来週の注目点:米雇用統計に対する市場の反応に注目

FRB(米連邦準備理事会)は12月12-13日にFOMC(米連邦公開市場委員会)を控えて、12月2日からブラックアウト期間(金融政策に対する公的な発言を自粛する期間)に入ります。ただし、今週は重要統計の発表が予定されているため、金融政策を巡る手掛かり難から膠着相場となる可能性は低いと思われます。

米国では5日(火)に11月ISMサービス業景気指数、6日(水)にADP全米雇用レポート、7日(木)に新規失業保険申請件数と続き、8日(金)には11月の雇用統計が発表されます。米金融市場では、11月FOMC以降、米国景気の軟着陸と長期金利の低下のいいとこ取りを織り込むような相場展開が続いています。このため、雇用統計が市場予想に対して上下どちらの方向に振れた場合でも、市場の反応が注目されます。

日本では8日(金)に10月の全世帯家計調査、毎月勤労統計が発表されます。日本の回復持続力を推し量る上では民間消費がポイントとなるため、家計の所得・消費状況を確認する上で注目度の高い統計です。

ユーロ圏では6日(水)発表のドイツの10月製造業受注が注目されます。国内並びにユーロ圏内外からの財別の受注動向が確認できる情報量の多い統計です。

中国では5日(火)に11月財新版サービス業PMIが発表されます。サービス業の息切れ感が強まる結果になれば、中国経済に対する弱気見通しが強まりそうです。

また、5日(火)には豪州で金融政策会合が開催されます。市場では11月をもって豪州の利上げは打ち止めとの見方が高まっていることから、追加利上げの可能性が示唆されれば豪ドル高につながる可能性があります。

(野村證券投資情報部 尾畑 秀一)

(注)イベントは全てを網羅しているわけではない。◆は政治・政策関連、□は経済指標、●はその他イベント(カッコ内は日本時間)。休場・短縮取引は主要な取引所のみ掲載。各種イベントおよび経済指標の市場予想(ブルームバーグ集計に基づく中央値)は2023年12月1日時点の情報に基づくものであり、今後変更される可能性もあるためご留意ください。
(出所)各種資料・報道、ブルームバーグ等より野村證券投資情報部作成

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