来週の注目点:主要国のサービス業PMI、米国のインフレ指標に注目

10月31日-11月1日に開催されるFOMC(米連邦公開市場委員会)を控えて、FRB(米連邦準備理事会)は今週から公式に金融政策に関する発言を自粛するブラックアウト期間に入ります。このため市場の関心は、緊迫化する中東情勢に加えて、本格化している米国の2023年7-9月期決算発表に向かうと見られます。

経済指標では、24日(火)に主要国で10月のPMI速報値が発表されます。これまでは世界的に製造業の低迷とサービス業の好調が併存してきましたが、欧州主要各国のサービス業指数は軒並み景気判断の分岐点である50ポイントを割り込んでいます。米国でもサービス業指数が50ポイントを割り込むような事態になれば、政策金利見通しの下方修正、長期金利の低下につながり、米国株にとってはむしろ押し上げ要因となる展開が予想されます。  

米国では、26日(木)の7-9月期実質GDP(速報値)、27日(金)の9月個人消費支出・所得統計が注目されます。9月小売売上が、8月分の上方修正も含めて予想以上に強い結果であったことから、実質GDP、個人消費支出ともに強めの結果になる可能性が高まっています。一方、コアPCE(個人消費支出)デフレーターが前月比+0.2%程度の穏当な上昇にとどまれば、市場の安心感につながりそうです。

26日(木)には、ECB(欧州中央銀行)の金融政策理事会が開催されます。直近のECB高官の発言を確認する限り、今会合では金融政策の据え置きが予想されます。コロナ禍で拡充された量的緩和策の一つであるPEPP(パンデミック緊急資産購入プログラム)で購入した債券の償還再投資方針変更に向けた議論が開始されるか否かが注目点です。 

(野村證券投資情報部 尾畑 秀一)

(注)イベントは全てを網羅しているわけではない。◆は政治・政策関連、□は経済指標、●はその他イベント(カッコ内は日本時間)。休場・短縮取引は主要な取引所のみ掲載。各種イベントおよび経済指標の市場予想(ブルームバーグ集計に基づく中央値)は2023年10月20日時点の情報に基づくものであり、今後変更される可能性もあるためご留意ください。
(出所)各種資料・報道、ブルームバーグ等より野村證券投資情報部作成

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