海外市場の振り返り

11月14日の米国株式市場は、主要3指数が揃って上昇しました。10月消費者物価指数(CPI)は、総合指数が前年同月比+3.2%と市場予想の同+3.3%を下回るとともに前月の同+3.7%から低下しました。また、変動の大きい食品とエネルギーを除くコア指数も同+4.0%と市場予想の同+4.1%や前月の同+4.1%を下回りました。インフレの減速が確認されたことでFRB(連邦準備理事会)による利下げ開始時期が早まることを市場は織り込み、長期金利が4.44%へ低下しました。米国株式市場では、金利に敏感なテクノロジー株や再生可能エネルギーなどの設備投資関連などが堅調で、ナスダック総合の上昇が目立ちました。為替も米金利低下を受け、1ドル=150円台前半まで1円超の円高が進みました。

相場の注目点

15日には米中首脳会談が、APEC(アジア太平洋経済協力)首脳会議に合わせて開催されます。米中の貿易面での対立が鮮明になっていることから、米国市場への影響の点から注目されます。

また、中国の10月小売売上高、鉱工業生産などの主要月次経済統計が発表されます。中国経済は、不動産など構造要因を抱える中で製造業の循環的な回復や、政府による消費喚起策やインフラ投資などの効果がどの程度現れるか注目です。

16日に予定されている地区連銀総裁の講演にも注目が集まります。単一のデータによる基本方針の転換を示唆することはないと思われますが、10月CPIを受けたトーンの変化が注目されます。

(投資情報部 竹綱 宏行)

(注)データは日本時間2023年11月15日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。

※画像はイメージです。

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