(注)画像はイメージです。

海外市場の振り返り

14日の米国株式市場で主要3指数は揃って反発し、ナスダック総合は2営業日ぶりに史上最高値を更新しました。15日公表の6月消費者物価指数(CPI)や、大手金融機関の決算発表を前に様子見ムードが強い中、取引序盤は先週終値近辺での値動きとなりましたが、その後、トランプ大統領が各国・地域との通商協議に対して「協議にはオープン」と、交渉に応じる姿勢を示したことが株価の支援材料となりました。

相場の注目点

トランプ政権の関税政策を巡っては、引き続き各国・地域との通商協議の行方が注目されます。トランプ大統領は7月より通商交渉中の各国・地域に対して新たな関税率の公表を進めていますが、4月2日時点で公表していた税率からは据え置きもしくは引き下げられた国が多く、今後の交渉次第では最終的に税率が引き下げられるとの楽観的な見方が広がっています。もっとも、基本税率である10%は維持される可能性が高いとみられ、7月公表の水準と10%の間で着地点を探る交渉になることが予想されます。8月1日の期限に向けて交渉に進展があるか引き続き注目されます。

日本では今週末に参議院選挙の投開票が予定されていますが、足元では自公過半数割れが警戒されるなど、与党の苦戦度合いが強まっているようです。政局の不安定化や財政拡大懸念などを背景に日銀に対する利上げ期待は高まりにくいうえ、米国との通商交渉の停滞もあり、為替市場ではじりじりと円安が進んでいます。今週は参院選投開票日を直前に通商交渉の中心人物2名(ベッセント財務長官とラトニック商務長官)が来日を予定しています。交渉の行き詰まりが露呈した場合は円や日本株の重石になるとみられる一方、交渉進展の兆しが見えた場合は追い風になると考えられ注目されます。

(野村證券 投資情報部 引網 喬子)

(注)データは日本時間2025年7月15日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。

ご投資にあたっての注意点