企業決算は米国不調、日本好調

前週は、日米ともに金融政策決定会合が行われた中で株価が回復しました。米国では、景気指標の下振れや、FOMC(連邦公開市場委員会)のハト派(金融引き締めに消極的)姿勢などの材料が重なり、10年債利回りは4.7%まで低下しました。一方、日本銀行はYCC(イールドカーブ・コントロール、長短金利操作)の再柔軟化を決定しました。YCCの枠組みは維持されており、デフレからの脱却を優先する姿勢が明確化されています。

2023年7-9月期の企業決算は、日米で対照的な結果となっています。米国では、EPS(1株当たり利益)実績がコンセンサス予想を上回る割合が、前四半期に比べて低下しています。一方、日本企業は現時点では好決算が目立っています。特徴として、「機械・自動車」の業績が円安効果で上振れていることや、内需業種で値上げ効果が顕在化していること、「エレクトロニクス」の営業利益が低調であることなどが挙げられます。

日本企業決算の今後の注目点としては、各企業で値上げなどにより持続的な利益率の改善効果が表れているか、また、トヨタ自動車(7203)の好決算が他の完成車メーカーや部品メーカーにも共通するかどうかが挙げられます。

今年の4月から5月にかけて見られた、日銀会合と企業決算後に日本株の強さが目立つというパターンは、10月から11月にも当てはまると見ています。推奨セクターとしては、デフレからの脱却による恩恵を受けやすいシステム・アプリケーション、不動産、食品を継続します。なお、これまで推奨セクターとしていたインバウンド関連は、中東情勢不安の長期化や中国の消費者センチメントが悪化していることを理由に、中立へと引き下げました。

(FINTOS!編集部)

要約編集元アナリストレポート「日本株ストラテジー – 注目点とトピック(2023年11月2日配信)」(プレミアムプラン限定)

(注)画像はイメージ。

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