来週の注目点:米国11月FOMC議事要旨、年末商戦の行方

米国の11月FOMC(米連邦公開市場委員会)では、今回の利上げ局面では初めて2会合連続で政策金利が据え置かれ、市場の追加利上げ観測は大幅に後退しました。続いて発表された10月のコアCPI(消費者物価除く食品・エネルギー)が市場予想を下回ったことから、追加利上げ期待はほぼ消滅、長期金利の低下を好感して株価が反発しました。

米国では今週末に感謝祭休暇を控え、年末ムードが一気に高まると同時に年末商戦が本格化します。市場ではコロナ禍で積み上がった過剰貯蓄の取り崩しから消費減速観測が高まっていることから、今週末からクリスマス休暇にかけて各社から公表される年末商戦絡みのリアルタイム情報が注目を集めると予想されます。

米国の金融政策面では、21日(火)発表の11月FOMC議事録が注目されます。長期金利上昇による利上げ代替効果が真剣に議論されていた場合、足元の長期金利低下がむしろ追加利上げ、あるいは政策金利高止まり観測を再燃させる可能性があります。

ユーロ圏でも23日(木)に10月ECB金融政策理事会の議事録が発表されます。米国ほどサプライズの可能性は高くないものの、追加利上げの是非を巡る議論が注目されます。

経済指標では欧州では23日(木)、日本と米国では24日(金)に11月のPMI速報が発表されます。ここにきてユーロ圏や日本だけではなく、米国でも事前の想定を下振れ、景気減速を示唆する指標が増えています。特に米国のサービス指数が景気判断の分岐点である50ポイントを割り込むようなことがあれば、市場の米国景気減速、早期利下げ観測が一段と強まることが予想されます。

(野村證券投資情報部 尾畑 秀一)

(注)イベントは全てを網羅しているわけではない。◆は政治・政策関連、□は経済指標、●はその他イベント(カッコ内は日本時間)。休場・短縮取引は主要な取引所のみ掲載。各種イベントおよび経済指標の市場予想(ブルームバーグ集計に基づく中央値)は2023年11月17日時点の情報に基づくものであり、今後変更される可能性もあるためご留意ください。
(出所)各種資料・報道、ブルームバーグ等より野村證券投資情報部作成

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