が低下している」という、ハト派的(金融引き締めに慎重)なコミュニケーションが相次いでいる影響が大きいと考えられます。

バリュー株とグロース株の相対評価については、以下の3点に分けて整理しています。

(1) 米金利上昇がピークアウトすることを前提とすると、総じてグロース株の追い風となります。

(2) これまで相場を牽引してきた「自動車」及び「銀行」セクターは、円安と円金利上昇による株価押し上げ効果が弱まっています。

(3) 輸出株及びグロース株を代表するセクターである「半導体製造装置」と「FA関連」は、中国企業の設備投資環境が最悪期を脱していますが、その確信度はまだ高いとは言えません。

総じて、現状は「グロース株×内需株」の好環境であると考えています。

推奨セクターとしては、値上げ効果が表れている「システム・アプリケーション」、日本銀行が発表した9月の全国企業短期経済観測調査(短観)で「先行き」の業況判断指数(DI)が上振れした「食品」、およびインフレ期待の高まりが追い風となっている「不動産」を継続します。また、「インバウンド関連」も引き続き推奨しますが、好材料がやや不足しており、米金利が低下に転じた場合に円安による恩恵が薄れる可能性がある点には注意が必要です。

「半導体製造装置」と「FA関連」の相対評価については、米金利低下を重視する場合は前者を、中国景気の好転を重視する場合は後者と整理しており、現状では前者が有利だと見ています。

(FINTOS!編集部)

要約編集元アナリストレポート「日本株ストラテジー – 注目点とトピック(2023年10月13日配信)」(プレミアムプラン限定)

(注)画像はイメージ。

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